- Amazon.co.jp ・本 (323ページ)
- / ISBN・EAN: 9784798124711
感想・レビュー・書評
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「イノベーションのジレンマ」で著名なクリステンセン教授の最新作。「ジレンマ」は、多くの企業が成熟とともに「持続的イノベーション」を追求する中、安物の代替品と思われた製品がいつのまにか市場を席巻してしまう「破壊的イノベーション」のメカニズムを明らかにし、それに続く「イノベーションへの解」は破壊的イノベーションの実践書だった。
本書も実践書であるが、「解」が「戦略論」であるのに対し、「個人と組織」に焦点をあてている。著者によれば、優れたイノベーターのスキルは「質問力」「観察力」「ネットワーク力」「実験力」と、それらを活用して「異なるものを関連づける力」の5つに集約される。さらに、イノベイティブな組織はこれら5つのスキルをもった「個人」(Person)を最大限生かせるような「プロセス」(Process)と「ポリシー」(Policy)を兼ね備えているという。
読者は「5つのスキル」のいくつかについて、意識的あるいは無意識に実行していることに気づくかもしれない。同時に苦手なスキルも明らかになるだろう。特に日本企業においては、個人としては「発見力」を発揮したくても、組織的な制約が邪魔をしていることが多い。そこに風穴を開けるためには何が必要なのか。そんな「質問」をすることから本書の実践を始めたいと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
イギリス『エコノミスト』の予測で、今世紀はシュムペーターの時代になるだろう、みたいなことが書いてあった。
それは、つまり創造的破壊が繰り返されてゆく、イノベイターの時代になる、ということだ。
宇宙産業、エネルギー産業、ロボット、3Dプリンター、最新医療、これからの世界は、これまでの世界とは全く違ったものになってゆく。 -
愛知学院大の鵜飼さんの紹介。
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発見力、質問力、観察力、ネットワーク力、実験力、そしてそれらの関連付け力が鍵
2014.11.5 -
本書は、イノベーションは研究者や商品企画の担当者だけのものではないこと、成功事例には共通事項があること、ダイアローグ・イン・ザ・ダーク、アップルなどの豊富な事例でイノベーションとは何なのかを解き明かす。そして、イノベーションに欠かせない情熱の重要性を述べている。
世の中のほとんどのことはでは、努力の結果の最善/普通の比は2/1程度である。しかし、イノベーションによりこの比は50〜100/1程度となりこの差が価値の源泉であり決定的な差異化要因となり得る。
これらの適応範囲は何も研究開発だけに閉じない。商品企画に閉じない。我々が行う活動すべてに関わることであると本書では説いている。さらには、うまくいった事例を調べてみるとそのための手法については共通点がある。とはいえ、どれにも効く万能薬のようなものはなく、変革したものに合わせ多様である。結局のところ、ピンチをチャンスに変えるための、質問力、多様なものを組み合わせる能力、そして、変革を恐れない精神および行動力の重要性をを豊富な事例から暴き出した。
イノベーションの道を志し、仮にうまくいっていないのであれば、もう一度自分を見直す意味で読むのがいいのかもしれない。 -
イノベイターには共通点があり、それは鍛えられる。
マジですか。
読むと確かにイノベーションまではいかないが、鍛えることによって改善程度ならできそうな気がする。
少し冗長なところはあるけど読む価値はあった -
"イノベーションのジレンマ"の著者による実践編
適切な質問をし、対象を観察し、実験を繰り返すことで深い洞察を得るということ -
イノベーションを起こすために必要な5つの要素(関連付ける力、質問力、観察力、ネットワーク力、実験力)は、どれも大事。特に関連付ける力は、日々のトレーニングで地道に向上できる領域だけに、これから取り組んでいきたい。