秘密。: 私と私のあいだの十二話 (ダ・ヴィンチブックス)

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  • Amazon.co.jp ・本 (182ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840112345

感想・レビュー・書評

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  • 初読:2008年立夏

    友達がおもしろいよとBook ●ffでオススメしてくれた本。
    一つのお話を二つの視点から書いてます。
    想いを共有してたり、全く違うことを考えてたり、
    はたまたそもそも何も考えてなかったり、人と交わるおもしろさ。
    さりげない行動の裏にどんな想いや考えがあるのか
    前よりもちょっと気になってしまう今日この頃です。

  • 一つの話を二面から見た短編集。
    とても面白い。
    我々の生きている世界もこの通りなのだがいかに普段ら主観のみに生きているのかと思う。

  • 色々な作品をつまみ食いできた。
    気になった作家さんについてはいつか長編を読んでみたい。

    森絵都さん「彼女の彼の特別な日/彼の彼女の特別な日」
    彼女が"うるさい他人の男性"ではなく"彼自身"を見た時、彼が"祖母に似た女性"ではなく"彼女自身"を見た時に、お互いの物語が始まる感じがとてもよかった。B面で彼女が書いた電話番号が彼女のものとはわからず、元彼に電話する覚悟を決める彼の真面目さに好感。

    有栖川有栖さん「震度四の秘密-男/-女」
    ヒヤッとするドキドキ感。震度が2でも5でもないあたりが絶妙。

    小川洋子さん「電話アーティストの甥/電話アーティストの恋人」
    日常の場面を切り取ったような描写。伯母がすぐそこにいるような感覚で、二人の間の切ない関係性を感じた。

    篠田節子「別荘地の犬 A-side/B-side」
    A面から見るとただ飼い主が来ただけに感じられたが、B面の女性の心情を思うと、本当の飼い主への罪悪感と亡くなったミカちゃんへの会いたい気持ちが感じられて苦しくなる。

  • 12人の作家が、一つの出来事を二人の視点で綴った掌編小説集です。

    犬の話は、篠田節子の「別荘地の犬」だけです。
    A-sideでは、別荘地で犬を保護し、飼い主に戻すまでの話。B-sideでは、その飼い主側からの話で、実は飼い主ではなかったというもの。ともあれ、この犬が新しい飼い主とうまくやっていけるといいのですが、・・・。

  • 仕事帰りの海辺で一気読み。
    ビール片手にノンビリできた。
    活躍中の作家を、読み比べ出来るのは楽しい。
    自分には、吉田修一が一番だった。

  • 様々なジャンルの作家さんたちの「秘密。」をテーマにしたアンソロジー
    数ページで完結する短編なのだが、
    それぞれの物語、出来事へのA面とB面を綴っていて面白い。

    吉田修一の「ご不在票」は・・・・少し辛い。

    短編だからこそ ドラマ仕掛けで粋だったのは
    森絵都の「彼女の彼の特別な日」

    有栖川有栖の「震度四の秘密」は男と女知らないでいた方がいいこともあるよね。

    本当に短い文章で展開していくので、通勤通学の電車の中で読みやすい1冊です。

  • 短篇集。一つの物語を2つの角度から描く。面白いな。
    作者ごとの読み味、色、感触があって、楽しめる。
    森絵都はなんだかとても可愛い話。小川洋子は一行目からそのワールドに入る感じ。伊坂幸太郎は、実は今まで読んだことなかったのだけど、ちょっと他のも読んでみたくなった。そして、堀江敏幸は、いつもの穏やかな佳品。
    あっと言う間に読んでしまいました。

  • ひとつのストーリーを別主人公の視点で綴る12編。短いのはあまり好きではないけれど、好きな作家さんがたくさんだったので、それだけで楽しめました。小川洋子さんの「電話アーティストの恋人」がいちばん好き。

  • 1つの出来事が2つの視点から対をなして構成されている
    ショートショートに近い作品たちです。
    色んな「想い」に触れられます。
    小川洋子さんの「電話アーティスト」が何とも切なくて好きです。
    こんな想いの表現方法もあるのかと、その深さに感動。
    波風立てずに、大切に守られた想いにウルっとしました。
    堀江敏幸さんの「黒電話」や井坂幸太郎さんの「ライフ」も好きだなぁ~

  • ストーリーをA面、B面とか2方向から書かれる方式はおもしろいと思った。
    でも各ストーリーが短すぎて、論ずるまでもなく終わってしまう。
    もう少し長かったらもっと楽しめた気がする。

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著者プロフィール

1968年長崎県生まれ。法政大学経営学部卒業。1997年『最後の息子』で「文學界新人賞」を受賞し、デビュー。2002年『パーク・ライフ』で「芥川賞」を受賞。07年『悪人』で「毎日出版文化賞」、10年『横道世之介』で「柴田錬三郎」、19年『国宝』で「芸術選奨文部科学大臣賞」「中央公論文芸賞」を受賞する。その他著書に、『パレード』『悪人』『さよなら渓谷』『路』『怒り』『森は知っている』『太陽は動かない』『湖の女たち』等がある。

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