グルジア映画への旅 映画の王国ジョージアの人と文化をたずねて

  • 未知谷
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784896425482

感想・レビュー・書評

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  • 人や言語や文化の全てを含めたジョージアという"くに"と、芸術としての映画への想いが溢れ出んばかりに熱く、されど穏やかな筆致で語られている。日本と違いまだ商業性よりも芸術性が重んじられているジョージア映画を今すぐにでも観たくなるような一冊。
    また、読んでいるうちに映画に関する個人的な疑問――なぜ最近は映画館に行くことが億劫になってしまったのか、シネコンよりもミニシアター・ハリウッドよりも非ハリウッド・最新作よりも旧作といった具合に好みが変わってきたのなぜか等――に対する答えを見つけられたような気がした。

  • 日本では非常に貴重なジョージア映画の入門書。研究書ではなく、作者のジョージアの映画人たちとの交流を交えながらジョージア映画の歴史を紐解くガイド的な位置付け。今、岩波ホールで開催中の「ジョージア映画祭2022 コーカサスからの風」の予習に役だった。作者原田さんは同映画祭イベンターも務め、初日に挨拶をされていたが、ジョージア映画の不遇を訴えていた。旧ソ連時代にジョージア映画の所有権がソ連のフィルムセンターにあった関係で、ジョージアはソ連解体後もロシアから版権を高額な金を積み、一つ一つ買い戻している最中だという。そのせいで日本でも旧ソ連時代のジョージア映画は数十本しか観ることができない。

    実生活で縁もゆかりもないジョージア映画に惹かれるのは何故だろう? テンギズ・アブラゼ、シェンゲラーヤ父子等の巨匠や近年ヒットした『みかんの丘』『とうもろこしの島』を観て思ったのは、ジョージア映画は共通して宗教的なテーマによる画面の荘厳さと、民族的なテーマが生み出す熱狂とヒューマニズムに彩られているということ。自己言及的な、内省的な厳めしさに、発散する開放的な雰囲気が加わり独特の映像世界が展開される。ーーテンギズ・アブラゼ監督曰く、「映画はより民族的であるほど、より普遍的になる」。そして、画面に広がる壮大かつ厳しい自然のダイナミズムが素晴らしい。

  • はらださんのグルジア愛溢れる筆致がよい。グルジア映画大好きなので、グルジア映画史紐解くこの解説書はとても有り難い。

  • 即買い(スミマセン金欠なので、、、暫く後で)
    それから、ジョージアって言うのがなかなか慣れません。。。

    未知谷のPR
    岩波ホール創立50周年
    ジョージア独立100年
    ピロスマニ没後100年
    ジョージア映画誕生110年

    素晴らしい記念の年に
    これまで何度もジョージアへ足を運び
    15本ものジョージア映画を
    岩波ホールで紹介してきた原田氏の
    40年に渡るジョージア映画への旅が
    一冊の本になりました
    貴重な情報、分析が満載
    http://www.michitani.com/books/ISBN978-4-89642-548-2.html

  • 日経新聞201855掲載

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著者プロフィール

はらだたけひで
1954年、東京都に生まれる。1974年から2019年まで、東京・岩波ホール(2022年に閉館)で世界の名作映画の上映に携わる。1978年公開の「ピロスマニ」以降、ジョージア文化、特に同国の映画の紹介に努め、現在は「ジョージア映画祭」を主宰する。創作絵本に『パシュラル先生』(産経児童出版文化賞入賞)のシリーズ、『フランチェスコ』(ユニセフ= エズラ・ジャック・キーツ国際絵本画家最優秀賞)、『しろいおひげの人』など多数。挿画も多く『ダギーへの手紙』(E・キューブラー・ロス)、『十歳のきみへ』(日野原重明)、『森のお店やさん』(林原玉枝)など。ジョージア関係の著作に『グルジア映画への旅』、『放浪の画家ニコ・ピロスマニ』、『放浪の聖画家ピロスマニ』などがある。2022年にジョージア政府から文化功労賞が授与される。

「2023年 『子どもの十字軍』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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