帰ってきたヒトラー コレクターズ・エディション [DVD]

監督 : デヴィッド・ヴェンド 
出演 : オリヴァー・マスッチ  ファビアン・ブッシュ  クリストフ・マリア・ヘルプスト  カッチャ・リーマン  フランツィスカ・ウルフ  ラース・ルドルフ  ミヒャエル・ケスラー  トーマス・ティーメ 
  • ギャガ
3.74
  • (37)
  • (93)
  • (56)
  • (15)
  • (1)
本棚登録 : 417
感想 : 103
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4589921403801

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 日本公開時にテレビで紹介されたのを見て気になる映画でした。私的には風刺的コメディ映画として楽しみました。
    ただ、同時に観る国や人種によって様々な解釈があるだろうと思いました。過剰な反応をしたり、映画として扱われること自体許せない。そういったものもあるだろう。

    ヒットラーは知っているようで知らない。小説や物語で出てくるイメージしかない。日本を戦争に導いたA級戦犯の日本人の事は全く知らない。授業としても習わなかった。その戦犯日本人よりヒットラーの方が知識としては詳しいかもしれない。

    政治にしろ、社会にしろ、閉塞感の時代の中で何かを変えてくれる。現状を打破してくれる。既成概念にとらない。
    見た目的にも良い。堂々としてこの人なら何かを変えてくれる。そういう風に思わせる人がパッと現れる。実はハリボテで中身がなかった。そういった人は日本に置いても度々出てくる。指導者となり国を間違った方向へ導いてしまうといった事が外国では多々あったりする。その指導者を選んだのは国民だ。それを深く反省する。反省しても数十年後には同じ事をく繰り返す事もある。
    また、それを選んだのは国民だになったりする。

    観終えた後に余韻が残る。その余韻が色々と考えさせられる映画だ。

  • ヒトラーが現代にタイムスリップしてお笑い芸人になるという設定は風刺がきいています。最初は彼の存在や言動は「ジョーク」にしかならないのですが、いまのヨーロッパの社会状況がオーバーラップして「ジョーク」にならなくなるところが恐ろしい。移民の排斥を訴える右翼たちは、戦時中のナチスと変わらないということか。ヒトラーを迎える下地ができている状況ということか。うーん、真面目なのか、ふざけているのか、この映画のスタンスがいまひとつわかりかねます。

  • 笑うな、危険

  • やや流れに不満。
    ただ、衆人を引き込んでいくテクニックていうか、人の心の中にある何かをすっと引き出してくるその操法みたいなものと、それにいともあっさり乗っていく衆人とを観て、結局火種は決してなくならないし、それは何気ない瞬間に点いて、あっというまに燃え広がり、容易に消せず、現在の過去から学ぶってことがいかに無意味かを思い知らされる。

  • 「計画した者たちが私を選んだのだ」
    この認識は、いまの日本の世情(アドルフ=アベ)とも照らし合わせてヒヤリとさせられた。アドルフ・アベが政権にとどまっているということは、多くのアドルフ・アベ支持者がいるということ。

  • 最初のシーンの空気感(「誰も敬礼してくれない」云々)で進むのかと思ったが違った。あのシーンはどこに挿入されるのだろう?

  • デヴィット・ヴェント監督•脚本、2015年作。
    オリヴァー・マスッチ、ファビアン・ブッシュ出演。

    <あらすじ(ネタバレ)>
    現代にワープしたヒトラーが、クビにされたTV番組企画担当のザバツキに、モノマネ芸人として見出され、ドイツ国民の不満に応える話題で人気になるが、それに気付いて本物だと言い始めたザバツキは精神異常者として隔離され、ヒトラーは親衛隊を組織していく話。

    <コメント>
    世界に広がる反グローバリズムとポピュリズムに警鐘を鳴らす映画。
    ヒトラーは悪とされているが、プロセスとしては国民に選挙で選ばれていた。国民の不満を掴んでそれに応える形で権力を掌握した点では、現代政治でもヒトラー型の政治が行われる危険性があることは当時と全く変わりない。
    2015年公開だが、当時のヨーロッパの政治はそういううねりにあったし、それはアメリカにも及んで行った。原作は読んでいないが、映画がコメディ色が少なくなっていると評されるのは、現代政治のトレンドを突きつけるテーマに切り替えたということなのかもしれない。

  • とてもおもしろかった。
    ヒトラーが現代にタイムスリップしたら、、、という映画。
    一見コメディ風に描いているが、
    ヒトラーに対するイメージを場面場面で切り替えて、観ているこちらもそれに振り回されながら、そのたびに大事なことにハッと気づかされていくという結構深い映画。
    憎まれ者を世に出す逆転の発想が人気を得ていくことで、(みんな無言の圧力で言えなかった何かをヒトラーの登場で爆発させる)、実際に人々が圧倒的カリスマ性を持つ人に取り込まれていく
    人間の心理の変化や、表現の裏に隠された何か黒い意識や、何が本当かわからない怪しい感じ

