興味あるなら仕方ないね。って事で半ば衝動的に買ったこの本。
しかし内容はひじょ~に良かった!
まず各々の女神がしっかり地域(神話)別に紹介されていてとても見やすい。
加えてテキスト量も豊富、民俗学(?)的立場からの解説も結構詳しくされており読み物としてもちゃんと楽しめる内容でした。
巻末の「世界の神話基礎講座」には神話が誰によって作り語られ、それぞれの神話にどのような特徴があるのかなどをわかりやすく解説してます。
少しでも興味があるならきっと楽しい1冊。
これなら1500円でも安かった、ティンと来たのは正解でした。
2009年2月22日
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静野さんとこの蒼緋 (電撃文庫 み 13-2)
- 水鏡希人
- アスキー・メディアワークス / 2009年1月7日発売
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この前の電撃大賞で金賞だった「君のための物語」の水鏡さんの新シリーズ。
筆力は流石のもので、地の文の上手さは保証しますし、分厚さの割に展開が早く中身が濃いのも○。
しかしなんというか表紙の影でだいたい話が読めるというwww
これは意外性の減少という意味でマイナスではないのか?と少し思ったり。
内容的には良くある(あるのか?実際あまり見ない気もするw)「実は双子の妹がいてその妹は××××ででもって事件に巻き込まれて…」みたいな話。
ただイマイチこう妹とのドタバタでニヨニヨする部分と学園内の事件でシリアスする部分の噛み合わせに違和感が。
2つの内容を強引にくっ付けた感じを受けなくもないですねー、そのせいで展開が早すぎる気もする。
上にも書いたように中身が濃い=1粒で2度おいしいっちゃあおいしいんですが。
××××の部分もちと唐突で「涼宮ハルヒの憂鬱」での長門のカミングアウト部分的な印象を受けなくもない。
この人は「君のための物語」みたいな透明感のある切ない話の方が向いてるように思えたんだが果たしてどうなるかな。
まぁ脇キャラも顔見世程度でこれから色々深く描かれることでしょう、ひとまずは次巻に期待。
2009年1月13日
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ミスティック・ミュージアム (HJ文庫 ふ 4-1-1)
- 藤春都
- ホビージャパン / 2008年7月1日発売
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付喪神
人外ヒロイン
信仰概念のお話
大英博物館
近代英国
探偵(?)もの
イラストが森井しづきさん(代表作は「葉桜が来た夏(電撃)など。」)
もうここまでキーワードHITして、自分にとって面白くないわけがない。
HJ文庫は基本あまり好きではないのだが…まぁ別格ですね。
アルダ可愛いよアルダ。
褐色黒髪エスニック。しかも神っ娘だぜ?
何よりこのイラストが…!個人的に好き過ぎるw
彼女は遙か遠い地で"神"と奉られていた像に宿る、火を司る神。
(以下本書より)
「人間たちは私を敬い、そして畏れ、季節が変わるたびに私のそばで祭りをした。私は彼らを愛し、災厄から守った。」
「この像はあの地の人間が作ったものだ。これを私と見立てて奉っていた。彼らがこれを奉ったから、私はこれに宿ることになった。だが」
「彼らはいつしか私を忘れ去った。別の土地で生まれた神の祭りに参加するようになり、この像も土に埋もれた。私は彼らをずっと見ていた。私を知る者がいなければ、私はそこに留まるしかないから。」
ここでいう別の神というのは無論キリスト教な訳で。
こんな風に"忘れられた"神は数多いるでしょう。
彼らは今どうしているのか…とか思うとなんだかワクワクしてくるw
もちろん機関車を見て驚いたりするシーンなどもあり、こういうキャラが好きな人はニヤニヤしっぱなしかと。
あれだ、「オーパーツ・ラブ」のイプネフェルとかに近い気もする。
…とまぁ、そんなヒロインと一大学生の主人公がある事件に巻き込まれる…といった流れです。気になった方はぜひ一度ご覧あれ。
2008年11月8日
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ウェスタディアの双星 真逆の英雄登場の章 (電撃文庫 お 10-5)
- 小河正岳
- メディアワークス / 2008年1月10日発売
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ん~ヒロイックサーガは嫌いじゃないが、やはりゆらゆらや風の国に比べるとパッとしない気がする。
SF要素が入ってる分少し苦手ってのもあるけれど、あくまで宇宙戦艦に乗っての戦いなんで迫力に欠けるんですよね。
この手の英雄譚で重要なのはそれこそヒーローが活躍する戦闘シーンだと思うんですが、その戦闘に動きが感じられない。
登場人物があーしろ、こーしろと言ってそれに対して淡々と相手の数が減っていく…みたいな戦闘シーン。
やはり見てて(描写を読んで)1番面白いのは三国や戦国時代みたいな肉弾戦だと思うんだ。
戦略的にどうこう、と言われても正直「ふーん。」としか。
というか主人公達のやってる戦略ってのがイマイチ凄いように見えないorz
