星の子 (朝日文庫) [Kindle]

著者 :
  • 朝日新聞出版
3.44
  • (29)
  • (106)
  • (124)
  • (27)
  • (5)
本棚登録 : 1050
感想 : 139
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (198ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 寓話っぽい。

    新宗教の信者といえば異常な熱心さで信仰し、目を三角にして周りの人たちにもしつこく布教するというイメージがあるが、リアルはこんなもんじゃないだろうか。

    ラストで両親には見えない流れ星を何度も見るちひろのシーンは、「教え」に凝り固まった人生を送る人びととは違い、現実を直視しながらもマイルドな信仰生活を送っていく二世信者たちを暗示しているように思える。

  • 親子3人で同じ流れ星がなかなか見えないというラストシーン、ちひろと両親で見えている世界が違うことを暗示しているようで怖くなった。

  • なにこれー怖い!最後までホラーだった。
    同郷なのに、今一つ、どういった作家かしらなかったけど、これはなかなか逸材だけど、自慢(笑)するにはっ怖すぎるっ
    巻末に小川洋子との対談があり、なんだか救われました。たまたま、この後、小川洋子を読むことになるのですが、読み比べができて、今村夏子が小川洋子をリスペクトする感じがよく分かります。
    怖さは、圧倒的に今村夏子の勝ちですけれど。。。。

  • 映画が物足りなかったので読んだ。映画を見た後なので、物語が映像となり、期待通り面白く読めた。
    宗教にのめり込む両親の姿、それを良く思わず心配して強行手段に出る伯父、生まれた頃から共に暮らす宗教が当然の存在であるちひろ、全てが非常に自然に描かれている。
    映画を見ても原作を読んでも分からないのが、最後の星空を眺めるシーンで、両親は何がしたかったのか。ちひろを伯父に預ける決心をして、家族で過ごす最後の夜を終わりにしたくなかった?教団に戻れない何かが起きていた?(教会で長い時間両親と会えなかったし)

  • 娘を救いたい一心で怪しい宗教にのめり込んでいく両親

    読みやすくてあっという間に読了。
    感想がよくわからないザラッとした感じ。
    前回読んだ「あひる」も同じ感じがしたような
    この感じ好きかも。くせになりそうな予感。

  • あひるに続く、今村夏子さん作品。芦田愛菜さん主演で映画化もされるそうですね!当たり前だと感じている日常が、異質なものなのかもしれない。その中にも家族の愛情や友情が織り込まれた作品。映画もみてみたいなと思いました。

  • 芦田愛菜ちゃん主演で映画化、という話題作。なんだけれども、黒木華演ずる宗教団体の若手幹部という役が見るからに怖くて気持ち悪そうだったのが物凄く気になったので、読みました。
    結果、一気読みでした。面白かった!今村夏子は「あひる」を読んだけれど、いまいちよくわからなかったので、レビュー書いてません。面白いのか面白くないのかもよくわからなかった。けれど、今回は面白かった!
    映画の方は家族のぬくもりを伝えたい、みたいな煽りですが、果たしてそうなの?という読後感でした。お客呼ぶための宣伝文句かもしれないけど。

  • 一気読みしてしまった。
    主人公の目線から見て楽しい、普通のことしか書かれていないのに、実は外から見るととても不穏で歪んでいる。それが恐ろしいと感じた。すごく明るい文体なのに実はめちゃくちゃ怖い、たまにブスッとナイフを刺されるような気分。
    ちーちゃんはこれからどうするのか、この教団はどうなるのか、それが気になって、サスペンスのようにドキドキしながら読んだ。宗教って何だろう、ちーちゃんとお姉ちゃんのどちらがしあわせなんだろう。家は選べない、翻弄される子ども。
    ちーちゃんの将来があかるいこと、この家族がずっと幸せであることを祈る。

  • 小川洋子さんとの対談が読みたくて購入したけれど、お話しの内容もすごく好きだった。

    小川さんと同じタイプで、青色の物を描いているのに、主人公の「わたし」フィルターを通すと、別の色に見えるタイプのお話し。

    宗教とか虐待とか、とても重いテーマだけどそう感じさせない。自分の正常値がわからなくなるくらい、ぎゅっとなるお話し。好きでした!!

  • 春ちゃんの彼氏の「好きな人が信じてるものを信じたい」というのが多分この物語の真理なんじゃないかな〜と思った。ちひろはなんだかんだで親のことが好きだから、この変な宗教から抜け出さなくてはと思えない。南先生に親を不審者呼ばわりされても、最終的には親を取った。宗教狂いって毒親認定されること多いけど、少なくともちひろ自身はそう思ってない。そもそも宗教にハマったのがちひろのためだからってのもあるのかな。
    なんか共感性羞恥を感じてしまって、南先生の公園のシーンはこちらも泣きたくなるくらい恥ずかしかったし、教室で南先生に晒し者にされながら怒鳴られるシーンは心臓に悪かった…。

    • れにさん
      今村さんといえばシュールで謎な笑いどころがある不思議な話が多いですがこの本はいつもの今村さんとはちょっと違う異質な感じがしました。宗教を信仰...
      今村さんといえばシュールで謎な笑いどころがある不思議な話が多いですがこの本はいつもの今村さんとはちょっと違う異質な感じがしました。宗教を信仰している家族を嫌いにならなくてもいいという発想も新しいと思いました。法事かお葬式だかのちひろの食いっぷりに切なくなった記憶があります(´;ω;`)
      2023/12/23
    • おもちさん
      >れにさん
      今村さん初の長編?だからちょっと雰囲気違うんですかね?
      ラストも何となく希望がある感じの終わり方が新鮮でした!
      >れにさん
      今村さん初の長編?だからちょっと雰囲気違うんですかね?
      ラストも何となく希望がある感じの終わり方が新鮮でした!
      2023/12/24
全139件中 41 - 50件を表示

著者プロフィール

1980年広島県生まれ。2010年『あたらしい娘』で「太宰治賞」を受賞。『こちらあみ子』と改題し、同作と新作中短編「ピクニック」を収めた『こちらあみ子』で、11年に「三島由紀夫賞」受賞する。17年『あひる』で「河合隼雄物語賞」、『星の子』で「野間文芸新人賞」、19年『むらさきのスカートの女』で「芥川賞」を受賞する。

今村夏子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×