未来に先回りする思考法 [Kindle]

著者 :
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン
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感想・レビュー・書評

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  • 必要性から成り立ちが分かり、先の必要性から今後どうなるかが分かる

    ①世の中の製品、仕組み、サービスは全て何らかの必要性に迫られて誕生している。
    ・今やっていることが何の必要性から始まったか考えることで、手段が目的化することを防げる
    ・必要性から成り立ちを発展性を説明ができる。必要性が発展を生む。
    ・人は便利なものを求めるから、技術の進歩は止まらない。

    ②中心に情報が集まり、中心に知識が集まり、中心が権力を持つ
    →いくつかのハブに情報が集まり、影響力を持つ
    →誰もが等しい情報にアクセスでき、誰もが影響力を持つ
    インターネットは国家と企業、企業と個人の境界を溶かすテクノロジー
    インターネットにより、国家や卸業者の権力は低下する

    ③関係ないことに20%の時間を割くことがリスクヘッジ
    未来は不確実で全ては見通せないので、現時点合理的を思われることに全振りすることはリスク、予測できないことが起きた時は、今やっているここと関係なかった29%が身を助ける。
    ・全ては分からないから、未来に先回りするには、分からないものは分からないとして進める

    ④一つ一つの変化を線でつなぎ、必要性で理論づけられる過去のパターンを比べ世の中を予測する、
    ・情報も資産であり、これまでの財務諸表では企業価値が測れなくなっている
    ・パーソナライズによる提案は思ってみ見なかった出会いを減らし、マンネリ化する可能性がある
    ・テクノロジーによる効率化は労働者の仕事を奪うかもしれないが、消費者のコストを減らすとも言える
    ・100%成功するものはないから1回の失敗に感情的にならず、必要な回数施行する

  • 著者がいう先回りとは、
    原理を知って、納得感よりパターン重視。
    合理的は非合理も含めて、というところと言えそう。

    後半最後になって著者の「経験」から言えることがいくつか出てきていて、
    ・アプリ支援のグローバル化の選定
    シリコンバレーでなくシンガポールを狙った。しかし圧倒的にシンガポールよりもシリコンバレーのほうが環境として良さそうという事実がある。しかりルーラーがないところにおいてというところで、選択。これが功を奏す。

    ・iphoneよりAndroidを選択
    市場がほぼない、そもそもAndroidなにそれ?というところでぶっこむ。流れが変わって急成長に。

    どちらも著者自身が納得感はなく、むしろ「まずいのでは」と考えていて、周りもそうだったというところがポイント。なぜその非合理な選択を出来るかは、著者がパターンや原理でくると「読んだ」からでしかない。

    当然、非合理なものを選べば合理性がないので周りからは反対される。しかも自分も分からないので、なんとも言いようがない。仮にここでいう「原理」を話したところで、宗教か?といわれるのがオチだろう。

    一方で非合理的な選択をすれば成功するというわけではない。原理として来る、つまり著者的にいえば「未来が来るのを早まる感覚」であって、先に仕事をして手を打てば先に未来が来る、というところだ。これはかなり感覚的だと思うし、合理的ではないだろう。

    効率を批判しているわけではない。
    ある種客観視し、達観とはいわないが、現状の具体的に見える範囲を疑って、実はこうではないだろうかを考えていく。当然ながらその原理に対して実行するということが求められるので、別に考えて動かないわけではない、無茶に非合理でやればいいわけでもない。

    言い切れば、考えていく中で、パターンが見えるならば(見えないなら単に試行数が足りないといってもいいだろう)それを信じてもいのでは?というか、頭の片隅にあればいいんじゃないかという、提言と受け止めた。

    自分が納得できないことを推進できるかというところでは甚だ疑問ではあるが、自分が考える世界や感覚を疑うというのはとても理解ができる。そういう意味での矛盾やこの葛藤をきれいに解決せずに、保留しもっていくことがある種の思考のジャンプや突破口になるのかもというところは感じた。

    もっといえば、論理と感情は常にあるので、そのバランスといってもいい。100%合理ではつらいし、100%感情でもつらい。とはいえ0%では人間っぽさもない(笑)よって、合理的だけど時には感覚で、感覚派でも時には合理的に(ここでは目の前の理屈やデータでなく、原理というロジック)というところかしら。

  • 変化を察知し,行動あるのみ。

  • いつの時代も原理原則を忘れない。そして行動を続ける。

  • 未来を予測して動くための思考法が書かれている。
    ビジネスだけの話ではなく、人生設計において今の自分の選択・行動が本当に正しいのかを疑い、「目的(夢や願望)に確実に向かうにはどうすればいいか」を常に考える必要性があることも詳しく書かれている。

