【小説7巻】本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第二部「神殿の巫女見習い4」
- TOブックス (2016年6月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
- / ISBN・EAN: 9784864724920
感想・レビュー・書評
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このシリーズ、今までの中で一番泣いた。
わかるけど、仕方ないけど、せつない。 -
敵は狸とガマガエル!
身分差のある時代もので平民が主役の場合、悪役は貴族のパターンが多いですが、この作品もそうでした。
道徳心の低い貴族のせいで、マインは家族と引き離されます。泣けました。
いつかまた一家団らんして欲しいです。
この巻で一区切りらしいですが、巻が進むごとに面白さが増します。
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サンタさん、もとい神殿長がようやく動き出す。それも引き連れるのはトナカイではなくカエルとは。彼は決断したらやり遂げようとするし、姉の後ろ盾を存分に利用する為、側仕えに策士が居たら恐ろしかっただろうな。当巻でお話は急転換する。ジルヴェスターの正体は驚かなかったけど、前巻に渡されたネックレスについては予想外。最後の契約は心が痛い。だけど、もう会えないと考えるのではなく、どうしたらまた会えるかを考えて行動に移すのは本当に尊い。諦めるのではなく、別の道を探す、無ければ作る。これもマインの影響かな。
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2022.05.27 読了
マインを取り巻く環境が激流のように
目まぐるしく変わってゆく。
ジルヴェスター様ぁぁあ!!!
そして号泣した!!なーーー!!! -
このまま政治の話には、ならんだろうな。魔力の強い者が、という一種の実力主義かな。
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第二部は置かれた環境がさらに広くなり、もちろん登場人物もがっつり増える。二部全体として、途中個人的に間延びしたけど、最後の方は一気読みした。
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【感想】
・神殿長を含む貴族たちの悪巧みから始まる。鬱陶しい連中。と言いつつ極端に戯画化されてはいるけど「こういう連中ってホントにいるよなあ」いや「誰の心の中にも少しはあるよなあ」とも思う。
・将来貴族の養女になったとき、どうやってルッツやギルベルタ商会や職人たち、下町と関わりを持続させるのか難しいと思っていたが、かなり強引やけどなんとかなりました。
・けっこうなバトルがあったけどやくマインの身体がもったもんやなあ。少しタフになってる?
・アルノーってそういうヤツやったんや。でも、彼、どうなったの?
【内容】
・マインの弟、コリンナとオットーの娘、そして孤児院に捨てられた男の赤ん坊ディルク(デリアが姉代わり)。マインの周囲で子育てが始まる。ディルクは身食いだったので事態は難しくなる。
・色インク作りに挑戦。意外な結果に一堂困惑。グーテンベルクに新メンバー加入。マインが二人に増えた感じ。
・神殿長たちの実力行使。なかなかハードなアクションあり。そのせいでマインの予定が早まってしまう。
・今回は他の人物視点の付録がたっぷり。
▼本好きについての簡単なメモ(一巻からの累積)
【アウブ・エーレンフェスト】領主。
【アルノー】神官長の側仕え。仕事はできるが面白みがなく地味だと思われている。神官長の好みには合致している。かつてはフランとともにマルグリットの側仕えだったこともあるようだ。で、マルグリットのファンの一人のようだ。フランに対してかすかな敵愾心というかからかいたいような気持ちを抱いているようだ。
【イェニー】神殿長の寵愛を受けている。クリスティーネの側仕えだった。