    誰がまともで誰がまともじゃないか?
    ヒトラーを捉える視点によっては気が狂ってるとみられたり、賞賛されたり、おもしろかったり

    今の世の中の偏見やら思い込みやら記憶で事実が変わっていくという話


    おもしろい

  • ドイツすごい! ヒトラーを絶対に英雄視しない、許していない、現代の難民差別傾向にヒトラーを使い警告さえしている。
    この国はなぜこんなにも歴史に向き合えるのだろう。治安維持法で虐げられたのに秘密保護法がすんなり通った日本人が日本が、浅薄で悲しくなる。
    コメディーと思いながら観ていたが、国にとっては砂つぶにも満たない自分が、どうありたいかあるべきかを考えさせてくれる作品だった。

  • 現代にヒトラーがタイムスリップしてきたらという設定で、原作本がヒットしたらしいが、こんな映画がよくドイツで作られたもんだ。前半はいわゆる浦島太郎状態でかなり笑える。そっくり芸人としてテレビに出るとその人気は不動のものに。徐々に本物のヒトラーに見えてくる。ドキュメント風な部分もあり、余計に混乱してくる。結末に向かって、なぜヒトラーのような独裁者が生まれたのかを考えさせられる。ヒトラーを嫌っていたはずのゼンゼンブリンクが激昂してヒトラーのように振る舞っていたのが印象的。歴史は繰り返す。

  • 小説が始終笑える内容だったので、コメディー要素を期待して観るも、ラストに驚愕。小説では得ることがなかった恐怖感を、ビシビシと感じた。特にSS“役”の号令には背筋が凍った。
    1番の怖さは、劇中のヒトラー本人も繰返し言っているように、強奪した権力ではなく市井の人々に指示されて築いたポジションだということ。欧州各地で文化が衝突して似たような小さな渦巻きが起こっているだけに、この恐怖感をリアリティーとして記憶にとどめたい。
    犬を撃ち殺すシーンは、劇中の人たちと同じように不快極まりなかった。

  • 原題:ER IST WIEDER DA/LOOK WHO'S BACK
    レンタルで鑑賞。

    みんな始めは笑ってたが、次第に笑えなくなっていった。
    この言葉どおりだった。

  • 現代に甦ったヒットラーが、騒動を起こしていくだけのコミカルな話だと軽く見ていたら、とんでもなく重い展開に。特にイギリスがEUを離脱し、トランプが当選した後の昨今、ドイツでもこれだけヒトラー本人の言説が受け入れられていく様を見せつけられると、グローバル世界が直面している問題をまざまざと突き付けられる。ただ、タブー中のタブーであるはずのこんな設定がしっかりと映画化され、上映されているだけでもまだ健全なのかなとも思えるし、右にも左にも寄りすぎない中庸を保ったバランスで演出されている点にも少しだけ安堵はできた。自国民第一主義の問題は、鑑賞後も消化しきれない難問として重くとぐろを巻いているが。☆4

  • かなりの思考実験。映画版で半分ドキュメンタリーという手法をとることで、そのことに拍車がかかる。

    見る前から純粋なコメディとは思っていなかったので個人的には満足のいく映画だったが、ガハハ系を求めてると肩透かしをくらうかも。どちらかというとフムフム系のおもしろさ。

  • いい映画は、冒頭で3分で分かる。
    絵や音楽でこれからのストーリーの全体が分かるからだ。

    小説をかじっていたので、それを頭で浮かべながら見ていました。映画はどう映像化したらよいかって考えられていたよかった。特にカメラワーク。最初はドキュメンター風にカメラが客観的に人物をとらえていたのに、物語が進むにつれてドラマ風に撮り方が変わり観客が没入(感情移入)しやすい状態になっていた点は素晴らしい。

    アドルフ・ヒトラーが2014年に降り立ったら・・という話は、現代抱える移民問題、政治問題、そして国民の無意識的総意をあぶり出している。
    アメリカの大統領が変わった2017年にこの映画をみると、また一段と意味が変化していてなんともいえない。

  • もし、ヒトラーが現代に蘇ったら、、というところから物語は始まる。

    みんな、「まさか」「「ありえないよ〜」と薄ら笑いを浮かべ、冷笑し、嘲笑う。

    一方、2014年、ドイツは移民問題や子供や老後の貧困、失業、そして政治不信を抱えている。
    人々は娯楽に浸かり、見たいものだけを見る。
    そして、排斥運動や国民意識は高まり、まさに1930年代の状況と似てきて、ヒトラーにとっては好都合。

