未来に先回りする思考法 [Kindle]

著者 :
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン
3.88
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本棚登録 : 1018
感想 : 100
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  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (225ページ)

感想・レビュー・書評

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  • 未来までをつなぐ「線」を見通し、それがなぜなのかの原理を理解し、タイミングを必要なリソースを揃えて待つ……
    思考のすすめ。

    ビジネス書、自己啓発書の枠を超えて、思想書の深みも持つ本。日本の企業家の本には珍しい、哲学を持った方のように思える。(海外の例えばジョブスやザッカーバーグ、ベゾスなどは、それぞれ強い哲学を持っているように思う)

    著者が実際のビジネスの現場にいるからだろう、評論家ではなく実践者であれ、バッドを握って打席に立たなければ物事は分からないという。
    翻っていま、大学で教える思想(特に左翼の政治思想など典型)って、閉じ篭もったムラ社会の同窓会としか見えない。新しい「思想」はこのような実践の場から、「実験」を通して有効性を確かめながら、全く新しい場所から作り上げないと説得力ある、生きることの指針となるようなものは生まれないだろう。

    ただ「以前は100年かかっていた変化が今は3年で変わる」と著者が言っているように、2015年8月に著された本書がすでにいろんなところで語られ、陳腐化している箇所もある。

  • 考え方が整然としていてかつぶっ飛んでる稀有な存在。メタップスのこれからが楽しみ。

  • 16.6.30

  • 内容が薄い。どこかで書かれていることを、持論に合わせて都合よくまとめた感じで、新しさはない。また、アメリカ万歳、SNS万歳、といった感じで、未来に先回りする思考とはあまり思えなかった。普段本をあまり読まない人には読みやすくて良いかもしれない。

  • 非常に良い本!現代から未来の 社会環境 ・ムード ・ 情勢を実に本質的に考察している本。現代社会のビジネスマン必須本じゃないでしょうか。

  • 世の中の仕組みがどうやって作られてきたのか。
    それには線になるようなストーリーがあるということ。
    点がわかれば線になり、線がわかれば先の未来も見えるのではないかというお話。

    来てほしい未来を早めることで、より早く良い体験を世の中ができるようになる。

    ロジカルシンキングの限界
    みんなの知識とリテラシーによって作られている

    使える、ポテンシャルがわかる、原理がわかる
    ここまで理解できれば、次の世の中が見通せるかも

  • 数年先の未来を見越して行動を起こすべきであることを様々な視点から論じている書籍。言っていることは当然のことなのだがなかなかチャレンジするのは難しい。ITがほぼ全世界で普及しつつある今後の未来は何にチャンスがあるのだろうか。

  • 160321読了、180126〜0131再読
    現代は時代の変化が早すぎて、リーンスタートアップをしていてももう遅い。変化の方向性を予測して、先回りして手を打たなければならない。そのための着眼点がまとめられたのが本書。
    重要なのは、テクノロジーの原理を知っておくこと、今進んでいる道を「そもそも本当にすべき道なのか」と考えること、ルールのあるところで戦わないこと、納得感よりパターンを信じること。
    テクノロジーは3大原則は、人間を拡張すること、1する人間を教育し始めること、手のひらから始まり宇宙へと広がっていくこと。抽象的な概念だが、これらは実際の方向性を表している。

    Pink highlight | Location: 43
    今、社会の変化のスピードは過去最も速くなり、そしてなお加速し続けています。テクノロジーには、「一つの発明が次々に他の発明を誘発し、結果として変化のスピードが雪だるま式に加速していく」という性質があるためです。 コンピュータの発明がインターネットを生み、インターネットがスマホを生み、ウェアラブルデバイスを生み、人工知能を発達させました。そして、その間隔は、必然的にどんどん短くなってきています


    Pink highlight | Location: 62
    しかし、もしも社会が進化するパターンを見抜いていれば、状況が変わっても未来を見通すことが可能になります。そのための汎用的な思考体系をお伝えするのが本書のテーマです。


    Blue highlight | Location: 71
    なぜ、自分の人生ひとつとっても、こんなにも予測がつかないのか。私は、この世界に存在する物事のつながり、パターンを見抜くことに、ずっと強い好奇心を持ってきました。 生まれつき非常に疑り深い性格も相まって、私は自分自身をその仮説検証の「実験台」にしてみようと思うようになりました。この世界がどんなメカニズムで動いていて、これからどうなっていくのかを確かめたかったのです。そして、そのために最も適切な手段として選んだのが、ビジネスでした