【イタリアン・レストラン】マインのアイデアでベンノが出すことになった店。ベンノはこの辺をとっかかりに独立を考えているようだ。料理人候補はフーゴ、エラ、トッド。
【イルゼ】フリーダんち(ギルド長んち)の料理人。ぶっきらぼうだが協力的。頼りになる。
【インゴ】印刷機を作ってくれる予定の職人。
【ヴァルゲール】春野菜。旬を過ぎると堅くなる。
【ヴィルマ】灰色神官の一人。美少女。芸術巫女と呼ばれたクリスティーネの側仕えだった。絵が上手。孤児たちの世話を一番しているお母さん的存在。マインは絵本作りに必要な人材として側仕えにしようとするがかつて花を捧げされそうになって以来男性恐怖症となり孤児院から離れたくない。
【ヴォルフ】インク協会の長。マインの絵本に使われたインクが既存のものと異なっていたので誰の発案なのか知りたがっている。貴族とのつながりを強固にするためなら犯罪も辞さない、評判の良くない男。その後、死亡。おそらく口封じ。
【麗乃/うらの】本須麗乃。主人公マインの転生前。本さえ読んでいられれば他に何もいらないというくらいの本好きで、司書になれることが決まりこれからバリバリ読書三昧と思っていたところで地震で崩れてきた本の山であえなく圧死しマインとして転生した。たぶん麗乃としてはもう出てこない? 番外編でもない限りは。なんぼ読書家でも不思議なくらいなんでも知っている。本人は記憶力よくないと言うのに。だからこそこの世界に連れてこられたのかもしれないけど。
【エーヴィリーベ】命の神。
【エーファ】マインの母。翡翠のような緑色の髪の美女。兵士長の娘で、ギュンターに惚れられた。
【エーレンフェスト】主人公が転生した中世ヨーロッパ風の街。この世界の中では大きい都市のように思われた。領主の名前が付いている。
【エグモント】青色神官。神殿長の取り巻きの一人。
【エラ】ベンノがイタリアンレストランのために雇った若い料理人。女性。
【オットー】南門にいる兵士の一人。元旅商人なので文字を書け計算もできるので事務仕事を担当している。物語開始当時新婚さん。妻はコリンナ。マインに字を教えてくれ、その代わり事務仕事を手伝わせた。商人として培った営業力とプレゼン力を嫁自慢に使う男。
【オットーの家】城壁に近い高級住宅街にあるコリンナの実家の三階にある。
【オトマール商会】商業ギルド長がトップをしている商会。街よりも前からここにあり、前領主のときは御用商人でもあった。基本的には貴族対象の食料品を扱う店だったようだ。フリーダが属し、なんとかマインを取り込もうとしている。
【カイ】孤児院の子どもの一人。
【隠し部屋】マインにとってはお小言部屋。他者に聞かれたくない密談があるときいつも連れていかれるのは一定の魔力量がないと入ることもできないから。神殿でも入れるのはフェルディナンド本人とマインだけと思われる。
【活字】ヨハンが作った。マインは「ひゃっほー」となりその素晴らしさをとうとうと語ったのち興奮のあまりバタンと倒れた。
【カトルカール】別名パウンドケーキ。マインがフリーダの家で作ったお菓子。小麦粉、卵、砂糖、バターが同量で作れるのでうろ覚えのマインでも作れそうだった。
【鐘】エーレンフェスとの街では時報代わりの鐘が鳴る。二の鐘で開門。四の鐘はだいたい正午くらいのようだ。三の鐘でマインとルッツが待ち合わせにしているようなのでそれが九時くらいなら開門は、不定時報だとしても朝の六時前後になるか? ベンノの店は二の鐘の少し前から三の鐘までの間が最も忙しいようだ。六の鐘が閉門の時間でありベンノの店も閉店する時間。おそらく日暮れで商売は終わるのだろうから全体にぼくらの世界より早く動いているとは思われる。一の鐘は四時頃だろうか? 七の鐘が就寝を促す鐘らしい。鐘ひとつ分は二時間から三時間くらいと思われるが今のところよくわからない。
【貨幣】小銅貨一枚が十リオン、穴が開いている中銅貨が百リオン、大銅貨が千リオン、小銀貨が一万リオン、さらに大銀貨、小金貨、大金貨と続く。
【髪飾り】マインの稼ぎのひとつ。トゥーリ用に作ったものが一部で評判に。
【神様】闇と光の夫婦神。そして五柱の神、水の女神フリュートレーネ、火の神ライデンシャフト、風の女神シュツェーリア、土の女神ゲドゥルリーヒ、命の神エーヴィリーベ。そしてそれぞれに十二の眷属の神々がいるようだ。命の神は土の女神を隠すので女神の兄弟神に疎まれている。武勇の神にアングリーフというのがいるようだがいずれかの眷属なのかもしれない。
