ムーンライト スタンダード・エディション [DVD]

監督 : バリー・ジェンキンス 
出演 : トレヴァンテ・ローズ  アシュトン・サンダース  アレックス・ヒバート  マハーシャラ・アリ  ナオミ・ハリス 
  • TCエンタテインメント
3.37
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感想 : 82
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4562474188173

感想・レビュー・書評

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  • すごーく丁寧な映画だった。
    宣伝で見かけたと思ってたシーンがなくて、拍子抜け。
    なにか勘違いしてたみたい。
    癒され安らげる場が、時間があるのはなんて幸福なことなんだろう。
    月明かりに照らされる浜辺で涙するよりも。

    劇場で観たら、また更に良かっただろう作品

  • 音楽が良かった。

    背景を持たない人はいないけど、
    それを他者が窺い知るのは簡単じゃない。
    それでも他者からの理解がないと苦しく
    堪らない気がする。

    淡々とした映画でした。

  • そんな良いか?

    ストーリー
    名前はシャロン、あだ名はリトル。内気な性格で、学校では“オカマ"と呼ばれ、いじめっ子たちから標的にされる日々。
    その言葉の意味すらわからないシャロンにとって、同級生のケヴィンだけが唯一の友達だった。
    高校生になっても何も変わらない日常の中で、ある日の夜、月明かりが輝く浜辺で、シャロンとケヴィンは初めてお互いの心に触れることに。

  •  麻薬中毒の母をもち、学校ではいじめにあってうまく自分を表現できない少年が青年になるまでの物語。ある日いじめに耐えかねたその少年は学校でいじめられた首謀者をいすでなぐりつけたところを警察に逮捕され拘束される。その後刑務所を出た青年は麻薬販売人となる。彼を知るのは少年の頃いじめられたときに、もっと自分を表現しタフさをみせつけるようにといってくれた唯一の友達で彼は料理人になっていた。麻薬販売人になったときいてそんなはずはないとショックを受け失望する。

  •  アカデミー賞で8部門にノミネートされ、作品賞・助演男優賞・脚色賞の3部門を制覇した作品。
     たしかに秀作だが、アカデミー作品賞受賞作とは思えないほど、ものすごく地味な映画である。「ミニシアター系」という感じ。

     黒人コミュニティーの内側にも厳然と存在する差別(ゲイ差別や、「より黒い肌を持つ者」への差別など)や、貧困地域に蔓延するドラッグ禍など、米国の社会問題を扱いつつも、その描き方はあくまで個人的、かつ詩的で静謐である。「声高に社会問題を叫ぶ」ような映画ではないのだ。

     ジャンキーである母に、時にはネグレクトされ、時に暴言を吐かれて苦しむ子ども時代を送った主人公が、大人になってから自らもヤクの売人になるしかなかった、という「貧困の連鎖」の描写に、胸を衝かれる思いがした。

     それでも、物語の最後には、主人公の人生に一条の希望の光が差し込む。少年時代にたった一度だけ愛し合ったケヴィンと再会して和解を果たし、母親とも和解するのだ。

     子ども時代・少年時代・成人後と、3つの年代の主人公を演じた3人の俳優もよいが、私は母親役のナオミ・ハリスの演技に強い印象を受けた。彼女は、『マンデラ 自由への長い道』でのウイニー(マンデラの妻)役も素晴らしかった。

     流麗なカメラワークと、光と色彩の緻密なコントロールも見事だ。

  • いい映画だった、いい映画だったけどもうつらすぎて、これ以上何も苦しいことが起きませんように、絶対ハッピーエンドになりますようにって念じながら観てたわ…とにかく誰かや何かを抱きしめたくなる映画、もちろんできるならシャロンを
    母親がクソすぎて…「与えるべきときに愛を与えなかった」「私みたいなクソにはならないで」つってたけどふざけんな絶対許さないからなとなった
    シャロンは「もういい」つってたけどシャロンから全ての逃げ場を奪ってたのはあの母親だからな
    優しいひとも確かに周りにいたんだよな、ともおもうけど、こんなに全編通して胸の痛い映画ある…?成長して、自分のテリトリーの時は別人のように強気なのに少しでも地元の要素に触れるとまた俯いて口数が少なくなっちゃうんだよな、呪いだよなそれは
    すげえ面白かったけど胸糞だったからベストには選びがたいぜ…引きずられるこれは
    少年期のアレックスくんがほんとよかった…