    Pink highlight | Location: 85
    これほどまでに市場の変化のスピードが高まっている理由のひとつに、インターネットが情報と資本の流動性を一気に高めたことが挙げられます。


    Blue highlight | Location: 127
    最近は状況がさらに一段階先に進んでいます。市場にいる全員が同じように「リーン」なスタイルでビジネスに挑んでいると、必然的に競争は激化していきます。ITサービスはとくに資金面・技術面において参入障壁が低いので、市場は一瞬で混み合いま


    Blue highlight | Location: 129
    たとえば、Grouponは史上最速で拡大したネット企業として注目を集めました。しかし、このサービスは、技術的にはWebサイトに決済機能を追加すれば誰でも立ち上げられる簡単なものであり、また、資金面においても、Amazonが提供するサーバーをクラウドで利用すれば最低限のコストで立ち上げられるため、参入障壁はほとんどありません。その結果、世界中でコピーサービスが立ち上がり、市場は一気に競争過剰に陥りました。 どれだけスピーディに変化に対応して仮説検証を繰り返しても、競争が激しくなりすぎてしまえば、十分な収益を上げることはできません


    Pink highlight | Location: 245
    テクノロジーの変化を点でなく線で捉えるためには、まずはテクノロジーそのものの特徴を理解しておく必要があります。あらゆるテクノロジーをマクロに見れば、その本質的な特徴は、次の3つに絞られます。テクノロジーは「人間を拡張するものであること」。そして、「いずれ人間を教育しはじめること」。最後に「掌からはじまり、宇宙へと広がっていくこと」です


    Pink highlight | Location: 246
    あらゆるテクノロジーをマクロに見れば、その本質的な特徴は、次の3つに絞られます。テクノロジーは「人間を拡張するものであること」。そして、「いずれ人間を教育しはじめること」。最後に「掌からはじまり、宇宙へと広がっていくこと」です。


    Blue highlight | Location: 260
    一方で、コンピュータやインターネットは、電力や蒸気とは根本的にまったく違う方向に人間の機能を拡張するテクノロジーです。その本質は、「知性の拡張」にあります


    Blue highlight | Location: 263
    蒸気や電力といったテクノロジーが現実世界における「動力革命」だとすれば、コンピュータは脳内における「知性革命」ということができるでしょう


    Blue highlight | Location: 266
    テクノロジーには、時を経ると人間を教育しはじめるという性質が備わっています。新しいテクノロジーが社会に普及してしばらく経つと、今度は人間がそのテクノロジーに合わせて生活スタイルを適応させていくようになります。この状況はまるでテクノロジーが人間を教育しているかのようで


    Blue highlight | Location: 269
    もともと、貨幣はあらゆる物々交換の非効率を解決するために生み出された「テクノロジー」でし


    Blue highlight | Location: 278
    人間は課題を解決するテクノロジーを発明します。そして、時を経るにつれそのテクノロジーは社会構造に深く組み込まれていき、いつしかそのテクノロジーの存在自体が人間の精神や行動を縛るようになります。まるで、人間とテクノロジーの主従関係が逆転したかのように


    Blue highlight | Location: 281
    コンピュータもまさにその典型例です。初期のコンピュータは大量のデータを素早く処理する、単なる計算機能を拡張するための存在でした。しかし、コンピュータは社会全体に浸透し、膨大なデータを学習し知能を発達させ、いまや最も効率的なアクションを人々に「教える」ようになりました


    Blue highlight | Location: 287
    物理的な位置に着目した際にも、テクノロジーの発達していくプロセスには、ある規則性が存在しています。先ほどテクノロジーは人間の持つ機能の拡張だと述べましたが、その拡張は常に「身体の近く」からはじまりました


    Blue highlight | Location: 291
    掌の上にあった道具は、身体を離れ器具として室内に配置され、さらに室外へ飛び出し、汽車や自動車のような移動手段になって距離を克服し、最後は重力すら克服し飛行機として空へ、さらには地球を飛び出し宇宙へと向かっていきました


    Blue highlight | Location: 297
    このようにテクノロジーは一定の順番を経て、物理的に遠くへと浸透し、浸透すればするほど日常の風景となり、その存在感を消していきま