【カミル】マインの弟。神殿にいた期間中に生まれた。
【カルステッド】騎士団長。公の場ではフェルディナンドに対してかしこまっているが私生活では友人。領主とも血縁がある。
【カルステッドの第三夫人】ローゼマリー。マインの実の母。という設定。存在自体は架空ではないが、設定は架空。
【カルラ】ルッツとラルフの母。
【簡易ちゃんリンシャン】衛生環境改善の意味もありマインが作った最初の発明品。メリルの実から採れる油を使った。
【簡単パルゥケーキ】マイン二つ目の発明品。鶏の餌にしかならないと思われていたパルゥの絞りかすを活用したホットケーキ。パルゥのおからを使ったレシピは他にもいくつか考案したもよう。パルゥバーグとか。
【記憶を見る魔術具】フェルディナンドがマインに対して使い、マインの過去を知られた。マインはそのことは気にしないがこの道具によって自分が一度読んだ本をもう一度読めることに気付き使いたくて仕方がない。
【騎士団】貴族の息子たちの中でも魔力の強い者が入るエリート集団。なのだが政変により貴族の数が減っているので本来なら騎士団に入れない程度の者も入っている現状。魔獣に乗って空を飛ぶ。
【貴族】貴族の血を引き、魔力を持ち、貴族院を卒業したもの。青色神官は貴族院を卒業していないので正確には貴族ではない。この世界の貴族はかなり横暴で一般人は歯牙にもかけられない。貴族だけが魔力を持つ。逆に言えば魔力があれば貴族になれる可能性もあるということか。
【汚い】現代日本から転生したマインにとって庶民の生活は全体的に不潔でことあるごとに「汚い」と感じる。ちょっと偏見も感じるがおそらくほとんどの現代日本人はそう感じるのだろう。特に身体の弱いマインにとって衛生は重要なので身近なところから改善していってる。
【ギュンター】マインの父。三十二歳。エーレンフェスト南門を守る兵士で班長。青色の髪。エーファに惚れて猪突猛進で結婚までこぎ着けた。
【教育】いわゆる教育を受ける機会がほとんどないこの世界の庶民の子。ルッツは「そういうの、教えてもらえることって滅多にないから、せっかく覚えたことは忘れたくなくて」と言った。
【ギル】マインの側仕えとなった灰色神官で十歳の少年。目付きが悪く反抗的でよく反省室に入れられている厄介さだったがマインに篭絡された。
【ギルド長】→グスタフ
【ギルベルタ商会】マインがメインで取引するようになった商人ベンノの店。彼の実家の一階が店、二階が家族の住居、三階より上が賃貸しの住居で、その三階といういい場所にベンノの妹であるコリアンナと夫のオットーが婿養子的に暮らしている。貴族などが取引相手のようで高級な感じ。基本的に服飾関係、ファッションブランドのようだ。
【綺麗好き】マインは周囲から病的な綺麗好きだと認識されている。まあ、やから昔は寿命も短かったし、子どもや出産時の死亡率が高かったんやけど。虚弱なマインにとっては自分の生命を守る必要性もあった。実際、オリジナル・マインはとっくに死んでるわけやし。
【グーテンベルク】思うのだけど、その世界に印刷という技術が必要になったとき、神さまがマインのような人材を転移させてブレークスルーを発生させるのかもしれない。一番最初のグーテンベルク以外は、称号としてのグーテンベルクなのだ。マインたちの世界では、ますヨハンがそう呼ばれ、ルッツやベンノも組み込まれた。次いでインク工房のハイディ、ヨハンが仲間入り。候補としてはインゴ。
【グスタフ】商人ギルドのギルド長。オトマール商会のトップ。ベンノと仲が悪いのはベンノの父が亡くなったとき母親を後添えにしギルベルト商会を取り込もうとし、断られ、今に至るまでネチネチと嫌がらせを続けているから。実は意外にベンノに目をかけている感じがある。
【薬】神官長フェルディナンド特製のお薬。効果はあるけど死にそうなくらい苦くてまずい。
【グラーツ】貴族。
【クリスティーネ】以前神殿にいた青色巫女見習い。芸術をことのほか愛し、詩と絵と音楽に耽る毎日。ヴィルマやロジーナを初めて側仕えの灰色巫女は下働きはせず全員貴族の令嬢のように優雅だった。名前だけ聞こえているが、いつか登場することはあるのか?
