600万人の女性に支持されるクックパッドというビジネス (角川SSC新書) (角川SSC新書 71)

著者 :
  • 角川SSコミュニケーションズ
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  • Amazon.co.jp ・本 (182ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784827550719

感想・レビュー・書評

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  • 経営者や幹部のインタビューを通して、クックパッドの成り立ち・思い・優位性を知ることができる。特に重要なのは、ポリシーの部分だ。べき論を突き詰めて成功しているのは、すごい。事例として知っておくと良いと思う。
    タリーズもクックパッドも「食」を通して何かをしたいという強い思いがあって、成功している。気持ちってやっぱり大事だと思う。「これってビジネスになるんじゃないか」ではなく「このことに一生を捧げても良い!」というパッションを持てる何か。その何かをあと四年くらいで見つけないといけない。

  • ごく普通のレシピ検索サイトに見えるクックパッドが、いかにお客様の利便性を高めるための技術力が集約されているか、が書かれています。さすが秀才ぞろい、取り付く島がない内容でした。料理がおいしくなって、ナンバーワンが目指せて、儲かることだけをやる」というのがポリシー。理念を実現する技術力がある、うらやましいかぎりです。参考にするにはあまりにもレベルの高い、理想郷のお話でした。

  • 【動機】POPLIKEを作る中で、CGMはどうやったら盛り上がるのかを知りたくて
    【感想】クックパッドの目指すもの、そこに至った背景、実際にうった施策がリアリティを持って書かれている良作。こういった「流行っているサービス解説本」にありがちな、第三者による表面だけの分析ではなく、作り手の懐に入り込んで書かれているのでとても面白い。新オフィス移転パーティーのくだりなど特に面白い。C向けサービスを考えている人は必読。そうでなくても一読の価値あり
    【引用】
    これはそもそも料理レシピを投稿するというアイディアそのものが、料理を作る女性の心理をうまく突いたものだった、ということが言えるかもしれない。(略)ではなぜ彼女たちは料理が好きなのかと言えば、やはり食べてくれる人が「おいしい」といってくれるからだ。(略)だが、実際にはどうだろう。「おいしい」と言ってもらえる機会は、日々の生活でどれほどあるだろう。P.15

    レシピを投稿するユーザーのモチベーションは、自分の「おいしい」を他の人にも味わってもらいたい、ということ。「つくれぽ」は、そのモチベーションをまさに満たしてくれる。P.17

    すべての中心にあるのは、その理念だ。「毎日の料理を楽しみにすることで、心からの笑顔を増やす」P.27

    面白いのは、十三字を超えると可読性が下がり、二十四字を超えるとさらに下がるということ。P.75

  • インターネット会員ビジネスが軌道に乗ると価値ある媒体となり
    多種多様な広告ビジネスにつながり売上、収益が増え更なる会員獲得へというストーリーだが、クックパッドはビジネスが軌道に乗る前も経営理念である『料理が楽しくなることをやる』それに結びつかないものは儲かる広告だろうが、出資の話もすべて断ってきた。大きなことを成し遂げる経営者はやはりぶれないのである。
    素晴らしい会社だと思う。

    でもなぜ上場したのだろう。
    理念はどうしたのだろう・・・。
    TOPページ左上段の広告欄は理念とはかけ離れた広告が掲載されている。上場すれば創設者のキレイごとよりも株主のために利益追求型になることはわかりきっていたことなのに・・・。
    もちろん現在の広告もタイアップ企画ばかりである。(TOPページは違うらしい・・・)

  • クックパッドもすごく苦労していたとういうことがわかりました。

  • 正論で成長を続けるクックパッドのお話。「なぜ成功したのか」を詳解する本ではなく、「どう考えて何をやってきたのか」を紹介する本。なので前者については自分で答えを見つける必要があるが、後者についての理解は本書で十分に出来る。社長他社員の言動にウソがないことは、2009年発行の本書に載っているTOPページと2012年現在のTOPページが全くといってもいいほど変わっていないところからも伺い知れる。正しいことを正しくやって成長を続ける姿はWEBサービス業に携わるものから見て、いや仕事に携わる誰から見ても羨ましく見えるだろう。