とはいえ基本はしっかり押さえられているのでつまらないということは決してない。でも…レビュー的にはDかなぁ。
2008年10月19日
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ばけらの! (GA文庫 す 2-1)
- 杉井光
- SBクリエイティブ / 2008年9月16日発売
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杉井光がとうとう壊れた件www
購入したはいいが同姓同名の主人公とは勇者すぎる、コレ絶対地雷だわ…!!と思ったら意外とそうでもない、普通にいい感じのラブコメに仕上がってました。
細かい設定のアラとか探したらキリないけれど、深く考えずにともかく掛け合いや賑やかさを楽しめる、まさにライトノベルな感のある一冊。結構おすすめ。
しかし最近多作だなー(ラブコメ多いがw)、つか頼むから「火目の巫女」みたいな超鬱をもう1度書いてくれないだろうかw
2008年9月17日
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ツァラトゥストラへの階段 (電撃文庫 と 8-4)
- 土橋真二郎
- メディアワークス / 2007年11月10日発売
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土橋氏はなかなかいいモノ持ってると思うんだw
キャラ設定としては主人公が中2病っぽかったり、パルスという特殊能力に目覚める(笑)だったりするけれども、それを補ってあまりあるほど小説内の『ゲーム』の設定と展開が上手い。
特にオリビアが可愛いよオリビア。小動物的なアレですね?
基本的に "最善" ではないけど "報われる" エンドだし、「扉の外」より好みかなー。
でもって白身魚さんの挿し絵が大好き。
2008年9月17日
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アカイロ/ロマンス 少女の鞘、少女の刃 (電撃文庫 ふ 7-16)
- 藤原祐
- アスキー・メディアワークス / 2008年8月10日発売
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著:藤原祐、絵:椋本夏夜…となると前紹介した「レジンキャストミルク」(http://mixi.jp/view_diary.pl?id=560343083&owner_id=13812361&org_id=559228121)のコンビですね。
この組み合わせなら…という予想を裏切ることなく、相も変わらず鬱展開でなにより。
ある程度予想はしてたとはいえあの人から真っ先に死ぬとは予想外でした。てっきりヒロインかと思ってたよwww
内容としては異能、異種族モノのバトルファンタジーといったところでしょうか。この辺も前作とさして変わらず。
ただ和テイストなこともあり、個人的にはこちらのほうが親しみやすく好み。とはいえ前作を読んだ方ならすんなり暗くなれると思いますw
初めての方もこちら先にを読んでみるとこの方のスタンスみたいなものがわかるかもしれません。
2008年8月23日
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俺の妹がこんなに可愛いわけがない (電撃文庫)
- 伏見つかさ
- KADOKAWA / 2008年8月10日発売
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マイミクさんが触れていたので自分も少し。
内容は、本文でも最初ににネタバレするのでここで明かしておきますと、要は妹は実はオタでしたよ~という話。
けれど外面は↑の為、オタ友達は0。こんなの学校の友達にバレたらどうなるか…っ!でもやっぱり話相手が欲しいのっ!的な相談です。
この作者さんの前作「十三番目のアリス」が個人的にはイマイチだった&この本の語りが一人称口語系だった(これには乃木坂で懲りてますorz)ので少し構えていたのですが、意外とこちらのラブコメ畑には合ってるようで、楽しく読ませていただきました。
話のボリューム的にはまだまだプロローグ。とても…薄いです…
まぁでもこの手の一般男&オタ女子という組み合わせは乃木坂然り腐女子彼女然りそろそろ飽食気味ではあるので、これからどう差別化されていくか楽しみです。あ、もちろん妹の性格はツンデレね。
2008年8月23日
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神様のメモ帳 (電撃文庫 す 9-4)
- 杉井光
- メディアワークス / 2007年1月10日発売
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元ボクサー現パチプロのテツ、ミリオタの通称「軍曹」、甘いルックスだけどヒモのヒロ、そして1人部屋に引きこもり、ラーメン(麺なし)とドクターペッパーで生きている、職業 "ニート探偵" のアリス。
彼らはみんなNEET。けれどもNEETだからこそできることもある。
そんなNEET探偵事務所の看板にはこう書かれている。
"It's the only NEET thing to do."