【契約魔法】貴族の横暴に対抗するために生まれた契約方法。かなり強制力が強く破る度合いによっては生命も失うほど。これはまったく関係ない第三者にも適応され、知らないうちにその契約に反することをしてしまうと知らないうちに何らかの罰則を受けるという恐ろしいもののようだ。なので、第三者が自分の頭で考えたアイディアがどこかの契約に抵触する場合にも適応される可能性がある。とりあえず効力の範囲は魔術結界の中、都市内だけのようだ。
【ゲドゥルリーヒ】土の女神。温もりや寛容の象徴。イメージカラーは赤。
【ゲルダ】子守りのおばさん。危なくないところで放置するというタイプ。
【ゲルラッハ】貴族。
【コージモ】グスタフの右腕的存在。
【コリンナ】ベンノの妹で、オットーの妻。有名な針子で業界では幹部クラスの立場。両親の工房を継いで工房長となっている。びっくりするくらい可愛らしくて細くてはかなげなのに巨乳。一目惚れしたオットーは彼女と結婚するため大金を出し市民権を手に入れ自分の店を持つ夢を諦めた。オットーがこの話を始めると長くなるのでベンノは止めようとする。将来的にベンノは店はコリンナとオットーに任せ自分は独立するつもり。
【裁縫協会】工房長として認められるためには一年に五着以上の衣装の注文を受けることと、貴族の顧客を持つこと。コリンナはそれをクリアしている。
【ザシャ】ルッツの兄。長兄。風貌は父親に似ている。建築関係の職人。
【ザック】鍛冶のヴェルデ工房の若い職人。ヨハンをライバル視している。
【サバイバル】この世界はまだ文明社会だがマインにとっては毎日がサバイバル生活に近い。個人的には山登りが趣味やったんでキャンプ生活も長くマインよりはマシと思うがそれでもこの世界に放り込まれたら苦労しそうだ。
【ジーク】ルッツの家の二番目の兄。木工工房で働いている。
【シキコーザ】若い騎士団員。マインに反感を抱き、護衛対象であるにもかかわらずマインを害し、トロンベを活性化させた罪で「処刑」されたということなので死刑になったようだ。軍隊にとって命令違反は許されないので相当重い罰を受けるだろうなとは思っていたが、まさかそこまでとは。
【シキコーザの母】→ダールドルフ子爵夫人
【司書】図書館で本の管理やレファレンス業務を行う専門職。個人的に司書資格は持っているだけに今の日本で実際に司書になるのがどれくらい大変かは、ぼく自身は司書になる気はなく書店でバイトしてたし本好きの教養のひとつとして取った資格ではあるけれどなんとなく知ってる。麗乃さんは優秀なんやなあと思う。
【市民権】街にすむことができる権利。旅商人になると手放すことになるらしい。
【しめじのような茸】一回火を通さないと踊るらしい。
【修ちゃん】麗乃の幼馴染み。麗乃の世話役。異世界でのルッツみたいなもんか。そのままだったらいつか麗乃と結婚したのかもね。「誰かが面倒みなくっちゃなあ」とかボヤキながら。母親が学会に出るというような記述があるので学者の息子か。麗乃を「妖怪本スキー」と呼ぶ。彼も転生してきていたらいいのだけど。
【シュツェーリア】風の女神。
【出産】今でも出産時の乳児死亡率は意外なほど大きい数字だがマインのいる文明レベルだと出産は相当危険だと思われる。マインの家では、最初の子は流産、次は男の子で一年たたずに死亡。次がトゥーリ、その次がマイン(オリジナル・マインは実は死んでいる)、次の子は冬を越えられず、その次は流産。そして物語中で出産された…七人きょうだいで
【シュミル】魔獣。おおむねウサギ。子どもでも捕獲でき肉も旨く他にも捨てるところがないくらい利用価値が大きい。ただし前足の爪に毒を持っているので注意は必要。
【商業ギルド】商売に関わる者は必ずギルドに登録していないと厳罰を受ける。権力があり、がめつい。
【ジルヴェスター】若い青色神官。神官長がこいつは性格が悪いと言った御仁。性根が腐っているわけではないとも? メンタリティは小学生男子。ただこいつのいじめを止めようとはしないので上級貴族の一員か? あるいは扱いからして王族(というか領主の一員)の可能性も? マインとはお互いに「好き放題やな、こいつ」と思いあう関係。
【白ラディッシュっぽい野菜】包丁の側面で叩き潰すと「ギャッ」と叫び赤ラディッシュになった。
【神官】神殿の要員。青色の僧衣を着た貴族出身の青色神官、青色巫女と、多くは孤児出身の灰色神官、巫女がいる。マインは特殊な条件で青色巫女になった。政変により貴族の数が足りなくなり、神殿に追いやられた貴族の姉弟たちが呼び戻され、今の神殿は要員不足に悩んでいる。特に深刻なのが魔術具に魔力を籠められる者が減っていること。
【神官長】→フェルディナンド
【神殿長】名前はベーゼヴァンス。自尊心だけは高い小者。領主の母親の弟。そのわりに魔力量が少なく劣等感を抱いている。マインに脅されて失神した。今後もいろいろ不愉快なことをやってくれるだろう?
