森岡毅さんの本、2冊目、『苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」』を東大阪図書館で借りてきて、ようやく読破しました(笑)。
表紙の裏にこう書かれています。
「この世界は残酷だ。しかし、それでも君は確かに、自分で選ぶことができる!」
と。
まず、神戸大学経営学部、高校時代同級生が入った大学で、自分なんかは、英語、国語、地理だけで関西大学法学部に必死のパッチで入学できたが、神戸大学へ入った友達の頭良さは身近にいてよくわかる(笑)。
森岡さんも、少年時代なかなか我の強いお子さんのようだが、自分の意思を貫く根性はすばらしいものである。
そんな彼が、外資系の会社をチョイスし、自分の強みをしっかり意識しながら、逆境に立ち向かい、しっかり地位を築いていった。
そんな彼の生き方だから、娘さんに対しても育て方のプロセスに自信があるのだろう。
娘さんの進路への適切なサジェスチョンをするために書きためた文章。
それに普遍性があると、編集者が認識し、一冊の本として出版されたモノだ。
中身だが、
そのとおり紹介する

はじめに 残酷な世界の“希望”とは何か?
第1章 やりたいことがわからなくて悩む君へ
 やりたいことがわからないのはなぜか?
 「経験がないのに考えても仕方がない」は間違い!
 君の宝物は何だろう?
 会社と結婚するな、職能と結婚せよ
 大丈夫、不正解以外はみんな正解!

第2章 学校で教えてくれない世界の秘密
 そもそも人間は平等ではない
 資本主義の本質とは何か?
 君の年収を決める法則
 持たない人が、持てるようになりには?
 会社の将来性を見極めるコツ

第3章 自分の強みをどう知るか
 まずは「目的」を立てよう
 君の強みをどうやって見つけるのか?
 ナスビは立派なナスビになろう!

第4章 自分をマーケティングせよ!
 面接で緊張しなくなる魔法
 「My Brand」を設計する4つのポイント
 キャリアとは、自分をマーケティングする旅である

第5章 苦しかったときの話をしようか
 劣等感に襲われるとき
 自分が信じられないものを、人に信じさせるとき
 無価値だと追い詰められるとき

 第6章 自分の “弱さ” とどう向き合うのか?
  「不安」と向き合うには?
  「弱点」と向き合うには?
  行動を変えたいときのコツ
  未来の君へ

おわりに あなたはもっと高く飛べる

ということです。
経験に基づくお話しで、メチャクチャ説得力がある中身です。
彼の提言を行うかどうかは、信じることです。
胆力です。
なかなか普通の人間、トレーニングしてできるものではないと思います。
でも、この本を読んで、力をもらって、しっかり行動に移せる人間も沢山いると思います。
とにかく、信じてやってみる価値は十二分にあると私は思います。

因みに私は、親父が亡くなる直前まで、頼りない私の将来を案じて、日記に綴っていました。
親父の部下が、同じ道を歩めるよう配慮してくれました。
若い頃、親父に尋ねたいことがらがいっぱいありましたが、自分で解決するしかないという状況が私を育てたようです。
人に頼って、裏切られてというパターンはありませんでした。
自分で道を切り開くしかありません。
だから、人を責める必要はないのです。
すべて自分一人ということです。
というようなことで、現役時代はつらいこともありましたが、今思えばよいキャリアを積むことが出来ました(笑)。 

カテゴリ 随筆

解剖学の養老孟司さんと精神科医の名越康文さんの独特な対談。
74歳の自然流な生き方をしている私には納得する事ばかりでした。
明治維新以後、内発的な気概で行動を起こさない日本人・日本人社会、南海トラフ大地震で、ガラガラポンになったとき、しっかり対処できるための準備をしておけとのお言葉、しっかり心に据えておかなければなりません。
馬鹿なテレビ、新聞から離れ、たまにはこんな会話に親しむというのもいいものです。

2023年12月3日

読書状況 読み終わった [2023年12月3日]
カテゴリ 対話集

昭和12年生まれの著者が、コロナ渦、そして、入院とか、外に出る機会が少ない中、書くネタが少ない中、長い人生の間に培った智恵・知識をバックボーンに自然体で書き綴ったのがこの本のようである。
まえがき
1人生は不要不急か
2新しい宗教が生まれる
3ヒトはAIに似てきている
4人生とはそんなもの
5自殺するヒトとどう接するか
6なせばなる日本
7コロナ下の日常
8ヒト、猫を飼う
あとがき
哲学者でも、経済学者でも、社会学者でもない、宗教家でもない、一風変わった解剖学者で昆虫と猫が好きな著者の感性になんとなく接するのもいいのではないでしょうか(笑)。

