採用基準 [Kindle]

著者 :
  • ダイヤモンド社
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感想・レビュー・書評

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  • マッキンゼーにおける重要な採用基準の一つは「リーダーシップ」だという。
    本作では、マッキンゼーが言うところの「リーダーシップ」とは何かを解説されている。
    (日本ではリーダーシップというものを間違って解釈されていて、そのためにリーダーシップが不足しているらしい)

    リーダーシップとは、成果達成に向けて能動的に働きかける態度のことで、一部の人(リーダー)だけではなく、組織の全員が発揮するべきである。

    日本企業の多くの場合、管理職がリーダーを務めているが、本来リーダーシップと管理能力は別物である。
    また管理職に昇格するために求められるのは、リーダーシップでも管理能力でもなく、営業担当または技術者として優秀であったことだったりする。

    日本企業はもっと普段から、リーダーシップをリーダーだけでなく、全員に求め、それを評価するべきである。

    日本に足りていないのは一人のカリスマリーダーではなく、名もなき数多くのリーダーだ。


    -----

    引用

    ・「問題解決スキル(Problem solving skills)」と「問題解決リーダーシップ(Problem solving leadership)」

    ・問題解決リーダーシップとは、解くべき課題(イシュー)の定義から、分析の設計、関連する組織や人とのコミュニケーションを含む一連の問題解決プロセスにおいて、リーダーシップを発揮すること

    ・全員がリーダーシップをもつ組織は、一部の人だけがリーダーシップをもつ組織より、圧倒的に高い成果を出しやすい

    ・一定の年齢に達したことはもちろん、営業担当や技術者として優秀であったことも、課を率いるリーダーシップを備えていることを意味するわけではありません。

    ・「管理職のために必要な役割」と「成果達成のために必要な役割」はまったく異なる

    ・どこで働く人も、自分の成長スピードが鈍ってきたと感じたら、できるだけ早く働く環境を変えることです。

    ・言わなくてもわかっているはずと考え、伝えることを軽視する人の大半は、多様性のあるチームを率いた経験がありません。

    ・「バリューを出せ」「ポジションを取れ」

  • かつて上司からすすめられて読んだ本。ご多分にもれず、面接での選考基準でも解説してあるのかと思ったら違って、リーダーシップの何たるか、リーダーシップの重要性がとことん詰まった内容だった。尖った人財を大事にする風土を確立できたら勝ち、そんな感想。

  • リーダーシップについて延々と書いてありますが、採用基準というタイトルの秀逸さはすごい

  • 自らの働き方のひとつの指針として。

    ◯リーダー、マネージャー、コーディネーター及び雑用係の違い

    ◯リーダーの役割
    1.目標を掲げる→メンバーを鼓舞できるもの
    2.先頭に立つ
    3.決める cf.決めることで見えてくる課題
    4.伝える

    ◯誰もが声を上げられる組織のメンバーが持っているもの

    ◯仕事の仕方
    ・バリューを生む
    ・ポジションを取る
    ・自分を中心に置いた組織図を念頭に置く
    ・フィードバックの機会を設ける(事前に自身の目指すリーダー像を持つ)

    ◯世の中は一人のリーダーでは変えられない
    ならばどうするか、自ずから必要となるリーダーシップ

    ・思考意欲と思考体力の先天性

    ◯リ ーダ ーシップとは 、学び 、鍛えるべき資質である( = T r a i n a b l eなスキルである)

    ◯世界中の人たちのニ ーズをくみ上げ 、それぞれから求められる製品やサ ービスをタイムリ ーに提供していくためには 、分散型の意思決定システムが不可欠だと考えている

    ◯「国際交渉の場で 、きちんと自国の利益を確保できる人材を育成することが急務である 」と考える
    →レッドライン死守外交から、戦略的国際貢献志向のリーダーシップ交渉に変える

  • タイトルだけ見て、マッキンゼーの採用担当の視点や業務内容が書いてあるのかと思い、興味があったので読み始めたのだが、いい意味で期待を裏切る内容。その主張する所は、リーダーシップの意義と重要性についてなのだが、これがまた、個人的には働く上での姿勢としてパラダイムシフトを起こしたと言ってもいいぐらいに、感銘を受けた。

    特に、リーダーシップは役割を与えられて発揮するものではなく、常日頃から全ての人に求められ、かつ発揮する機会が与えられているものだとの主張は、自身の日常業務に対する意識を見直すいい気づきになった。「それはリーダーが考える事」とか「誰かやってくれる」では、課されたタスクは義務でしかなくて面白くないし、ストレスにもなる。そんな他人事意識を卒業して、どうすれば主体性を持って物事に取り組む事ができるかを教えてくれたように思う。

    後、人事に携わった方だからこそ?か、読んで物凄いモチベーションが上がった。日本人(だけではないが)がリーダーシップを発揮する大変さや苦悩を汲んだ上で、それ以上に得られるリターンを丁寧に解説してくれているので、「頑張れ」と背中を押される感覚があって嬉しい。読後の前向き感が気持ちいい。