【煤鉛筆】木簡に字を書くために作った。竈や煙突の煤を集め粘土で固めた。
【政変】どうやら貴族どうしの争いがあったようで貴族の人口が著しく減っているようだ。ゆえに一度は神殿に追いやられていた貴族の子弟たちが呼び戻されているようで青色神官の人数が減っている。そして側仕えだった灰色神官が孤児院戻ってきて一人あたりの食糧が減りいつも飢えている状態。
【洗礼式】七歳になると洗礼式があり以降は半ば大人扱いになる。
【ダームエル】若い騎士団員。マインにも偏見なく接してくれた。ただそのときシキコーザを止めることができなかったので同様の処罰を受けそうになったが多大な罰金と降格(マインの護衛)を受けた。どうもヘンリックの弟らしい。
【ダールドルフ子爵夫人】シキコーザの母。マインとフェルディナンドを憎んでいる。
【タウの実】森にときおり落ちている赤い実。中は水だけだが持って帰ると干からびているのだがそのまま放置しておくと水分が増え大きくなる。街の人々は夏の星祭りの夜それをぶつけ合って楽しむ。実はトロンベの種。魔力を吸い取る性質があるのでこれを使えば身食いで死ぬ子どもが減るのではないかとマインは考えた。ただし、それを明らかにすると社会が崩壊する可能性がある。
【ダプラ契約】商人や職人の見習いの雇用契約。将来的に店や業務を任せるための徒弟契約。八年間。マルクはいつか実家の商店に戻るダルアとして数回の契約更新をした後、実家との折り合いが悪くなりダプラとして契約した。
【ダミアン】グスタフの孫でフリーダの兄。
【ダルア契約】商人や職人の見習いの雇用契約。店長との雇用契約で、ギルベルタ商会では他の商人の子弟をダルアとして預かることが多い。おおむね三年から四年の契約となる。
【ディード】ルッツの父。建築関係の職人。頑固っぽい。
【ディルク】孤児院に預けられた赤ちゃん。デリアが姉代わりになったので似た名前にした。
【デリア】マインの側仕えとなった八歳の少女。神殿長のスパイだったがマインに敵対する態度を丸出しにしたため望まれた情報が手に入らなかった神殿長に切り捨てられマインに泣きついた。ツンデレではあるが取り込んでみれば貴族の習慣等に詳しいその知識はマインが「化ける」ためには有用だった。マインの部屋をきれいに保つことが主な仕事。
【トゥーリ】マインの姉。一歳違いだがすくすく育っている。緑の髪の美少女。現代の日本人の目から見たら薄汚かったのがマインのお陰できれいになった。
【トッド】ベンノがイタリアンレストランのために雇った若い料理人。男性。
【ドレッファングーア】時の女神。
【トロンベ】ものすごく成長が速い木。見ている間ににょきにょき伸びていく。マインは「不思議なにょきにょっ木」くらいに思ってるが皆にとってはそんなに気楽なものではないようだ。伸び始めに刈り取らないと辺りの栄養が吸いとられてしまう危険性の高いものなので住民たちは発見したら何を置いても刈り取ることを最優先する。育ちきったらあたりを荒廃した土地にしてしまいさらに拡大しようとし、騎士団でないと対応できない。ただ、紙の材料として最適だったのでマインはけっこう危なっかしいことをしたりもする。本当に大きくなってしまうと一般人の手には負えず騎士団に依頼する必要がある。マインは後にその現場に参加することになる。ちなみにトロンベで作られた紙は燃えにくく、手に入りにくいこともあって高価なものになる。
【ニコラ】灰色巫女見習い。オレンジ色っぽい髪を三つ編みにし美味しいものが好き。いつもニコニコしている。モニカとともにマインの側仕えとなる。
【粘土板】マインがパピルスの次に作ろうとした紙の代替物だが焼いて保存しようとしたら爆発。
【ハイディ】ビアスの娘。インク研究に特化したマインみたいな人物でかなり気が合う。夫のヨゼフは苦労の毎日。