    Blue highlight | Location: 314
    私たちにとってなくてはならない存在になりつつあるスマホも、このコンピュータの小型化の流れの延長にあります。「スマホ」と聞くとその名前から「ネットにつながった電話」とイメージしてしまいがちですが、コンピュータの進化の文脈から見れば「電話機能の付いた超小型コンピュータ」と捉えるべきでしょう

    Note:★ コンピュータの歴史:エニアック(1940年代、戦争用)、エドザック(ソフトとハードを分離)、IBM(ビジネスの世界へ)、アップルコンピュータ、インターネット、ヤフーやグーグル、PCからスマホへ

    Blue highlight | Location: 338
    インターネットが様々なデバイスとつながっていくこと、それはこれまでデータとして計測できていなかったあらゆるデータの収集が可能になることを意味します。そしてその延長にあるのが、「意思決定の省略」で


    Blue highlight | Location: 361
    「強いAI」派とは、知能を再現するためにはまず「人間の精神とは何か」という問いを解き明かし、その上でその精神をプログラムにより再現しなければならない、と考える立場です。 一方「弱いAI」派は、「人間の精神とは何か」という問いはあまりに難しく解けないので、結果として人間と同じようにふるまえるのであれば、それを「知能」と呼んでもいいではないか、と現実的に考えま


    Blue highlight | Location: 366
    長年の論争の末、現在、人工知能といえばそのほとんどは弱いAIを指すようになりまし


    Blue highlight | Location: 375
    私たちも何かを実行するときは、 ① 学習 ② パターン認識 ③ 予測 ④ 実行 という4つのプロセスを通過しています


    Yellow highlight | Location: 377
    たとえば、誰かに話しかけるには、その対象が人間かどうかを識別できなければいけません。そのためには人間の特徴を「学習」し、「パターンとして認識」しておく必要があります(目がふたつあり、鼻がひとつで、髪の毛が生えていて、口が動くなど)。そして、今目の前にいるのはおそらく人間だろう、という「予測」を立てたうえで話しかけるという動作を無意識のうちに「実行」していま


    Blue highlight | Location: 390
    そして最近、人工知能の世界にもうひとつ新たなブレイクスルーが起こりました。ディープラーニング(深層学習)という、既存の機械学習の欠点を補える手法が考案されたのです。 従来の機会学習においては、いくら計算能力が高まっても、「特徴量」と呼ばれる、概念そのものを認識するための変数は結局人間が考えなければなりませんでし


    Blue highlight | Location: 397
    ディープラーニングは、人間の手を借りずに、「特徴量」そのものを機械が自動で抽出することを可能にしました。  


    Blue highlight | Location: 421
    知性の発達のプロセスには、4つの段階が存在します。   ① 膨大な情報を蓄積する ② 蓄積された情報から人間が手動で改善につなげる ③ 蓄積された情報から人間がパターンを抽出し、そのパターンをシステムに検知させ改善につなげる ④ パターン認識そのものから改善のための判断まですべてシステムが行う   単にモノがインターネットにつながっただけでは、それは情報収集のためのデバイスにしかすぎず、①~③を担うのみです。しかしクラウド化されたAIが④までこなせるようになれば、それはもはや「知性」と呼ぶことができます


    Blue highlight | Location: 448
    それらを「点」で捉えるのではなく、 ① 電気がコンピュータを生み、 ② コンピュータがインターネットにより接続され、 ③ インターネットが社会の隅々にまで浸透しIoTが進み、 ④ 発生した膨大なデータはAIに集約され、 ⑤ 自律的に判断するAIがデータを分析し判断を下すようになり、 ⑥ あらゆる物体が知性を獲得する というひとつの線で捉えていけば、その本質は、少し理解しやすくなります。   大事なのはこれらの変化を「点」ではなく「線」として、結びつけて理解することです


    Blue highlight | Location: 489
    これからコンテンツがデジタル化され、読者の傾向がデータとして可視化できるようになると、感情は分析可能なものへと変わっていきます。業界全体でも、一部の天才クリエイターに依存した産業から、科学的に紐解くことが可能な再現性の高い産業に変わっていくことが予想されます。