(たったひとつの冴えたやりかた。J.D.ジュニアのSF小説のタイトルが元ネタ(本来はNEED)ですね。聞いたことある方も多いはず。)
相変わらず前向きなんだか後ろ向きなんだかよくわからない、独特の雰囲気のあるラノベ。
鬱度は低めだけどそこまで甘くはない、引きこもりNEETという言葉からもどこか "閉じた世界" のイメージがあります。
読み終わった後にほんのりとただよう哀愁が自分は好き。
ちなみにアリスは体は子供、頭脳は大人、でもやっぱり性格は年相応の女の子というかなりオイシイキャラですのでおすすめです(何がだ)
偉そうな事言ってもなんだかんだで子供っぽいってのは定番ですねw
2008年6月11日
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EX! (GA文庫)
- 織田兄第
- ソフトバンク クリエイティブ / 2007年2月14日発売
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この筆者のデビュー作の『ハカナさんがきた!』(HJ文庫)がまぁ…ぶっちゃけつまらなかったのと、GA文庫(笑)ということで避けてたのですが、なかなか周りの評判も良い&試験前の鬱緩和というのがあって購入。
"非情な正義の味方VS心優しい悪の怪人" ってシチュエーションどっかで見たことある気がするんだ…何だったかなぁ思い出せない。
『ばいおれんすまじかる』(角スニ)とかそうだったような…でももっと印象的なのがあったような気も。
どなたかピンときたら教えてくださいな。
「テラ特殊能力w異能バトルww主人公の隠された力www」といった厨二臭あふれる内容ですが、意外とそれが正義の味方、悪の怪人といった世界感によくハマっていると思います。
まぁアツイ展開が嫌いな人なんていませんよね、厨二病が忌避されるのなら少年ジャンプはとっくに廃刊になってるぞという話で。
やや無理な展開や次から次へと強力な敵味方を登場させすぎな風もありますが、そこさえ目をつぶれば全体的には読みやすくいいお話に仕上がってると思います。
2008年6月6日
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死図眼のイタカ (一迅社文庫)
- 杉井光
- 一迅社 / 2008年5月20日発売
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地方因習!儀式!呪われた家系! 俺の好きなジャンルk t k r !
(…ゲフンゲフン。取り乱しました。以下まっとうなレビューをお楽しみください。)
この人の作品には『火目の巫女』のような "鬱グロ一直線" って感じの本と、『神様のメモ帳』『さよならピアノソナタ』のような "熱血は無いけど爽やかで後味ヨロシ" といった雰囲気の本の2種類があると自分では思っているのですが、この本は明らかに前者。
人が結構派手に(=いわゆる "いい位置" のキャラが結構あっさりと)死んだりと、『火目の巫女』好きな自分としてはなかなか嬉しいストーリー展開…ではあったのですが、最後まで読んでもやや説明不足、イマイチ伏線回収しきれてない感が強いです。
"猟奇殺人" という言葉から犯人探しやミステリー的展開を期待してしまうとかなり拍子抜けしちゃうかもしれません。
完成度は低くはないのですが、あくまで全体通してまだまだ第1話…主人公とヒロインの出会い=序章って感じですかね。
2008年6月3日
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新装版A君(17)の戦争1 まもるべきもの (富士見ファンタジア文庫)
- 豪屋大介
- 富士見書房 / 2005年4月20日発売
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前々から書店で見て惹かれていたので思わずまんだらけで全巻一気買いした。今は心の底から後悔している。タイトルセンスは素晴らしいですが、初めて筆者に直接「読んでて腹立ちました」みたいな葉書送ってやろうかと思いました。つか筆者が隣にいたら絶対殴ってるわコレ。
さて内容ですが、 ”文章文体があまりに鼻につく” これに尽きる。
地の文に筆者がガンガン顔を出しますし、あまりにふざけた書き口に読んでてイライラすることこの上ありません。(「イラストレーターの玲衣さんが云々」みたいな表現があろうことか本文で出てきます。おそらく文庫という形態をとらずに一部抜粋して知らない人に読ませたら中学生が書いたのかと思うレベル。)
