日本でいちばん大切にしたい会社

著者 :
  • あさ出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784860632489

感想・レビュー・書評

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  • この本に出てくる会社の話を読んで、まだまだ日本も捨てたもんじゃないな、と思いました。

    と同時に、自分が勤めている会社も、この本に載るぐらいの状態に持っていきたいな、と思いました。
    そのための第一歩としては、自分の部下を大切にするところから始めたいと思います。

  • この世には本当に様々な沢山の会社があるんだという、当たり前だけど日頃考えていなかったことに気付くことが出来ました。
    自分がどんな職業に就くか考えるときに、視野をぐんと広げてくれる本でした。

  • 会社には5人に対する使命と責任がある。
    1.社員とその家族を幸せにする
    会社に所属する社員と、その社員を一生懸命支えている家族を幸せにすることは社会の公器である会社が果たすべき、第一の使命。

    2.外注先・下請企業の社員を幸せにする。
    下請企業の社員とその家族は「社外社員」。制服が違うだけの我が社の社員。誰かの犠牲のうえに成り立つ組織は正しくない。

    3.顧客を幸せにする
    会社の使命はお客様のニーズに応える、お客様がほしいと思うものを創造するためにタイムリーに対応する社員はもっと大事。
    無から有を創るのが経営。この世にない価値、潜在需要を発掘・創造すること。お客様の心の奥底にある、あるいは眠っている、見えざるニーズ、ウォンツを揺さぶり、新しい市場を創る経営スタイル。「こんなものがあればいいな」「こんなことができたのか」といった価値を創造してあげる。お客様がいなければ創ればいい。創ることが会社の本当の使命。創る人は社員。社員満足度を高め、外注企業の満足度を高めれば、必然的に顧客満足度も高めることができる。

    4.地域社会を幸せにし、活性化させる
    会社の社会的貢献たは、お客様にとって、社員にとっえ、そして地域にとって存在価値のある、なくてはならない会社になること。地域社会の方々から「あの会社は私たちの町のシンボルだ」「この会社はわが町の自慢だ」「この会社にこそ、息子や娘を入社させたい」と思われるような会社になること。

    5.自然に生まれる株主の幸せ
    資金や資本を提供してくれる株主がいなければ経営が成立しないのは事実だが、5人目の株主はこれまでの4人と同列に考えるべきではない。株主の満足度を高めようと考えると、短期の業績や短期の株価の動向に一喜一憂してしまい、長期のスタンスにたった経営ができなくなってしまう。組織のトップの資質と、その決断に原因がある。正しい決断をし続けていくには、ブレない正しい視点をもつことが大切。会社が今やっていること、これからやろうとしていることについて、「儲かるか儲からないか」とか、「他社に勝つか負けるか」といった視点ではなく、それが「正しいか正しくないか」「どんな判断をすることが社員のため、お客様のため、地域社会のためになるのか」などといった、会社がもっていなければならない正義感や倫理観に立って決断しなければならない。そのうえで「その決断にやましいところはないか」を考えなければならない。

    ・業績や成長は継続するための手段にすぎない。社員は利益だけを求めているわけではない。今、会社でいちばん大切なものは、お金ではない。お腹が満たされたあとは心。地域社会や下請企業、社員や株主の心に響く経営をしている会社、心が満たされるような経営をしている会社、それがいちばん大切にしたい会社。

    ・多くの人を満足させること、それが会社の使命。社員を機械としてではなく、一人の人間として評価して、自己実現を助ける思いや仕組みがある会社には、自然に人は集まる。

    ・中小企業にしかできないことがある。浅瀬で泳ぐのが中小企業で、大企業は深みを泳ぐ「くじら」。だからこそ中小企業は、大企業がやらないような数の少ない仕事、納期が短く、スピードが速い仕事、試作的、開発的な仕事をやるべき。今は下請企業でも、30年計画を立て、徐々にその立場から決別する気概をもたなければならない。人がやらないもの、できないことをやる。30年かけて、そういう準備と努力をし、オンリーワンの会社を目指すべき。

  • 2時間ぐらいで読了。研修の休憩中に主に読んだので、今、一般的に言われてる職場環境と、本に出てくる企業とのギャップを楽しみながら、読みました。数回、鼻の奥がツンとするエピソードがありました。リリーフランキーの『東京タワー』と同じような、ツンでした。2巻からも読んでみます。

  • 良い本だった。綺麗事かな?とも思える内容だが、そこを素直に受け取れるかどうかが、社会で貢献できる人間がどうかの分かれ道。

  • いろんな思いで会社を経営しているのがわかる。
    思いを非常に大切に考えたいと思いました。

  • ・日本理化学工業㈱
    幸福とは、1人に愛されること、2人に褒められること、3人の役に立つこと、4人に必要とされること。2~4は、働くことによって得られる。

    ・伊那食品工業㈱
    ・ジョンソンエンドジョンソン

    ・中村ブレイス株式会社

    ・株式会社柳月

    ・杉山フルーツ

  • 障がいのある子を持つ親として、
    その子にとっての幸せを考えるために手にとりました。

    ところが、今わたしが働いている職場の経営理念に、この本に書いてあることと(一部)同様のことが書かれていることに気づき、読書視点が変わってゆく。社員とその家族のしあわせを第一に考え、地域に貢献する、エトセトラエトセトラ。
    しかし、残念なことに、現在のトップはそのことを失念しているかのようです。もしくは意味をはき違えているのか。ゆえに、業績も押して知るべし。

    中小企業だからこそできるきめ細かなこと。
    ただ、一介の平社員であるわたしに、ここに書かれている何ができるのだろうか。
    あるいは、いつか起業する(かもしれない)日のために読むのか。

    子どもの将来のために、と読み始めたはずですが、自分の身を振り返るばかりです。

    素晴らしい会社の紹介本としてはいい本だと思いますが、著者の持論は不要です。4まで出ているようなので、今後は、会社の紹介部分のみを読んでいこうと思います。

  • 大学に入ってすぐ「自分はどこかに就職できるのかなぁ」という漠然とした不安を抱いているときに読みました。当時は就職といえば、名の知れた企業に行くという選択肢しか考えられませんでした(厚かましいですね)。この本を読んで、有名ではないけれど、本当に人の役に立っている、かつ社員や社員の家族を大切にしている企業があることを知りました。その4年後、名前の知らない企業ばかり受け、行きたいと思える企業に就職することができました。就活本ではないですが、選択肢を広げるためにも、就活を控えている人に読んでもらいたい本です。

  • 京セラ名誉会長の稲盛氏の考えがあちこちに浸透しているのかな、と感じる本です。

    社員や社員の家族、今の顧客と将来の顧客を大事にする。
    「人をナンボ喜ばせた」ということを大事にしている企業・経営者が多く紹介されている気がします。

    ある意味、「株でナンボ儲けられれば良い」と対極にある言葉かもしれません。

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著者プロフィール

1947年 静岡県生まれ。静岡文化芸術大学文化政策学部・同大学院教授、法政大学大学院政策創造研究科教授、法政大学大学院静岡サテライトキャンパス長等を歴任。ほかに、「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞審査委員長等、国・県・市町村の公務も多数務める。専門は、中小企業経営論、地域経済論、地域産業論。主な著書に『日本でいちばん大切にしたい会社』(あさ出版)、『心の時代の感動サービス』(同友館)など。

「2023年 『いい会社には、活きた社内制度がある。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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