    「料理番組しか流さない低俗なテレビ」と、どこかで誰もが思っていることを逆手に取り、まずは「人に話を聞いてもらうため」にテレビに出続ける。
    人々はそこで話される内容を、どこか笑いながら、どこか距離を取りながら、しかし、関心を持ちがら見てしまう。
    その途中にはドイツの政党や極右とインタビューしながら進めていくものなど、バラエティに富んでいた。

    冗談で、ハイールヒトラー(敬礼)をしなかったのが、エンドロールでは、街のいたるところでヒトラーに対する視線や敬礼をする人々が現れる。

    悪の権化、みたいにヒトラーを言う人がいるが、本人が言うように、明示した計画を国民が選んだだけ。
    独裁は民主主義の中から生まれる。
    その民主主義はやはり日本だけでなく、ドイツでも根付いていないのだなぁと言う感じを受けた。

    ヒトラーは、人々に寄り添い、共感し、価値を訴えかける。 その共感の和が広がり、ますます、ヒトラーに力が集まっていく。


    認知症のおばあちゃんがヒトラーを見て気づく。
    「昔と言っていることが同じだ」と。
    最初は嘲笑ってたが、いつの間にか、取り返しのつかないことを犯してしまう。 
    そのおばあちゃんもユダヤ人だった。

    外国人排斥が、どこか当時のユダヤ人迫害を思い起こさせるのは、偶然ではないだろう。
    いつの時代も、政治不信や不満が募り自分たちの権利を守り抜くために、「我々」の範囲を縮小させる。
    そうして差別が始まり、声大きい方へ人々は動いていく。
    その中から、それに見合った指導者が出てくる。

    今後数十年間の世界の動きが始まった、
    そんな瞬間を、ヒトラー使いながら描写していた気がする。

    ヒトラーをとてもうまく描きながら物語も面白く進んでいたと思う。
    すごくリアルだった。
    カメラの撮り方も、ドキュメンタリーチックな部分があって、臨場感があってよかった。
    そして何より、ヒトラー、すごい似てる。
    多分、そんなに誇張せずに本人になりきるって、ああ言うことなんやろうな。

    すごくいい映画。

  • ヒトラーは時代が変わってもヒトラーだった。
    笑ってはいけないってそういうことか…!

    現代の進歩や技術に驚いたたり時代錯誤な失敗をしてしまうヒトラー、微笑ましい!笑っちゃう!ギャップすごいな!…みたいな流れで笑って終わるのかと思ったらそうじゃなかった。

    そんなに笑える映画じゃない、むしろ考えさせられてゾッとする映画。

    歴史上の人物を通して、現代の政治や人々の抱える問題が映し出されている。
    人種や思想の違い、過去の因縁で対立する人々などの様子もあって観ていてハラハラした。

  • ありえない想定


    最初なコメディな展開から、徐々にこれはシャレにならないんじゃない?

    という恐ろしさ。

    ドイツにとってヒトラーがどれだけタブーかを想像すると

    この映画の内容はスゴイです。

    ラストに絶対に震えます。

  • タイトルの通り。
    防空壕の中で自殺したはずのヒットラーが、2014年にタイムスリップ。
    "ヒットラーのモノマネをする芸人"だと勘違いされてテレビ、ユーチューブで大人気になる話。

    コメディタッチだけど失業、賃金の安さ、移民との確執等現代のドイツやヨーロッパの社会情勢とリンクしていて、「シン・ゴジラ」は巨大生物が現代の日本に現れたらどう対抗するのかをシュミレートしていたけど、こちらはヒットラー版。
    "極端な移民虐殺演説の分かりやすいキチガイ"ではなく、耳障りの良いマトモな演説で人を引き込むところが恐ろしい。
    ヒットラー自体が暴走しただけではなく、市民も彼を選んだのだ…現代の極右化している世界では回避するのは難しいだろうな。

    撮影はドキュメンタリー風で、ヒットラー役の俳優さんが実際に一般市民と撮ったらしい。
    案外市民がヒットラーに対して嫌悪感を示していないのに驚いた。
    ドイツってナチ関連についてはもっとタブーになっているもんだと思っていた。
    でも、ドイツ人の犬への愛はホンモノらしくストーリーにも関わってくるけど、犬好きの人は笑えないシーンがあるかも。ソコだけはパッケージに騙されたので注意。
    ヒットラーも確か、愛犬家だよね?猫は嫌いだったようだけど…

