江國 香織とっておき作品集

著者 :
  • マガジンハウス
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784838713080

感想・レビュー・書評

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  • まあまあ。面白いものもそうでないものもあった。家族の書いたのがけっこう良かった。

  • 「ぬるい眠り」をめあてで読んだけど個人的には処女作が一番良かったとおもう。
    あのどうしようもない外人の女の子がはまった。
    かわいいと思う。

  • 2002年3月14日読了。以下、過去の日記から抜粋。

    めちゃくちゃ贅沢な作品集だと思われます。
    企画物ってちょっと敬遠しがちなのだけれど、コレは太鼓判押せる。
    (と言っても、私は買ってない・・・買ったのは江國ファンの友人N尾女史)
    非常に江國女史っぽい作品もある(『409ラドクリフ』『ぬるい眠り』)
    (私が)初めて味わうタイプの作品もある(『夜と妻と洗剤』←春樹っぽい!)
    加えて、小説以外にもいろいろと工夫が凝らしてあるから面白いのだけれど、
    特筆すべきは間違いなくコレ、『香織の記録』(江國滋)。
    その名のとおり、故江國滋氏が娘香織の成長記録を綴ったものである。
    もう、もう・・・いかに江國女史が愛されて育ってきたかが分かる、
    そして、これだけ愛を注ぎ込まれたから、今あれだけイイ女なのだと思う。
    自分自身はもう手遅れだが、万が一子供を育てる機会を得られたら、
    できるだけ言葉で記録を残しておいてあげたいなぁとつくづく思った。
    写真ももちろん良いのだけれど、その時の親の気持が分かると素敵でしょ。

    以前、読んだ『ウェハースの椅子』(2月25日付参照)の中で、
    他界した両親が子供達のことを「ちびちゃん」「ちびちびちゃん」(妹)と
    呼んでいた思い出が書かれていたのだが、コレ、実体験に基づいていたのかと
    コレを読んでビックリ・・・こういうのもいいなぁ、愛を感じる。
    (でも、江國滋氏がそう呼んでいたと想像するのはちょっと難しいのだが)。

  • 素敵すぎる作品集。図書館で読んだのですが、これは是非おうちに欲しい。

  • 図書館にて。
    「409ラドクリフ」がやっと読めて良かった。
    大好きな「とろとろ」も収録されていて満足。
    お父さんの香織さんが生まれた時の記録は感動的だった。
    これを読むと、文字や文章の力を思い知らされる。

  • ちょっと古い本で、だから現役の作家さんにとっては「今はそうじゃないんだけどなぁ」ってこともあるかもしれません。私はこの刊行前後の彼女の作品をまとめて読んでたので(数えたら25冊以上あった)、これも手に入れた。あのねぇ、妹さんの晴子さんによるお姉さんの『夢日記』が、もう可笑しくて可笑しくて(「特に131頁以降!)笑えるんです(お腹の皮がよじれて涙が流れた! で、ちょっとだけ身につまされた、ワタシも似たようなもんだ…)、1995年当時の社会の様子を知ってれば、ですけどね。本全体の宣伝になっていないようで気が引けますが、可能な方は、あそこだけでも立ち読みして!(ウサギの偏的感想です)。

  • 江國滋氏の香織さんへの深い愛には胸打たれ、
    幼き日の香織さんの賢さ、瑞々しさ、ほとばしる才能を目の当たりにしました。
    「ラドクリフ409」「ぬるい眠り」「夕闇の川のざくろ」など私の好きな作品も沢山収められています。
    わたしにとっても正に「とっておき作品集」

  • お父さんの滋さんの書いた、成長記録。
    妹さんとの日々。

    フェミナ賞を受賞した作品も入っていたような。

    江國さんは、彼女の書く小説の雰囲気に違わないビジュアルだなーと表紙を見て思う。

  • (2003.12.19読了)(2001.08.23購入)
    今まで出版された、単行本には納められていない作品がかき集められて入れられています。
    さらに、父親の綴った誕生から6歳までの記録。妹の晴子さん綴ったお姉さんの夢についての話も入っています。楽しめました。

