「怒り」がスーッと消える本―「対人関係療法」の精神科医が教える

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  • 大和出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (159ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784804761848

感想・レビュー・書評

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  • とてもわかりやすく、参考になった

  • 怒りの感情を持ち続けることは、結局自分自身を苦しめていることと同じなど、以前から知っていたこともありましたが、評価が相手への暴力という視点は新鮮でした。

    つい「あの人は、あういう人だ」と言いたくなることもありますが、
    それは相手への暴力だ、他人を一方的に評価する権限など誰も持っていないのだということを心に留めておこうと思いました。

    自分はすぐ怒ってしまう、そのことをどうにかしたい、どうしても許せないことがあるが、そんな自分に嫌気が差しつつある、という方にお勧めです。

    でも、この人こんな些細なことで目くじら立てて、本当に生きづらいなという人こそ、そんな自分を改善したいとは思わないもの…。
    人は、自分が変わろうと思わないと変わらないというのは真理です。

  • 目次を読むことでほとんど内容はわかる良書
    ①怒り=傷ついた(心がけがした)→自分でよしよしする/気分転換する→原因を究明する→対処が必要か考えて必要なら対処する
    ②怒り・・・・予定が狂った・傷つけられた・自分が我慢してることをされた
    ③怒り・・・役割期待のずれから生じる。相手を変えようとしても無駄ってあきらめて、具体的にやってほしいことをお願いする。相手のやってほしいことを把握する。どうでもいい人は放っておく
    ④相手を評価することは相手の領域に踏み込むことになるから人をいらだたせたり、反発させたりする。相手から評価されたとしてもその人がそう思ったことにすぎない。だから受け流しておっけー。アドバイスは相手の現状を否定しているということを自覚する。だから相談にのったのに長時間愚痴られたってのは自分が悪い。アドバイスよりコーチングのほうが案外早いこと話が終わる。
    ⑤反射的に怒りを感じたとしてもどう受け取るかは自分次第。勝手にストーリーを組み立てて(相手を評価する)むかつくと相手も自分も傷つける。(評価の対象は自分もだから)相手の事情があるのだろう、それが正しいかどうかは関係なくありのままを受け止めよう。
    ⑥怒らないためにはちょっとした「できた」を積み重ねる。「学ぶ機会」と考える。「させられている」から「自分でえらんでやっている」へとシフトする
    ⑦怒っている人は今困っている人。何を批判しているのか具体的に話してもらってその部分に対処、それもできず人格否定をしてくる人はよほど困っている人。追い込まないであげる。

  • ※ 自分用の覚書です。

    本書では、下記の6ステップに分けて
    身近な人からの「攻撃」のなくし方を書いています。

    1. なぜ、その人はあなたを傷付けるのか?
    2. 相手の「攻撃」をスルッとかわすコツ
    3. その「攻撃」をかわすか、それとも対処するか?
    4. 「攻撃」されないコミュニケーション
    5. ネット社会での「攻撃」への対処法
    6. 「なぜか大切にされてしまう人の7つのルール

