アースシーの風: ゲド戦記 6 (岩波少年文庫 593 ゲド戦記 6)
- 岩波書店 (2009年3月17日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784001145939
感想・レビュー・書評
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最後まで読んでようやく面白さがわかったのと、やっと解放される喜びと。
ゲド戦記は、ファンタジーだからといって特別ワクワクするわけでもないし、魔法使いが出てくるからといって勇敢で立派なわけでもない。
でもこれは現実社会にも通ずるところであって、人間は愚かなんだということを痛烈に伝えているように感じた。そしてそれでも生きていくんだということも。
多くの人が哲学書のようだというのも納得です。
最終巻はいままでの登場人物たちがロークへ集結していくまでの過程が面白かったものの、これも毎度のことだが、肝心の盛りあがるべきところでは妙にあっさりした展開に不完全燃焼。
でもいつもこんな感じだったから、きっとこういうものなんだと諦め半分で読み終えました。
時間はかかったけど読んでよかった...たぶん。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読む力が落ちてきていて、物語の情景をありありと描けなくなっているのを感じる。
ちょっと無理をしながら、時にこの人誰だっけと諦めながら読み進めた。
失うことは得ること。
裏と表の存在。世界は均衡。
愛おしい日常。そばにいる大切な人。
そんなメッセージを受け取った。読めてよかった。 -
第5巻の『外伝』を除いて、これが最終巻とのことだが、やはり蛇足のような印象は否めない。第3巻までで物語を閉じたほうが自然であったろう。
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ゲド戦記の最後の作品。
死とは、永遠の命とは何なのか、レバンネンやテナー、ハンノキらはさぐっていきます。アーキペラゴの人々は、死後、石垣のむこうで永遠に生き続け、カルカド帝国の人は、生まれ変わることによって永遠に生き続けるという、テナーが感じた生死観の違いのなぞも、竜と人間の関係があかされ、解かれていきました。