-
マスカレード・ゲーム
- 東野圭吾
- 集英社 / 2022年4月20日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
久々のマスカレードシリーズ。
警部補の新田とホテル勤務の山岸、凸凹名コンビが今回も難事件に挑む!
新田のホテルマン姿も久々。だいぶ板についてきてきるよう。
そして、ラストは予想外の展開に。
やっぱりこのシリーズは華やかだし、爽快。逆にキャラクターに癖がないところも、スッと物語が入ってくる要因の一つかな。
続編も楽しみです!
2023年1月4日
-
鑑賞のための 西洋美術史入門 (リトル キュレーター シリーズ)
- 早坂優子
- 視覚デザイン研究所 / 2006年7月1日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
紀元前のギリシア美術、ローマ美術などの西洋美術のルーツから、20世紀美術まで、年表に沿って西洋美術の流れ、概要、代表画家、作品をそれぞれ紹介していく一冊。作品の写真も大きく、イラストや吹き出しも随所に入れたりと分かりやすい工夫もされていて読みやすい。
イタリアからフランスへ。そして近現代ではアメリカへ。
時代によって美術のトレンドの中心の国が変遷していくところも面白い。
そして、美術の変遷は、戦争が大きく影響しているな、と改めて実感した。
ルネサンス以前はまだ勉強不足だったので、美術の理解が深まった。
でもやっぱり、私は19世紀後半頃の印象派や後期印象派あたりの美術が好きかなー。
こちら、珍しく購入した本なので(買ってから一年以上経ってた!)、また何度も読み返したいと思います。
2022年12月1日
-
ウォーク・イン・クローゼット (講談社文庫)
- 綿矢りさ
- 講談社 / 2017年10月13日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
久々の綿矢りささん。
「いなかのすとーかー」と「ウォークインクローゼット」の二篇でなる中編集。
「いなかのすとーかー」は、実家である田舎町で生活する若手の陶芸家・透がストーカー被害に悩まされる、ちょっとしたミステリー要素のある物語。
終盤は、少しびっくりする展開に。
窯のシーンなど、制作風景も結構しっかり描かれており、私の好きだった朝ドラの「スカーレット」を思い出した。
「ウォークインクローゼット」の主人公は28歳のOL早希。男子とのデート用に洋服で着飾り、休日は1日かけてそれらを丁寧に洗濯していく。一方、幼馴染のだりあは、オシャレにさほど興味がないが、芸能の仕事をしているため、自宅のウォークインクローゼットには自動的に沢山の洋服が。
洋服を軸とした、友情や恋愛をめぐる物語。
早希の歳下の男友達のユーヤが個人的にお気に入り。
手軽に読める中篇集です。
2022年11月24日
-
メタブックはイメージです ディリュージョン社の提供でお送りします (講談社タイガ)
- はやみねかおる
- 講談社 / 2018年7月20日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
芦田愛菜ちゃんが好きと言っていたはやみねかおるさん。初めて読みました。
こちら、ティーンズ用のライトミステリーといった感じ。
自分が小説の主人公になれ、物語世界をリアルに体験できるエンターテインメント「メタブック」を提供するディリュージョン社という会社が舞台。
ある日、呪われたメタブックの存在を知り、新人エディターの森永と先輩ライターの手塚らがその謎に挑む。
ちょっとライト感が強すぎて正直ダメだったかなぁ。
今度は、愛菜ちゃんが紹介していた「都会のトムソーヤー」を読んでみようと思います。
2022年11月22日
八稜高校・通称ハチコーの美術室で育てられた犬コーシローをめぐる連作集。
時代設定は昭和の終わりから平成、令和の始まりまで。
1話目は、高校三年生の優花と同じ美術部の美大を目指して奮闘する同級生、早瀬の物語。卒業後の進路を前に、もどかしくも切ない2人の距離感が描かれる。
2話目は「コーシローの世話をする会」=「コーシロー会」を引き継いだ五月と、理系で学年一優秀な相羽。接点のなかった2人の男子がF1を見に行くために旅するロードムービー的な物語。
3話目は、阪神淡路大震災がテーマ。
