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感想・レビュー・書評
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「ハサミ男。冷酷な殺人鬼。連続少女殺人犯。少女を絞殺し、のどにハサミを突き刺すシリアルキラー」
ハサミを研ぐ。
研げば研ぐ程、よく切れる。
研げば研ぐ程、鋭く刺さる。
研げば研ぐ程、自分が映る。
狂った、顔が。
ハサミを研ぐ。
「チョキ、チョキ」
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『葉桜…』に続き超名作ミステリを読了。後世に語り継がれるのも頷けました。
ただ…ネタバレに気をつけて生きてきたのに、1番の読み所に気づいてしまったのが個人的に凄くショック…嗚呼生まれ変わってまた読みたい…
全体の構成は素晴らしいし、唸ったし、面白かった!思わせぶりな位置から始まる「第一章」とか!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
多くの読者、そして真犯人以外の登場人物たちも、きっと騙されたことだろう。
そしてこの余りにも残虐非道な行いは、本当にこれで終わるのか。
作品としては完結したようだが、もしこの作品の世界が実在していたとしたら、本当に「ハサミ男」の影に怯えることなく生活することができるのだろうか。 -
叙述トリックが織り込まれた作品を初めて読みました。この本にそれが組み込まれていることも読んだ後に知ったので、めちゃくちゃ騙されました。
正直前置きが長いとも感じましたが後半の急展開と追い上げがあり、読み進めていくほど作品にのめり込んで、読む手が止まらない作品でした。
また前半部分の中に後半の急展開に繋がる要素も織り込まれているので読み返したくなる作品でした。面白かったです。ぜひ!
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初めて海外の著書(日本語翻訳ではあるが)を読んだ。度肝を抜かれた。ものすごく面白い…。
これを機に海外の著書もどんどん読もうと思った。
【続きを読みたくなるようなあらすじ】
↓(ネタバレはなし)↓
この話は、ハサミを用いた無動機殺人を繰り返し、「ハサミ男」と呼ばれ世間に恐れられているシリアルキラー本人からの視点と、それを追う刑事たちの視点が交互に描かれている。
ハサミ男は今回で3回目のターゲットとして殺す機会を伺い尾行していた。何度もターゲットの足取りを確認し、何曜日は何時頃にどのようなルートで帰宅するかを何ヶ月にも渡り慎重に機会を伺っていた。今日がチャンスの日であることを確信し、先回りして自宅ルートで待機していたのだが、全くもってターゲットは現れない。まあまたどこかで機会はあると思い、帰路につこうとしたところ、公園の茂みに何やら人の足のようなものが見え…。
確認すると、そこにはなんと自分がつけ狙っていたターゲットが死体として転がっているではないか。しかも!首にハサミが突き立てられている。ハサミ男の手法と同じだ。なんといってもハサミ男である本人(私)から見ても、これはハサミ男の犯行に違いないと思うほどだったからだ。
でも今回の犯行は私はやっていない…!!その場から逃げようとした時、「どうしたんですか?」と声をかけられてしまった。そこで決めた。「人が死んでるんです…っ!警察に連絡を!!」私は死体第1発見者となることに。
しかし事情聴取を受けられるにはまずい。なんて言ったって、今日が殺しのチャンスだと思い、機会を伺っていた為、犯人として疑われるには十分な持ち物「ハサミ」を私は所持してしまっている。そこで茂みにハサミを投げ入れ咄嗟に隠した。後にそれが見つかり「2本目のハサミ」として事件の波乱を起こすとは思いもしなかったが…。
ハサミ男は真犯人を見つけるべく「第1発見者として被害者を弔いたい」と葬儀に出席をしたり、ジャーナリストに成りすまし、被害者の関係者に事情聴取をしたり。と大胆な行動を起こす。そんなハサミ男から見て真犯人に迫っていく視点と共に、一方で警察側も第1発見者が怪しいとしてハサミ男に迫っていく視点が交互に描かれ展開していく話。
ハサミ男が導き出した真犯人とは…!また、警察はハサミ男を捕まえることができるのか…!
ハサミ男・警察・真犯人の三つ巴のような話が気になる方はぜひ。
↓ネタバレあり↓
ここからは叙述トリックについての感想
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ハサミ男が女性ではなかろうか。というのは序盤、3番目のターゲット(今回の被害者)を観察していた時に「わたしから見ても……同世代の男子からは…」の表記であったり等、色々散りばめられていた所があり、予期していた事ではあった。けれども、警察(イソべ)目線から書かれた第1発見者についての名前や身体的特徴を細々と書かれ、葬儀に出ていたり2本目のハサミについて動揺したりと、同じ状況を重ねることにより、男であったか…とまんまと騙されてしまった。
この手の「○○男」と大々的に謳っているものは特にありがちな叙述トリックなので、どうせそうだろうとタカをくくって予想していたのにも関わらず、見事に自然な誘導で最終的には騙された。そういった点においては良い意味で2度裏切られた気分だった。
さらに真犯人においても、警察(イソべ以外)が目をつけて調査していたという点に関しても、非常に自然(アンジャッシュのすれ違いコントを何場面に渡り展開しているといった感覚)でまんまと2週目を読むはめになった。
最終章で
女性特有のそこまで太っていなくても自分をデブであると認識し、自虐する傾向にある所を複数回描写に取り入れることにより、他者からみた美人な人物。と自分から見た地味なデブという人物、2人の別登場人物だと思わせることに成功。このトリックに拍車がかかったと分析した。 -
・すいすい読める。
・ちょっとわけわかめ。
おもしろいけど趣向と違ったんだなー