  • 月の光の下では
    全ての人が透明に青くたゆたってみえる けれど硬い ダイヤモンドのような煌めき
    水にとけて、やわらかくてでも硬い しなやかで青白く 鋭い
    月の光の下では 黒人も、多分白人も黄色人種も おなじ 貝殻のように光る

    この世が海で
    私たちの諍いが、つまらない貝殻の一言一言だとして、なんてくだらないことか
    神様はきっと、朝海岸を散歩するついでに そんなダメな貝殻をぽいっとバケツにいれて どっかにまとめて捨てるんだろう
    黙ってるふうにしてる貝殻にもそんな世界がある 多分

    好き、とか 愛してる、とか言わなくて でもそれでも伝わるってなんて幸運で美しいのか
    ほんとは私もその言葉を使いたくない なんというか、いい言葉ではあるけど 口に出してしまった瞬間相手を殺してしまう気がする
    目と目で お互いを慈しみ会えたら もう、それだけで この世に生まれてきた意味は成立する
    シャロンが羨ましい
    本当に羨ましかった

  • 自分が何者であるかを明確に主張したり
    態度で見せる事は個性を重視する社会では
    非常に重要な事なんだろうな
    モノ言いたげな見上げる三白眼
    何も言わないその唇に力が宿っているようだ
    少年の問いかけに絶句する…
    自身の生業が他者を不幸にする仕事なのだから
    いくら善行を積み上げても真っ当な人間とは
    言えない…
    一方的に言われるがままで言い返したり、やり返したりできない自分がもどかしい…そんなモヤモヤした気持ちが常に彼を支配している
    ヤク中の母親が時折奏でる愛の言葉…
    それこそが彼をまどわせ、彼を縛り付けているような気がしてならない…本当はもっと早く親を見切る必要があった筈なのに躊躇する
    そんな葛藤が彼を暗黒面に留め続けている
    何故虐めるのかな?彼は何もしていない
    何もしない何も言わないが罪なのだろうか?
    理解できない分からない許せない

    ずっと自分の居場所を探していたんだね
    人が生きていくには
    誰かから必要とされていたり
    誰かから愛されているんだという実感が
    必要なんだよね

    なんかずっと息苦しい作品だったな…

  • Every nigga is a star.
    Every nigga is a star.
    Who will deny that you and I and every nigga is a star?

    すべてのニガーはスターさ
    すべてのニガーはスターだよ
    君と僕とすべてのニガーがスターなのを
    誰が否定するだろう?

    『ムーンライト』、自分が好きな曲で始まったからびっくり。元々はボリスガーディナーの曲だけども、ケンドリックラマーがこの映画の直前に出したアルバムでサンプリングしてて知りました。あまりhip-hopには詳しくないけどこのアルバムだけは持っている。ケンドリックラマーってブルーノマーズやテイラースウィフト並みに有名ですよね。このアルバムの当時グラミー賞を争ってました。そして今年はピューリッツァー賞を受賞したり、『ブラックパンサー』絡みのアルバムを出したりしてる。

    つまりそういう映画です、『ムーンライト』も。事前情報で撮影のことだけは知ってたけど、予想どおりの内容というか……アート系というか、ただただ美しい純愛映画。
    本来ならカンヌとかで評価されるような映画ですが、なぜこれがアカデミー作品賞を獲ったのか?大きい理由としては政治的なものですが、もう半分はブラックコミュニティのことを知らなければわからないんだと思う。ただ、個人的にはハリウッドの成熟を感じてて、10年後に振り返った時により理解できるかもしれない。

    hip-hopが好きな人だったら、彼らの文化の中にホモフォビアが根付いてることは知ってるかも。hip-hopに限らず、黒人社会に。これは宗教上の理由と、黒人の伝統的な考え方によるものらしい。
    ただ、彼らに特別ホモフォビアが多いわけではなく、白人の保守的な層、それからイスラムの方が当然もっと不寛容だと思う。
    ここ10年ぐらいで流れが変わってきたようで、黒人のアーティストたちも少しずつカミングアウトしてるそう。ただ、カントリー系のアーティストでは皆無らしい。