    Blue highlight | Location: 589
    企業にとって、宇宙からサービスを提供するメリットは明確です。一般的に宇宙とは地上から100キロを超えたあたりからを指すので、700キロ以上はなれた衛星に対しては、国家も制空圏を主張できません。そのため、各国家からの妨害を受けづらいのです。


    Blue highlight | Location: 640
    人間は目の前で起きている現状だけを見ています。それゆえ、短期的な視点で、現在の業績が小さいといっては買収を否定し、ライフスタイルに合わないなどと理由をつけては新しい技術やメディア、プロダクトを否定する一方、まだ技術的に普及する段階にいたっていないテクノロジーに過剰な期待を寄せたりします


    Blue highlight | Location: 645
    長期的にみれば、人間が想像できるようなアイデアは、そのほとんどが実現されます。結局、アイデア自体は、将来における「点」なのです。そのときは突拍子もないように思えても、時間の経過とともに、技術面や価格面でのブレイクスルーによってピースが埋まっていき、いつかどこかで進化の「線」に取り込まれます。問題はそのタイミングがいつかということです。 多くの人がこのタイミングを見誤るということ自体もまた、歴史に通底するパターンのひとつなのです


    Yellow highlight | Location: 667
    私も、いつも社員には競合のことを意識しすぎる必要はないという話をしています。同じ場所を目指して登っていれば、意識しようがしまいが、いつかは競争することになるからです。その意味では、すべての企業は最終的には競争することを運命づけられています。


    Blue highlight | Location: 739
    中東は政治的な緊張関係があり、周辺国とも争いが絶えません。そのため政府・民間・大学・軍など全員が協力して収入を確保し、アメリカをはじめとする諸外国への影響力を保ち続けなければ、国として危機に陥ってしまいます。つまり、イノベーションを起こすための必要性が、どこより切実に存在しているのです。


    Blue highlight | Location: 780
    イノベーションをする「差し迫った必要性」が日本社会には存在していないのです。だからこそ、仮にイノベーティブなものができたとしても、今の日本において普及するかどうかはわかりません。


    Pink highlight | Location: 846
    今の時代に当然とされているものを疑うことができるという能力は、未来を見通すうえで重要な資質です。


    Blue highlight | Location: 867
    情報の伝達コストが高く、スピードが遅かったために、様々なハブをつくり代理人を立てて「伝言ゲーム」をしていたのが近代の基本構造です。必然的に、ハブの中心には権力が集中するようになります。


    Blue highlight | Location: 875
    では、情報技術の発達によってこれから訪れる「新しい社会構造」とはどういうものになるのでしょうか。 まず考えられるのは、分散型の社会システムへの変化です。分散型とは、中心が存在しないことを意味します。近代のハブ型社会のように代理人に情報を集約させなくても、それぞれのノード同士ですぐに情報の伝達ができるのであれば、ハブが存在する意味はありません。むしろ、ハブに情報を集約させるほうが、コストがかかってしまいま


    Pink highlight | Location: 894
    これまでつながっていなかったノード同士が相互に結びつくことで、情報のハブであった代理人の力が徐々に失われていくというのが、これからの社会システムの変化を見通すうえでの重要な原理原則です。


    Blue highlight | Location: 1,020
    一般的に私たちが国家と呼ぶ存在は、3つのものを持っています。領土と国民と権力です


    Blue highlight | Location: 1,030
    国家ができた理由を一言で言えば、「生存確率を上げること」に尽きるでしょう。群れをなす動物と同様に、集団で行動することで、人間は生き残る確率が上がります。外敵に襲われにくくなり、集団の知識を共有しあうことで同じ失敗をしにくくなります


    Blue highlight | Location: 1,059
    農業や工業といったビジネスは、資本を一度商品という物質として現実世界に戻します。そして、物としての商品を販売し、資本を増やすという手法をとります。一方で、金融や情報通信は現実世界に戻す物質が存在しません。金融は資本から資本を生み出し、情報通信は情報を資本に変えます。貨幣も情報もただの概念であり、非物質的な存在です


    Blue highlight | Location: 1,069
    より効率的でよりスピーディに資本を増やしていく方法を探していくと、経済の中心は農業や工業から、金融や情報通信などの非物質的な分野に移っていくのが必然的な「流れ」で

