悪医 (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
4.01
  • (41)
  • (70)
  • (25)
  • (6)
  • (1)
本棚登録 : 525
感想 : 57
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022648426

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 2017 6/30

  • 913
    3/9の選書ツアーにて購入

  • 医師だからこそ書ける小説というものがあるけど、コレはまさにそう!
    「末期がんで手の施しようがない」という状況を、医師と患者両方の目線から描いたもの。医師は「これ以上の治療は命を縮めるだけだから、あとは治療をせず好きなことをして生きなさい」と言う。対して患者は「それは死ねと言われたのと同じ。何としても、どれだけ苦しくても、治療を続けて欲しい」と願う。本当に、本当に現実にたくさんある話なんだろう。
    患者の小仲は意地悪い人間のように描かれてるけど、コレは普通の反応だと思う。私だって医者にこんな風に言われたら、突き放されたとしか思えない。
    でも医療の現場にいる久坂部さんがこう書くのであれば、本当に「命を縮める治療」は存在するんだろう。
    とにかく治療してくれる病院を求めて彷徨う小仲と、こういう状況でどうしたらいいのか悩み続ける医師・森川。
    重い…正解は多分存在しない問題をひたすらに問い続ける小説だった。これはがんになる前に、多くの人が読んでおく価値があるんじゃないかなあ。
    私はメンタルがとにかく弱く、「癌になった」という事実だけで死にそうなタイプなので(笑)、きっと小仲みたいに泣き縋るだろうな。

全57件中 51 - 57件を表示

著者プロフィール

医師・作家・大阪人間科学大学教授

「2016年 『とまどう男たち―死に方編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

久坂部羊の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
辻村 深月
ピエール ルメー...
米澤 穂信
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×