信念に生きる――ネルソン・マンデラの行動哲学

  • 英治出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862761415

感想・レビュー・書評

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  • 南アフリカ共和国第8代大統領。
    その生涯、差別政策であるアパルトヘイト政策の撤廃に
    尽力し、ノーベル平和賞を受賞した人。
    先日逝去されたので、改めて彼のことを知ろうと思った。

    この本は彼の業績というよりも、
    彼がどのような人だったか、どんな考え方をしていたか、
    彼自身のことを知る為に適した本。

    これを見た後、実際彼がなぜそのような考え方に至ったのか、
    さらに深く知りたくなった、ネルソン・マンデラを知る入門書に
    最適な一冊。

    ネルソン・マンデラもアグレッシブなリーダーではなく、
    知的で、慎重で、でも芯があるリーダーだった。
    そういう人の方が共感できるな。

    ☆KEY POINT
    ・勇敢に見える行動をとれ
    ・常に冷静沈着であれ
    ・先陣を切れ
    ・背後から指揮をとれ
    ・役になりきれ
    ・原理原則と戦術を区別せよ
    ・相手の良い面を見出せ
    ・己の敵を知れ
    ・敵から目を離すな
    ・しかるべきときにしかるべく「ノー」と言え
    ・長期的な視野を持て
    ・愛ですべてを包め
    ・「負けて勝つ」勇気を持て
    ・すべての角度からものを見よ
    ・自分だけの畑を耕せ

  • 27年間の刑務所生活を経験した元南アフリカ大統領ネルソン・マンデラの不屈の精神と多彩な能力を知ることができる。改めて彼の一言では語れない”すごさ”を実感。

  • 僕が子どもの頃、南アフリカは「人種差別の国」として、その特異な法律や生活が、教科書などで扱われていました。
    その南アフリカから人種差別をなくし、新しい国として再出発させたのが、ネルソン・マンデラ。
    のちに米『タイム』誌の編集長となるライターが、マンデラに約3年間に渡って同行しまとめた、伝記です。
    若いころ、部族の王の元で育ったマンデラはやがて、活動家となります。
    そして30年という途方も無い年月を、政治犯として刑務所で過ごします。
    その苦難のなかで、自らの行動を律し人望を集め、出所後に大きな役割を果たすという、まさに波乱万丈な人生。
    小説的にその半生を追うという形ではなく、著者がマンデラに問いかけ、その答えとそこから汲み取ったマンデラの哲学を、テーマに分けて記述するという形で構成されています。
    読み終えて感じたのは、以下のようなことです。
    ・大きな役割を果たす人と言うのは、自分の人格を磨くことの大切さを知っている。
    ・その人格によって人望を集め、集まった人々の力を、目指す方向に向けることで、大きなことをなし遂げる。
    そして、マンデラという人について感じたことは、次のようなことです。
    ・自分がなすべき役割はどのようなことか?つねに考える。
    ・その役割について、人々がどのように期待しているかを汲み取る。
    ・その期待される姿になれるように自分を律し、自らを変革していく。
    そのほか個別のエピソードの中でも、「敵を身近に置く」など、マンデラの”器の大きさ”を感じる記述が、数多くありました。
    マンデラと著者の関係も、「師と弟子」のようで、読んで暖かくなる一冊でした。
    偉大な人物の伝記と言うのは、読むと前向きな気持ちになれますね。今後も継続して読んでいきたいと思います。

  • マンデラの考え方って日本人には共感し易いと思った。
    内容は広く浅くって感じで、がっつりを求めるとちょっと物足りないかな。

  • 人が生きる上での知恵やヒントのつまった本。ただし、哲学という言葉を使っているが、哲学という程専門的ではないので注意。

  • ネルソン・マンデラの伝記であり、そのために作者は彼に密着して取材をしたのだが、マンデラの人生記というよりは、彼の人物描写の側面が強い点がユニークである。先ずは彼の人生や業績などを、予め予習しておいた方がいいと思う。

    作者のマンデラへの傾倒ぶりは微笑ましくもあり、マンデラの人間性およびリーダーシップの素晴らしさについてはすごく理解と共感ができた。ただ、もう少し周辺取材をするなど、クリティカルな視点も必要だったように感じた。

  • マンデラの行動(哲学)を通して、リーダーシップを紹介する著書です。

    国や歴史を変えた人物と自分のような企業の中間管理職では、背景や思い、リーダーシップの範囲・影響力が大きく異なり、シンクラナイズさせることが難しい場面もありましたが、気づきも多くありました。