その上コレが1番気にくわなかったのですが…いろんな物事に対する皮肉というかディスる発言というか・・・ここまで来ると悪口や罵倒としかいいようがないですね、そんな感じの表現が多過ぎる。もちろん筆者の意見として地の文に直接書かれています。もしこれが面白いだろうと思ってやってるのならあまりに筋違いすぎて救いようがない。
まさに「筆者の好き放題」。4巻は短編集どころか完全に本編に関係の無い、キャラの名前だけが一緒の別物語を300ページ以上垂れ流すわでよくまぁこんな作品が9巻まで出てるなと。
唯一の救いはストーリーの根本部分だけは異世界スリップモノとしてマシなレベルで落ち着いてるところだろうか。まぁそれも上記で台無しな感が否めないが。
まぁあれだ、悪い評判でいわゆる「怖いもの見たさ」みたいな感じで売れてるならよくわかるよ、うん。
見苦しい文失礼しました。が、これが自分の正直な感想です。「つまらなかった」の次元を超えて、「買って損した」と素直に思える。わざわざお金払って腹立つとかもうねw
2008年5月17日
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火目の巫女 (電撃文庫 す 9-1)
- 杉井光
- メディアワークス / 2006年2月10日発売
- Amazon.co.jp / 本
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因習、巫女、触手、グロ、鬱…キーワードはこんな感じかしら。
『神様のメモ帳』『さよならピアノソナタ』の杉井光のデビュー作。
さわやか路線の上記2作とはあまりに違う内容で、しかも打ち切りっつーか続刊の話を聞かないっつーかそんな感じのシリーズですが自分はこれが1番好きです。
なかなか感動できる展開もgood。
古き因習による悲劇、とでもいいましょうか、和風のそれ系の話が大好きな自分にしてみればかなーりクリティカルにツボに刺さったラノベだったのですが…いつか続刊を信じています。
ほら、ダブルブリッドの新刊が出るくらいだからこれだって…ね!
和風、因習、地域伝承、悲劇、あたりのキーワードで、『ひぐらしのなく頃に』、ゲームの『零』以外でそれっぽいシリーズあればぜひ教えてくださいな。飛び上がって喜びますw
2008年4月24日
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騎條エリと緋色の迷宮: 英国亭幻想事件ファイル (電撃文庫 あ 24-1)
- 秋月大河
- アスキー・メディアワークス / 2008年4月1日発売
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正直言って微妙でした。
言葉では伝えにくいのですが、一部のラノベにある独特の『読みにくさ』がこのラノベにもあります。
文章のテンポが悪いというかなんというか。「乃木坂春香の秘密」が苦手な人は要注意といえばわかるかもしれません。
また主人公の一人語り、主観の記述が多過ぎて他の登場人物がぼやけてしまっている印象。
そのためヒロインやサブキャラが全くキャラ立ちしていない、設定だけの代物になってしまっているのもかなり残念。
序盤の推理っぽいくだりもあまりに稚拙。
ミステリーなんて少しかじっただけの自分にも「その推理はねーよwww」と思わせてしまう内容でした。
タイトルと挿し絵から受けるイメージがどう見ても近代の英国っぽいのに本文でガチンコ現代日本設定というのも混乱させられ、読みにくいことこの上ありません。
久しぶりに辛口ですが、たまには合わない作品とも出会うということで1つご勘弁ください。
2008年4月13日
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葉桜が来た夏 (電撃文庫 な 12-1)
- 夏海公司
- アスキー・メディアワークス / 2008年4月10日発売
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あれですな、同じ電撃文庫の「彼女は帰星子女」に近いものを感じます。コメディタッチの「彼女は~」と比べるとだいぶシリアス分多めですけれど。
《選考委員奨励賞》だったのは上記にあるように「異文化交流モノ」で既に似たモノがあったのがネックだったのかもしれませんが、正直第14回大賞の中では1,2を争う出来だったように思います。(私的対抗馬は「君のための物語」。)
あえてケチをつけるならややボリューム不足なところでしょうか。もう少し長い時間読みたかった、とは贅沢な話ですが。
読みきりっぽい終わり方でしたし、第1巻とも銘打っておらず続編が出るのかどうかはわかりませんが、続きが出るならぜひ買いたいと思える良作でした。
挿し絵の雰囲気もあいまって非常に爽やかな印象のボーイ・ミーツ・ガール。
あれほど鬱くはないですが「イリヤの空、UFOの夏」あたりが好きなら結構いけるかも?
