- Amazon.co.jp ・本 (623ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003253144
感想・レビュー・書評
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ひたすらに冗長だと思って読み進めていた蘊蓄部分がどんどん主筋に絡められていき、ストーリーに深みを持たせているあたりがなんとも奇妙な感覚。
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最後は涙止まらなくなりました。
うまく説明できないけれど、この作品が長く愛され続けている理由がわかった気がします。
読めてよかった、出会えてよかった。
ジャンヴァルジャン、凄く好きです。 -
映画を見たとき、ジャヴェルが自殺する動機がいまいちよく分からなかったが、原作を読んで納得。
フランス革命の頃のフランスの風土、文化、政治、民俗などが非常に濃厚に描かれ、読者は引っ張りこまれる。
エポニーヌの死の場面、ジャヴェルが自殺に至る心理、コゼットの服に泣き崩れるジャン・ヴァルジャンなど、原作にしかない場面こそ、この小説の白眉だと思う。
(2015.5) -
当時の社会情勢もわかる。
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全体を通じて。
薀蓄が長いところがやや気になるが、物語としては最高。
マリユスがテナルディエと初対面し、全てを知るところから大団円に迎えるところは素晴らしい。 -
4巻は一気.3巻までのレビューで「長い」とか「要らない情報が多すぎる」とか書いて,ほんま,すんませんでした.4巻の特に後ろ半分は涙,涙です.ああ,ジャン・バルジャン!
これまで色々張り巡らされたラインが,全部最後に終点へと結実するという点で,爽快であるし,読み止まらない.こうして読了してみると,長々と説明されていた当時の風俗や,政治の状況なども,全部必要な情報だったように思えてきた.それから,ナポレオンとその後の一連の革命は,人類史上において極めて重大な事件です.
しかし,「戦争と平和」を読んだときにも思ったんだけど,こういういわゆる名作っていうのは,文学史上に偉大な足跡を残していて,後の時代っていうのは,それらの影響から免れられないんだなあ,とつくづく感じました. -
読む機会を持てずにいたが映画に刺激を受けようやく読破。フランス古典らしいさすがの人間ドラマと舞台背景の面白さで、映画で得たストーリー知識をリセットしたいと何度も思わされる内容の濃さだった。誰しも銀の燭台を心に持ち続けられる強さがあれば、と思う一方でテナルディエもまた憎みきることができない。人の強さや高潔さ、信仰心というものに自ずと頭が垂れるような作品でありながら同時に人の弱さの魅力をもまた描ききっている点が味わい深い。
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読み終わると「すー」っと心が洗われた感じがした。
ラスト150ページくらいは夢中で読んだ。
テナルディエは悪党だけどそれも1巻からの伏線となっていてラストクライマックスで「そんな働きすんの」と驚いた。
「惨めなる人々」とは抽象的に指す人々のことではなく「ジャンヴァルジャン」そのものだった。ジャンヴァルジャンを通じて”レミゼラブル”を表現していた。小説だから題名と主人公で物語を書いていくことは当たり前なのだが、ペンで社会と勝負する人の力とかかっこよさとかを感じた。小説もいろいろあるけど、ただ楽しみのために読む小説ではなく、思想があり主張がある小説の方が好きだなと思った。
誠実を極めればドラマになる。人生でもっかい必ず読もう。この本は字も多いし大変だけど絶対挑戦した方がいい一書です!! -
マリユスの祖父の心の変化などがとても印象に残りました。
マリウスの祖父がガボットを踊り、唄っている挿絵があるのですが。
この絵を見て、笑い、文章を読んで泣けました。
人間の心の描き方にひたすら感動するばかりです。
愛し、愛されるために生まれてきたと知ってるのに、
うまくそれができない、そんな当たり前の日常が沢山描かれている。
昔も今もかわりませんね。
そんなあまりにも微笑ましい挿し絵410ページ「100歳爺さんのガボットと歌」孫の生還、回復に踊りだしたおじいさんに涙が出たよ。
ユゴーってほんますごいわ!