    30代の間に何回か読み直したいと思った本でした。

  • 一人のリーダーが組織運営に必要なことを全て行うべきだ、考えられるからこそ、リーダーは本来の責務に加えて、雑用まで担当させられる
    リーダーの仕事は、周りの人を楽しくさせることではなく、何としても成果を出すこと

    部下でない後輩や同僚に仕事をお願いするのは難しいです。

    最近、上司に代わり所属グループの方々に仕事をお願いする機会が増えました。「上司の代わりに言っているので、お願いできませんか」と言って、皆さんがこちらの要望通りにして頂ければ有難いですが、そうは問屋がおろしません。10数人もいれば、お願いを聞いて頂ける方もいれば、聞いて頂けない方もいます。

    こちらとしては、上司から言われたことを伝言ゲームのように伝えているわけではありません。できるだけ、こちらからのお願いが皆さんの成果や会社への貢献に繋がるように説明してるつもりです。しかし、これは「そんな成果、貢献は不要」と言われてしまえばお終いです。

    本書で強調されているリーダシップが発揮できれば行動の意義を理解してもらえる、とも思いました。しかし、これは成果を共有できてこそ成立するものと思います。成果が担当者レベルで閉じている部署では、リーダーシップの発揮は徒労にもなりかねないのではないかと思いました。

    今、自分にできることと言えば、成果の共有と成果に集中できる環境を整える、です。これがリーダーシップと言えるかどうかわかりませんが、何事もまずは試して見なければの精神で臨みます。

  • 【大橋】
    最初の1章はマッキンゼーについてがメインですが、2章目からはがっつりリーダーシップとなぜそれが必要なのかについて書かれています。

    一番ハラオチしたのは、
    「目的を共有できていれば、全員がそれに向かって最大の成果を出すために自分のやるべきことをやる。”誰かがやってくれる”という考えにはならない」ということ。


    「どうして毎日を最高レコードで生きられないのか。」Link Styleの吉川さんも言ってましたが、琉球が最大限に成果を出すためには全員が自分のベストを尽くす必要があるんですよね。

    そのために必要なのは「現状のなにがいけないのか」の分析や「どこに責任があるのか」といった判断より先に「全員が同じ方向を向けているか」という目的の共有だと思いました。



    (要約)「チャレンジを続けていると、次々と新しいこと、より大きな仕事を手掛けることが怖くなくなります。反対に簡単にできる仕事ばかりやっているとできないかもしれない仕事が怖くなる。
    全力を出し切らなくてもできる仕事を続けていると視点が低くなる。この状態で高いスピードで成長を続けるのは誰にとっても難しい。」

    入社年度に関わらず、しっかり目指す先が見えていて挑戦を習慣にしてしまい、成長し続ける新人にあっさり追い抜かれてしまう可能性があるのはこういうところなんだろうなと思います。

    最近の14,15のガツガツ具合を見ていて、私もうかうかしているとすぐ後輩に抜かれてしまうな、と。

    裏を返せば社歴や経験にかかわらず、追い抜くことができるチャンスだと思います。
    私たちが狙って行けるのはこういうところなんじゃないでしょうか!