2008年4月13日
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君のための物語 (電撃文庫 み 13-1)
- 水鏡希人
- メディアワークス / 2008年2月10日発売
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最初あらすじだけを見た時、また1枚目の扉絵を見た時は「私」が女だと思ってましたorz
男性1人称で淡々と語られる文章は電撃文庫にしては珍しいしっとりとした雰囲気で、幻想的な内容とよくマッチしています。
風景描写が少なめなのにもかかわらず、挿し絵のイメージと文体だけで頭の中にその情景(自分が思い浮かんだのはフランスでした)がありありと浮かんでくるのは素晴らしい。
私と「彼」の出会いでは、あらすじには書かれていない重要な位置付けの女性がもう1人登場するのですが、その女性にまつわるお話が第1話となります。
第1話を読み終え、また1枚目の扉絵の意味がわかったとき、不覚にも涙腺が緩みました。
笑いがあるわけでも、萌えがあるわけでもないけれど、登場人物達が交わす会話は和やかで、読み終わった後はどこか心地よい。
そんな作品でした。
「キーリ」とどこか通じるものがあるので、どちらかが好きならもう一方もきっと気に入るだろうと思います。
どちらかというと女性受けしそうな気もしなくもない。
この年の電撃大賞受賞作では1番好きかな~、と個人的に思いました。
2008年2月24日
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鉄球姫エミリー (鉄球姫エミリーシリーズ) (スーパーダッシュ文庫)
- 八薙玉造
- 集英社 / 2007年9月25日発売
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あらすじと挿し絵にによる内容詐欺にもほどがあるwwwこれはひどいwww
詐欺具合でいえばエルフェンリート並な気がする。
一見(あらすじ&挿し絵だけでの印象だと)イロモノ臭い&萌え系のソードオペラっぽいですが、いざ内容を見てみるとガチで血生臭いです。
序盤主人公のエミリーが普通にムカつくキャラというのもやや間口を狭くしているような。
しかしある程度読み進めて、ストーリーが緊迫した状況にさしかかると後はもう息つく暇も与えぬくらいシリアスが続きます。
それと展開、結末が全く読めません。
正直読んでて「マジかよ…」という思いを何度か抱かされました。(もちろんいい意味で。)
加えて死に方の描写が非常に生々しい。
ってか挿し絵がコレであの表現は無いわwww
まぁそこのギャップがゾクゾクして非常に面白かったんですけれど。
知名度が低いのが惜しすぎる。もう電撃大賞これでいこうZE!
今更中古で、しかも半分冒険気分で買った自分がいうのもなんですが、久しぶりに素直にもっと売れてもいいと思える作品でした。
第1印象で損をしている分、実際に読んでみてその印象がいい意味で裏切られたときの面白さは損を補って余りある。個人的に大当たりの1冊。
(以降ネタバレ気味のため読む予定の人は引き返しましょう)
何が読めないかっていうと登場キャラクターの生死が読めない。自分としては筆者の選択はGJ。死亡フラグビンビンのキャラが生存したり、「あーはいはいピンチワロスワロスwww」と楽観してた主要っぽいキャラがホントにあっさり死んだりと、鬱展開好きにはたまらない1冊。
2008年2月18日
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火の国、風の国物語: 戦竜在野 (富士見ファンタジア文庫 し 1-1-1)
- 師走トオル
- KADOKAWA(富士見書房) / 2007年10月1日発売
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…これは面白い。
戦記モノ、英雄譚としてはゆらゆらに次ぐか並ぶクオリティだと思う。
文章力といいストーリーの展開といいキャラクターのバランスといい、全てにおいて自分のなかで高評価。
何より盛り上がる場面での心情描写が上手い。惹き込まれるものがある。
ただ文章表現がややカタい(漢字も多く、設定を理解するのに少しじっくり読まないといけない)。
この手の英雄譚系のお話にはその方が合ってると自分は思うので違和感は感じなかったが、その辺が苦手な人は注意。
作者買い決定の一冊。挿し絵も綺麗で好きな絵だし(というか最初、実は半分は絵で買った)、非常に満足のいく内容でした。
2008年2月17日
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ほうかご百物語 (電撃文庫 み 12-1)
- 峰守ひろかず
- メディアワークス / 2008年2月10日発売
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ヒロインのキャラが薄すぎる…周りが濃すぎるのか?