【パピルス】マインが最初に紙の代わりとして作ろうとして失敗。
【パルゥ】甘い汁が採れる実。冬の晴れた日の朝、雪の中でしか採れない。実のなっている枝を暖めなければならないが魔力があるのか炎は消えてしまうので手で暖める。昼を過ぎるとぎゅーんと大きくなってぴゅーんと実が飛んでいき木は消えてしまうので午前中が勝負。絞りカスを使ったパルゥケーキはマインオリジナルレシピだが、パルゥの絞りカスは家畜の飼料でもあるので広まって飼料がなくなるのは避けたいから内輪だけの楽しみ。
【ビアス】ヴォルフの死後インク協会の会長になった男。
【東門】街道に面していて旅人が多く活気がある分、治安が悪い。二十歳を越えていて既婚者だが新しもの好きで落ち着きがないと父親には言われている。マインとは気が合うようだ。
【ビンデバルト】伯爵。太っている。
【フーゴ】ベンノがイタリアンレストランのために雇った若い料理人。男性。
【フェイ】トゥーリと同じ年の少年。ピンク頭で悪ガキふう。
【フェシュピール】楽器。リュートと琴を合わせたような感じで、バンドゥーラによく似ている。貴族の嗜み。
【フェルディナンド】神官長。重要キャラの一人。マインにとっては神殿におけるベンノのような位置付けとなる。まあ、要するに保護者ですな。ルッツにつぐマインの秘密を知る二人目となる。落ち着いていておっさんぽいが実は二十歳。神殿では神殿長に次ぐ位。魔力量はけた外れに多く、彼の「隠し部屋」に入れるのは神殿でも他にはマインしかいない。貴族でもあり、愛妾の子どもだった。年齢的に案外マインの婿候補No.1かもしれない?
【ブラウ】シュミルという愛玩魔獣。黒と青の中間の色のつやつやした毛並みと金色の瞳。ジルヴェスターが子どもの頃可愛がっていたが可愛がられすぎて命の危険を感じたようでカルステッドに懐いた。ジルヴェスターいわくマインはブラウに似ている。
【フラン】十七歳の灰色神官。落ち着いているので二十代に見える。フェルディナンドの信頼も厚い側仕えだったがマインの側仕えとなった。当初は不満だったようだがいつも落ち着いておりいろいろめんどうみてくれ、側仕えたちの中心となる。紅茶を淹れるのがとても上手。
【フリーダ】商業ギルドのギルド長の孫娘。洗礼式のための髪飾りを欲しがっていた。桜色のツインテール幼女。会話のどこにワナが仕掛けられているかわからず油断できないが、親しい友人ともなる。一番好きなのはお金を数えることと貯めること。マインと同じく身食いを抱えているが金の力で貴族から魔術具を購入し生命を繋いでいる。将来はとある貴族の愛妾になることが決まっているがその代わり貴族街に店を持つことができるので売り上げの三割を貴族に差し出さねばならないもののむしろ楽しみにしている。ギルド長の家は将来貴族の中で暮らしていくフリーダために貴族の習慣や道具を取り入れている。マインとは異なり身食いがなければ健康体。
【フリュートレーネ】水の女神。眷属として十二の女神がいる。
【ベーゼヴァンス】→神殿長
【ベルーフ】工房の親方になるための資格。
【ベレア】酒のようだ。
【ベンノ】商人。特に重要なキャラの一人。オットーに紹介された。ベンチャー企業のトップのようなギラギラしたところがある。商人として遣り手で厳しくもあるがだんだんマインの保護者のような立場になっていってしまう。虚弱な姪を心配する叔父ってところか。結婚したかった女性がなくなっていて、彼女以上の女性は見つけられないだろうからおそらく結婚しないだろうと自分で考えている。近い将来商会は妹に任せ、自分は独立するつもりのようだ。
【ヘンリック】下級貴族。フリーダの契約相手。グスタフが人柄だけで選んだらしい。ということは人柄はいいということなのだろう。どうやらダームエルの兄らしい。