  • 怒りという感情をどう扱うかが、心の健康や人間関係の質、ひいては人生の質をきめる。 前書き

    怒るのをやめると、相手の罪がうやむやにされるように感じてしまう。30

    相手との関係のなかで「怒り」がおこるとき、そこには必ずこうした「役割期待のずれ」がある。56

    評価は相手への暴力。
    相手に伝えるべきは、どうしてほしいかであり、自分がどういう評価をくだしているかではない。91

    正しさの綱引きに勝つことはあり得ない。124

    自分で考えなさいと言われても引き受ける必要はない 156

  • 先の対人関係療法の本を読んでいれば読まなくても良い範囲の本。全体症状というより、日々の癖について悩んでいる人向けにまとめられた本。

  • メモ。
    ●あらゆる感情には意味がある。感情は「その状況が自分の心にとってどういう意味を持つか」を教えてくれるのです。
    ●「腹が立って仕方がない!」などというときには、「誰が悪いか」を考えていく前に、「自分が困った状況にある」ということを認識してみましょう。「自分はいったい何に困っているのだろうか」という視点を持てば、自分が本当に求めていることがわかり、ただ怒りのエネルギーにふりまわされるだけ、という状況から解放されていきます。
    ●対人ストレスは「役割期待のずれ」から起きる。
    ●チェックポイントの第一は、「それが伝わっているか」です。もしも伝わっているのにやってくれないのであれば、役割期待が相手にとって現実的ではないのだろうと考えてみます。
    ●本当は「指示されればやるけれども、指示されなければできない」というだけの夫なのに、「家事をしない=私への愛情がない」と解釈してしまうので、怒りが生じるのです。自分側の不適切な役割期待が、夫からの愛を感じることへの障害になっている。
    ●「相手を変えようとしない」ということです。相手に期待することは、「今の相手が無理をしなくてもできること」にとどめる必要があります。
    ●人は基本的には前進する生き物なので、環境さえ整えば変わっていきます。人を変えることはできませんが、人が変わりやすい環境を作ることはできるのです。ですから、叱って相手を変えようとするのではなく、何が相手の変化を妨げているのかをよく調べて、その障害を取り除いてあげたほうが効果的です。
    ●すべての人がそれぞれの「事情」を抱えています。どんな人も、それぞれの事情の中で、できるだけのことをしながら生きています。周りから見て「努力が足りない」と思うような場合でも、本人は自分の事情の中で最大限の努力をしているものなのです。人を変えることができないのはこれが理由で、相手はすでに最大限の努力をしているので、人から言われて変わるほどの余裕がないのです。
    ●「その行動の裏には事情がある」と考える。
    ●「評価」は相手への暴力。評価は、怒りの連鎖を引き起こしていくのです。相手に伝えるべきは「どうしてほしいか」であり、「自分がどういう評価を下しているか」ではないのです。
    ●ポイントは、「相手を変える」のではなく、「行動を変えてもらう」ということになります。
    ●期待に応えてもらうためには、「自分の事情だけを話す」というやり方が効果的です。主語を「私」にして話しましょう。主語を「あなた」にして相手の話をすると、必ず相手に評価を下すことになってしまいます。
    ●アドバイスは相手の現状を否定している。
    ●私たちは出来事そのもの(相手の長電話)によって傷つくわけではなく、自分がそこに乗せるストーリー(自分が粗末にされた)によって傷つく。自分のストーリーを確信しない。
    ●自分が「被害」に遭った、と思う度に、「そう断言できるほどの証拠がそろっているだろうか?」と考える習慣を身につけるとよいでしょう。こうして「確信できることなどほとんどない」ということに気づいてくると、確実でもないものを断定して怒る、というプロセスがとても不毛であることに気づいてきます。
    ●怒りを手放したいのなら、「評価するクセ」を手放す努力をしていく必要があるのです。
    ●「正しさの綱引き」に勝つことはあり得ない。
    ●怒りを手放すためには、「正しさの綱引き」から手を放さなくてはなりません。それは、「あなたが正しくて私が間違っている」と認めることではありません。「どちらが正しいか」という「評価の次元」から脱するということです。もちろん自分の考えを曲げる必要はないですし、大切にしている価値観は大切にしたままでよいのですが、「相手には相手の事情がある」ということを認め、どちらの正義が正しいかを決めない、という姿勢をとるのです。「自分の正しさを手放す」と考えると難しいのですが、「相手の事情を知ろうと努力する」ということを意識すれば、自然とできるようになってきます。
    ●「相手は何に困っているのだろう」と考えよう。

  • 対人関係療法の精神科医が教える、ほがらかに生きるための7つの方法、
    「怒り」の取り扱い説明書。

    怒りを消すのではなく、怒りが消える。怒りというのは結果で。ひどいと思う何か(原因)があった時結果としhて出てくるのが怒り。
    結果にすぎない「怒り」を押さえ込もうとすると却って悪化するので、その「原因の取り除き方」を示した本です。

    そうですねー私も割りと怒りっぽいのですが、すぐ忘れてしまうほうではあるのであまり自分の中ではこじれないです。でもやっぱりムカっとする事は日々色々あるわけで、対処の仕方として参考になりました。
    「怒り」という環状をどう扱うかが、心の健康や人間関係の質につながるという主張には納得です。

    どんな時に起こってしまうのか、「予定狂い」「心が傷ついた」「我慢(ありえない人に対する怒り)」
    怒りというのは「困ってしまった自分の心の悲鳴」ととらえることができるそう。
    腹がたったときに誰が悪いかを考えテイク前に「自分が困った状況にある」ことを認識してみる。いったい何にこまっているのだとうかという視点をもつことで現実的な対処ができるそう。

