ロスト・イン・トランスレーション [DVD]

監督 : ソフィア・コッポラ 
出演 : ビル・マーレイ  スカーレット・ヨハンソン  ジョバンニ・リビシー 
  • 東北新社
3.44
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  • (36)
本棚登録 : 2025
感想 : 353
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4933364611017

感想・レビュー・書評

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  • (20年前だけど)東京って外国みたいだなーと思った。これでも写る景色のほんの一部なんだろうけど。
    時代のせいか、登場人物が皆暗いのがちょっと嫌。

  • 封切り時に観て以来、20年ぶりに再見。もう20年も前の映画であることに驚かされる。

    初見のときにはこんな感想をブログに書いていた。
    ---------------------
    CM撮影のため来日した大物俳優(ビル・マーレイ)と、写真家の夫の仕事のため来日した若妻(スカーレット・ヨハンソン)。

    俳優は身過ぎ世過ぎの仕事に倦んでいる。女は、仕事で飛び回る夫からホテル(新宿のパーク・ハイアット東京)に放置された状態で、寂しくてたまらない。そんな2人が、ホテルのラウンジで出会う。

    2人の淡い恋と並行して、彼らが東京の街で出合う出来事がスケッチされていく。ネオン輝く東京の夜景が、こんなに美しく撮られた映画はいままでになかったのではないか。

    ともに自分を見失っている状態にある2人が、東京でのささやかな冒険を通して「自分探し」をする物語ともいえる。だが、最後まで「自分」は見つからず、途方に暮れた宙ぶらりんの状態でストーリーは終わる。

    カルチャーギャップが随所で笑いを誘う知的なコメディでもある(タイトルは「翻訳の過程で意味やニュアンスが失われてしまうこと」を意味する)。

    「出てくる日本人が過度に戯画化された、日本蔑視映画」という評価も目にしたが、私にはその点は気にならなかった。“初めて来日したアメリカ人から見れば、ま、日本人はあれくらい滑稽に映るだろうな”という許容範囲内だと思う。

    ただ、淡いスケッチの積み重ねで成り立ったストーリーは起伏に乏しく、映画的な盛り上がりに欠ける。なぜこの作品が「アカデミー・オリジナル脚本賞」なのかと、首をかしげた。
     
    ストーリーよりは「気分」を味わい、全体よりはディテールを愉しむべき映画。
     
    たとえば音楽好きなら、トリヴィアルな愉しみ方ができる映画だ。
    カラオケボックスで、ビル・マーレイはロキシー・ミュージックの名曲「モア・ザン・ディス」を歌い、スカーレット・ヨハンソンはプリテンダーズの「恋のブラス・イン・ポケット」を歌う。

    来日中のハリウッド女優役のアンナ・ファリスがホテルのバーで戯れに歌うのは、カーリー・サイモンが歌っていた『007/私を愛したスパイ』の主題歌。 
    そして、エンド・クレジットに流れるのは、我らがはっぴいえんどの「風をあつめて」だ。
    音楽の使い方はすこぶるセンスがよい。
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    今回再見してもおおむね同じ感想を抱いたが、20年前のスカーレット・ヨハンソンの美しさに目を奪われた。

    いまや堂々たるハリウッドスターになったスカヨハだが、本作ではまだスター然としておらず、初々しい。
    それでいて、ホテルのベッドに横たわっただけでも絵になってしまうほど、圧倒的な原石の輝きがある。

    ソフィア・コッポラ監督自身の体験を元にした、半自伝的映画でもあるそうだ(ヒロインは若き日の彼女がモデルで、夫のカメラマンは元夫のスパイク・ジョーンズがモデル)。
    だからこそ強い思い入れをもって、スカヨハの美しさをフィルムに刻みつけたのだろう。

  • 映像作品としては好きだけど、この日本人の描写はちょっとオリエンタリズムだろう……
    白人が白人のために作った白人から見た東京になってしまっていて、それを比較化する視点が一切含まれていないと思う。本当は英語を流暢に話す日本人だってたくさんいる。基本的な挨拶含め一切日本語で話そうとしない白人の登場人物たち、その上で日本人の英語アクセントを意味不明であるかのように描写するのはだいぶアウトかな……ステレオタイプを強化してしまっている。正直薄っぺらい。lost in translationも何も、そもそも本気でtranslateしようという意思が描写されていなくない?

