- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784829625163
感想・レビュー・書評
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終盤でリアルな第三者というか世間の反応の描写にぶつかってちょっと、いやかなり、落ちてもうた…けどもほんまええ話やった〜!
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『心に傷を持った捻くれた人物が、不器用ともいえる朴訥で一途な人物にほだされて行く』という、あるあるパターンでしたが、二人どちらの心情もわかるわ~。良かった。登場した女子・万里さんが蓮くんと友達になれそうで好印象。ただ、クリスマス編が、おばあちゃんとの事をレストランの経営者夫婦に誤解されたままで終わってしまったのが悔しくて不満。
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たとえ裏切られても飢えない想い、それが本当の愛です。
詐欺師であった蓮からの酷い仕打ちにもかかわらず、出所する日を調べて待っていてくれた加賀谷。
俯いて凍てつく雪道を歩き出した蓮が加賀谷を見た時、驚愕や恐れと一緒に愛を感じたのではないでしょうか。蓮にとって幼い頃から与えられなかった温かさを加賀谷は無償で与えてくれます。
丁寧な文章で綴られたお話を読み終わって、聖書の言葉がふと浮かびました。
愛は忍耐強い。愛は情け深い。ねたまない。愛は自慢せず高ぶらない。
この世で最も強いもの、それが愛だと思います。
朝南さんのイラストも繊細な容姿の蓮と真面目で慈愛に満ちた加賀谷の雰囲気そのままでした。
表紙の印象的な白い馬がお話の中に出てきた画集の馬だそうです。
本物の絵が見たくなりました☆ -
2011年11月14日 開始、読了
主人公の生い立ちや職業、そのことに対する意識の変化、後悔して真っ当に生きようとしてもそれを許さない周りの環境など、丁寧で緻密な描写にぐいぐい引き込まれる。
読み終わった後、主人公には本当に幸せになって欲しいなと祈るような気持ちになった。
切甘が好きな人にオススメ。 -
嫌いじゃないし良かったけど、凪良さんだーって読んだので、物足りなさを感じた。
凪良さんのいわば原点に近いお話だと勝手に思うので、そういう意味では、今の凪良さんと比べてはいけないと知りつつもつい比べてしまった。 -
この作家さん、いいなぁ……
痛すぎず、それでいて何気に切ない部分が萌えだわw -
綺麗で危うくて痛々しい愛を信じられない恋愛詐欺師蓮と、彼のターゲットとなったお金持ちのお坊ちゃん加賀谷。
孤独で捻くれた男が不器用で真っ直ぐで純粋な思いに解きほぐされていく…というある種王道の展開ですが、蓮の深い孤独、心のひだが丁寧に描かれていく展開が穏やかであたたかい。
人の気持ちに深く寄り添う優しさが溢れていて、蓮と加賀谷、どちらもいとおしくなりました。
本編は130頁程度のボリュームなので展開がやや性急に感じたのが少し残念だったかな?
無事結ばれた後も蓮の抱える根深い痛み、加賀谷の家族との問題、元犯罪者の前科者であるという罪は消える事も無く、世界は二人のために全てに都合がよく優しく回るわけでは無いというシビアさがリアルで突き刺さります。
レストランオーナーとの誤解が解けないままなのはとても辛いのですが、みんながみんな善人なわけでも何もかも受け入れてくれるわけでもないし、人はそう簡単には変われないけれどそれでも生きていくしか無いんだよなぁと。
恋人である加賀谷は勿論、信頼して話が出来る同世代の友人、万里に出会えて良かったね、という気持ちでいっぱい。
詐欺師として偽りの生を生きていた蓮の本名が「透」なのも印象深いです。
家族であり友人であり恋人である、そんな存在になりたいと告げて「透くん」と忌み嫌い逃げ続けてきたその名前を優しく呼んでくれる加賀谷のぬくもりが穏やかで心地よかったです。