シンセミア(下)

著者 :
  • 朝日新聞社
3.70
  • (56)
  • (43)
  • (94)
  • (2)
  • (6)
本棚登録 : 408
感想 : 48
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022578716

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • いろんな突拍子もない出来事が起こりまくり、この話は一体どこへ到着するのかと思いながら読み進めていたが、見事に着地。人間の汚い部分がこれでもかとばかりにあらわにされていた。滑稽さにくすっと笑ってしまうこともしばしば。ホラばかり吹いていると思っていた星谷影生が特に印象深い。

  • 悪者は、ほぼ駆逐されたようなので、よかったです。続きのピストルズも読む予定です。

  • この世界観はすごかった。

  • 文体が硬かったり、かと思うと急に動的になるのでいつもより時間をかけて読んだと思う。終盤は引き込まれっきりで読むスピードが最後まで落ちなかった。
    出てくる人物がどの人物も憎めないのに、やってることはあくどいww
    星谷影生あたりを書くときは特に作者は楽しかっただろうな、と思う。
    あと神話的だけど、救いは(松尾夫婦を除いて)ないっていうのが特徴なのかな。最後の阿部本人になりすました金森年生が不気味だ……

  • 登場人物が多くて、話が広がる広がる。
    文学的な深みにやや欠けるところもあろうかと思われるが、
    かなりの力作である「神町サーガ」の第 1 部(?)。
    片田舎の閉鎖社会に暮らす人達の、
    ダークな部分が相互作用・干渉作用を起こし、
    崩壊へとひた走ってゆく。
    途中 David Lynch の Twin Peaks を少し思い起こしてしまった。

    2004 年 第 58 回毎日出版文化賞受賞作品。
    2004 年 第 15 回伊藤整文学賞受賞作品。

  • 10/18
    力量を感じさせる。
    が、やっぱり気持ち悪いんだよなー。
    真の読書体験が既存の世界観の破壊だとしても、愛読したくはない。

  • そのパワーにただ圧倒される。
    からまってころがって大きくなりつづけて、かけぬける。

    全然癒されないけど、根源的で泥っぽくて、嫌いなタッチではない。

  • じゅるじゅる。
    良い名。

  • 驚きの結末。最後に方なるにつれて視点がころころと入れ替わり、切迫感があった気がする。相変わらず、登場人物を好きにはなれないが。

  • というのは、彼の作品は、中上健次、村上春樹の作品を意識しながらも、あたかもそれが存在していなくても書かれうるようなたたずまいをもつに至ったからだ。この作品を書き上げた余勢でつい書いてしまった『グランド・フィナーレ』で芥川賞を取ったたことは、阿部氏にとっては不名誉な事実だろう。彼のような作家は、芥川賞なしでやってこそ輝くはずだかた。しかし、今や芥川賞は、その程度の制度的な意味さえも失い、完全に市場原理に組み込まれているのだから、ひねくれた見方をすることもなく、宝くじの三等賞くらいが当たった程度に喜べばよいのかもしれない。
    この作品、最後急ぎすぎているので、下巻は星四つ。

著者プロフィール

1968年生まれ。1994年「アメリカの夜」で群像新人賞を受賞しデビュー。1997年の『インディビジュアル・プロジェクション』で注目を集める。2004年、大作『シンセミア』で第15回伊藤整文学賞、第58回毎日出版文化賞、2005年『グランド・フィナーレ』で第132回芥川賞受賞。『シンセミア』を始めとした「神町」を舞台とする諸作品には設定上の繋がりや仕掛けがあり、「神町サーガ」を形成する構想となっている。その他の著書に『ニッポニアニッポン』『プラスティック・ソウル』『ミステリアスセッティング』『ABC 阿部和重初期作品集』など。

「2011年 『小説家の饒舌 12のトーク・セッション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

阿部和重の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
奥田 英朗
松尾 スズキ
阿部 和重
伊坂 幸太郎
伊坂 幸太郎
ボリス ヴィアン
三崎 亜記
阿部 和重
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×