    エキゾチックな眼差しにはどこかに蔑視も潜んでいる。そんな文脈のなか、東京という大都会で主人公たちの感じているalienationを訴えられても、心に響かない。

    この映画のウィキペディア英語版、レイシズム批判が一応記載されてる。アジアンスタディーズやアジアンアメリカンスタディーズ業界でその後の評価はどうなんだろう。

    あの新宿大ガード下から車が抜けていくカットが同じく使われている深夜食堂とかと比べると、東京という街の描写の厚みが明らかに違うなあ

  • 東京ってこんなだっけって思う。そういう見方もあるんだなって。

    とくにドラマチックなことは起こらない。人生が停滞していた男女が出逢い、惹かれ合う。

  • 日本というエキセントリックな辺境の国で、自分の立場を改めて観直すという演出。
    ただ日本は単なる舞台設定になっただけで、韓国や台湾、東南アジア(但し、英語があまり通じない国)なら何処でも良かったはず。
    最期、ボブはシャーロットに何と呟いたのかが気になる。

    追伸
    個人的には、日本と日本人の落日を予見させるモノだったと観る。

  • 映画大好きポンポさん3で、映像表現をテーマに取り上げられていた1本。

    異国の地トーキョーで寂しさを抱えるアメリカ人男女が出合い別れる話。
    通訳がわざとかと思うほど断片的にしか訳さないので混乱するハリウッドスターが見ていて可哀そうだった。
    異文化都市トーキョーで浮いているふたりの主人公が、トランスレーションの狭間で迷子になる、と同時に同国人の配偶者たちとも上手くコミュニケーション取れないという寄る辺なさが、しっとりとした間と落ち着いた映像に表れている、気がする。

    端的に言って好きな映画だった。
    名前だけよく聞く監督さんだけど他のも観てみようかな。最近新規開拓できていなかったし。

    20年前の東京の、スマホのカメラで撮ったんかなというような飾り気のない風景や風俗が(西洋人パートは今見てもおしゃれなのに、日本パートは)古臭く感じるのが面白い。
    日本人の英語がめちゃくちゃ聞き取りやすいのにハリウッドスターはぼそぼそ言ってて何言ってるかよくわからんのはあるある。

  • ピークを過ぎたハリウッド俳優ボブ・ハリスはウィスキーのCM出演のため来日しパークハイアット東京に滞在していた。大学を卒業したばかりの若妻シャーロットはカメラマンの夫の仕事について来日したが、仕事に忙しい夫にかまってもらえず、東京の街を虚しく散策していた。
    ホテルのバーで知り合った2人は親しくなり、シャーロットの東京の友人”チャーリー”とその仲間のパーティに行き、楽しい東京の一夜を過ごす。シャーロットは京都へ一人旅行に行き、ボブはテレビ番組に出演。ほのかな友情が2人の間に芽生えたが、ボブは仕事を終えアメリカに帰国する。

    ソフィア・コッポラが、自身が日本に滞在した経験を元に、言葉によるコミュニケーションによって失われるものを描着出す。撮影当時17歳のスカーレット・ヨハンソンの美しさ、大人っぽさ、色気にびっくり。漠然とした不安を抱える若妻を好演。それを優しく受け止める疲れた中年男性のビル・マーレイも素敵。年齢も性別も超えた友情に胸を打たれる。
    渋谷の雑踏、電車でエロ漫画を読む男性、パークハイアット東京の窓からの景色、京都の寺院、マシューのベストヒットTVなど、懐かしくて大好きな東京がたくさんでてくるのが嬉しい。そこに+★ひとつ。

  • 外国人フィルターがかかった東京と日本。
    アカデミー賞脚本賞をとった作品だけど、脚本自体は正直面白みがないのは私だけ…?
    誇張された日本人の様子が描かれてて、2003年当時はこうだったのか(私はまだ小学生だったから分からない)それともアメリカ人にはこう見えるのか…?
    この当時でも広告撮影の時ならまともに翻訳できる人いただろうし、東京を楽しもうと思ったらこの当時でも色々調べてもっと楽しめるでしょ、と思ってしまう。

    最後の別れのシーンはちょっと切ないなぁ…
    異国マジックもあるだろうけど、ここまで意気投合できるのは運命も感じる。
    恋愛に経験は関係ないと思うし。

  • 友人のおすすめでみた。大人な映画だった。

  • この歳の頃のスカーレット・ヨハンソンをソフィア・コッポラが美しく可愛らしくガーリーにセクシーに撮っているというだけでも、このフィルムは人類の宝。
    スカヨハがとにかく可愛い……。

    ビル・マーレイとスカヨハの繊細な演技が素晴らしい。距離感がほんとにたまらなくドキドキさせられる。
    やや焦れったさもあるのだけど、「もう駆け落ちでもしちゃえばいいじゃん!」と背中を押したら途端に全て壊れてしまいそうな、
    この距離だから成立している危うさがあって、
    だからこそ互いがすごく慎重に、ガラスを扱うようにそっと、相手に慈しみをもって接しているのが切なくて愛しい。

    舞台が日本なのもよかった。
    よくある海外映画に出てくる日本のように、誤解されたヘンテコJAPANではなくて
    ディスられてる感もなく、文化を誇張されてる感もなく、
    まっすぐに外国の人の目から見た日本を撮ってくれている感じ。
    物と人の溢れた東京の、空虚と孤独と高揚と楽しさが、2人を飲み込んだり照らしたり。
    渋谷の怪しげなバーや高級ホテルなんかは行ったことないから、日本人ではあるけど知らない日本の姿だったな。
    日本を撮ってくれてありがとうと思う。

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