- Amazon.co.jp ・電子書籍 (260ページ)
感想・レビュー・書評
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タイトルだけで購入を決め、軽い気持ちで読み始めてたので、最初はなかなか頭にストーリーが入ってこなかった。しかし、作者の体験談とのことで、こんな体験をする人がいるのかと作者の行動力に感服した。
時代背景、国家問題と個人には大きく、特に子どもではその壁はとても大きい。
大人になり、個人の力も強くなり、昔の友達に会いにいく。
今の時代、Webですぐ繋がれるのが当たり前なので、今後このような時を超えた出会い、当時の答え合わせといったことはないのだろうと、俯瞰して読みつつ、
とはいえ、Webで行動するハードルは低くなっているものの自分が動くかというと
動きそうにない。
そんなことを反省させてもらい、自国だけでなく、地球人としてどう手を取り合っていけるか?
そんなことを少し考えようかなと思った良書です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
米原万里さんの文章はとても親近感があり内容が暗いのになぜこんなに入ってくるのかな,と思ってしまうほど。激動の時代、違う国の話ではあるが、当時の子どもがそれぞれ逞しく大人になっており、今を生きていることが生き生きと書かれている。とても興味深く、米原さんの行動力にも驚くばかりの内容だった。
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高橋源一郎の飛ぶ教室2023.10.13
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過去に一度読んだことがあるのですが、最近のロシア情勢から著者の作品が無性に読みたくなり再読。
「ロシア語が理解できる私には、西側一般に流される情報とは異なる、ロシア経由の報道に接する機会がある。」
「現代世界の宗教地図を一目するならば、国際世論形成は圧倒的に正教よりもカトリック・プロテスタント連合に有利なことが瞭然とする。」
今のウクライナとロシアについて、著者の視点からの情報を知りたかった。もう叶わないことではあるけれど、この作品によって旧ソ連とその衛星国との関係性やそこに生きる人々について知ることができます。
そして、子どもの頃旧ユーゴの紛争の報道をたくさん目にした世代なので、ヤスミンカのエンディングには涙が出そうになりました。 -
とてもおもしろかった。自分の中学生からのことを思い出す(友達のこと、忘れてしまう、でも会いたくなる)、と同時に、「東」の国のことを知ることができる。
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綺麗事だけでは成り立たなかった共産主義思想の、その最盛期とその後。
共産主義の理想と実際の体制が内包する矛盾とを、綺麗に無視して受け入れていた著者のお友達の子供時代のお話と、ソ連崩壊後しばらく経ってからのお話。
ついつい本人達につっこみをいれたくなるけれど、結局はどんな教えを教え込まれ、どんな道徳感や社会思想を持たされていたか、という教育の結果でもあるのだろう。そう思うと責められる謂れは無いのだろうな。 -
さすがエッセイの名作と言われているだけあった。こんな昔に社会主義をめぐる世界の動きを海外で少女が実際に経験していたことへの驚き。複雑な状況の傍ら、友人たちとの著者の中学生生活はただただ純粋で、その後帰国してからも友人たちの母国を心配しては連絡を取ろうと実際に海を渡っていて、現在の情報に頼りがちな生活よりずっと物理的変化と経験に富んだものだったように思う。渦巻く社会主義の流れの中で必死に生きている個人と家族が生き生きと書かれていた。
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実家の断捨離で母の本棚より。
日本共産党関係者の娘だった著者(マリ)は1960年代にチェコのソビエト学校で学ぶ。仲の良かった3人の同級生を大人になって尋ねるノンフィクション。多感な当時を振り返りながら、激動の社会主義体制、同級生の家族が思想批判されたり、職を失ったり、戦禍の祖国に帰ったりする著者の人間関係ならではの世間話が語られる。
それにしても隔世感ある。この同級生って実名?だとしたら子供時代(もしくは今も)の未熟な過ちを一方的に書かれるのは。。面と向かっては言わなかったことも本には書いちゃってるし。。今ならSNSで全世界に広まるけど、当時は日本語で日本国内で出版するくらいならどうせ知られないから大丈夫だったのかな。
ソ連の学校の良いところも -
少女時代のプラハのロシア語小学校(特派員子女などが通う)のドメスティックな思い出から35年経って再会した友人3人その家族達の数奇な運命をダイナミックに描く。自称「労働者の代表」の父を持ったアーニャは、その後英国人と結婚しロシア語も半ば忘れたと言う。WW2下パルチザンとして闘った父親はたしかに「人民のため」と思っているが’60年には外形的に特権階級。「民族とか言語とか人間の本質にとっては瑣末なこと」「いずれ人類は一つになる」そうなると力関係しかないなかどう民族の誇りを保つか?それが「真っ赤な真実」の底意か?