2024年3月4日

読書状況 読み終わった [2024年3月4日]
カテゴリ 随筆

養老孟司さんと精神科医の対談集の中で紹介されていました。
で、借りて読んでみましたが、今まで描いていたアメリカ農業に対するステレオタイプ的な先入観念が払拭されました。
農薬付け、化学肥料付けなどの不自然な農業スタイルに疑問を抱いて、そこから脱却しようとしっかりチャレンジする農家も徐々に増えてきているということでした。
ストイック?なニホンの自然農法とは一線を画すアメリカスタイルですが、人間のすることすべてパーフェクトなどはあり得ないわけで、著者の自然なスタイルでの緩やかな自然をよみがえらせるチャレンジには拍手をおくりたい気持ちになりました。

2023年12月19日

読書状況 読み終わった [2023年12月19日]
カテゴリ 農業経済

どういう経緯で、この二人が対談したのか、出版というのは面白いモノだ。
第1章 経済と政治の戦い
第2章 大地震に備える
第3章 循環再生で自足する地域
第4章 教育問題の奥へ
第5章 日本人の生き方
という章立てで、語りあっているのですが、藻谷さんが養老孟司さんに問いかけるというパターンが多かった。
まぁとにかく、養老さんのうっちゃり方に彼なりの筋が一本通っていて、
納得させられてしまいます。
ヒトはヒト、自分が好きなように生きていくのがいいとこれからの人生の道筋がしっかり決まりました(笑)。

2023年11月29日

読書状況 読み終わった [2023年11月29日]
カテゴリ 政治社会経済

USJを強いリーダーシップを発揮して業績回復させて森岡毅さんのリーダーシップ論、積み重ねてきた経験に基づくお話し、誠に説得力がありました。
第1章 リーダーシップは、“特別な人”の能力ではない
第2章 「人を動かす力」の根源は「欲の強さ」である
第3章 欲が足りない人はどうすればよいのか?
第4章 日本人のリーダーシップはなぜ育たないのか?
第5章 リーダーシップを育成しやすい環境へ泳げ!
第6章 仲間を本気にする関係性をどうやって築くの
    か?
第7章 私自身の悪銭苦闘のリーダーシップ
第8章 危機時のリーダーシップ
    ~コロナ災厄から脱するために~
おわりに 未来は我々がつくる!
読み終わって、信念を貫く、胆力、中途半場じゃありませんでした。
コロナ時における、日本社会の悪い癖、同調圧力に安易に追随する社会、なさけない限りです。
堂々と、自分の信念に基づいて行動する人間でいたいです。

2023年11月20日

読書状況 読み終わった [2023年11月20日]
カテゴリ 生き方

リスクをとる。挑戦し続ける。
関西、日本だけのマーケットではなく、アジアから全世界を視野に入れる。
先見性がすごいですし、エンターテイメントという切り口で、結果、世のため人のためを実践し、色んなステークホルダーはウイン・ウイン、素晴らしいことです。
読んでいて久々に浮き浮きしました。
それと、178ページの「コミットメント~どれだけ必死に考え続けられるか」
commitmentとは文字通りやりぬく覚悟や決意の意味です。「良いアイデアを絶対に思いつくぞ!」という気力のことです。今まで紹介した要素「フレームワーク、リアプライ、ストック」は大事ですが、最後に成否を決めるのは、実はこれだと思っています。
の件(くだり)ですが、実は以前読んだ富山和彦氏の「挫折力」「胆力」を思いました。相通ずる精神構造だと思いました。

2023年11月12日

読書状況 読み終わった [2023年11月12日]

今回は、田辺聖子さんの「浅葱裏ーある日の司馬サン」を読んでいてプッと吹いてしまった。
大阪人特有の飾らない言葉の中にたっぷりユーモアがある二人のやりとり。
大阪弁の原点が凝縮されていた。
本編は、司馬さん独特のヒトの褒め方。その人自体も気づかない良さを含蓄ある言葉で綴る。
とにかく読んでいて爽やかさだけが残りました。

2024年2月12日

読書状況 読み終わった [2024年2月12日]

最後の「司馬遼太郎さんへのレクイエム」青木彰さんの司馬さんへの想いを綴った文章が印象に残りました。
司馬さんとの濃密なお別れのことが書かれていましたが、感動しました。

2023年11月7日

読書状況 読み終わった [2023年11月7日]
カテゴリ 随筆

どんなことでもいい、人間が日々、色んな思いで暮らしていることを綴って、情報発信する。
それが、文章であれ、画像であれ、一定の形になり、アウトプットする。
興味がある人がそれを眺めるだけでいい、そして、何かを感じればいい。
普通ではなかなか経験、体験できないことがあっても、しっかり、子供と接する。
子供もその姿をしっかり見ている。
清原家にとって野球は絶対的なモノだ。
その野球を通じ、新たな形、以前のような形ではないが、4人つながった。
亜希さんという人は心底肝っ玉が据わった人でした。
真に亜希さんを支えた人たちの見守りもよかったのだろう。
今後の4人のあり方もさりげなく注視しておきます(笑)。

