日本古代史を学ぶ

  • 岩波書店 (2009年2月25日発売)
3.50
  • (0)
  • (3)
  • (0)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 21
感想 : 2
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784000242615

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 大津透氏の作品は2作目。1作目『律令国家と隋唐文明』は、東アジア世界を舞台とした「日本」成立の、比類なきドキュメントだった。2作目の本作。全部で3部からなり第1部『日本古代史を学ぶ』はタイトルと同名だが、著者が岩波書店の編集から頼まれ日本古代史の現在の研究状況や課題がわかる文章を60枚ほど書いたものを基礎にした文章である。第2部『古代国家への視角』は既発表のうち、個別の論文でない、広い視野での概観ないし研究の整理のような文章を集めている。個人的にはこの2部が一番難解だった。そして第3部『古代日本文化と東アジア世界』は7世紀から10世紀にわたる古代日本の文明化過程を、東アジア世界の豊かな文化交流史として描いて、古代史の魅力をあますところなく示した、著者のジュネーブ大学での講義を収める。著者もあとがきでいっているがこの第3部は外国人の日本史専攻の学生むけなのでわりととっつきやすい。研究入門のような堅苦しいものが億劫な人は第3部から読むと良い。というわけで難易度からいうと第3部→第1部→第2部の順で難しくなるので、この順で読んでもいいし、第3部だけでも十分に読む価値ありだ。詳細→
    https://takeshi3017.chu.jp/file10/naiyou29002.html

  • 古代史研究の現在の状況について、初学者向けに書かれたサーヴェイ的な性格をもつ、著者の論文や講演などをまとめた本です。

    本書は三部構成となっていますが、初学者にとって一番とっつきやすいのは、著者がジュネーヴ大学でおこなった講義の記録である第三部です。ここでは、とくに中国を中心とする東アジアの世界の秩序のなかで、冊封体制から離れた日本がどのように自国のアイデンティティを形成してきたのかということに焦点があてられて、古代史の流れが叙述されています。また後半では、律令体制における政治的および財政的構造についての著者自身の研究成果などが簡潔にまとめられています。

    第一部と第二部は、著者がこれまで発表してきた論考などをまとめています。とくに第一部「日本古代史を学ぶ」は、この分野を学びはじめた学生などが読者として想定されている文章で、石母田正の『日本の古代国家』以来の古代史研究の諸成果がわかりやすくまとめられており、初学者にとってはたいへん有益な内容になっています。

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

1960年東京生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科教授。主要な著書に『日本の歴史06 道長と宮廷社会』(講談社学術文庫、2009年)、『律令国家と隋唐文明』(岩波新書、2020年)、『藤原道長 摂関期の政治と文化』(山川出版社、2022年)など。

「2023年 『藤原道長』 で使われていた紹介文から引用しています。」

大津透の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×