  • 未来を予測したうえで、仕事に活かしていこうという内容の本。
    当たり前かもしれないけど、そうそう未来なんて予測できるものではないのだろうなと思った。著者も未来に先回りしてビジネスで成功したこともあるようだけど、著者自身も半信半疑でやってたものもあるのだとか。
    「はじめに」で、Grouponは史上最速で拡大したネット企業と書いてあったのは、なぜか悲しくなった。あれって、何であんなに人気がでたのだろう。フラッシュマーケティングと呼ばれてコピーサービス作られまくってたけど、今でも事業続けられてるのかな(調べたら、日本からは2020年9月に撤退したらしい)。
    なお、ディズニーではユーザーの「感動のパターン」がノウハウとして蓄積されていて、そのフレームワークに沿って映画が作られているらしい。これって、アナと雪の女王でもなのだろうか。あの映画は、今までの映画とはパターンが異なるように思ったのだけど(そのせいか、そんなに面白いとも思わなかった)。
    なお、未来を予測するといっても、少し先の未来ならいいけど、かなり先の未来を予見できたとしてもビジネスではうまくいかないという。その例として書かれあるのが、ニコラ・テスラの話だけど、そのテスラは100年以上も前に無線でワイヤレスに送電する研究をしていたらしい。その時代なんて、有線の送電ですらようやく整ってきてばかりなのに、もう無線送電なんて考えてる人がいたのかと驚いた。今度、ニコラ・テスラについての映画が日本で公開されるけど、ちょっと気になってきた(見に行かないとは思うけど)。
    未来予測とはちょっと違うけど、イノベーションに重要なのは、何よりも必要性だそう。その影響で、人口800万人程度のイスラエルは、ナスダックに上場する企業はアメリカの次に多いぐらいのイノベーション大国らしい。周辺国との争いがたえない事情が、イノベーションを起こさせたとのこと。ただ、そういう意味では、超高齢社会になっている日本には、必要性に駆られそうではあるのだけど。なんかうまくいってないよなと思う(ある意味、必要にかられたイノベーションとして誕生したようなサイバーダインも、事業はうまくいってなさそうだし)。
    と思っていたら、日本はほとんど日本人だけで構成される島国なので、危機感がないためイノベーションがうまれにくいという。対して、アメリカでは移民を広く受け入れて異なる人種や言語、宗教の人が多いので、危機感や競争力が高まり、必要性を生み出しているのだとか。そういう意味では、日本も移民を受け入れるようになったら、イノベーションが生まれやすい社会になるのだろうか。まあ、戦争があると技術が発展するから戦争は必要とはならないわけだから、単純にそれがいいかは分からないけど。
    なお、Googleはサーバにあるビッグデータが資産みたいなものなので、財務諸表をみただけでは価値が分かりづらいのだとか。まあ、人が集まれば広告で稼ぎやすいというのはそうなのかも。YouTubeとか何回、動画中に広告でるんだと思う時あるし(かなり鬱陶しいと思う事もあるけど、無料で使わせてもらってるとは思うので、広告ブロッカーは使う気になれない)。
    Googleの20%ルールは、不確実性のリスク回避のためにあるという話を初めて知った。社員が独自に好きな事業を始めてくれたら、それでうまくいくこともあるから、存在するということか。ただたんに、仕事の時間の20%は好きにしてもいい、つまり遊んでてもいいというのとはわけが違うということか(考えてみれば、そりゃそうかとは思うけど)。
    なお、MBAの講師や有名コンサルタントが実際に経営者として成功するケースは多くないという。まあ、それだけ事業は不確実だということか。人だから感情があるけど、感情に流されるとダメということなんだろうなと思った。ビジネスの原理をもとにやっていれば、自分自身も本当にうまくいくのかと不安に思っていても、うまくいくことが多いという。なぜなら、自分自身が不安だと、競合もそう思っていて参入してこないだろうからとのこと。
    まあでも、株といっしょでこれは難しいんだろうなと思った。

  • 佐藤さんの未来を見通す力は強い。5年前の本なのに今読んでも発見がある。

    賢者は歴史から学ぶというけどまさにそう。
    パターン化も歴史から学ぶと言う事。

    金言がとても多い本でした。

  • 概念的な話が多いが、物事の概念を捉えて思考することが大切なのだろうと受け取った。『「他人も自分も納得できる」ことは本当に「成功の可能性が高い」こととイコールなのでしょうか。』『リアルタイムの状況を見ると自分も含めて誰もがそうは思えないのだけれど、原理を突き詰めていくと必ずそうなるだろうという未来にこそ、投資をする必要があります。あなた自身がそう感じられないということは、競合もまたそう感じられないから』このあたりの描写が特に刺さった。中国の戦略に対する見方も、2015年当時としては前衛的な考え方だったかもしれないが、納得感があった。この手の本はタイムリーに読んでおきたかったと感じた。

  • 先回り。

  • 政治も経済も世の中のあらゆるものを原理から理解し、テクノロジーによってどう解決・変化することができるか考えよ、と説いた本。国民国家、民主主義、資本主義って何で生まれた?労働は何にためにある?貨幣の価値って何?これらの原理を簡単に解説し、テクノロジーを割り当てて未来を考察している。なんだか、マルクス本を読みたくなる(本書ではマルクスの話はほぼ出てこないけど)。なお、各分野の諸原理を扱っている名著を、参考書籍としてまとめてくれると更に良かった。

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著者プロフィール

福島県生まれ。早稲田大学在学中の2007年に株式会社メタップスを設立し代表取締役に就任。2015年に東証マザーズに上場。フォーブス「日本を救う起業家ベスト10」、AERA「日本を突破する100人」、30歳未満のアジアを代表する30人「30 Under 30 Asia」などに選出。2017年には時間を売買する「タイムバンク」のサービスの立ち上げに従事。宇宙産業への投資を目的とした株式会社スペースデータの代表も兼務。
『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』(幻冬舎)で「読者が選ぶビジネス書グランプリ2018」リベラルアーツ部門賞を受賞。

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