神戸に住んでいたおばあちゃんが、高校3年生の奈津子の家に移り住む。家族の再生の物語。
4話目は、物静かで美人だけど裏の顔を持つ詩乃と、地味だけど実は裏では金髪でロックバンドを組む鷲尾。対照的なようで共通点のある2人の男女の物語。
5話目は、一話目から11年後の物語。再び優花が登場する。優花は、時を経てハチコーの教師になっている。
最終話は令和元年の出来事。今までの登場人物たちが再集結する。
一話で登場した早瀬や優花たち同級生が再会する。
青春って良いなぁ!と思える爽やかな連作集。コーシローもアクセントになっててとても可愛い。ラストも素敵でした。
2022年11月16日
今月一冊目は、ガリレオシリーズの長編。
南房総沖で漂流している遺体が見つかった。しばらく行方不明となっていた上辻涼太という男だった。
その男と同居していた女性は島内園香。
園香、その母の千鶴子、そして千鶴子が実の母のように慕っていた松永奈江という人物…。
上辻と彼女たちの関係性が明らかになると共に、事件の真相に繋がっていく。
今回は、湯川先生の両親が登場する。
湯川は生活感のない…家族のイメージのない人物なので、家族の登場は、草薙刑事同様、私も意外な感覚だった。見たこともない湯川を見ることが出来る貴重な回と言える。
そして、湯川の家族関係もこの事件に大きく関わっていくことになる。
お馴染み、内海も湯川のパートナーとして登場するが、草薙ファンとしては、彼が最近登場シーンが増えた来たことが嬉しい。
2022年11月6日
-
山女日記 (幻冬舎文庫)
- 湊かなえ
- 幻冬舎 / 2016年8月5日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
山登りする女性たちの連作集。
妙高山、火打山、槍ヶ岳、利尻山、白馬岳、金時山、そして日本を飛び出して、ニュージーランドのトンガリロ…。
結婚や恋愛に悩むOL達、
婚活で出会った男性と山を共に登る中年女性、
山で出会った老夫婦に両親の姿を重ねる女性、家族の問題を抱え、心の内を探り合う姉妹達、
劇団員で餃子店アルバイトの彼氏と登る金時山、
ニューカレドニアに異動になった女子とアウトドア好きの男子、遠距離恋愛中のカップルのニュージーランドトレッキング、
山で出来た、ひと回り下の山友達…
この作品はずっと気になっていました!
湊かなえと言えば、イヤミスの女王で知られているけど、山登りも趣味としている。
山登りしながら心に抱えた葛藤と向き合う人々や、山で出会う人たちとの対話が描かれている。
私は山登りはしないし、アウトドアではないけれど、自分も山登りしているような清々しい気持ちになれた。
実写もあるようなので、観てみたいな。
2022年10月31日
-
永遠の出口 (集英社文庫(日本))
- 森絵都
- 集英社 / 2006年2月17日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
ヒロイン、紀子の小学3年生から高校3年生までの成長を描いた連作短編小説集。
クラスメイトで同じグループのちょっと面倒臭い友達、ドラマ「女王の教室」を思わせる黒魔女と呼ばれた担任の女教師の話、小学校の卒業旅行として友達同士で出かけた千葉、中学生になってグレ始め、両親の離婚の危機を感じつつ向かった中3での家族旅行、高一で夢中になって取り組んだ飲食店でのアルバイト、高2で始めて出来た彼氏・保田くんとのデートの日々、そして高3。卒業を前に、突然友人に誘われ受験そっちのけで星座にのめり込む…
特に大きな山やクライマックスがあるわけではなく、なんだかありそうな人生を描いてるが、それぞれの章にクスッとさせられたり、少しだけハラハラさせられたり、飽きさせない仕掛けは感じた。
久々の森絵都さん。悪くない。
2022年10月31日
食べたいものや食への姿勢が似ているという、食事や旅も共にする仲良し作家同士の、二人で体験した食べ歩きをもとにしてリレー式で書かれた食エッセイ。
同じ場面を、それぞれの視点で語っていく、という体裁がまた面白い。
新宿歌舞伎町でストリップを観ながら休憩中に牛タンを食べたり、銀座パフェ巡りをしたり、神楽坂で和菓子やラクレットを食べたり、両国スーパー銭湯の食事処に行ったり、コロナの影響で一緒に食事に行けなかった時期のこと、京都で食べた鰻…などなど。
二人とも本当によく食べる!