    Note:★自分は評判を評判のまま貯めている。お金には変換しないと言っていたのは、この思想があったからなのか。

    Blue highlight | Location: 1,923
    システムは膨大なデータを学習していくことで、私たちには因果関係がわからないようなパターンさえ認識できてしまっていたのでした。


    Blue highlight | Location: 1,934
    こちらの過去の行動を学習し、自分に適した情報を提供してくれるサービスは、とても楽だし、便利です。しかし、パーソナライズの技術は「思ってもみなかった発見」は提供してくれません。過去の行動履歴からパーソナライズをしていくことは、本当の意味での「最適化」をむしろ遠ざけてしまう危険性があるので


    Blue highlight | Location: 1,942
    しかし、私がその点について確認したところ、そのマネジャーは意外な答えを返してくれました。 この仕組みは「リスクヘッジ」のためのものなのだ、と。   Googleを率いるような優れた経営者も、いつも正しい決断をし続けられるとは限りません。企業が大きくなればなるほど、創業者たちでさえすべての市場を正しく把握することは難しくなってきます。ネットの市場は変化が速いので、トップが意思決定をひとつでも間違えば、途端に時代に乗り遅れるリスクがあります。 「だから、数万人いる社員の業務時間の20%をそのリスクヘッジにあてているんだ」と、彼は話してくれました


    Blue highlight | Location: 1,952
    この仕組みは、Googleの経営陣ですらも常に正しい意思決定をすることは不可能だ、という前提に立ってつくられています。どれだけ多くの経験を積んでも、この世界の「不確実性」からは逃れることができないのならば、いっそのことそのリスクも理解した上で組織をつくるという理詰めの選択の結果が、あの「20%ルール」なのです。この話には衝撃を受けまし


    Blue highlight | Location: 1,953
    どれだけ多くの経験を積んでも、この世界の「不確実性」からは逃れることができないのならば、いっそのことそのリスクも理解した上で組織をつくるという理詰めの選択の結果が、あの「20%ルール」なのです


    Blue highlight | Location: 1,967
    倫理的問題について考えるとき、私は「テクノロジーそのものは善くも悪くもなく中立である」という立場をとります。テクノロジーが脅威になりえるのは、人間が意図的に悪用したときです。「人間にとっての最大の脅威は人間である」という事実は、いつの時代も変わりません。しかし、その脅威の種類と質は、今後テクノロジーの進化により大きく変化していきます


    Blue highlight | Location: 2,064
    昔から、長く続く宗教の多くは、現世での利益と同様にまだ見ぬ来世での利益をも説いてきました。宗教には、報われない現実からの「避難所」のような役割があると考えられます。そういう意味では、宗教は過酷な生活環境で多くの人が困っていた課題に対する「ソリューション」として存在していたので


    Pink highlight | Location: 2,176
    本当に大きな成果を上げたいのであれば、真っ先に考えなければいけないのは今の自分が進んでいる道は「そもそも本当に進むべき道なのかどうか」です。


    Blue highlight | Location: 2,193
    短期間で大きな企業をつくりあげた企業経営者に会うと、意外な共通点があることに気付きます。実は、彼らが、コミュニケーション能力が高く、リーダーシップや人望にあふれるスーパービジネスマンであることは稀です。そのかわり、彼らが共通して持っているのが「世の中の流れを読み、今どの場所にいるのが最も有利なのかを適切に察知する能力」で


    Blue highlight | Location: 2,216
    手段が目的化することを防ぐためには、今やっている活動がどんな課題を解決するために誕生したのか、常にその原理を意識しておく必要があります。もし、その課題を解決するためにもっと効率的な方法がすでに存在するのであれば、今の活動を続ける意味はありませ


    Blue highlight | Location: 2,231
    未来の方向性を読むためには、④までは知る必要はありません。一方で①と②は多くの人が理解していて、差がつきません。重要なのは③の「原理」を知っているかどうかです。そのテクノロジーがなぜ誕生し、どんな課題を解決してきたのかを知ることで、その課題を解決する別の選択肢が誕生したときに、未来の方向性をいち早く察知することができます


    Blue highlight | Location: 2,266
    もし新しいもの好きのギークのみが熱中していて、そのテーマを他人に話しても8割の人が聞き返してくる場合は、まだ少し早いでしょう。逆にマス向けの新聞、雑誌、テレビなどのメディアで頻繁に取り上げられているようなら明らかに遅く、そこからアクションをとっても間に合いませ