  • ドイツ映画って…面白く無い。。
    いつも、もやもやで終わるものばかり。
    序盤は笑えたけど、段々と恐ろしくなってきた。
    国民が私を選んだのだ。というヒトラーの言葉に胸を突かれた。また、ユダヤ人のお婆ちゃんの、この人殺し!という絶叫にも胸を突かれた。
    悪魔のような怪物ヒトラー、そんなイメージを持っていたけど、まともな事も言っているし人間味もある。だから人は惹きつけられたのかな。
    コメディじゃない、風刺映画だ。ゾッとした。

  • 最近は結果よりプロセスが面白い映画が多い気がしてて、この映画もまさにプロセスが面白かった。

    本当にオチとかとって付けたようなものだったけど、反面、現代にタイムスリップしたヒトラーが民衆を掌握していく過程は痛快すぎて寒気がするほど恐ろしい。

    潜在的な不満の代弁者であったり、強引だが先導してくれる指導者を民衆が選ぶなんて話が、全然洒落にならない時代がまたきてる感が…

  • 本物のヒトラーが現代にタイムスリップしてきちゃうお話。民衆にインタビューするシーンは本当にインタビューしているらしく、ドイツ国民の今の気持ちが表れている。意外だったのは、思ったよりも現代ではヒトラーが受け入れられているところ。もちろん激しい嫌悪を示す人もいるけれど、「ジョークでしょ?」と笑って受け入れてる人が多かった。最初はコメディ調なのに、だんだんとその笑いがが恐怖に代わっていくさまが素晴らしい。

  • 現代に飛ばされてきたヒトラーの素っ頓狂なりアクションに序盤は笑わせてくれるのだが、ストーリーが進むにつれ、「あれ、なんだかこれ、マズいんじゃ?」と思うままに、彼の恐ろしさ、というか彼を生み出したしまった群集心理の恐ろしさに胸をうたれ、序盤にあった気持ちとは打って変わって複雑な心境にさせてくれる、そんな映画。

    ヒトラーという怪物もまた、民衆に選ばれた存在であり、彼を選んだのは「最初は冗談まじりだった」国民だったのだ。

    吹替でこの作品を観たが、飛田展男氏の演ずるこの種のキャラクターは、「HELLSING」の少佐といい、ものすごい親和性を持っている。
    ベスト・オブ・ナチズムと言うと語弊があるだろうか、しかし彼の相応しい演技は本当に素晴らしいと思う。

  • ドキュメンタリーで撮っている場面が多々あるんだけど、そこがかなり見ごたえある。

  • メイキングまで見てこの映画のドキュメンタリー部分は実際の国民の反応も含まれている事が分かった。
    ドイツ横断もロケ地みたいなものがあるのではなく実際に車で行っているようであり、原作をただ映画化するだけではない作品に対する強い熱意とそれらの反応から浮かび上がる現代の問題が他人事ではない事を痛感させられた。

  • 歴史は繰り返しているところ。

  • ちょっと意外やった。
    こういう映画とは想像してなかったからな(^^;)

    でも、考えさせられました。

  • 『帰ってきたヒトラー』

    難民・移民問題に苦しむドイツ。繰り返す歴史に対して警告をしている。

    選民思想で知られるヒトラーが現代にタイムスリップし、TVやSNSを通した演説で人々を魅了していく。

    過去の残酷な歴史を学んでいながらも、なおヒトラーを支持する現代の人々は、彼と同じ思想を持っていることの表れである。

    現代の差別の対象は〝ユダヤ人〟だけでなく〝移民(=ムスリム)〟にも広がっている。

  • 制作年:2015年
    監 督:デヴィッド・ヴェンド
    主 演:オリヴァー・マスッチ、ファビアン・ブッシュ、クリストフ・マリア・ヘルプスト、カッチャ・リーマン
    時 間:116分
    音 声:独:ドルビーデジタル5.1ch、日:ドルビーデジタルステレオ


    ヒトラーの姿をした男が突如街に現れる。
    リストラされたテレビマンに発掘された男は、復帰の足掛かりにテレビに出演させられる。
    男は長い沈黙の後、とんでもない演説を繰り出し、視聴者の度肝を抜く。
    自信に満ちた演説はかつてのヒトラーを模した完成度の高い芸と見做され、過激な毒演はユーモラスでありながら真理をついていると評判を呼び、男は一躍人気者に。
    しかし、彼はタイムスリップしてきた本物のヒトラーだった。
    そして天才扇動者である彼にとって、現代のネット社会は願ってもない環境だった…。

  • ヒトラーが現代に戻ってきた、っていう設定がおもしろい。歴史物好きだから、わくわくして見始まったけど、第2次世界大戦の知識とかないから小ネタがわからずもどかしい〜( ;∀;)

全103件中 61 - 90件を表示
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×