サイレント・ヴォイス 〜行動心理捜査官・楯岡絵麻 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
- 宝島社 (2012年11月6日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
- / ISBN・EAN: 9784800203281
感想・レビュー・書評
-
行動心理捜査官・楯岡絵麻シリーズ第1作。テレビドラマのシーズン1の原作になった5編を収録した短編集。
行動心理学を用いて被疑者の嘘を見破り、事件解決に導く通称「エンマ様」。「取調室」を舞台にした作品なので、派手さはないが、細かい行動分析が繰り広げられる。嘘をつく時に表れる「なだめ行動」、頭で考える前のほんの一瞬だけ表れる「マイクロジャスチャー」などなど。人は口では嘘をつくけれども、身体は雄弁に物語っているということがよくわかる。
ドラマとは違い、楯岡の過去に関する伏線がはられているので、今後の展開が気になる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
心理学的見地から被疑者の嘘を見抜き事件を解決していくエンマ様こと楯岡絵麻。実に痛快、短編集だがそれぞれ展開が異なり飽きない。あっという間に読み終えてしまった。
-
行動心理捜査官・楯岡絵麻シリーズ1作目。
有能すぎる女性警察官が取調室で被疑者と対峙する、このパターンを楽しむ内容となっています。
思ったよりシリアスさに欠けていたかな。読みやすいけど、がっつりの読み応えはなかったです。
楽しく会話していたはずが「なだめ行動だ」なんて分析されていたら…嫌すぎる(^^;) -
サイレントヴォイスが、一番最初に出た作品なんだね。
西野刑事と楯岡絵麻との関係が、かなり明確化している。
そして、楯岡絵麻の過去に起きた事件が フラッシュバックする。
行動心理に基づく分析の手法は、明確化する。
自分の欠点を他人のせいにするのは、防衛機制の「投影」。
それによって反社会的な行為を取るのは、「置き換え」。
自分が犯罪に走ったのを不幸な生い立ちのせいにして正当化するのは「逃避」。
それを指摘したものを脅かすのは「攻撃」。
過去を償うつもりで、それを償いだと信じることで、自分を慰める。
置き換え、投影、同一化。
パーソナルスペース。
公衆距離360cm、社会距離120cm〜360cm、個体距離45cm〜120cm、密接距離45cm以内。
ミルグラム効果
閉鎖的な状況における権威者の指示に従う人間の心理状況を実験したものである。
普通の平凡な市民が一定の条件下では冷酷で非人道的な行為を行うことを証明するもの。
露出度の高い衣服をつける女性は他人とのふかい関わりを持ちたがらず、自分の自尊心への評価が高い。つまりプライドが高く、束縛されることを嫌う。
実用性の低い衣服を身につける女性は、自己中心的で依存的。性格的にかなり面倒くさい女。
デザイン性の高い衣服をつける女性は型にはまった思考傾向にあり、不合理で無批判。
つまり話がつまらない。
赤を好む人間は、強い欲望や野心を持っていて行動力がある反面、攻撃性が高く、他人と衝突する傾向がある。
強いストレス下にある人間の身体では、副腎皮質からコルチゾールというホルモンが過剰に分泌され、脳伝達物質の作用を阻害する。そのせいで一時的に記憶力や判断力が低下し、ある一時期の記憶だけを喪失してしまう。
ゲイン効果とロス効果。
ふーむ。心理学がネタになって物語が進むのは面白い。 -
取調室と新橋の飲み屋、、、。
行動心理学、私も勉強しましたがここまで役に立てるとは、、、。短編集のようになっているので読みやすいし、続きも気になります。 -
どことなく既視感のある物語だった。
行動心理学を取り調べに応用し、楯岡絵麻は被疑者の行動(視線や表情、手の動きなどのパターン)などから、その嘘を見抜いていく。
さらには、事実を言い当てられたときの反応から、被疑者がもっとも隠したいと思っている事柄を暴いていく。
どんな物語にしたいのか。
どんな人物を描きたいのか。
それは伝わってくるけれど、どうしてもどこからか借りてきた感が拭いきれなかった。
何よりも主人公である楯岡絵麻に魅力を感じることができない。
個性の強い、それでいて過去に心に傷を負った優秀な女性刑事。
わりとよくある設定だけれど、何故か薄っぺらな感じがしてしまう。
似たような題材の物語やドラマは他にもある。
絶対に佐藤さんでなければ描くことのできないオリジナル性。
この物語にしかない世界観が感じられなかったことが残念だった。 -
行動心理学を駆使して容疑者の嘘を見抜く楯岡絵麻。
彼女の前に現れる容疑者は、歯医者、俳優、占い師、音大生などなど、一癖も二癖もある面々。
果たして絵麻は、彼らの嘘を見破ることが出来るのか。
取調室を中心に進むミステリー。
冴えない巡査の西野とのデコボココンビも見ものです。 -
初めましてな佐藤青南さん。女刑事モノが読みたくてこのシリーズに手を出してみた。行動心理捜査官っていうのも他にない感じで面白そうだなあと。最初のお話と、次のお話を読んで…これ毎回こんな感じでワンパターンなのかな?と思ったけど、後半のお話に進むにつれてハラハラドキドキ。ちょっと手法変えてきた感じ。すべて取調室でお話が進行するし、基本的に絵麻と西野以外の刑事とか出てこないし、やっぱり他の警察モノとは違う。そこが面白かった。次の「ブラック・コール」も早く読みたいな。お気に入り増えたかも。
-
取調室の中で物語が完結する面白いパターン。
ワンパターンの感じがしますが、安心して読めるという点では、気軽に楽しめる本です。この意味ではおすすめ。
行動心理学に基づき嘘を見抜き、相手を自白に追い込む。
松岡圭祐の「千里眼」と同様に若い美女エンマ様こと絵麻が主役。もっとも自称28歳でコンビの後輩と同い年という設定が話を軽く楽しくしています。
過去の事件がきっかけで刑事になった絵麻。過去の事件は...と続編も気になる終わり方です。
続きもきっと読んじゃうだろうな。 -
よくある女刑事モノでもちょっと変わってる。
ドラマ化来るかなーと思いながら読んでるけど映像化したら絶対つまらなくなってしまいそう。
でも、小説で読むとエンマ様の犯人を追い詰めていく様が、文章だからこその面白さだと思う。