特に新井さんは、規格外の人のようで、破天荒な行動がユニーク。新井さんは、書店員であり、エッセイストであり、ストリップの踊り子でもある。
千早さんは小説家。甘いものが大好きなようで、いつもバッグにはとらやの羊羹始め、お菓子がパンパン詰まっているよう。
そんな二人の友情も描かれているところが見どころ。
しかし実は、新井さんの本も、千早さんの本もまだ読んだことがなかった。
今度読んでみよう。
2022年10月18日
白石健介という男が殺された。容疑者として逮捕されたのは、倉木達郎。彼は全てを自供し、しかも以前も殺人事件を起こしていた。それは、冤罪で別の男が捕まり、その男は獄中で自殺するという事件だった…。
事件を追う刑事は五代。
物語は五代、倉木の息子の和真、白木の娘の美令…3人の視点で進行していく。
和真と美令は、事件のことを知るたびに、真実が他にあるのではないかと疑い、事件を彼らなりに追うことになる。
面白かった!
久々の東野先生の骨太本格ミステリーという感じ。個性のあるキャラクターが登場するわけでもなく、派手な化学トリックがあるわけでもない。でもそれだからこそ、集中して事件を追うことができる。登場人物は沢山出てくるが、どれも必然性があり、これ誰だっけ?と混乱することもなく読み進められた。
犯人はミスリードされ、結局私は暴けなかったけど…。
ものすごく分厚い本だったけど、今週はこちらを読み切って充実した気分!
五代刑事も、いつかまたどこかで会えたら良いな。
2022年10月14日
-
タイムマシンに乗れないぼくたち
- 寺地はるな
- 文藝春秋 / 2022年2月8日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
寺地はるなさんは、「夜が暗いとはかぎらない」に続いて2冊目。
まず、タイトルがキャッチーですよね。
こちら、一風変わった設定の七篇からなる短編集。
どれもじんわりと切なさ、やりきれなさが漂うも、どこか温かさも感じる作品ばかり。
殺し屋という設定を頭の中に描いて生活するOLの物語、「コードネームは保留」。
博物館に行って恐竜を見るのは大好きだけど、クラスメイトになかなか馴染めない小6の草児の物語、「タイムマシンに乗れないぼくたち」。
保育園に通う姪っ子、美姫のお迎えが日課の初音の物語、「口笛」。
シングルマザーの明日実が先立たれた夫のパソコンを覗くと、サエリという女性との物語が綴られていた。やがて、サエリは明日実の前に姿を現すようになる、「夢の女」。
自分のことを好きになれない中学生は、次第に映画にのめり込むようになる「深く息を吸って」。
いつも自分の前でくだらない喧嘩を繰り広げる元同級生カップルたち。常に第三者のポジションになってしまう主人公を描いた「灯台」。
川向こうに住む嫌われ者で変わり者の叔父の物語、「対岸の叔父」。
私は、「タイムマシンに乗れないぼくたち」、「口笛」、「夢の女」が良かったかな。
決して突拍子がないわけでもないのに、上手い設定を考えついたなぁという物語が多い印象。
寺地はるなさん。気になる作家さんですね。これからも読んでみたいと思います。
2022年10月7日
芦田愛菜ちゃんと言えば、元人気子役で、今ではすっかりしっかり者の女の子のイメージ。
こちらは、愛菜ちゃんが中学三年生の頃に書いた、愛菜ちゃんのおすすめ本を紹介する一冊。
私も大好きな「博士ちゃん」のMCを、サンドイッチマンと務めていますね。
あの番組、ビックリするような知識を持った子どもたちが登場し、大人顔負けのプレゼンをしますが、愛菜ちゃんも負けていない!
愛菜ちゃんの頭の良さ、知識量を再発見する番組でもありますね。
この本を読むと、愛菜ちゃんが本当に知識を得ることが好き、ということがよく伝わってくる。
児童文学に始まり、小説、絵本、図鑑、海外ミステリー、歴史書、戦争に関する本、日本文学、俳句、詩…
実に様々なジャンルを読んでいることがわかる。
小さい頃から探究心が豊富だったのだろう。小学三年生の誕生日のときに、ご両親に人体模型をねだったというのにはビックリ!
本の紹介以外にも、山中伸弥さん、辻村深月さんとの対談も収録されている。
「辻村さんは神のような存在」と言っており、違う作品同士で登場人物がリンクするところや、最後何か大きな仕掛けがあるところが好き、と言っていたところには私も共感。
村上春樹氏や東野圭吾氏、辻村深月さん等は、私も大好きな作家さんだけど、私は本を読み始めたのが大学生からだから、愛菜ちゃんの早熟さがよく分かる。
果たして中学時代の私が読んでこれらの物語が理解出来たろうか、、。いや、無理だ笑。
本の紹介では、一冊一冊、どうして好きになったか、どんなところが良いのか、などが丁寧に書かれており、思わず私も読みたいと思った本が何冊かあった。
下記、メモをしました!