    • 琉球さん
      【高杉】
      やーっっと
      採用基準読み終わりました笑
      私的には
      第3章と第5章がかなり勉強になりました。
      第3章に関しては
      リーダー...
      【高杉】
      やーっっと
      採用基準読み終わりました笑
      私的には
      第3章と第5章がかなり勉強になりました。
      第3章に関しては
      リーダーのあるべき姿が中心に書かれていたかと思うのですが
      成果を出す、決断をくだす
      この2点が、全然私に足りないものと改めて認識しました。
      自分でチャンスを小さなことでも(今は私にとってはチラシ作成の要望まとめです)成果をいかに出せるかという部分を意識しながらやることで、鍛えることが大事だと思いました。
      第5章はリーダーシップの育て方について書かれてましたが
      これは今の15卒の早い段階で身につけてほしちと凄く思いました。
      私と佐藤は全然プロセスだったり、成果をいかに出さなくてはいけないのかという部分を全然伝えられてなかったので、この採用基準を参考にしながら
      進められる点はかなりありました!
      2015/02/05
  • 採用基準 / 伊賀 秦代 / 2013.09.16(27/158)
    ・問題解決に必要なリーダーシップ。どんな場合でも他者を巻き込んで現状を変えていこうと思えば、必ず必要。問題解決に必要なのは、問題解決スキルではなくリーダーシップ。
    ・リーダーシップ:チームの使命を達成するために必要なことをやる人。自分で決め、その結果に伴うリスクを引き受け、その決断の理由をきちんと説明すること。上司の意見を採用するか否かは自分自身が判断すること。CF)フォロアー=指示待ち。
    ・EX)沈没間際の救命ボートの漕ぎ手:いい奴ではなく、命を守るという目的達成をできそうな人を選ぶ。
    ・メンバーがリーダーにどこまでついていけるかは、その成果を出すことに、各メンバーがどれほどコミットしているか、成果を出すことを、どれほど重要と思っているか次第。
    ・人はチャレンジを続けていると、次々に新しいこと、より大きな仕事を手掛けることが怖くなくなる。反対に、簡単にできる仕事ばかりやっていると、できないかもしれない仕事が恐怖になる。毎日やればなんともない車の運転も、数年ぶりでは怖くなるのと同じ。0
    ・自分の実力を超えた仕事を任されている人は、きちんと結果を出すべき重要な仕事と、時間をかけるべきではいインパクトに低い仕事に分け、優先順位をつけて取り組む。収縮とやればできる仕事しかしないと、すべて細部まで詰めて仕上げる時間余裕あり、高い視点で仕事の優先順位を見極める必要がなく、すべてにおいて重箱の隅をつつく作業に没頭しがち。全力を出し切らなくてもできる仕事を続けていると、保守的になり、視点が低くなる。
    ・実力以上の仕事をしている人は、特別な勉強や訓練の機会を持たず、日常の仕事から品よくに学びえないと、必要なスキルを身につけれない=学びの臨戦態勢を保っている。
    ・リーダーがなすべき4つのタスク:①目標を掲げる、②先頭を走る、③決める(たとえ十分な情報が揃ってなくても、検討を行う十分な時間がなくても。リーダーが決断するのはこれで万事うまくいくという結論が出た段階ではなく、問題は山積みだが、今決断して前に進むべきタイミングと判断して、決断する。従い、決断後に問題が噴出するのは想定内)、④伝える(コミュニケーション。人によって感受性や思考回路が異なるので、新たな情報が入ったり、思考にふけるたびに、異なるアプトプットが出てくる。それが積み重なると、同じゴールを見ているはずだったのに、違った場所を目指しているということになる。従い、何度も繰り返して粘り強く同じことを言う必要がある。)
    ・マッキンゼー流、リーダーシップの基本動作:①バリューを出す(今自分のやっている仕事はどのような価値を生むのか?漫然と作業しない)。②ポジションをとる(あなたが意思決定者だとしたら、どう決断するか?いったん決めてから問題点を洗い出し、対策を考えていくのは新しいことを試みる際の一つの手段。準備が完璧になるまで決めないという意思決定方式は、準備を完璧に行うことが可能と思っている時点で、この考えは極めて傲慢であり、非現実的。そうではなく、常にポジションをとり、結論を明確にしながら、その結論に対して寄せられる異議やフィードバックを取り込んで、結論を継続的に改善していく方が現実的。)③自分の仕事のリーダーは自分(自分中心の組織図を書く)④ホワイトボードの前に立つ(ディスカッションリーダー(会議の参加者の意見を全体像の中でとらえ、論点を整理して議論のポイントを明確にしたり、こう着した議論を前に進めるために視点を転換するなどのスキルが必要)、できるようになる前にやる
    ・一人の偉大なリーダーを望む気持ちは、誰かがこの大変な現状を一気に変えてくれるはずという他者依存の発想に基づいている。救世主の期待。=スーパースターシンドローム。裏返せば思考停止。日本で足りてないのは、一人ですべてを変革できるカリスマリーダーではなk、あらゆる分野で働く、名もない数多くのリーダー。
    ・特別なイベントがなくても、大勢の人が関わらなくても使える、ごく日常的なスキル。
    ・リーダーシップを発揮すること=車のハンドルを握るのと同じ。リーダーシップを身につければ、自身が人生のコントロールを握ることができる。
    ・日本には人材資源しかない。そんな国が人材を有効活用できなければ、サウジが石油を活用せず、海に流してしまうのと同じ。

  • リーダーシップの実践方法論と、著者のマッキンゼー愛がよく理解できた笑

  • マッキンゼーの元採用担当者によるリーダーシップ論の本。日本に必要なのはリーダーシップ・キャパシティ(リーダーシップの総量)であり、少数のカリスマリーダーではない、というメッセージ。リーダーのすべきことは①目標を掲げる、②先頭を走る、③決める、④伝えるの4つ。日本で「リーダーシップ」を正しく理解し身につけている人がどれだけいるのかなと心配になる。
    マッキンゼー万歳という内容ではないが、所々にマッキンゼーや外資の風土だからこその話もあった気がする。

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著者プロフィール

キャリア形成コンサルタント。兵庫県出身。一橋大学法学部を卒業後、日興證券引受本部(当時)を経て、カリフォルニア大学バークレー校でMBAを取得。1993年から2010年末までマッキンゼー・アンド・カンパニー、ジャパンにて、前半はコンサルタント、後半は人材育成や採用マネージャーを務める。2011年に独立し、文筆・発信活動を続けるほか、リーダーシップ教育や生産性向上のための啓蒙活動にも従事。著書に『採用基準』のほか『生産性』(ダイヤモンド社、2016年)などがある。

「2012年 『採用基準』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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