    ここで思い出すのは2005年の『ブロークバックマウンテン』。中西部の話だけど、彼ら保守的な白人たちが好むのがカントリーミュージック。
    『ブロークバックマウンテン』もアカデミー作品賞にノミネートされてましたね。それと比較して、11年後に『ムーンライト』が作品賞を受賞したことを考えると、ハリウッドの意思表示や変革をすごく感じます。

    それとフロリダやアトランタという土地柄も知らなければ語れないかも。黒人社会のホモフォビアと表裏一体で、アトランタにはゲイクラブも多いらしい。フロリダでは2016年に銃乱射事件なんかも起きました。

    以上、『ムーンライト』を取り巻くバックグラウンドの情報ばかりを書きました。本来なら宇多さんあたりがこういうことをもっと言うべきなんだけど、ラジオの方では「全然足りんな」って感じで……。外部サイトを見ても、偉そうに語ってる人でも黒人社会のホモフォビアについて触れてる人が少ないように思う。
    バックグラウンドの情報抜きだと、娯楽的要素が皆無な映画なので、この作品の価値ってわからないし、評価もできない。

    映画本編の感想は、ほんとに美しい恋愛映画、青春映画としか言えません。色彩設計、ブルーの物体を常に映している。
    恋愛要素を除いて青春映画として観ると、三部構成での主人公の変化、周りの大人たちに影響を受けていく点なんかはすごく好きです。

    他の映画でも、よく「映像詩」っていう表現をする方がいると思うんですが、この映画もそれに近い。ストーリーはわかりやすいんだけど、映像のみ、時間経過や行動のみをただ映しているだけ。語らないから心情を観客に想像させる。
    良い映画ってのはベラベラ語らない、説明しないものが多いです。それと同時に、主人公たちがカミングアウトできない、語れないって状況があるんですね。お互いに愛を告白できない。このふたつがぴったり重なってるんだと思う。

    ブラピのプランBが出資してるけど、『それでも夜は明ける』みたいに積極的じゃなかったのも良かった。あの映画、ブラピ本人の役もなんだかなぁって感じでしたね。(プランB作品やブラピの映画愛については大好きです)

  • 母親は麻薬中毒で、子どもの持っているこずかいまで目の色を変えて取り上げる。お金は売春で稼いでいて、子どもにはお客が来るから家にいないように言う。外国版《泥の河》だ。そのことを同級生は知っていて、からかう、イジメる。なんとも悲惨な状況。『泣きすぎて、自分も涙になったよう』な日常だ。



    それはさらに進展し、イジメの仕返しで少年院行き。ここで親友にも裏切られる。そこで知り合った者の伝で大人になっては売人。悲惨な子ども時代の原因となった麻薬を売ることになる皮肉な人生。



    主人公の子ども時代、青年期、大人と三人の役者が演じているのだが俯いて暗い目した青年期が印象に残る。こういう役者がいるんですね。ドキュメントを見てるようなリアリティ。演出はあくまでも静かで、大人時代は三人くらいしか登場しない。日本映画だと抗争事件の一つでも交えたいところだがあくまでも静か。



    見つめ続けるのはいいが少し退屈でもある。そして最後それが同性愛という解決はどうなんでしょう。愛が悲惨な人生を救ったというようなメッセージとして受け取ればよろしいのでしょうか。拍子抜け。



    第89回アカデミー賞で作品賞、助演男優賞など

    2018年3月4日 キネ旬2017ベスト9位SCREEN映画評論家が選んだ最も優れた映画2017 7位

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