アースシーの風: ゲド戦記 6 (岩波少年文庫 593 ゲド戦記 6)

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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001145939

感想・レビュー・書評

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  • 最後まで読んでようやく面白さがわかったのと、やっと解放される喜びと。

    ゲド戦記は、ファンタジーだからといって特別ワクワクするわけでもないし、魔法使いが出てくるからといって勇敢で立派なわけでもない。
    でもこれは現実社会にも通ずるところであって、人間は愚かなんだということを痛烈に伝えているように感じた。そしてそれでも生きていくんだということも。
    多くの人が哲学書のようだというのも納得です。

    最終巻はいままでの登場人物たちがロークへ集結していくまでの過程が面白かったものの、これも毎度のことだが、肝心の盛りあがるべきところでは妙にあっさりした展開に不完全燃焼。
    でもいつもこんな感じだったから、きっとこういうものなんだと諦め半分で読み終えました。

    時間はかかったけど読んでよかった...たぶん。

  • 読む力が落ちてきていて、物語の情景をありありと描けなくなっているのを感じる。
    ちょっと無理をしながら、時にこの人誰だっけと諦めながら読み進めた。
    失うことは得ること。
    裏と表の存在。世界は均衡。
    愛おしい日常。そばにいる大切な人。
    そんなメッセージを受け取った。読めてよかった。

  • 第5巻の『外伝』を除いて、これが最終巻とのことだが、やはり蛇足のような印象は否めない。第3巻までで物語を閉じたほうが自然であったろう。

  • 面白かった〜!最後にふさわしい感じだった。ゲド戦記シリーズなんだけど、ゲドはもうクモを倒すのに力を使い果たしたからただのおじいさんで、今回こそ本当になんの活躍もないどころかほぼ話にも出てこなくてそれが悲しい。でも良い感じに完結してくれて満足感。テハヌーはようやく竜になり、レバンネンは最高の伴侶を見つけ、アイリアンも出てきたし、割と大集合な感じ。人と竜は昔ひとつであったが、それぞれ求めるものが異なり、やがて分かれていった。魔法使いという人と竜の中間的な力を持つ者が現れ、死から逃れたいと願い、石垣を作ってしまった。そこでは亡くなった人の魂は浄化されず、永遠に感情もなく彷徨い続けてしまう。
    石垣は壊され、竜は西へ飛び、人と永遠に決別した。魔法はきっと、まだ生きてるのかな?
    やがてまた、邪な考えを持つ人間、魔法使いが現れて繰り返すのでは?と思ったりもするし、次の大賢人は誰がなる?そもそも大賢人やロークの制度は続くのか?など疑問は残るけど、ひとまずゲドの冒険とゲドの周りの人たちのストーリーはめでたく完結、ということですね。
    全体を通して、人の欲、男女間の性差やお互いに分かり合えない部分、愛、友情、魂の高潔さ、結構普遍的なテーマを感じられて考えさせられつつ、ストーリーに魅了された。大人向けファンタジーであることは間違いない。

  • ゲド戦記の最後の作品。
    死とは、永遠の命とは何なのか、レバンネンやテナー、ハンノキらはさぐっていきます。アーキペラゴの人々は、死後、石垣のむこうで永遠に生き続け、カルカド帝国の人は、生まれ変わることによって永遠に生き続けるという、テナーが感じた生死観の違いのなぞも、竜と人間の関係があかされ、解かれていきました。

著者プロフィール

アーシュラ・クローバー・ル=グウィン(Ursula K. Le Guin)
1929年10月21日-2018年1月22日
ル・グィン、ル=グインとも表記される。1929年、アメリカのカリフォルニア州バークレー生まれ。1958年頃から著作活動を始め、1962年短編「四月は巴里」で作家としてデビュー。1969年の長編『闇の左手』でヒューゴー賞とネビュラ賞を同時受賞。1974年『所有せざる人々』でもヒューゴー賞とネビュラ賞を同時受賞。通算で、ヒューゴー賞は5度、ネビュラ賞は6度受賞している。またローカス賞も19回受賞。ほか、ボストン・グローブ=ホーン・ブック賞、ニューベリー・オナー・ブック賞、全米図書賞児童文学部門、Lewis Carroll Shelf Awardフェニックス賞・オナー賞、世界幻想文学大賞なども受賞。
代表作『ゲド戦記』シリーズは、スタジオジブリによって日本で映画化された。
(2018年5月10日最終更新)

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