    Blue highlight | Location: 2,294
    物事がうまくいかない場合、パターンを認識するために必要な試行回数が足りていない場合がほとんどです。サンプルが必要だと頭ではわかりながらも、感情的な理由から十分な数が集まる前にあきらめてしまう。目標の達成を阻んでいるのは、実は人間の感情というフィルタだったりします。


    Blue highlight | Location: 2,385
    だからこそ、まず自分自身の認識すらも誤っている可能性を常に考慮に入れた上で意思決定をする必要があります。ひとたび動き出せば、新しい情報が手に入り、「認識」は随時アップデートされていきます。 将来的に新しい情報が得られるであろうことを考慮に入れた上で、一定の論理的な矛盾や不確実性をあえて許容しながら意思決定を行うことが、未来へ先回りするための近道です


    Blue highlight | Location: 2,408
    普通、投資は自分がうまくいくと確信した事業に対してのみ行います。投資家というのは先見の明に自信がある賢い人がなるものですから、なおさらです。しかし、グレアムは「将来を正確に予想することは誰にもできない」という前提に立ち、自分も例外扱いしませんでした。グレアムは自分でも認識できない可能性に投資することでリターンを得ているのです


    Blue highlight | Location: 2,410
    グレアムは「将来を正確に予想することは誰にもできない」という前提に立ち、自分も例外扱いしませんでした。グレアムは自分でも認識できない可能性に投資することでリターンを得ているのです。


    Yellow highlight | Location: 2,479
    もし何か新しいことをはじめるのであれば、ルールメーカーがまだ存在していない領域を選ぶことをおすすめします。当時のシリコンバレーのように、すでに多くの人から名指しされるようなフィールドにこれから飛びこむようでは、アクションが一歩遅れている可能性があります。 以前、ウノウという会社を起業したのちアメリカのZyngaに売却し、今はメルカリというサービスを展開している山田進太郎さんに、なぜIT業界に入ったのかを聞いたことがあります。彼の答えは「当時は、他の業界よりも優秀な人が少なかったから」というものでし


    Yellow highlight | Location: 2,483
    「当時は、他の業界よりも優秀な人が少なかったから


    Blue highlight | Location: 2,549
    しかし、当時の状況においては、Androidの使い勝手があまりにも悪かったため、Androidに賭けるという選択は周囲には受け入れがたいものでした。何より、自分自身も直感的にはAndroidがこれから優勢になるという予想に納得していませんでし


    Pink highlight | Location: 2,573
    リアルタイムの状況を見ると自分も含めて誰もがそうは思えないのだけれど、原理を突き詰めていくと必ずそうなるだろうという未来にこそ、投資をする必要があります。あなた自身がそう感じられないということは、競合もまたそう感じられないからです


    Blue highlight | Location: 2,582
    他社で巨大なサービスを作ったプロデューサーや経営者に立ち上げ当時の話を聞いてまわったところ、驚くことにみな口々に同じことを語りました。どのサービスも立ち上げ当初は誰も注目していなく、社内も社外もうまくいくと思っている人間はいなかったのだ

  • メタップスの佐藤航陽さんの『未来に先回りする思考法』を読んだ。
    おわりにの見出しが「評論家になるな、実践者たれ」ってのはいい言葉だと思う。
    とてもいい本だけど、平易にしようとしてたまに章ごとで薄い!って思うところもあったんだけど、本気のところの内容の濃さとかあって面白かった。
    今やってる事業が、最初自分でもうまくいくってピンときてなかったって話と、パターン認識の話はしっくりきた。

  • 今後の仕事人生におけるコンパスとなるような本。努力を成果(=市場へのバリュー)にいかに繋げるか考えるキッカケとなった。

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著者プロフィール

福島県生まれ。早稲田大学在学中の2007年に株式会社メタップスを設立し代表取締役に就任。2015年に東証マザーズに上場。フォーブス「日本を救う起業家ベスト10」、AERA「日本を突破する100人」、30歳未満のアジアを代表する30人「30 Under 30 Asia」などに選出。2017年には時間を売買する「タイムバンク」のサービスの立ち上げに従事。宇宙産業への投資を目的とした株式会社スペースデータの代表も兼務。
『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』(幻冬舎)で「読者が選ぶビジネス書グランプリ2018」リベラルアーツ部門賞を受賞。

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