- Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
- / ISBN・EAN: 9784863322554
感想・レビュー・書評
-
ああ、面白おかしく語られるけれども、どれも身におぼえがあったりして、私にとっては現実世界の延長線を物語と一緒に終始歩まされている感覚でいた。それが不思議と苦痛に思うことなど全くなく、人間なんて糞喰らえの裏側にある、誰よりも人一倍人間が好きであるような観察にむしろ好意。ハルムスはこれで三冊目なのだが、もっともっと読みたい知りたいと思わされる作家の一人である。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
老婆はビルから落ちた老婆をみようと窓から身を乗りだして転落死しました。
その老婆をみようと身を乗りだしたつぎの老婆も転落死しました。……
終始こんな短編。
厳しい弾圧下でここまで徹底した前衛的文学が生まれるなんて!
芸術の奔流をみた気がしました。
ロシアかっこいいなー、、 -
最初に読んだのは、モンキー・ビジネスという雑誌で。
なんだこれは。
というのが最初の感想。
不条理文学というジャンルの中に入るというのを後から知った。
どうも“不条理文学”というとカフカ辺りを思い浮かべ、ジメッとした感じがして手を出すことは無かったのですが・・・。
しかし、彼の作品はカラッとしている。
カラッとしているが、世の中のひどいことが沢山出てくる。隣の人がいきなり殴り倒されるし、死んでしまうし、突然居なくなってしまったり、と。
しかも因果も理由もあったものではない。
でも、きっと世の中そんなもんなんだろうな。と思えてしまう不思議さ。
結構好きです。こういう話。
ということで、★5つ。 -
めちゃくちゃ面白かった。ロシアの不条理文学の先駆者である彼の作品は、当時の政治や社会がからんで生み出した最高傑作。このどうしようもない空気感は現代人にも共感できて、ひたすらいい、と褒めたい。
-
「ひとりのフランス人にソファがプレゼントされた…」が一番好き。どの椅子に座るか決められないというだけの話。
-
これは拾い物でした。陰惨な現実から生まれるナンセンスの世界。竹内浩三の遺したナンセンス小説を思い起こさせます。