2023年6月6日

読書状況 読み終わった [2023年6月6日]

 昭和49年(50歳~51歳)、昭和50年(51歳~52歳)、昭和51年(52歳~53歳)の間に書かれた随筆を纏めたモノである。
 司馬さんが小説などを書かれるときの基本的な考え方が書かれた箇所があった。
「文章日本語の成立と子規」の中の一節。
 私は合理的精神を社会に普遍させてゆく力は、商品経済・貨幣経済であるように思っている。
 大がかりなことをいうようでだが、聖書の世界にはすでに貨幣が存在していたし、またギリシア・ローマの社会を成立させていたのも、貨幣経済であった。
 中国にも古くからそれがあった。人類の社会はふしぎなほどに均等には進まない。中国と地つづきの朝鮮において李朝がほろぶときまで、商品経済というものがなく、物々交換の世界だった。
 日本史における生活文化は室町期において一変するのだが、そのことは南中国沿岸で盛行した貿易圏に日本が組み入れられ、江戸期は国内経済が充実したが、ただ徳川政権が基本思想としてコメ経済の立場をくずさず、都市を中心に商品経済の存立をゆるしていたにすぎない。
 日本に貨幣経済が圧倒的なかたちではじまるのは、明治4年に太政官が農民に対し、租税を金納することを命じてからである。
 このことは自作農や小地主に深刻な打撃をあたえ、明治初年における百姓一揆や士族の叛乱の主原因をなした。
 それまでの日本の農村は、自給自足を厳重な建前とした点、弥生式農耕の移入のころから原則としては変化していない。
 というようなことであるが、司馬さんが小説を書くとき一貫している価値観あんおである。
 斎藤道三、織田信長、秀吉、坂本竜馬などなど、彼らも司馬さんが想像した人物像に染められているのである(笑)。

2023年7月3日

読書状況 読み終わった [2023年7月3日]
カテゴリ 随筆

1973年2月~1974年9月の間のエッセーです。
後半は、竜馬がゆくとの関係でしょうか、土佐に関するものが多かったです。
司馬さんが好きな東北のお話し、「安藤昌益雑感」のなかで、日本人にはめずらしい「思想的存在」という概念が面白かったです。
最後にアメリカ文学者、亀井俊介氏の「司馬遼太郎の美学」という欄で、司馬作品の最初から坂の上の雲までの作品の分析が、司馬作品の深淵にせまる参考になりました。

2023年5月31日

読書状況 読み終わった [2023年5月31日]
カテゴリ 随筆

1972年4月~1973年2月の司馬さんの考えたことが掲載されています。最初が、起訴状を読んでということで、機密漏洩事件の西山記者のことでした。
起訴状を書いた検察のお品のなさを指摘、司馬さんらしい書き方でした。
後は、時々出てくる、日本の戦車のこと。そして、日露戦争のこと。
今回感銘を受けたのは、「馬齢と犬齢と猿」という民話の話でした。ハンガリー人トロクの数奇な運命の話。
最後、「司馬遼太郎と朝鮮」ということで、上田正昭氏の司馬さんの朝鮮に対する深い思いの分析が面白かったです。

2023年5月4日

読書状況 読み終わった [2023年5月4日]
カテゴリ 随筆

1970年2月から1972年4月までの随筆です。
昭和45年11月に書かれた「異常な三島事件に接して――文学論的なその死」は丁度私が大学生の時に起きた事件で、とってもインパクトのあるものでした。
司馬さんは、松陰の死とは別系列のものであり、文学論のカテゴリーにとどめるべきだとの私見を示されていた。
その12月には、「街道をゆく」連載予告がありました。
あと、旅順のこと、村田蔵六のこと、大阪城の時代、関ヶ原私観など
あの時代の雰囲気を楽しみながら読めました。

2023年4月1日

読書状況 読み終わった [2023年4月1日]
カテゴリ 随筆

昭和43年、司馬さん44歳~45歳
江藤新平、大久保利通のこと
昭和44年、司馬さん45歳~46歳
歴史の不思議さ――ある元旦の儀式
 国歌の誕生秘話が面白かった。
 アメリカの剣客――森寅雄の事歴
   会津の剣客がアメリカに渡りフェンシングでの全米を制覇した話
 春日の大杉――ある銘木屋の話
 普仏戦争と江戸幕府から明治政府の話
昭和45年、司馬さん46歳~47歳
 恩師、海音寺潮五郎への敬愛
司馬さんが書いた小説への思い、考え方が知れて面白い本です。