「都会のトム&ソーヤ」(はやみねかおる)
愛菜ちゃんははやみねかおるさんが好き、とのこと。
知らなかったので私も読んでみよう。
「あかんべえ」(宮部みゆき)
イケメンの侍幽霊が魅力的!とのこと。
「言えないコトバ」(益田ミリ)
なんだかちょっと恥ずかしくて使えないような言葉の数々が笑える、とのこと。
「平安女子の楽しい生活」(川村裕子)
平安時代の女性たちの暮らしを描いた一冊。
「白狐魔記」(斉藤洋)
不老不死になったきつねが源義経や織田信長など歴史上の人物に会って歴史的な瞬間を見つけていく、という物語。
「リズム」(森絵都)
「反撃」(草野たき)
「賢者の贈り物」(オーヘンリー)
この本を出版して3年経ったので、また愛菜ちゃんの本棚には新たな本が沢山追加されているんだろうな。
また2もいつか出して欲しいな。
2022年9月29日
-
スイート・ホーム (ポプラ文庫 は 9-3)
- 原田マハ
- ポプラ社 / 2022年4月6日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
ある街に住む人々の穏やかな家族の暮らしを描いた中編アンソロジー。
小さな洋菓子店「スイートホーム」を営む両親のもとに育った陽皆の恋模様を描いた「スイートホーム」。
お料理教室の講師を務める未来先生と、そこに通う辰野くんのドキドキする距離感を描いた「あしたのレシピ」。
彼氏の真くんからのプロポーズを待ち侘びる陽皆の妹、陽日と、夫を失い函館から街に引っ越してきた陽日たちの叔母、いっこおばちゃんの物語「希望のギフト」。
街に住む大学受験で悩む由芽、未来先生と辰野くんのその後の物語、娘一家に一緒に住もつと持ち出せずにいる祐子さん、夫の涼太とすれ違いの生活で悩む明日香…など、ショートストーリーが集められた「めぐりゆく季節」。
以上の四遍が収録されている。
物語のキーとなるのは、やはり「スイートホーム」の香田パティシエが作るスイーツの数々だ。どのお菓子も美味しそうで、物語にそれぞれ彩りを添えている。
甘いもの好きとしても、読んでいてワクワク、温かい気持ちになった。
「スイートホーム」の常連に私もなりたいなぁ。
2022年9月17日
-
明日へつながる5つの物語 (角川文庫)
- あさのあつこ
- KADOKAWA / 2021年10月21日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
あさのあつこさんの短編集。
病と闘う中年男性の娘たちや家族との対話を描いた「この手に抱きしめて」、石工の成長を描いた時代小説「烏城の空」、いきなりカレシの驚くような告白から始まるSF小説「カレシの卒業」、東京マラソンに出場する旧友に寄り添うスポーツ小説「フィニッシュゲートから」、短いけど切なさとドキドキが詰まった恋愛物語「桃の花は」の5編からなる。
時代小説、SFなど、いろんなジャンルの物語が詰まっているものの、どの登場人物たちも人間らしくて、共感も持てる。
私は、「フィニッシュゲートから」が好きかな。
2022年9月15日
一穂ミチさんを読むのは初。
6編からなる短編集。
子供がなかなかできない主人公と、姪の有紗との物語を描いた「ネオンテトラ」、強烈な個性を放つ姉とツッパリ男子高校生を描いた「魔王の帰還」、母と娘の乗り越えた壮絶なエピソードを描いた「ピクニック」、兄を殺した犯人の往復書簡をテーマにした「花うた」、娘が「息子」となって突然目の前に現れる「愛を適量」、後輩が父の死について語る「式日」の6編。
どれも影がつきまとう、湿っぽい印象はあるもの、僅かな希望はそれぞれ感じる。共通点は、いずれも「家族」をテーマにしているということ。
ストレートに好み、とは言えない内容だったけど、他の作家の誰にも似ていない文体と雰囲気を感じた。長編も描かれているなら、いつか読んでみたい。
2022年9月12日
-
お探し物は図書室まで
- 青山美智子
- ポプラ社 / 2020年11月11日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
やっと届いた図書館予約本。
小学校に隣接するコミュニティハウスの中にある図書室。そこにいる大きな体の女性、小町さんにお話をすると、本を何冊か紹介してくれる。可愛らしいフェルトの付録も添えて。
図書室にはさまざまな年齢、職業の人たちが集まり、語り手が章ごとに変わっていく。でも少しずつつながっていて、それがまた心地よい。
上京に憧れ婦人服で販売員で働く朋香。
骨董品のお店を開く夢を持つ家具メーカー経理部勤務の諒。
出産を機に、第一線から外されて悶々とする元雑誌編集者の夏美。
イラストで食べていくことを諦めてニートとして燻った生活を送る浩弥。
この先どう生きようかを悩む定年退職を迎えたばかりの正雄。
それぞれ、仕事やこの先の人生のことで悩みを抱える。