あと自分はこの手の文体が凄く苦手とわかりましたorz
表現があまりに口語的すぎて締まりに欠ける気がするんですねぇ。良くいえば読みやすい。悪くいえばまぁ…イラつきますね。自分だけかもしれませんが…。
そういった文体の印象もあいまって、言葉では伝えづらいですが、話の運びもだらだらとメリハリがないように思えました。
内容としては可もなく不可もなく。正直言って「よくある話」。また展開やテーマからしてどうしてもMF文庫の「かのこん」を意識してしまう。というか内容や絵的に考えてもMF文庫っぽいですね。電撃らしくはない。
一応最後まで読み切るつもりではありますが…2巻が出たとしても買うことはないでしょう。辛めの評価ですが、自分が読んだ結論としては人に薦めるのは厳しいレベル、といったところ。
電撃小説大賞って基本的に大賞受賞作より金賞銀賞のほうが売れてる気がする。ってか絶対そうだ。審査員の人たちは何を審査しているのだろう。
2008年2月16日
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あなたの町の生きてるか死んでるかわからない店探訪します (UNPOCO ESSAY SPECIAL!)
- 菅野彰
- 新書館 / 2006年12月1日発売
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まず最初に。
この本4コマ漫画の区画に置いてあることが多く、表紙にも4コマ漫画が載ってるのですが、中身は4コマが挿絵のグルメエッセイ(要は活字)です。
ラノベではないけど非常に面白かったのでれびゅーさせていただくことに。
え~、久しぶりに声出して笑わせていただきました。
タイトルで言う「生きてるか死んでるかわからない店」ってのは、いわゆる町にたまに存在する「外見からしてどうみても閉店中だけど営業中って書いてあるよ?」的なお店のことです。
…もうね、あまりにもカオスで…普段自分がどれだけマトモな外食してるのかしみじみとわかる内容。
「小さなゴのつくお友達」
「二十世紀から来たフルーツポンチ」
「おでんが具の中華…丼…?」
「『ソースです』といって出てきたキューピーマヨネーズ」
「軽く狂った(食後の立花氏談)」
「オール・リバース(無論トイレに向かって的な意味で)」
「『肉は焼いてください』の張り紙(in食べ放題1000円の「焼」肉屋)」
「ネットで店名検索しても『心霊スポット』でhitするレストラン」
他にも山ほどあるのですが、これだけ見ても大体内容が把握できるかと思います。
菅野・立花両氏二人が悲惨な目に遭えば遭うほど笑えます。
可愛い猫キャラの漫画と悲痛さが嫌というほど伝わるエッセイの相性も抜群。
エンターテイメントとしては一級品の本でした。いやぁご馳走様です。
2008年2月13日
収録作品『SEVEN ROOMS』について。
あえてここではあらすじも書かないし、詳しい感想も言わない。
ただ、ラノベも含むとはいえかなりの本を読んできた自分が生まれて初めて、読み終わった後に涙した作品だった。
自分の知る限りで『最凶』の短編。この作品に出合えた事を嬉しく思う。
…と、まぁ結構恥ずかしいこと書いたワケですが、少なくとも自分は今までで1番好きな短編と聞かれたらこれを挙げます。たとえ人から貶されても、自分がこの作品を好きなことだけは変わりません。
新品でも480円、中古なら200円あれば買えるだろうのでぜひ1度。
2008年2月12日
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C3 ‐シーキューブ‐ (電撃文庫 み 7-7)
- 水瀬葉月
- メディアワークス / 2007年9月10日発売
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まず一言。
「挿絵自重しろwww(意訳:いいぞもっとやれ)」
自分も男の子ですからねー。まぁこの本は女性ウケはしないかな…流石に。ってかやっぱりラノベにおけるラブコメは男性読者向けが多いですね。女性でも楽しめそうなのは…とらドラとか? ♀>>>♂の男女比だとどうしてもねぇ。
