裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち [Kindle]

著者 :
  • 太田出版
4.13
  • (21)
  • (22)
  • (11)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 256
感想 : 23
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (213ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 人間は2年ほどで、歯や心筋の一部などを除き、ほぼすべての細胞が入れ替わる。
    だから身体上はほぼ別人に生まれ変わる。
    誰に触れられたからと言ってもう別人だと思えてくる。

    春菜は、友だちや恋人に知られたら、「汚いって思われる」という不安を繰り返し語った。

    人に過去は必要なのか。過去が今を作るというのは本当か。今の認識を修正すば過去も変えられると思う。


    このとき、春菜は和樹と別れることを決意した。春菜が別れ話を切り出すと、和樹は、「どうせ自分のところに戻ってくる」といった。春菜は和樹のいい方に心の底からうんざりして、「和樹をほうりなげた」。

    和樹は四年間、春菜に客とセックスをさせて、そのお金で生活し続けてきた。その和樹との生活をとことん嫌だと思ったときに、春菜は和樹を捨てた。だが、その春菜をだれも受け入れることがないならば、春菜のそばにいることができるのは、すべてを知っている和樹ひとりしかいない。要するに春菜にとって和樹は、最後の保険のようなものなのだろう。だから春菜は、和樹のことを好きではないと思いながらも、和樹を切り捨てることはできない。

    だからほんとうは、春菜を捜すことはできる。でもそれはやめておこうと私は思っている。

  • この本に出てくるような、若くして、若いからこそ苦労している女性は世の中に沢山いるのだろうなと思った。

    偏見を持たれがちな境遇の女の子に対する著者の寄り添う姿勢が素敵だなと思った。

  • Kindle Unlimited読み放題の対象です

  • 中学生くらいから彼女たち自身は気づいてないように見えるが窮地に立たされ続け、生き延びてきた子たち。あまりにも目の前に選択肢がなさすぎる。持っているものが若さと女性というだけでほとんどなかった子達に他にどんな選択ができただろう。ただただ生きるために彼女たちなりに問題を解決してきたことがよくわかり、胸が痛かった。人生に困難はつきものだ。高すぎる壁を乗り越えてきた彼女達の未来が少しでも明るいものでありますように。

  • ふむ

  • うーん、悲しい出来事だな。
    沖縄に限らずだとは思うけど、貧困や犯罪など根深い問題

  • 沖縄の女の子たちの話。沖縄は土地柄今でも暴力を内包しており、その行きつくところは女性と子供という悲しい現実。救いは、それでも自分をしっかり持って、ないし素敵なパートナーに恵まれて立ち直る子も中には居るというところか…

  • 沖縄県出身の作者が故郷の大学に教職を得て就職し、その研究活動の一環として、逆境にある沖縄の少女たちに聞き取りをしまた、何らかの支援をしたことをまとめたのが本書。

    私だったらきっと直視できないような現実を赤裸々に語らせる筆者の聴く力、寄り添う力はさすが。
    他方、臨場感を伝えようとしすぎたのか、随所に登場する口語が、読者の理解を妨げてし待っている部分もあると思われる。

  • 乱読。
    沖縄の現実…。悲惨すぎる。

  • まずなによりタイトルがすごくいい。とても情緒的でありながら、他にないくらい的確に内容を表現している。暴力と貧困の中で生きる女性たちのよくあるインタビュー集のように見えて、いわゆるジャーナリストのルポとは一線を画している。アカデミックな専門家かフィールドワークをしっかり行うと、よくあるテーマでもここまで違うものかと。

全23件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

1972年、沖縄県生まれ。琉球大学教育学研究科教授。生活指導の観点から主に非行少年少女の問題を研究。著作に『海をあげる』(筑摩書房)、『裸足で逃げる』(太田出版)、共著に『地元を生きる』(ナカニシヤ出版)など。

「2021年 『言葉を失ったあとで』 で使われていた紹介文から引用しています。」

上間陽子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×