    以下に、印象に残っている部分を紹介します。

    ・アフリカのウブントゥの概念
     →私たちは他者を通してのみ人間として存在する
    ・清濁併せ呑む力を持つ、多面的な人物
    ・いつでも冷静沈着
    ・フォロワーに対して、権限を与え行動を促すことで、リーダーの考えや方向性をフォロワー自らに理解してもらう
    ・原理原則と戦術を区別せよ
    ・人は「良い人間だ」と信じて期待をかければかけるほど、本当に良い人間になっていく。
     →相手の良い面を見出す、
     →敵でさえも共感できる部分がある
    ・自分が問題に向き合いたくないがために、意思決定を先延ばしにすることはやめる
    ・人々の内面に隠された蜘蛛の巣のように複雑に絡まる動機を理解する
    ・あなたが求めているものに、あなた自身がなりなさい

  • 尊敬という言葉。

    これは、いくら頑張ってもかなわない人に対していう言葉だと思う。

    私はまさに彼を尊敬する。とても真似できない人物だった。

    しかし学ぶところはある。それをどのように自分にいかすかではないか。

  • マンデラがどのような人物だったか。どのような思いで行動をしたのか。マンデラの行動を15章に分けてまとめた本。ここに描かれたのは、非常に忍耐強く、長期的な視野を持った人物であり、優れたリーダーであろうと示した人物だった。マンデラのようなリーダーになる事は難しいが、これらは優れたリーダーへ近づくための重要な示唆になると感じた。

    特に牛の群れの話は興味深い。チームのリーダーとは違う。

    <メモ>
    〇勇敢に見える行動をとれ
    ・勇敢とは恐れを知らないのではなく、恐れを克服する意識を持つこと
    ・勇敢なふりをすること
    ・息子の死に直面しても悲嘆にくれず、他の受刑者同様採掘場に現われた。行動で勇敢さを示す
    ・勇敢に示すため、主導権を握るため。何度もどう振る舞うかを描いた
    ・マンデラが贈る賛辞「よく成し遂げた」は不安を抱えながらも確固たる自己を失わないことへの賞賛
    〇常に冷静沈着であれ
    「何事もよく考えなくてはならない。そして即座に反応しなくてはならない」
    「急いではならない。物事を深く考えて分析しなさい。行動するのは、そのあとだ」
    〇先陣を切れ
    マンデラが歩くだけで他の受刑者の気持ちを高揚させた。それこそがマンデラの真骨頂だ。歩き方一つでリーダーシップを発揮した
    ・マンデラは無罪を主張する事も出来た。だが、理想社会を求める発言をおこなった。自分の最後の言葉を覚悟した。
    ・説明責任を伴う。意思決定に対して結果責任をもつ
    ・自分たちが望む結果でないとしても、避けられないものならば先延ばしにすべきではない
    ・過ちは認める
    〇背後から指揮を取れ
    ・自分たちがマンデラの意思決定に関わってる当事者意識を持たせる
    ・個人の知恵より集団の知恵が勝る
    〇役になりきれ
    ・外見が人を物語る
    ・印象操作
    ・映像の持続性
    ・笑顔が持つ力
    ・舞台裏の自分を見せない。人は本当の気持ちをすべて出すべきでない
    〇原理原則と戦術を区別せよ
    ・現実主義者
    ・戦略をもちながらも表に出さない
    ・状況が変わればとるべき戦略、思考も変わる。それは信念のブレではなく現実主義的思考だ
    〇相手の良い面を見出せ
    ・この世に完全な人間はいない
    ・自分の利益だけを考える人間もいる
    ・リーダーには守るべき道徳がある
    ・感情のリスク。だが人の誠実さは誠実な人間にこそ引き出せる
    〇己の敵を知れ
    ・相手の言葉、文化、歴史を知る
    ・相手の言語を丁寧にしゃべることで敬意を示す
    〇敵から目を離すな
    ・想定できる物事に対してすら十分な準備をしているというのか
    〇しかるべきときにしかるべく「ノー」といえ
    ・耳当たりの良い適当な答えをしない
    ・選択。いつ行動するか、ノーというか、前進するか
    〇長期的な視野を持て
    ・歴史は短期間で変えることはできない
    ・進むスピードよりも方向が大切
    ・すべての物事は人間の血と汗のにじむ努力から成し遂げられたものであり、軌跡や神業ではない
    ・短期的な視点と長期的な視点が同じ方向を目指しているかに心を砕く
    ・特定の出来事で評価するのではなく、人生の中で何を成し遂げてきたかで評価する
    〇愛ですべてを包め
    〇「負けて勝つ」勇気を持て
    ・進むべき道筋を示すことで船を操縦する事ではない
    〇すべての角度から物を見よ
    ・人間は複雑な生き物で行動の裏には無数の動機と理由がある
    〇自分だけの畑を耕せ
    〇その他
    ・人間は他の人々の存在を通して人となる
    ・信頼されるリーダーとは公的な場でも私的な場でも一貫性のある人物
    ・マンデラの偉大さは自らの欠点を克服したことにある
    ・あるべき姿にふさわしい方法でその目標を目指せ

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。通常の配架場所は、3階開架 請求記号:316.8//St4

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