はせがわくんきらいや

著者 :
  • 復刊ドットコム
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  • Amazon.co.jp ・本 (1ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784835440583

感想・レビュー・書評

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  • 自宅にあった絵本。

    昭和三十年森永砒素ミルク事件が起こる。森永乳業徳島工場にて製造されたドライミルクに混入していた砒素によって西日本中心に二万人以上の乳児が身体に異常をきたし、二五〇人の命が失われた。作者はこの砒素入りドライミルクを三缶飲んだ。その作者の幼少の時分の事が友人を通して客観的に絵描かれている。クレヨンで書いたような文字に絵。
    友人が「きらいや」と云いながらも、長谷川君をほってはおけないと云った気持ちが良く伝わってくる。

  • 昔の森永粉ミルク事件で、ヒ素中毒になった子を扱っています。著者の長谷川集平も少しこの粉ミルクを飲んでいたそう。優しさのこめられた「きらいや」にグッときます。
    高学年の食育とかで読めるかな?

  • あとがきまで全部読んで6分

  •  昭和30年、森永ドライミルクへのヒ素混入事件がありました。西日本を中心に2万人以上の乳児が被害にあいました。その後、20歳になった作者がその被害で亡くなっていった友人達のこと、この夏にバイトした学童保育クラブの子どもたちのことを思い出しながら書いた本です。

     内容は、被害者が幼少の頃のこと。
     幼稚園から小学校時代、被害者である子どもに対して周りの友人達がどのように接していたのか、とてもよくわかります。

     スケッチブックにクレヨンで書いたようなシンプルな単色の絵がとても印象的。大阪弁で書かれた文のおかげもあって、暗さはまったく感じられません。おしまいの頁の絵と文章には特に考えさせられました。
     

  • ほんとのお話なの?と読み聞かせた娘から何度も確認されました。
    長谷川くんのことはなんだか嫌で、嫌いなんだけれど、ほっておけない。正直な子供の感性。むごいヒ素事件。絵と文章が胸に迫ります。強いメッセージを持った絵本。

  • ベビカフェの読み聞かせで読んだ絵本。
    淡々と語られる文章だけど、ぐっと重い問題提起をしている絵本。
    考えさせられます。

  • H22年11月 5-1
    H23年11月 3-1
    H23年11月 4-1

  • 怒りや憎しみからつくる、絵本とてそうだろう。

  • 身近に考えにくかったテーマを、自分の方に引き寄せて読ませてくれた本。
    なんだかんだで長谷川君の面倒をみてしまう主人公と長谷川君のかかわりにジーンときました。
    息子は『パイルドライバー』や『すいみんぶそく』が好きみたいです。
    男だね。

  • あとがきが切ないです。
    小さいお子さんには、あとがきの部分から読んで
    説明をしてからの方が理解しやすいかもしれませんね

    昭和30年、森永乳業徳島工場で製造されたドライミルクに
    ヒ素が含まれていて、沢山の乳児が身体に異常をきたしたり、
    死亡してしまったことを元にしたお話です。

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著者プロフィール

1955年、兵庫県姫路市に生まれる。
絵本、小説、評論、翻訳、作詞作曲、演奏など多様な表現を試みる。長崎市在住。
1976年第3回創作えほん新人賞を受賞した『はせがわくん きらいや』(すばる書房/現在、復刊ドットコム)でデビュー。
森永ヒ素ミルク中毒事件(長谷川自身もヒ素の入った粉ミルクを飲んだ)を扱いながら、日本人の生活や心理を大胆に切り取り、斬新な絵本作法で鮮烈なデビューを飾った。
『見えない絵本』(理論社)で、1990年第20回赤い鳥文学賞。
『石とダイヤモンド』(講談社)、『鉛筆デッサン小池さん』(筑摩書房)で、1992年第14回路傍の石文学賞。
『ホームランを打ったことのない君に』(理論社)で、2007年第12回日本絵本賞。
ジャンルを問わず作品多数。2012年、第34回姫路市芸術文化賞。
2013年『およぐひと』、2014年『アイタイ』(解放出版社)を刊行。原発災害に向き合った視点を貫く。
2002年から京都造形芸術大学客員教授。

「2015年 『あなに』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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