さて内容ですが、萌えラブコメ+バトルで微グロ、ってところでしょうか(我ながら短くまとめ過ぎな気もするがw)。途中専門用語や2つ名、ヒロインの口上にはややこそばゆいところもあったものの、違和感を感じるほどではなくバトルシーンの描写も○。なかなか面白かったように思います。
最初1巻冒頭読んだときは「これどこのオーパーツ・ラブ?」と思ったのはナイショ。
唯一心残りな点は、1巻の結末の方が2巻より明らかに救いようがないので1巻に比べ2巻をヌルく感じてしまうところだろうか。1巻の登場人物の生死選択はセンスを感じたが、2巻は「ああ、いい話ですね」っぽくまとまってしまったのが残念…と思う自分はダメな子。
2008年2月12日
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伝説の勇者の伝説 1 (富士見ファンタジア文庫 か 4-1-1)
- 鏡貴也
- KADOKAWA(富士見書房) / 2002年2月1日発売
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秘められた力の覚醒、わかりやすい悲劇、主人公は絶対死なない&いい人は瞬殺の法則、どれだけ強い敵でもそれより強い奴に割とあっさりやられる、など、まさに「王道展開」。もちろん上記は悪い意味でなく、それなりに魅せ所もちりばめられており、読んでて結構ジーンとする箇所もありました。これだけ長編として売れているのも頷ける話。
本編+外伝の並列進行の発刊ペースといい、「スレイヤーズ」を彷彿とさせますね。わかりやすい指針を言うなら、「スレイヤーズ好きならおそらくこの本もいけます。」
ただツッコミ所も目立つ気がします。
1、 11冊かけて第1部完って…しかもまだまだ続きそうなヒキでした。これは何冊出す予定なんだ?内容の割にページ数喰うのは会話多いのが原因じゃないかなぁ、ページの下半分をメモに使えるほどスカスカなのはどうかと…。
2、 サブキャラ増やしすぎ、伏線ばら撒きすぎ。
3、 自分は11冊読んで「えーと、結局なんだったんだろう?」と思った。上の1、2にも通じるが、まだ第1部ということを差し引いても全体としてのストーリーの輪郭がぼんやりとしすぎている。中身が薄いわけではないのだけれど…
ファンタジーとしての完成度はスレイヤーズに軍配が上がるか?
英雄譚、描写力(筆力)としては個人的にゆらゆらを超えるものは今のところ無い…。(まぁゆらゆらについては自分がもう信者化してるから生温かい目で見て下さいw)
自分が出す結論としては「突出したところも無く、ツッコミどころも多いが流石長編でこれだけ出ているだけあって十分読む価値アリと言えるレベルには面白い。」ってところでしょうか。
2008年2月10日
-
イマジン秘蹟 1 (角川スニーカー文庫 204-1)
- 本田透
- 角川書店 / 2007年10月1日発売
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うーん苦しい。一応1巻半分ほどまで来たけどそろそろ限界かな…。
唐突にに意味不明な単語や妙なテンションをぶつけられると続き読む気が起きないです。話がな~んかわかりにくい、読みづらい、という印象が強かった。
ってか説明なしにあまりに専門用語使われるとおいてけぼり食らいますって。この手の『つかみ』に対しては惹きつけられる人とそうでない人がいて、自分は多分後者なんだろうなぁと思う。
そういや同じスニーカーの『円環少女』、スーパーダッシュの『よくわかる現代魔法』も似たような印象だったなぁ。筆者のテンションに合わせられない自分が悪いんだろうけど、正直話についていけません。
逆にいえば、上に挙げた小説が好きな方にはぴったりな気がします。
文そのものについても、文を句点で区切りすぎ。これは苦手な人にはつらい。あとハルヒの小説同様、文章が少し鼻につく感じ(これは言葉では表現しにくいけれど、ハルヒについては自分みたいにそう感じる人も少なからずいるみたい。)なのも私的にはマイナスかな…。
ラノベにも相性ありますねぇ…
2008年2月6日