ワーク・シフト ─孤独と貧困から自由になる働き方の未来図<2025> 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図<2025> [Kindle]
- プレジデント社 (2012年7月31日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (430ページ)
感想・レビュー・書評
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「第一に、ゼネラリスト的な技能を尊ぶ常識を問い直すべきだ。」
未来の働き方の本。 -
--読書メモ 2015/10/19--
・現状のまま2025年になった場合と努力した場合の2025年の未来予想図が書かれている -
過去と現在の状況から予測できる2025年の社会を、目に浮かぶような描写している箇所が興味深い。確かにそうした社会変化の兆しは表れているし、それに近い状況が少なからず発生するのだろう。ただ、それが太い潮流となるのか、多様化の一端に留まるのかは分からない。とは言え、将来を見通す力をつけるうえでは参考になる書籍である。
時間と集中は重要で、プロになるには1万時間が目安という。1日3時間で年間1千時間、10年間で1万時間ということになる。そうすると、これから何かのトップになることを目指すと、1日何時間割けるかがポイントになるということだな。
仕事や職場は人生の一部ではあるが、重要な一部であることに違いない。それを有意義にすること、不愉快なものでなくすること、自らの能力伸長や社会貢献に展開すること、など、これまでとは異なる仕事の価値観と成果が求められるようになる。
近い将来には、どこで生まれたかではなく、才能とやる気と人脈が経済的運命の決定要因になる、というのは意味深い。とは言え、性別や人種、エリアおよびそれに起因する貧富の差は関連する要因になはるだろう。それでも突き抜けるのは、才能とやる気がベースにあり、それから積み上げる人脈が大切ということなんだな。
これから重要なのは、知的資本、人間関係資本、情緒的資本とされていたが、最後の情緒的資本とは、最近読んだEQと通底するものは同じ。自らをコントロールし、他社との関係をコーディネートできないと、自ら描く成功にはたどりつけないのだろう。
行動をシフトするには、①普段あまり行かない道を歩くこと、②人との付き合いの面でカメレオン人間になること、③プルを心がけること、とあるが、これらを実践しないといけないな。特に②は気を付けたい。
働き方のシフトのうち、第一のシフトは、高度な専門技能を磨き、自分ブランドを磨くこと。第二のシフトは、少人数の盟友グループ・バラエティに富んだ大勢のネットワーク、打算のない友人関係の3種類の人的ネットワークを育むこと、第三のシフトは、家庭や趣味、社会貢献などの面で充実した創造的経験をすることを重んじる生き方に転換すること、ということだった。これらは私個人にも大切だし、日本社会にも大切な考え方だと思う。 -
2025年、私たちはどのように働いているのか。ITがさらに進化した世界で、昼夜なく仕事に追われ、生身の人間と接することもなく孤独を感じる日々か。それとも、世界中の同志と議論を交わし、本当にやり甲斐を感じる仕事に打ち込める毎日か。どんな未来も、今なら選び取れる。そのためには、3つのシフトが必要だ。
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3つのシフトとは、ジェネラリストからスペシャリストへ、独占から恊働へ、消費から生産へ、という3点。既にいろいろな本を読んできてしまったので、よくよく考えたらさほど目新しい点はなかったな、という感想。「こうしなさい」という主張がある本ではないからかもしれない。さまざまな可能性を提示して、「あなたはどうする?」と投げかけるような本だった。
目新しくないとはいえ、シフトが簡単だという意味ではなくて。価値観にもよるのだろうけれど、2と3はかなり意識を変えないと難しいと感じた。 -
かなり、厳しいが説得力あるお話。
まずは自分の価値を差別化する。
そして、3つの人脈を持つ
価値観を変化させる。
根底にあるのは、増えていく選択肢をその選択の結果を認識したうえで自分の意志で選べるかということ。
いつの間にか温度が上がってゆであがってしまうようなカエルにならないよう、気を付けて人生を歩んでいこうと思う。 -
未来予測が物語仕立てで面白い。悪い未来のエピソードの片鱗が既に自分の仕事に垣間見える。(でも、スケジュール管理してくれる秘書ソフトがあるだけ、悪い未来のほうが今よりマシな気も。)良い未来になるためには、どうすればいいか、まだわからないけれど、単に知的生産とか高付加価値という従来の手法に加えて、目的を持って働き、自分を意味づけし、ネットワーク化していかなければならないと思った。
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これからの働き方や働くことの意味について3つの「シフト」に整理して様々な角度から論考を加えている。内容的には妥当だと思うが、やや冗長な部分が多い印象。しかし、ペルソナの設定から次第に主張点に持っていく話の流れはうまい。自分自身の仕事への取組み方などを想起しながら、著者の主張を追って行くと、自ずと自分の生き方をもう一度見直してみることが促される、そんな本であった。
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本書は、2025年の働き方の未来図を「5つの要因」と「3つのシフト」を骨格に予測しています。様々な情報も取り込んでおり、示唆に富む指摘も随所に現れます。良くまとまった「良書」だと思います。
<未来を形づくる5つの要因>
・テクノロジーの進化
・グローバル化の進展
・人口構成の変化と長寿化
・社会の変化(生活スタイルの変化、価値観の変化)
・エネルギーと環境問題の深刻化
<3つの働き方のシフト>
・ゼネラリストから「連続スペシャリスト」へ
・孤独な競争から「協力して起こすイノベーション」へ
(未来に必要となる三種類の人的ネットワーク)
・大量消費から「情熱を傾けられる経験」へ