    対人ストレスは「役割期待のずれ」から起こるので、相手にムカッときたら相手への役割期待がずれていないか、そして自分が相手に何を期待しているのか、相手に何を期待されているのか。
    一番のポイントとしてはそもそもずれをなくすべき相手か、放置しておいてよい相手か考えるということ。

    争わなくてすむコミュニケーションの方法としては、相手への評価ではなくどうしてほしいかを伝える、I message、要求ではなく依頼する。
    当たり前のようですが、ついやってしまいがちなコミュニケーションですね。。

    そして逆に相手から評価されたり自分の領域に侵入された場合は、「評価には評価で返さない(ふうん、そう思うんだー、とか)、こちらの領域に侵入されたわけではなく、相手は相手の領域の中で悲鳴をあげてるに過ぎない、と考える。
    うーん。。これ、実際にやるのは難しいかも。。。。

    いずれにしても「怒り」は自分の感情であって、コントロールできるもの。
    相手のために、という事ではなく自分のために、それをコントロールしたほうがいい結果を生むということですね。

    具体的に対処法が書かれている点がすぐに役立ちそうです。
    例にあがってるものも、あーーーあるある!と思うものばかりだったし。

    ちなみに私は、何かイライラする。。と思うと大抵それはおなかがすいている時。そんな時の特に「予定狂い」でムカッときてしまうんですね~多分。
    原因はわかってるので気をつけよう。

  • 読みやすく、例がたくさん出ていてわかるわかる、と共感できた。じゃぁどうしたらいいのか、も教えてくれた。明日から早速、自分が怒ってしまいそうな時も、怒られている時も実践してみようと思う。こんなにうまくはいかないかもしれないけど…

  • 怒る・怒らないというより、人間の感情そのもののことを考えることが大切と教えてくれる本。

    怒りだけではなく、喜怒哀楽すべての感情には「意味」がある。当たり前っちゃ当たり前のこと。
    だからこそ、まずは「怒り」に真正面からぶつかるのではなく、「怒り」の意味に目を向けることで、怒りの感情を受け入れる。

    「怒り」から距離をおければ、そこからどう解決していけばよいかが見やすくなってくる。

    他人との言い争いや誹謗中傷で傷付いているときには、そこに必ず自分自身での「自己と他人の評価」も絡む。
    自己評価より低い扱いをされた。あの人は評価が低いのに自分に対してこんなことをしてくるなど。
    そんな時、自分は「被害者」だと考えるから、余計に腹が立っていたたまれなくなってくる。
    物事の評価にこだわるのは、自分自身も相手も傷つけることになる。
    なぜなら、自分自身を含めて評価の対象になるものは常に被害者になりえるから。

    怒っている人は「困っている人」ととらえ、自分に対して怒りをぶつけてくるのは「攻撃」ではなくあくまで「悲鳴」ととらえる。
    そんな風に視点を変えて考えるだけでも、自分自身で抱える怒りをコントロールしやすくなるのではないだろうか。

    怒りのない、穏やかな人生を過ごすためにも、まずは自分のうちに潜む怒りと上手く付き合うことが大切。
    その訓練をするためにも、この本は非常に参考になる一冊。
    まずは主体者モードとして物事を捉えるように考え方を変えていきたいと思う。

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著者プロフィール

水島広子【みずしま ひろこ】

慶應義塾大学医学部卒業・同大学院修了(医学博士)。慶應義塾大学医学部精神神経科勤務を経て、2000年6月~2005年8月、衆議院議員として児童虐待防止法の抜本的改正などに取り組む。1997年に共訳『うつ病の対人関係療法』を出版して以来、日本における対人関係療法の第一人者として臨床に応用するとともに、その普及啓発に努めている。現在は対人関係療法専門クリニック院長、慶應義塾大学医学部非常勤講師(精神神経科)、対人関係療法研究会代表世話人、アティテューディナル・ヒーリング・ジャパン代表。主著に『自分でできる対人関係療法』『トラウマの現実に向き合う』(創元社)、『拒食症・過食症を対人関係療法で治す』(紀伊國屋書店)、『怖れを手放す』(星和書店)、『女子の人間関係』(サンクチュアリ出版)、『自己肯定感、持っていますか?』(大和出版)、『「毒親」の正体』(新潮新書)などがある。

「2022年 『心がスーッとラクになる 世界の美しい文様ぬり絵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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