小町さんは、そんな彼らに寄り添う本を不思議と紹介してくれる。一見、自分には関係なさそうな絵本だったり、詩の本だったり…。
朋香が挑戦したぐりとぐらのカステラも美味しそうで、私もまたぐりとぐらを読みたくなりました。
前向きな気持ちにさせてくれる。そして、暖かく、ほっこりする中編集。
どこかつっけんどんな小町さんが時折見せる素顔も可愛らしいです。
2022年9月8日
-
人生を豊かにしたい人のための世界遺産 (マイナビ新書)
- 宮澤光
- マイナビ出版 / 2022年3月28日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
世界遺産について、分かりやすくまとめられた一冊。
知らなかったことが多く、とても勉強になった。
2022年2月時点でその数は1150件ほど。
保護の継続が難しく、リストから削除された例もあるとのこと。
世界遺産の歴史は遺産の保護の歴史、ということが胸に響いた。
ナイアガラは自然の保護という点では遅れており、あんな素晴らしい景色なのに、今も世界遺産に登録されていないようだ。
また、富士山は自然遺産ではなく文化遺産とされているが、その理由も知ることができた。
成層火山の地理的な価値では既に世界遺産登録されている山があり、生態系の価値でも飛び抜けた希少性がなかったために、自然遺産としての登録は困難だった、とのことだ。
一方、文化では、「万葉集」「竹取物語」「富嶽三十六景」をはじめ、日本の文学や絵画にも取り上げられるなど、日本人の文化に深く根付いてきたため、文化遺産ということになったとのこと。
日本で1番行きやすい世界遺産は、ルコルビュジエの建築作品、上野の国立西洋美術館。一見、そこまで派手でも目を見張るほどの美しさもないため、ここが世界遺産だと言うことは知らない人の方が多い気がする。
海外で行ってみたい世界遺産は、カンボジアのアンコールワットと、ギリシャ神話好きとしてはトルコのトロイアの考古遺跡も見てみたい。
世界遺産は奥が深そう。他の本も読んで勉強してみようと思います。
2022年9月8日
-
みぞれ (角川文庫)
- 重松清
- KADOKAWA/角川書店 / 2008年7月25日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
1999年から2007年に書かれたお話をまとめた短編集。特に連作でも、関連性もない。
重松清さんいわく、「不揃いな息遣いの、その揺らぎを楽しんでいただけないかと考えた」とのこと。
主人公も、大学生や、主婦や、中年サラリーマンや、若い働く女性、など様々。
正反対なセッカチな夫との暮らしを書いた「電光セッカチ」、かつての演歌歌手を20年ぶりにステージに立たせるべく奮闘する「望郷波止場」、子供がいないけどすごく良い関係の夫婦と、空気の読めない義弟とのやりとりを描いた「ひとしずく」が良かったかな。
重松さんの短編集は、たまに読みたくなりますね。
2022年9月8日
-
ばななブレイク (幻冬舎文庫 よ 2-10)
- 吉本ばなな
- 幻冬舎 / 2005年8月1日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
雑誌「CUT」で連載されていたものを中心として作られたコラム集。
ひきつけられる人々の話題がメイン。
畑正憲さん、村上龍さん、カートコバーン、アイルトンセナ、小沢健二さん、銀色夏生さん、藤子F不二雄さん、坂本龍一さん、などなど。
藤子F不二雄の章では、周りの男性漫画家が圧倒的にエスパー摩美が1番好きと答えてる人が多かった、という項目が面白かった。明るく元気な主人公だけど、毎回取り上げられる人物たちの人生はなかなかダーク。男子ウケが良いのは、摩美ちゃんが画家のお父さんのモデルになるためにしょっちゅう脱いじゃうからだろ、と突っ込んでるところも面白かった。
また、映画をいくつか紹介しているのだが、忖度せず、つまらないものはつまらないというばななさんが潔く感じた。
ジョニーデップの「アリゾナドリーム」は良い映画と書いてあったので、今度読んでみようと思う。
2022年9月8日
-
しろくまちゃんのほっとけーき (こぐまちゃんえほん)
- もりひさし
- こぐま社 / 1972年10月15日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
先日、世田谷美術館へわかやまけんさんの展示を見に行ってきました。
元々、小さい頃から馴染みのあるこぐまちゃん、しろくまちゃん目当てで行ったのですが、わかやまけんさんは絵本を始め、知育系の雑誌の表紙や挿絵など、本当にさまざまな仕事をしている方なのだと知りました。
絵のタッチも、こぐまちゃんシリーズはリトグラフだけど、水彩風や色鉛筆風の作風もあり、作品によって様々な描き方をされています。
文章がなくても、まだ文字の読めない子供も楽しめる作品が多いことが特徴ですね。
そして、大人も子供も楽しめる!
