大阪的 (コーヒーと一冊)

  • ミシマ社
3.29
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本棚登録 : 239
感想 : 34
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  • Amazon.co.jp ・本 (96ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784903908922

作品紹介・あらすじ

どこで書くか、方言を使うか、世の中の場所は全部ローカルではないか……
関西の名物編集者と作家が、怒涛の勢いで語り、綴る!
大阪から、日本のローカルのあり方が見えてくる。

書き下ろしエッセイ×一気読み必至の対談を収録!

大きな地方であるということは、大きな田舎であるということを認めて、
それをめいっぱい楽しめばいいのではないかと思うのだ。
開き直ってええねんで大阪。知らんけど。ーー津村記久子

感想・レビュー・書評

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  • 書店で見かける度に気になってた「コーヒーと一冊」シリーズ、津村さんなので購入。シリーズ狙い通りあっという間に読了。あまり行かない大阪の話は興味ある外国の事を聞くようで面白かった。地元がある人羨ましい。中島敦の名が出たのも嬉しい。

  • 津村さんなので、ぜひ読みたいと最初書店をさがしまくったがわたしの行く書店ではどこにも見つけられず、アマゾンから届けてもらった。らば、単行本を想像していたんだけど、予想外に冊子的なものだった。。。これで千円は高いような気もするけど、なんというか「コーヒーと一冊」というコンセプトとか手づくり雑誌みたいな感じが好ましかったのでよしと。。。内容はすごくおもしろかったし。笑った。
    津村さんが大阪のよくないところを書く、という。大阪はおばちゃんである、とか。ほんとうに津村さんておもしろい。

  • 「大阪はおばちゃん」「意外と個性がない」など、序文がかなりテキトーな書き方で、この本大丈夫かと思ったら、その後の対談や説明を読んでると割と腑に落ちる。なるほど、大阪的な説明の仕方だったのか。知らんけど。

    大阪弁のボケツッコミシステムをかなり納得できる説明してくれる。また、p53からのパートで、大阪弁は同じ単語でも発音の仕方で意味がかなり変わるというのを例を上げて説明してくれるので大阪弁分かる人も分からない人も勉強になる。「ねえちゃん」とかもどこの音節を上げるかで「姉、OL、水商売などどういうねえちゃんか表すことができる」など。ネタで言えば「なんや」が発音や語尾の長さなどで意味合いが変わるとかもうあながち笑い話ではなく、真面目な話だよなー。奥が深いわ大阪弁。

    「しゃべってるときに水位の調整ができる大阪人」
    会話の雰囲気を常に測っており、相手よりおもろいことを言おうとしたり、相手を立ててあえておもろないことを言ったりするのが大阪人。
    相手の話のオチがないことに驚いたりするというのは、つまり「話し続けないんかい!」ということだったのか。
    自分は道産子だが、もともとの性格なのか、和歌山で暮らして学んだのか知らないが、こういうところだいぶある。真面目な話が苦手というのもあるが、おもろいことをついつい言いたくなるし、オチがない、面白い話じゃない場合は拍子抜けしてしまう。

    個人的に思うのは、ボケツッコミというのは瞬間的なユーモアの応酬なのでかなり脳が活発に動くことになる。これはだいぶ脳のエクササイズにもなるし、だいぶボケ防止にもなるんじゃないかと。単に相手の話を聞いてるだけじゃなく、ツッコミを入れたり、相手よりおもろいことを言おうとし続けるわけだし。

    それにしてもこの「コーヒーと一冊」シリーズ、ほんとに文章量がちょうどいい。さすがにコーヒー一杯では飲み終われないが、三杯分くらい。一日で読み終われる。

  • 関係ないけど夫の実家(北関東)へ行く前と行った後に読んだ。おもしろかった!
    津村さんの制作の姿勢と裏側もチラリと知ることが出来たし、『中央』と『ローカル』の例えがめちゃ分かりやすいし、めちゃ驚嘆。
    私もローカル抱えて生きていきたい。
    ずっと関東住の私は語尾に付ける『知らんけど』遣いが憧れです。

  • 大阪を離れてしまった大阪弁ネイティブ(ただし祖母と母の話す大阪弁なのでかなり古いもの)でとても大阪的なものには好意を持ってみている。
    この本は大阪人(テレビ的な大阪人=芸人ではなくてら大阪で生活してる人)が本当に素で話してる本。とても面白かった。常々、大阪は京都奈良神戸に比べて泥臭い、鈍臭いトコがあるなぁと思っていたので大阪人でもそう思うことあるんやねという感じもある。

  • 津村さんも好き、大阪も大阪の人も最近好き。
    だから読んだのだけれど、やっぱり風土的なものやイントネーションなどは、文字で読んでもさっぱりわからないものなんだなと思う。
    上手く説明はできないけれども、東京だって、ここはヤバいとか地域での違いとか有ると思うし、東京だろうが大阪だろうが、それぞれその土地の人にしかそれは感じ取れないのだろうと思う。(津村さん達も、東京は東京全体の顔しか無いように誤解しているふしがある)

  • 大阪生まれのふたりが大阪についてとりとめもなく話す一冊。
    大阪に縁のないわたしにはちんぷんかんぷんな部分も結構あったのだけど、津村さんの目を江さんがとても褒めてくださるので自分のことのように嬉しかったり。

    津村さんの強い意志も再確認できたし
    ほんとうに良い意味で自分を作家だとおもっていないんだなあと。
    だからこんなに一般的な、日常を書けるんだなあと、でも、ものの見方がほんとうにユニーク。
    女の子的でもあり、おっさんでもある。

    ジョルジョ・モランディの説明や、トランプがヅラか思い続けなあかんという思想や、東京に行ったら日本人になってしまう、という発想、こういう目で、それを形にできる文章力があったらそら作家になるよな。

    それぞれのエッセイよりも対談で一冊だったらもっと高い評価をつけたかも。それくらい、おしゃべりをもっと聞いていたかった。

  • 話題の中心は大阪なのだけど、均一化した東京的ではないローカルな生き方あり方という本質に軽快に踏み込んでいく。拍手喝采。

  • めっちゃわかる、とぜんぜんわからへん、がたくさんある本であった。

  • すごくおもしろい。わたしがよそ者だからおもしろいのか、西の人が読んでもちゃんと楽しめるのか、気になる。
    「方言を使う賢い人が1番怖い、最強」
    という指摘に大いに賛成。確かにだ。
    とても興味深い場所。

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著者プロフィール

1958年、大阪府岸和田市生まれ。編集者・著述家、神戸松蔭女子学院大学教授。89年『月刊ミーツ・リージョナル』を創刊に携わり、12年編集長を務める。ファッション・ページも長く担当。「街場」を起点に多彩な活動を繰り広げている。『K氏の大阪弁ブンガク論』(ミシマ社)、『「うまいもん屋」からの大阪論』(NHK出版新書)、『いっとかなあかん店 大阪』(140B)など、大阪について書かれたもののほか、『「街的」ということ』(講談社)、『有次と庖丁』(新潮社)、『神戸と洋食』(神戸新聞総合出版センター)などの著書がある。

「2023年 『なんでそう着るの? 問い直しファッション考』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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