- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022648426
感想・レビュー・書評
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自分だったらどうだろうと考えさせられた。
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医者と末期ガンの患者。共に違う土壌に立つのだから、分かり合うことはないのかもしれない。
医者はどこまで患者に寄り添えばいいのか、患者はどこまで生にしがみつけば良いのか。
患者の病気を治したくない医者はいないと思うし、死ぬまで苦しんでいたいと思う患者もいないと思う。
交通事故でなくなる人も、若くてなくなる人もいる。ひとが亡くなるって、やっぱり理不尽なことだなと思う。
ブラックジャックはやっぱりいないのかな。 -
決して答えのない,しかし避けて通ることのできない末期がんへの姿勢を,医師と患者の2視点から描ききる.患者の希望とは病気が治ることだけではない,という一文に全てが語られている.このような一言が医師から紡がれたことに,言いようのない感動が突き上げる.
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余命宣告された52歳の末期がん患者は、「もう治療法がない」と告げた若き外科医を恨み、セカンドオピニオン、新たな抗がん剤、免疫細胞療法、ホスピスへと流浪する。2人に1人ががんになる時代、「悪い医者」とは何かを問う、第3回日本医療小説大賞受賞の衝撃作。
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僕自身、末期がんなどの終末医療に携る医療者がどのように患者さんと接するのか気になっていたためこの本を手に取りました。
頭では理解していても、死への恐怖は克服など到底不可能なのだろうなと改めて思いました。
何よりも、ここではどのようにするのが正解とかは具体的にはなく、小説ありきなハッピーエンドもなく現実味があります。
医療を学ぶ身として、本当に自分がいつ死ぬかは分からないものなのだと実感します。
だからこそ、今を生きていくしかないのだと。
そしたら後悔しないとかではないのだけれど。
死とは永遠のテーマですね -
阪大医学部卒、外務省の医務官を9年務めた経験が光る作風の著者。今回はがん治療がテーマ。
医療については素人な自分は「抗がん剤って癌を“治す”ものじゃない」という一節に驚愕した。多分そういう基本認識のすれ違いは患者として医療に向き合う際にミゾを作りやすい部分なんだろうな、と実感。
医者と患者の溝は埋まらないのか、歩み寄れるのか悩むところだけど、両者とも人間なわけで、尊厳を忘れない対応を心掛けないといけないなと思えた。
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身内が癌になって、一切のがん治療を自分から断って亡くなったので、心に響きすぎる内容だった。
癌になって、標準治療が効かなくなった後、自分だったらどうするかな。
どういう形にせよ、自分で道を決めて、やり切ることが大切なんだと思う。 -
何もかもが共感させられる。ものすごくリアル。医療者側の気持ちも生活も悩みも、患者側の気持ちも病状の描写も両者全てにおいて。何が正しいのか安易な正解も示されていないところがなんとも現実的。現実はとっても複雑だから。そういうのがそのまま描かれておりぐさぐさきました。