【星祭り】夏の祭り。水風船のようなタウの実をぶつけ合う祭り。結婚した新郎新婦にぶつけるらしい。貴族の間では星結びの儀式というものがあるらしいが、水風船のぶつけ合いはなさそうだ。
【マイン】主人公。本須麗乃の転生した姿。スタート時五歳だが身体が弱く三歳くらいに見える。何かしたら基本倒れるので何もさせてもらえない。あくまでも頭脳労働者。紺色(夜色)の髪。ふだんは金色の瞳だが怒ると複雑な虹色になる。たぶん油膜ができるのだろう? あるいは魔力膜? 本を読んでいれば他に何もいらないというタイプなのにこちらの世界には(容易に入手できるような)本がなくそれならば自分で作ってしまおうという考えに至った。オリジナルのマインは麗乃より音感がよくほぼ絶対音感に近いのではないかと思われる。エラ視点では超絶美少女のようだ。
【マイン工房】マインが小遣い稼ぎのために立ち上げた。本作りと、そのための資金作りが目的だが孤児院の外貨獲得のためともなった。
【マインの家族】父親の兵士長ギュンター。裁縫の腕がいい美人の母エーファ、将来美人になるであろうお針子見習いの姉トゥーリ、そしてマインの四人家族。後に一人追加。
【マインの結婚】巫女見習いのとき神官長によるとマインの魔力量だと遅かれ早かれ貴族に取り込まれ、中級以上の貴族と結婚するしかなくなるとのこと。まあ、なんとか生き延びることができればの話なのでこの時点でのマインは特に気にしていなかったが。
【マインの体調】マインは身体が弱い。最初は家を出るだけで青息吐息という虚弱体質。オリジナルのマインはすでに熱で死んでその身体に本須麗乃の精神と記憶(魂というか)が入った形。オリジナルのマインから病弱なところは受け継ぎちょっと無理をしたらすぐ熱を出して倒れる。どうやら「身食い」と呼ばれる病気らしい。マイン=本須麗乃はとてもわがままで自分の目的のためならそう簡単には誰の言うことも聞かないので突っ走っては倒れる。後に、マインの体調を最もよく把握しているルッツがベンノたちから「マイン係」? に任命された。彼女の身体が人並みだったら無制限に世界を変えるようなとんでもない騒動を引き起こすことになっていたかもしれないし、誰かの不興を買って殺されたりしていたかもしれないし、魔女として処刑されたかもしれないし、その後の成り上がりもなかったかもしれない。
【マインの知人】まず、何かと世話を焼いてくれる幼馴染みで商人になりたいと思ってる少年ルッツ。門番で会計がらみの仕事を一手に引き受けている元旅商人のオットー。新進気鋭の商人ベンノ。その部下でよく気がつくマルク。マインをスカウトしようとしている商業ギルドのギルド長グスタフ。その孫娘でお金を数えるのが何より好きな桃色ツインテール美幼女フリーダ。など。
【マインの知人・神殿編】神官長フェルディナンド。側仕えとして頼りになるフラン、腕白なギル、神殿長のスパイで貴族の愛人になりたいデリア、絵や文字の上手なヴィルマ、楽器の演奏が好きでマインよりよっぽど貴族のお嬢様に見えるロジーナ。
【魔獣】体内に魔石を持ちそれに刃物が触れた瞬間溶けてしまう。騎士団が使う魔獣は手甲の魔石から変じる。どんな形になるかは術者の好みによる。魔力の供給が切れない限り動き続ける。ユニコーンが今のトレンド。フェルディナンドの魔獣は羽のあるライオン。
【魔術結界】街を取り囲んでいるらしい。契約魔術が届く範囲はこの結界内。
【マルク】ベンノの経営するギルベルタ商会の従業員。ベンノの右腕的存在。従業員の教育係でもあるようだ。マインとルッツに発注書(契約書)の書き方を教えてくれる。後々マインとルッツの面倒を親身に見てくれる。マインいわく「素敵紳士」なので作業服が似合わないから力仕事はさせたくない。ベンノならOK。実家も店をやっていたのでいつか戻る予定だったが長兄との折り合いが悪くなりベンノとともにギルベルタ商会を大きくした。その途中で実家を踏み台にしたらしい。