  • Webサービスを提供するものとしての必読書。
    600万人の女性ユーザーを抱えるクックパッドの秘訣が少し分かる本です。
    社長がSFC出身なのは知ってたし、凡人じゃ真似できないと思っていた部分がある。しかし、徹底的にサイトのユーザーがどのような人かを分析し、提供する価値を突き止める所は多少なりとも真似できる気がした。

    例えば、『「白菜」と検索する人は大量に白菜を使う料理を調べたい』とか、「夕食を作る主婦は1秒のレスポンスに非常に敏感」とか。
    当たり前のような事だけど、徹底している。
    「割れ窓理論」を追求する佐野さんの姿勢が見て取れる。

    『クックパッドは料理を楽しむサイト。女性が多く集まるからと言って、料理に全く関係ない広告は困る。』なんて台詞はしびれる。
    この判断は経営を厳しくするものの、結果として現在のクックパッドのブランド力に繋がっている。
    後は、新規ユーザーが増えるとサーバーに負荷がかかり、既存ユーザーに迷惑がかかるため、アクセスを増やさないようにしていたなんてビックリするような話しも。

    『データにはどうしても恣意的な意味が加わってくる。仮説に向かってデータを作っていく。それでは本当の姿を見誤る可能性がある。』
    確かに。。

    『売上高という数字で見ると見誤る。50億円を10%のばして55億円ではなく、80万人の10%で8万人増やせば売上が10%のびる。それが商売の基本。』

    新しいサービスを始める際には読み返したい本です。

  • 転職活動のなかで「クックパッド」を受けてみようかと考え企業研究のために購入。

    「クックパッド」のビジネスモデルがよくわかる。どうやってユーザーを集め、どのように儲けているかが。もう知ってい人には特に目新しいことはない。
    また、「クックパッド」という会社の”思想”と言えるものもよく反映されており、素晴らしい企業であると改めて実感した。

    マーケティング職種の人。特にネットを使ったブランディングを考えている人には参考になるのでは。
    また、ネットビジネス(クックパッドほど本質的なことを追求している企業は少ない)に携わっている人も参考になるはず。

    『プロ論』にも参加している人らしい。代表が書いた本ではないので、少し褒めすぎている感がある。もう少し客観的な立ち位置から記述してほしいと思う。

  • ビジネスって結局自分で「すべき」事業を、最も簡潔な方法ですることなんだって思いました。以前に読んだ「書くこと」に関する言説にかなり引きずられ、ビジネスも書くことも同じことではないかと思ったからなのですが。
    「書くことに」ついては読書猿さんのブログで書かれてあったこと − 書くことは、書くべきことを書く ー と、最近読んだ「読書について」で簡潔な言い回しで曖昧さを無くした表現にすべしってことで。
    クックパッドについては佐野さんが大学卒業後に将来のことを徹底的に思案してたどり着いたところであること。運営は創業期が食えなかったこともあって無駄を徹底的に省いている。ということが共通項と考えています。
    このように突き詰めていくと結局なんでもが運命論、宿命論となってしまいそうで怖いのですが。そこまで追いつめて考えるのも大事ですね。

  • 自分が考えていた『仕事とは』について、「私の思っていることは間違っていなかったー」と(傲慢な言い方ではありますが)、自信を持たせていただけた本でした。

    元々、クックパッドユーザだったのですが、この本を読んで「そういえば、クックパッドを使っててストレスを感じたことない」と気付いた時、再度見直して、「なんと素晴らしいUI!」とほれぼれしてしまいました。

    クリックは、ユーザーとの会話というようなお話がありましたが、まさにそれ。本当に勉強になります。

    さらに、佐野さんをはじめ会社全体で、ビジョンを共有できていることもステキすぎます。
    こういう仕事ができるように、がんばろうと思います。

    日本にこういう会社や人が増えれば、不況も改善されるのになー。

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著者プロフィール

1966年、兵庫県生まれ。早稲田大学商学部卒。リクルート・グループなどを経て、94年よりフリー。幅広く執筆やインタビューを手がける。著書に『マイクロソフト 再始動する最強企業』『10倍速く書ける 超スピード文章術』(共にダイヤモンド社)、『JALの心づかい』(河出書房新社)、『職業、ブックライター。』(講談社)等多数。ブックライターとしても、『プロ論。』シリーズなど100冊以上を執筆、累計売上は200万部を超える。2011年より宣伝会議「編集・ライター養成講座」講師。2013年、ブックライター塾開講。

「2019年 『これなら書ける! 大人の文章講座』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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