- Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
- / ISBN・EAN: 9784822248178
感想・レビュー・書評
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新しいことへの挑戦として、この半年間は簿記に取り組んでいました。自分を追い込んだおかげか、リベンジできました。二級に合格したときは「この勢いで一級に挑戦」とも考えましたが、ひとまずはお休みしたいと思います。
本書では、むやみに色々なことへ手を出しすぎることの弊害を説いています(パッカードの法則)。本書では企業を主体として述べられていますが、人も同じことではないかと思います。
諸事情により、来年から現在の担当技術分野とはガラリと異なる技術分野を担当することになりそうです。しばらくは、知財以外のことは一休みして、これから担当する技術分野の勉強一本に絞りたいと思います。
現在の担当技術分野において4年弱仕事してきて思ったのは、「技術に対する知識の精通が不可欠」です。相応の知識がなければ多様な視点を持ちえません。多様な視点がなければ、広範なクレーを作成できません。OJTでは知識の吸収に限界があると思います。特定の技術分野に対する素養は、自分で勉強してこそ確立しえると思います。
「研究者に負けないくらいの知識を身に着ける」くらいの意気込みで、来年は仕事に臨みたいと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
本の分厚さの割には中身は短く、要点が簡潔にまとめられている。①と②でビジョナリーとされた企業のいくつかが凋落したことで、その理論に疑問符がつくのか?結論はNo。①②の復習にもちょうど良い。
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衰退企業は変革を求めすぎた結果、正しい変革ではなかったといった例が挙げられている。企業衰退の五段階での記述は、事実が明確に整理しているという印象を受ける。衰退を防ぐ事は明確なビジョンを出すだけでは無いというのが理解した一冊である。
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①成功から生まれる傲慢 ②規律なき拡大路線 ③リスクと問題の否認 ④一発逆転策の追及 ⑤屈服と凡庸な企業への転落か消滅・・・これが衰退の5段階だそうです。TIとモトローラの比較も記載されています。
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このシリーズは経営者のみならず、事業家になりたいひとは必読の本と言えます。是非蔵書に加えて下さい。
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企業が破滅に向かう過程がわかる。
異常成長すると、黒字なのに倒産するとか、不思議なことが起こり得るんだなあ。 -
シリーズ第3作。
偉大な企業が衰退していくステージを以下の5つに分類して警告を発しています。
第1ステージ「成功から生まれる傲慢」
第2ステージ「規律なき拡大路線」
第3ステージ「リスクと問題の否認」
第4ステージ「一発逆転の追求」
第5ステージ「屈服と凡庸な企業への転落か消滅」
上記のステージの流れそのままに失墜した事例として思い起こしたのが「雪印集団食中毒事件」に端を発する、牛肉偽装を含む一連の問題でした。
この事件は、2000年6~7月にかけて近畿地方を中心に発生したもので、認定者数約13,000名という過去最大の食中毒といわれています。北海道工場の脱脂粉乳の生産設備で停電が発生し、病原性黄色ブドウ球菌が大量に増殖、それを原料に大阪工場で作られた低脂肪乳が食中毒の原因だそうです。
実はこの食中毒事件が起きる45年も前、雪印は大きな食中毒事件を起こしていますが、先人が痛みとともに得たその教訓が生かされることはありませんでした。当時の社長は、45年前の事件を直接知らない初の社長であったそうで、雪印の対応は遅れに遅れた上、社長がテレビカメラの前で「私は寝てないんだ!」と言い放ち、この発言が決定的な信用失墜へとつながりました。
2005年当時常務取締役だった人物へのインタビューによれば、事件の原因は「強力なブランドカに安穏として、外の声を聞こうとしていなかった」こと(=第1ステージ:成功から生まれる傲慢)、「事業拡大を続ける中で、企業としての戦略性が暖昧になっていった」こと(=第2ステージ:規律なき拡大路線)、そして事件の拡大は「危機管理体制の不備」にあった(=第3ステージ:リスクと問題の否認)と当時を振り返ったということです。
そして第4ステージにおいて、これまで培ってきた雪印ブランドに見切りを付け、全国農協直販、ジャパンミルクネットとの共通の新ブランドとして「メグミルク」を展開していくことになります…。
事件の発生から現在に至るまで、雪印メグミルクは消費者の信用を再び得、成長するための歩みを進めているとは思います。しかし、一度地に堕ちてしまったブランド力は、金額では表せないほどのダメージとなって企業にのしかかるのです。
前2作があまりに素晴らしく…本書は衰退までの軌跡という内容のせいもあって、ワクワク・ドキドキといった高揚感に欠けた印象は否めませんでした。
しかしながら名著であることに違いはありません。 -
初代ビジョナリーカンパニーを読んだときに感じた違和感は確信に変わった。その主張は単に”時を告げる”ものであり、永続的に発展し、尊敬される企業の条件でも何でもない。
ソニー、モトローラが現在消滅の瀬戸際にあるが、こういうことが起こらないのが、時の試練を経て生き永らえたビジョナリーカンパニーではなかったのか?そのための基本理念の浸透を始めとした諸施策ではないのか?
生え抜き経営者にしても、IBM(ガースナー)は例外であったし、前作では”多くのことを手掛けてうまくいったものだけ残す”と言いつつ、本作では”規律なき拡大”が会社を滅ぼすと言いだしたし、前作でBHAGの効用を喧伝していたのに本作では”リスクの高い一発逆転”を非難しているし、もう支離滅裂で何が言いたいのか理解不能である。
結局のところビジョナリーカンパニーの条件とは、分析時にたまたま好調だった企業に共通した特徴を不調群と対比して抽出しただけ。あまりにも分析が粗雑すぎる。 -
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不適切な人材と適切な人材の違いでとくに目立つ点の一つは、不適切な人材が自分はこれこれの「肩書き」をもっていると考えるのに対して、適切な人材は自分はこれこれに「責任」を負っていると考えることである。
「わたしはこれとこれに対して最終責任を負っている。前後左右を見渡しても、他に最終責任を負っている人はいない。そしてわたしは、この責任を引き受ける」。103
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「当社が消えたとき、世界は何を失い、どういう点で悪くなるのだろうか」という問いに対して、説得力のある答えがだせないのであれば、屈服がおそらく賢明な道だろう。185
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偉大な国は後退しても回復しうる。偉大な企業は後退しても回復しうる。社会セクターの偉大な組織は後退しても回復しうる。そして偉大な人物は後退しても回復しうる。
完全に打ちのめされて退場するのでないかぎり、つねに希望がある。200
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