はせがわくんきらいや

著者 :
  • 復刊ドットコム
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  • Amazon.co.jp ・本 (1ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784835440583

感想・レビュー・書評

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  • この本は今から35年も前、森永ヒ素ミルク中毒事件を題材に自らもヒ素ミルクを飲んだ長谷川集平さんが20歳のときに書いた本です。
    白黒の絵と文字は胸にズシンと迫る迫力です。
    何度読んでも気持ちが釘付けになります。

    長谷川くんは体が弱くてすぐ泣くし、世話がやける。
    ぼくは長谷川くんが嫌いと言いながら、長谷川くんをほうっておけません。
    ほんとにいい子だなあ。優しいなあ。
    長谷川くんもみんなについていきたくって一生懸命です。
    長谷川くんのおばちゃんのせつない思いや、当の長谷川くんの気持ちが溢れ出ています。

    最近、この本のブックトークを聞く機会がありました。
    子どもたちにぜひこの本を知ってほしくて、読み聞かせをしてみました。
    難しかったけれど。

  • 今から35年前に発行された絵本なのだが、今読んでも強烈な印象をもたらす。でも、なぜこの時期に再読したのだろうか。題材はヒ素ミルクと放射能汚染と違うのだが、あまりの悲惨さ、特に将来を担う子供への影響が大きいことへの憤りからか。 この絵本の作者の弟とは小・中学生時代の同級生だったので、その当時彼の家に遊びに行ったのだが、クラシックのレコードがたくさんあったことを覚えている。またこの絵本に描かれている主人公のおかあさんから頂いたソフトクリームの天麩羅の味が忘れられない。

  • 作者自身の子供時代の体験を元に書かれた作品。
    子供のころ読んで衝撃を受けた。

    『森永ヒ素ミルク事件』の被害者であるはせがわくんは。他の生徒たちのようにうまくできないことがたくさんある。
    友達はそんな彼のことを、『きらいや』と言うが・・・

  • あれもこれも出来ない、こんなところもおかしい、手間かかる、だから長谷川君なんて嫌いや!と怒鳴りながら、長谷川君から離れていかない「僕」。どうして長谷川君がこうなのかなんてわからん、一緒にいてしんどい。でも・・・「長谷川君、大丈夫か、長谷川君」不覚にも、クレヨンハウスの本棚の前で、涙を流してしまいました。道徳的感動ではなく、ただただ衝撃で。

  • 心に突き刺さる。森永ミルク事件。

  • 私が生まれる前、実際に起こった事件であり、その当事者がこうして絵本で伝えてくれることに衝撃でもありますが、知ることができてよかったとも思います。
    多くの赤ちゃんが犠牲になってしまったのは悲しくて、聞くだけでも辛いけど、知ることでこれから生まれる赤ちゃんを守ることができる。多くの人に知ってほしいと思います。

  • 「赤ちゃんのときに、ヒ素という毒の入ったミルクを飲んだ長谷川くん。ぼくたちの町に長谷川くんがやってきたとき、長谷川君は乳母車に乗っていました。そんな長谷川君と仲良くしてあげてね、ぼくは長谷川くんのお母さんにいわれます。ぼくはしんどくてかないません。」

    長谷川くん もっと早うにはしってみいな。
    長谷川くん 泣かんときいな。
    長谷川くん 笑ってみいな。
    からだが弱い長谷川くんといてもつまらない。でも、気になる。

    調べ学習事例:
    小学校4年生、5年生環境、公害の調べ学習に使用。
    さく・はせがわしゅうへい 「自分のことを書いた本なの?」

  • 途中で衝撃を受けた。

  • 乳児の頃、ヒ素ミルクを飲んだ著者が子どもの頃のことを思い出して描いた絵本です。著者はその頃嫌われて嫌われて、それでも、おかあさんが友だちたちに遊んでねとお願いして相手してもらったことを描いています。きらいだと言いながら遊んでくれた人たちのことを描いています。それぞれの人生。涙が出て来ます。

  • k
    5歳4ヶ月

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著者プロフィール

1955年、兵庫県姫路市に生まれる。
絵本、小説、評論、翻訳、作詞作曲、演奏など多様な表現を試みる。長崎市在住。
1976年第3回創作えほん新人賞を受賞した『はせがわくん きらいや』(すばる書房/現在、復刊ドットコム)でデビュー。
森永ヒ素ミルク中毒事件(長谷川自身もヒ素の入った粉ミルクを飲んだ)を扱いながら、日本人の生活や心理を大胆に切り取り、斬新な絵本作法で鮮烈なデビューを飾った。
『見えない絵本』(理論社)で、1990年第20回赤い鳥文学賞。
『石とダイヤモンド』(講談社)、『鉛筆デッサン小池さん』(筑摩書房)で、1992年第14回路傍の石文学賞。
『ホームランを打ったことのない君に』(理論社)で、2007年第12回日本絵本賞。
ジャンルを問わず作品多数。2012年、第34回姫路市芸術文化賞。
2013年『およぐひと』、2014年『アイタイ』(解放出版社)を刊行。原発災害に向き合った視点を貫く。
2002年から京都造形芸術大学客員教授。

「2015年 『あなに』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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