- Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
- / ISBN・EAN: 9784001141627
感想・レビュー・書評
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読み始めたかなり早い段階で、「消えた王子」とマルコ親子の関係はあっさりと予想できちゃう書き込み方満載で、そういう意味ではどんでん返し的な楽しみはほとんどない物語ではあるし、プロット的には臭さも目立つ作品ではあるけれど、さすがバーネット夫人の作品だなぁと感じるのは、当時のイギリスの実像を物語の中で精緻に描いているあたり・・・・でしょうか。
元はと言えばロンドンの貧民街に暮らす浮浪児同然のラットが足が不自由であるにも関わらず、浮浪児仲間を集めて軍事教練に励んでいるくだりなどは、第一次世界大戦が間近に迫っている当時のロンドンでは普通に見られた光景だったかもしれないし、そういう恵まれない子供であればあるほど、尊敬できる上官に仕え、自己犠牲も厭わない、そんな下僕を志したりするのも、リアリティがあるように感じました。
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あぁ、やっぱり、バーネットは面白い。『秘密の花園』が大すきだけれど、こちらも夢中で読んだ。
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浪漫溢れる主題、タイトルだけでも何か始まる予感がします。
素晴らしいのは、中世ヨーロッパの世界観と、近代のイギリスの路地裏がオーバーラップする、その交叉点にある。いかにも日常らしい薄暗い路地裏と、消えた亡国の王子が共存する瞬間に、何とも言えず想像力をかき立てられる。 -
バーネットらしい筋立てです。期待を裏切らない予想通りの結果。子どもたちにはどうなんだろう?こんなにいい子だと読んでくれるかなあ?生まれながらにもっている身分のようなものにちょっと違和感。
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「秘密の花園」が大好き。その著者がこういう本も書いてたんだ。主人公の少年が、託された使命に心燃やして自分を発見していくというストーリーは王道かもしれないけれど、わたしはやっぱり好きだなぁ。訳も美しい。