- Amazon.co.jp ・映画
- / ISBN・EAN: 4988064265022
感想・レビュー・書評
-
ダイアナ妃が事故死した後、イギリスを揺るがした1週間。
エリザベス女王はじめ王室やブレア首相の対応を緻密に描きます。
離婚が成立した翌年、ダイアナ元妃がパリで事故死。
世界に衝撃が走りました。
バルモラル城にいたエリザベス女王一家は、既に王家を離れた人のことで前例もないからと、コメントも出さず、休養を続けます。
二人の王子をマスコミの喧騒から守るためでもありました。
しかし、ウィンザー城の前にはダイアナ妃への花束が山のように捧げられ、空気は追悼一色に。
王家の対応が冷たいと、世間の非難を浴びることになりました。
5月に首相に就任したブレアは労働党の党首。つまり革新派です。ブレア夫人は王室廃止論者。
ブレアはダイアナ元妃を悼むコメントをいちはやく公表し、女王に帰還を求めます。
エリザベス女王は当初は一部のマスコミが扇動しているだけと思い、毅然としているべきだという母の考えに同調しますが、テレビなどの様子で間違っていたかもしれないと考え始める。
女王の夫フィリップは尊大な古い男で、母を失った孫を慰めるためには猟に連れて行くことしか考えない。
チャールズ皇太子はいささか情けないけど、さすがに世間の人気はよく承知している。
ダイアナ妃のことを感情を素直に表す素晴らしい母親だったと認めていて、それをエリザベス女王に告げるのは暗に女王はいい母親ではなかったといっている様子だったり。
見てきたように描かれる王家の人々の発言は事実そのままではないでしょうが、誰がどんな考えでいたかはよく取材したのでしょう。
国葬が決まり、世間的にはブレアが善玉で勝利し、女王が説得に負けたと取られる。
一方、ブレア個人は女王に接するうちに敬意を深めていきます。
バルモラル城はスコットランドにある王室の私的な夏の保養地。「至上の恋」ではヴィクトリア女王がこもっていたところです。
あまりにも広大な敷地、美しい光景に心癒されるようで、英国王室の人が気に入っているのもわかります。
大きな鹿に出会い、女王が感銘を受けるシーンも印象的。
ヘレン・ミレンの女王そっくりの歩き方や表情、気品と威厳が素晴らしい。(まとわりつく犬達が何とも可愛い)
国葬で演説するときの、哀しみをたたえた目が印象的でした。
アカデミー賞の主演女優賞を受賞しています。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ダイアナ妃の事故死の際の王室の裏側を描いた作品。
生前の確執と王室の伝統を守るために無関心を貫こうとするエリザベス女王と、国民の反感を受けてそれをとりなそうとするブレア首相を軸に描かれております。
女王の葛藤と威厳、首相の人間味が上手に描かれておりました。
退屈しそうな内容ですが、夫であるフィリップ殿下、母であるエリザベス王太后、そして息子でありダイアナ妃の元夫であるチャールズ皇太子など、周辺の人物も人間くさく描かれていて、面白かった。
父である先王のジョージ6世も、王制の被害者として作中で触れられていて、本作もクライマックスがエリザベスのスピーチでもあり、「英国王のスピーチ」とあわせて見ると非常に面白いと思う。
おすすめ。 -
ヘレン・ミレンかっこいい。
そして見た目がすごく似ている・・・ -
ダイアナ元皇太子妃の死に纏わる王室と政府と英国国民の1週間を描いた作品。ダイアナの死がどれだけ世界中、特に英国に影響を与えるニュースになったのかが分かります。
ヘレン・ミレンの演技が凄い。英国王室は長きに亘るイングランドの伝統の象徴なんだなあと深々と感じました。。伝統を重んじて威厳ある態度を固守しながらも、時代の変化に即した対応を迫られることで英国人の気質の変化を実感せざるをえず戸惑う女王の心境を如実に表現している良い作品だと思いました。一方でブレア首相を中心とした周囲の思惑も併せて描いたことも、視点が偏りすぎず、良かった点だと思います。
個人的に、3匹のコーギーが散歩する女王の足元にまとわりつくシーンがメロメロに可愛い。 -
「ブッシュ」を見たときにも思いましたが、ドラマで存命中に人物を描くことに変にオープンなところがあるなぁ。真の権力者は、名誉毀損で訴えるなんて、みっともないことをしないのだな、たぶん。日本とは違う。
英国王室を描いた映画は「エリザベス」や「英国王のスピーチ」などもありましたが、これらの映画で描かれたのは、戦争により時代がダイナミックに動く中で苦悩する王だったわけですが、本作で描かれる女王は悩みは実にスケールが小さい。でもそこに親しみが持て、共感できるのだなぁ。
王室にあからさまに政治が首を突っ込むところも日本とは随分と違うものですね。 -
ダイアナ元皇太子妃の事故死の対応を巡る英国王室の舞台裏(脚本:ピーター・モーガン)。ヘレン・ミレンがエリザベス女王を演じ、2007年のアカデミー賞で主演女優賞を受けたそうです。女王が信念を曲げて国民の気持ちに歩み寄るけな気さと、気高さが伝わり、胸を打ちます。女王との謁見や電話での会話を通して、新任首相トニー・ブレアが女王への理解を深めていく様子も、マイケル・シーンが好演していると思います。
-
トニー・ブレアを新首相に任命した直後のエリザベス女王に衝撃的なニュースが飛び込んでくる。
ダイアナ元皇太子妃が交通事故で亡くなったのだ。
これまでのしきたりを守ってダイアナへの追悼を意を表さない王室に、国民は不満を募らせていく中、エリザベス女王は・・・。
ダイアナ元皇太子妃が亡くなった後の一週間を描いた再現ドラマ。
大袈裟な涙とパフォーマンスの時代である現在、公人が控え目で品位を持つというのは難しいのかもね。