2023年3月6日

読書状況 読み終わった [2023年3月6日]
カテゴリ 随筆

司馬作品が生まれる同時期に生きてきた私としては、福間さんの分析は納得できる部分が多々ありました。
文学者ではない産業社会学部の教授が分析するのがよかったと思います。
史実を司馬さんなりに分析・加工し司馬作品として世に問う。
司馬史観、おおいに結構じゃないですか。
読み手も、司馬史観にここちよく酔い、自分の人生を豊かに出来ていたら、それはそれでいいと思います(笑)。

2023年2月10日

読書状況 読み終わった [2023年2月10日]

江戸時代の武家の師弟に対する教えの厳しさを改めて思いました。
家名を汚すこと無く人生をおくるための男子・女子を問わない決め事。
それに理屈無く従うという厳正なルール。会津藩の「什の掟』の最後、「ならぬことはならぬ」を思いました。
越後長岡藩は、徳川の三河以来の家来、牧野家であったということは、司馬遼太郎の「峠」で知っていました。
河井継之助と反駁した筆頭家老の娘さんであったということです。
平時であれば、依然として筆頭家老の家筋であることは、徳川家康からいただい由緒あるもののくだりが出てきていました。
そういう家系の武士の娘に対する教育、とにかく一貫しています。
だから、激動の時代、数奇な運命も堂々と乗り越えられたのでしょう。
読んでいて、爽やか、読み終わって爽やか、司馬遼太郎が激賞したのが理解できました(笑)。

2023年2月13日

読書状況 読み終わった [2023年2月13日]
カテゴリ 伝記

竜馬がゆく 国盗り物語 関ヶ原等を世に出した当時の心の動きが書かれていました。
司馬さんの考え方はいつの時代にでも妥当することが書かれており、まったく違和感がありません。

2023年1月9日

読書状況 読み終わった [2023年1月9日]
カテゴリ 随筆

竜馬がゆくを書く動機など、司馬さんが書いてきたそれぞれの小説への思いなどが解ってとても参考になりました。

2022年12月17日

読書状況 読み終わった [2022年12月17日]
カテゴリ 随筆

大阪商業大学であったシンポジウムで、藪田貫氏の講演で知った本が「武士の町 大坂」でした。
彼が、この本を書こうと構想を抱いた後、平成8年大阪文化情報センターでの講演の後、与力の家系のご婦人から、『大阪ではいつも「町人の町」といわれ、肩身の狭い思いをしてきました。今日、はじめて、自分の家に自信がついた気がします』と言われ、当該書物を著すきかっけとなったと書いておられる。
実は、私の家の菩提寺も北区同心にあり、近くの川崎東照宮があり、造幣局は、与力屋敷を壊した後に検察されたものだと知りました。
明治政府が徳川時代の武士社会を消すため、採った政策の結果が「町人の町」大阪だったという藪田の仮説ではあるが、そうかなと思ったこの本を読んだ感想です。
ということで、藪田さんの本をもう少し読んでいくことにします(笑)。

2022年12月23日

読書状況 読み終わった [2022年12月23日]
カテゴリ 歴史

若き頃の司馬さんのエッセイ、新しい魅力の発見でした。

2022年11月14日

読書状況 読み終わった [2022年11月14日]
カテゴリ 随筆

大東亜戦争末期、日本軍が採った戦法、特攻、それを命じた大西中将のお話。
大西中将の一番近いところで使えた、角田氏、門司氏の記憶、記憶を丁寧に掘り起こし、書かれた大西中将の真意を探る記録書でした。
お二人の記憶、記録をしっかり書き綴った著者のご苦労に感謝です。

2022年9月10日

読書状況 読み終わった [2022年9月10日]
カテゴリ 戦争

こんな本が出版されていることを知りませんでした(涙)。
貨幣論の岩井克人さんの最新の情報、
最高でした。
アリストテレスが貨幣の重要性、資本主義のはしりに言及していてということ。
さすが、岩井先生でした(感謝)。

2022年6月29日

読書状況 読み終わった [2022年6月29日]
カテゴリ 歴史

『死ぬことはこの世から消えてなくなることではなく、その人間が生きていた、という事実を証明するものだ、死は、人間の一生にしめ括りをつけ、その生涯を完成させるものだ、消滅ではなく完成だ』
というこの小説の本質を、主人公中藤冲也にせりふとして言わしめている山本周五郎、そして、その台詞を証明できるのが、数奇な旅をともにする「けい」さん。
「山本周五郎と私」で山本周五郎の小説の本質は浪花節だと喝破する宮本輝氏、主人公中藤冲也と「けい」さんの上質な人間と人間とのからみあいから出た冒頭の台詞、読み終わって、とっても爽やかな気持ちだかが余韻として残りました。

2022年5月23日

読書状況 読み終わった [2022年5月23日]
カテゴリ 小説
ツイートする