こちら葛飾区亀有公園前派出所 小説

  • 集英社 (2007年5月25日発売)
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本棚登録 : 746
感想 : 149
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ミステリー作家たちが、こち亀キャラクターを使って書いた短編集。
全体的に両さんは漫画より優しく頭脳も使っている(笑)

【大沢在昌「幼な馴染み」】
「新宿鮫」の鮫島、晶、藪監察官が登場。
三人が浅草に初詣に行くと、藪医者の幼馴染の両さんとばったり出会って…。

両さんはゲーセン立ち入ったり人をおちょくったりしているが、人を良く見ていて人情派。原作の両さんよりずっと人情派かも(笑)

【石田衣良「池袋⇔亀有エクスプレス」】
池袋のトラブルシューターのマコトが、眉の繋がったクロマニヨン人みたいなスーパーコップ両さんとある相談を解決することになり…

こちらの両さんは小悪党を子供にほだされて大目に見てやるくらいの人情派。

【今野敏「キング・タイガー」】
退官した警視が、今後の趣味として始めたプラモデル作り。
プラモデル屋には実に見事な完成品が展示されていた。
元警視は作者の「両津勘吉」に興味を持ち…

両さんの出番は少ないけれど、元警視が「どんな人だろう…」と想像している。

【柴田よしき「一杯の賭け蕎麦-花咲慎一郎、両津勘吉に遭遇す」】
無許可保育園長兼探偵の花咲慎一郎の元に駆け込んできたピンクのミニスカ金髪ポリスの秋本麗子巡査。
言われるままにパトカーに乗せられ…、その運転手はお洒落なストライプ制服のむかつくほどの美男子、この二人怪しい。
連れて行かれた派出所にいたのはもっとさらに怪しい両津勘吉だった!

麗子も中川も漫画では普通に読んでしまっていますが、一般人と一緒に出てくると十分怪しいですね(笑)

【京極夏彦「ぬらりひょんの褌」】
休日秋葉原に出かけた大原部長と寺井。
妖怪ぬらりひょんのフィギュアを見た時に蘇る大原部長の記憶。
大原部長が二十数年前に住んでいた部屋に、妖怪としか思えないものが出入りしていた…!

ここで出てくる寺井が妙に冷静沈着(笑)
坂の上の古書屋を営む老人、スダレ禿の元作家京極夏彦などが出てくる。
相変わらページの終わりは必ず文章の終わりと言う几帳面さ。

【逢坂剛「決闘、二対三!の巻」】
両津勘吉と秋本麗子がフェラーリで御茶ノ水署に乗りつけた。
このことが梢田巡査、斉木警部補、五本松巡査部長の波乱の1日の始まりだった…。

いきなり金を掛けた賭けを仕掛ける両さん…はまだしも、
麗子がノリノリで片棒担いでいる姿がなかなか可愛いかもしれない(笑)
両さんの賭けも、漫画では勢いで押し切るけれど、小説ではちゃんと作戦立てていて、漫画より頭脳を使っている(笑)

【東野圭吾「目指せ乱歩賞!」】
江戸川乱歩賞は賞金2000万?!
それを聞いて黙っている両さんではない。
翌日の締め切りまでに四台のパソコンを使いこなし、原稿に発信器を付け審査員たちを脅しにかかる…。

うん、このやり口はじつに両さんっぽい(笑)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: こち亀
感想投稿日 : 2018年1月27日
読了日 : -
本棚登録日 : 2018年1月27日

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