【マルグリット】マインの入った部屋を前に使っていた青色巫女。貴族らしい貴族だったようだ。出ていったのかと思っていたがどうやら自殺したもよう。それにはフランが関わっているような感じ。クリスティーネと同一人物かどうか不明。違うような感じ。
【身食い】マインを侵す熱。魔力過剰症。魔力に食われて遠くない将来、死ぬことになる。対応手段はあるにはあるがそのための壁が厚い。フリーダもそうだった。後にマインはこれを回避する手段を見つけ出すが世界のありようを変えてしまうほどの情報なので外には出せない。
【メリル】食べられる木の実。油が採れる。これを使ってマインは「簡易ちゃんリンシャン」を作った。
【木簡】マインが挑戦したパピルス、粘土板に次ぐ第三の紙代替物。黄河文明。が、あえなく薪として燃やされた。
【本須麗乃/もとす・うらの】→麗乃
【モニカ】灰色巫女見習い。深緑色の髪を後ろでひとつにまとめている寡黙で真面目な性格。ニコラとともにマインの側仕えとなる。
【闇と光の夫婦神】最高神。
【ユッテ】フリーダんちの下働きの女性。
【曜日】曜日のようなものもある。水の日、芽の日、火の日、葉の日、風の日、実の日、土の日があり順に繰り返される。土の日は安息日。
【羊皮紙】マインが最初に見かけた紙のような物体。一枚でギュンターの月給くらい。
【ヨゼフ】ハイディの夫にしてビアスの工房の実質的な跡取り。同じようなパートナーを持ったせいでルッツと気が合う。
【ヨハン】鍛冶工房の若い職人。腕はいい。仕事にこだわる完璧主義者だが遅い。マインから「グーテンベルク」の称号をもらう。
【ライデンシャフト】火の神。イメージカラーは青。
【ラウラ】トゥーリの工房仲間。
【ラルフ】ルッツの兄。トゥーリと同じ年の男の子。赤毛。子どもたちのまとめ役。たぶんそのままいけば将来的にはトゥーリの夫になれるかもしれない果報者。
【リーゼ】ベンノの恋人だった人物でもう亡くなっている。その死後ベンノはもう結婚に対しての興味を失っている。商人としてもベンノと対等なパートナーになれるレベルだったようだ。商売に関する口喧嘩でベンノはリーゼに勝てたことがないらしい。ベンノにとってマインは娘のようなものでもあり、リーゼの生まれ変わりのような感もあるのかもしれない。三十歳くらいの歳の差があるので結婚はできなさそうだが。
【リタ】トゥーリの工房仲間。
【料理】マインはけっこう料理が上手い。麗乃だった頃は本しかよんでなかったのかと思ったら意外。本の知識だけでなんとかなるものではなかろうに。
【ルッツ】マインと同じ年の少年。重要キャラの筆頭。マインの相棒となる。ラルフの弟。金髪で翡翠のような緑色の目。なんというかある意味色仕掛けでマインに利用されることになりマインの世話役として長く苦労を共にした。旅商人になるのが夢だが壁は大きい。マインの秘密を知った最初の人物。《だから、オレのマインはお前でいいよ》第三巻p.182。順調ならマインと結婚する相手候補No.1だが、貴族としか結婚できそうにないマインの立場からすると難しい。
【レオン】ギルベルタ商会のダプラ。神殿の孤児院に派遣され行儀作法の修行とともに工房の手伝いをさせられている。
【レナーテ】コリンナとオットーの娘。カミルと同時期、マインの巫女見習い期間中に生まれた。ギルベルタ商会の跡取り娘。
【ローゼマイン】マインの新しい名前。
【ロジーナ】灰色神官の一人。芸術巫女と呼ばれたクリスティーネの側仕えだった。楽器の演奏が得意。綺麗な顔立ち。マインの側仕えとなりフェシュピールを教える役目を仰せつかるが他のことをまったくしようとしないので他の側仕えと軋轢が発生。マインにとってはお嬢様的振る舞いのためのお手本。