昨日は、こぐまちゃんシリーズの中でも最もよく知られている作品、「しろくまちゃんのホットケーキ」を購入。
絵本の中のホットケーキが本当に美味しそう
2022年9月8日
-
巨匠に学ぶ配色の基本 名画はなぜ名画なのか? (巨匠に学ぶ シリーズ)
- 内田広由紀
- 視覚デザイン研究所 / 2009年2月25日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
同じ構図でも配色によって共感が湧いたり違和感を感じたりする。
さまざまな名画を取り上げ、その一部の配色を変えてオリジナルと比較し、その配色の効果を実際に体験する、というもの。
主な作品は、
ゴッホ「夜のカフェテラス」
モネ「積み藁」
ルソー「夢」
モンドリアン「赤、黄、青、黒のコンポジション」
フェルメール「真珠の耳飾りの少女」
フラゴナール「ぶらんこ」
レンブラント「夜警」
など。
ビジュアルが多めで、とても分かりやすい構成になっている。
今回、私が気になった画家、エピソードは以下です。
・ヴラマンク
ゴッホを尊敬し続けたという画家。たしかに作風似ている!初めて知った画家なので、勉強になった。
・セザンヌ
晩年、こういう言葉を残したという。
「私は仕事による成功を追求しています。ルノワールとモネ以外の現存の画家を全て軽蔑しており、仕事で成功を収めたい。」
さすがセザンヌ。すごい自信家。だけど私の好きなモネは敬愛しているようだったため、そこは嬉しかった。
・ブリューゲル
当時大人気というわけでなく完成作品も45点のみだったという。しかし、一部の熱狂的コレクターに経済的に支えられていたらしい。
そのシリーズはなかなか気合入っていると思います。色んな作品を一挙に見ることもできて、お得な一冊。
2022年9月8日
-
絵を見る技術 名画の構造を読み解く
- 秋田麻早子
- 朝日出版社 / 2019年5月2日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
今月は読書ペースちょっとゆっくりめです
2022年9月8日
-
日曜日の夕刊 (新潮文庫)
- 重松清
- 新潮社 / 2002年6月28日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
週刊誌での連載をまとめた12篇からなる短編集。
弟が産まれたことで寂しさが増す葉子。かつて似た境遇だった父親が逆上がりを教えながら葉子と対話をしていく、「さかあがりの神様」。
ちょっと精神的に幼い父親にうんざりしながらも、しぶしぶ父とサマーキャンプへ向かう圭太の物語、「サマーキャンプへようこそ」。
死を直前とした父親に再会するために過酷なダイエットに挑む姉を、妹の視点で描いた「寂しさ霜降り」。
40歳同窓会。中学時代、かつて自分たちがいじめてしまった「後藤」を待ちながら、今現在、いじめで苦しんでいる自分の子供の陽司を想う、「後藤を待ちながら」
が良かった。
どれも読みやすく、登場人物の抱える悩み、葛藤にも共感できる。じんわりと余韻を残してくれる一冊。
2022年8月6日
森沢明夫のお散歩エッセイ。
書店で掲載されていたweb連載をまとめたもの。散歩で出会った風景や、そこで出会った人とのちょっとした会話。散歩したくなるような、ほっこりする一冊です。
散歩で見つけた空の風景やお花、カフェで飲んだコーヒーなど、森沢さん自身が撮ったスマホの写真もなんだか素敵。
森沢さんは、オートバイで十代の終わりから二十代半ばまで、。日本全国、海辺や川原など、野宿での放浪生活をしていたという。
心を自由に解放しておくと、想像力の翼を広げることができる。
散歩道にいくらでも転がっているもの味わいたいものの存在に気づけるかどうかが大切、
という言葉がすごく良いなと思った。
2022年7月31日