    「409ラドクリフ」 1989年作品
    409ラドクリフ どういう意味なの?
    ロボットの名前? 惑星の名前? 最近見付かった細菌の名前? なんと!住所でした。
    物語の舞台はアメリカ。日本の留学生、夏美とハンガリーからの留学生ノーラの話です。
    ノーラの借りている家の2階を風間夏美が借りて住んでいるので、ノーラは家主ということになります。
    ノーラは恋愛マニア? 恋愛相手無しには過ごせない人! ノーラの新しい恋人は、リチャード。リチャードが来なくなった頃、ナイジェリア人のマドゥーカ・オコロがやってくる。最初あまり乗り気じゃなかったノーラもだんだんマドゥーカに魅かれて行く。その内マドゥーカがノーラのところに引っ越してきて一緒に住み始める。一時的とか言いながら。
    マドゥーカは法律学校に通っているという。黒人なので、白人の友人から圧力がかかったりする。ノーラはみんなに愛想が良いのでマドゥーカにはそれが気に入らなかったりする。自由の国アメリカとは違うところで育ってきたので結構厳しい。マドゥーカにお金を貢ぐので、アルバイトをするために学校も行けなくなってしまう。学校に復帰するための方便として、アメリカ人と結婚してしまう。マドゥーカも別のアメリカ人の黒人女性と結婚する。アメリカの住民権を得るための方便だという。なんともアメリカはふしぎ社会だ。
    ノーラの話を中心に話が進んでゆくので、ノーラが主人公かというとそういうわけでもないようで、夏美には、修平というボーイフレンドがいて週末ごとに安い映画館へ行ったりして過ごす。お互いに日本に恋人がいるのだけど、それを承知で、留学中だけというつもりで付き合っている。夏休みに修平の恋人が遊びに来たりする。内心穏やかではないけれど、なんともないような顔で過ごす。一年で日本へ帰るつもりだったけど結局、アメリカに残り修平と暮らすことに・・・。
    エクニさんの初期は、児童物ばかりと思っていたけど、そうではなく切ない恋愛ものがあったのは新発見だ。最近の「号泣する・・・」の原点はすでにここにある。

    「があこちゃん」 1993年作品
    きいろいあひるのおもちゃ「があこちゃん」をもってお風呂で遊ぶのがすきな「なほちゃん」の話。なほちゃんとがあこちゃんが入れ替わってしまう怖い話。絵は川上隆子さん。

    「夜と妻と洗剤」 2000年作品
    別れたいという妻と何とかなだめたい夫の話。
    全然妻の望んでいることの分からない僕としては、身につまされる話だった。
    絵は山本容子さん。

    そのほか「とろとろ」「ぬるい眠り」「夕闇の川のざくろ」等が納められ、エクニワールドが楽しめる。

    ☆江國香織さんの本(既読)
    「日のあたる白い壁」江國香織著、白泉社、2001.07.23
    「泣く大人」江國香織著、世界文化社、2001.07.30
    「東京タワー」江國香織著、マガジンハウス、2001.12.07
    「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」江國香織著、集英社、2002.03.10
    「いつか記憶からこぼれおちるとしても」江國香織著、朝日新聞社、2002.11.30
    「すみれの花の砂糖づけ」江國香織著、新潮文庫、2002.12.01
    「とるにたらないものもの」江國香織著、集英社、2003.07.30
    「号泣する準備はできていた」江國香織著、新潮社、2003.11.20

    (「BOOK」データベースより)amazon
    フェミナ賞を受賞した処女小説「409ラトクリフ」を初収録。珠玉の中短篇小説とファンタジー、そしてビートルズ訳詞集、さらに、異色絵本『夕闇の川のざくろ』もカラーで完全収録。父・江国滋の「香織の記録」と妹・晴子の「夢日記」も初公開。単行本未収録作品がたっぷり、欲ばりでぜいたくな作品集。

  • 江國の良いやつだけを載せてほしかったなぁ

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著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で毎日新聞主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2010年「真昼なのに昏い部屋」で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年に「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で谷崎潤一郎賞を受賞。

「2023年 『去年の雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

江國香織の作品

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