星の子 (朝日文庫) [Kindle]

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  • 2020.09.ちひろは,小さい頃,体が弱く湿疹等で両親は悩んでしたが,父親の会社の落合さんから特別な水を分けてもらったところ,ちひろの症状が改善する.その後,両親は,その金星の水を配給している会に傾倒する.中学生になり,高校は瀬乃高校に進学しようと考えていたところ,叔父の雄三おじさんから雄三の家から高校に通ってはと問いかけられる.ちひろは,この会の交流会に父と母と3人で参加する.そして,その夜に父と母に連れられて真冬の屋外に星を見に連れ出される.濡れタオルも凍るような中,ちひろは両親に体を押さえつけられ,徐々に眠くなってくる.宗教が描かれ,とても不気味な感じ.

  • 映画化の前に読んでよかった!
    芦田愛菜さんなら、期待できそう。

  • 新興宗教団体にはまり、普通の生活が崩壊していく一家。主人公、友人、家族それぞれが普通の人でありながら、何かおかしい。宗教の内容はとてもおかしいけど、それに参加する人は少しおかしいか普通くらい。でも実際の世界ってそんな気がする。何が普通で何がおかしいのかは誰も決められない。その中で描かれる家族愛は心がざわつく美しさ。

  • 映画が気になって先に読みました。
    もっと大きなことが起きるのかと思っていたら終わってしまった。これ2時間の映画にするのなら、かなり丁寧に描くのかなと思う。

    読んだ後に思い出したのは、ギョッとするようなキラキラネームの大学生が「誰にでも名前覚えてもらえるし、すごく気に入ってる」と言ってたこと。
    たぶんちひろも同じく、親の愛がちゃんとあるからなんだろうな。

  • どこにでもいそうで、いない。子どもから思春期にいたる女の子の要素をたぶんに持ち合わせているけど、やっぱりちひろは唯一無二の女の子。

    そんな主人公を書けるのは、やっぱり今村夏子さんだから。

    ちひろは明るい。両親はとても仲が良い。だから切ない。

    文庫版には小川洋子さんとの対談があって、これがまた素晴らしい。

    「言葉にしていない世界をちゃんと書ける」その通りだなと思う。きっと、ちひろは学校ではこんなだったのでは、まーちゃんは、なべちゃんは、読みながら何度も思う。そしてみんなの幸せを願う。

    南先生の幸せは願いません。

  • よくわからない。不思議過ぎる。。
    なぜ?どうして?最後は、切ない気持ちで読了

  • 自分がそうだったらと置き換えると小学生であれば自分の家のことや両親のことを疑わずにどこの家もだいたい同じなんじゃないかと信じたかもしれない。大人になるにつれて周囲を気にし出すが両親のことは裏切れないしずるずると従って社会から孤立していくことを予想して怖くなった。
    主人公はのほほんとしているがテーマが重いために人を選ぶ小説かもしれません。

  • 映画のイベントで芦田愛菜ちゃんが言ってたことの方が心に残ってる本

  • 今村夏子の作品を読むのはは三冊目になる。
    「こちらあみ子」「むらさきのスカートの女」と「星の子」
    共通して感じたのは、幸せじゃなさそうだけどたぶん幸せなんだろう。というところだ。
    どこか不安定な日常の底にあるのはどれも主人公の「それでも心が満ち足りている」感じ、と表現すれば良いのだろうか。
    素直でまっすぐな女の子を取り囲む、社会、親類、友達などの環境が不穏な空気に満ちていて、三者視点では不幸にも見えてしまう境遇とそれを何とも思わずに進む主人公とのギャップが絶妙で、心臓にうっすらと汗をかき続けるような、終始心拍数が8上がった状態が続いていくような不思議な気持ちのまま読了した。
    子供の目線で語られる物語のディティールが細かく、さっき体験したからかきました、とでもいうような自然な動作や着眼点にもハッとさせられる。
    ホームルームで先生の耳を観察する「耳が見えたり見えなかったりする」だけのシーンは、ただそう書けば良いところも、教室の中で僕も一緒になって観察している気にさせられる。

    明日の伝達事項を日直が発表しているあいだ、先生は教卓にもたれて日直のほうを向いていたので、耳がよく見えた。そのあと、プリントを配りはじめたので、耳が見えなくなってしまった。(本文より)

    ここに限らず動作や事象の流れがとても現実的すぎて、物語であることすら忘れてしまう。そんな現実的な中を囲む不自然で不穏な日常が麻薬のように恐ろしく、うしろめたく、独特な快楽を伴うのだと思っている。

  • 家族愛はあるのに悲しい
    ラストシーンでザワッとした気持ちになったけど、対談を読んで落ち着いた

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著者プロフィール

1980年広島県生まれ。2010年『あたらしい娘』で「太宰治賞」を受賞。『こちらあみ子』と改題し、同作と新作中短編「ピクニック」を収めた『こちらあみ子』で、11年に「三島由紀夫賞」受賞する。17年『あひる』で「河合隼雄物語賞」、『星の子』で「野間文芸新人賞」、19年『むらさきのスカートの女』で「芥川賞」を受賞する。

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