自衛隊メンタル教官が教える 心の疲れをとる技術 (朝日新書)

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  • 朝日新聞出版
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  • / ISBN・EAN: 9784022734907

感想・レビュー・書評

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  • ●→本文引用

    ●大人は体力・知力の飛躍的な伸びはない。今の「自分」を愛し、認め、上手に使いこなす能力が必要になる。また、世の中は、不公平や不平等、理不尽にあふれ、努力しても、報われないことが多い。それでも、めげずに、生きていかなければならない。
    ●リーダーシップに、これをやれば必ずうまくいくという正解はない。本(本書を含めて)などに書かれている情報は真実ではなく、単なるその人(著者)のコツである、と割り切る必要がある。合うところは活用し、合わないところは、受け入れないという冷静さが必要だ。

  • 説得力ある。
    どうすれば良いのかまで、しっかり書いてある。実務で身に付けた生身の人間へのアプローチ。
    でも、既に具合の良くない人は、気を付けて読んだほうが良いかも。
    ストライクすぎて、疲れる?かも。

  • 人一倍頑張っている人の心が,折れてしまう…。精神的疲労は自分自身にも周囲の人にも理解されにくいので,「ムリ」が蓄積して限界を越えてしまう。休むことに罪悪感を抱いてしまう人はぜひご一読を。また心の疲れの原因となる「怒り」などの強い感情のコントロール法もあり。

  • 陸自でメンタルヘルス幹部として勤務した経験をもとに、ムリ、ムダ、ムラの3点から、精神的な疲労のコントロール法について述べる。
    真面目な人間がムリを続かなくなってしまうのは実体験としてもあるし、感情のムダである怒りのコントロールも自分自身にとっても重要であるし、ムラのある部下をどうするかというところでもタイムリーに勉強になった。
    一番大事なのは適切なタイミングで休むこと。これは今後も変わらない信念だな。

  • うつなどの原因は疲労蓄積であり、この疲労蓄積は意外と気づきにくいという点にはとても共感できる。
    したがって、比較的高評価としたが、内容に目新しい点が少なく、人によっては内容に物足りなさを感じるかもしれない。

  • とても参考になりました。
    自衛隊がメンタルケアに凄く力を入れているような事をテレビで見たので読んで見ました。新型うつの不可解に思うような事を上手く表現していて、理解が進む感じです。
    自分が経験したメンタル不調もしっくりくる感じがします。どうしても頑張ってしまう気持ちを子供の心の強さと表現し、それを続けることでポッキリ折れる感じが絶妙な表現に思えました。

  • ◆きっかけ
    ブクログ。タイムラインに『鏡の法則』のレビューが出てき出て覗いたedogawaさんの本棚より。2017/5/29

  • 1.自身がつく体験をさせる、目に見える形で残るもの
    2.休日の予定を平日の間に立てる

  • 自衛隊のメンタル技術。一番過酷な現場の一つである自衛隊でのメンタルヘルスマネジメントは参考になる。

  • 自分の身に思い当たること多数。計画的な休養が必要と教えている。

  • チンギスハンは人より体力のある人ではなく、人並みの体力である人を意識してリーダーとした。それは、人の気持ちがわかるから。
    感情は生命維持にかかわる反応のため、現代社会では無駄、過剰反応としている。エネルギーを消費しすぎる。
    人生は長期戦なので、子どもの頃の短期戦の戦い方ではいけない。
    大きなストレスの後には1カ月休み、その後3か月は自己の能力向上に努める期間とする。

  • ストレスがかかって潰れそうな状況とは、どういう状況なのか。そこに陥らないために事前の各ステップで何に気をかけておくべきなのか、等。ムリ・ムダ・ムラを避けるための要諦を。

  • 自衛隊のメンタル教官が筆者ということで、職場における心の異常について客観的な視点で書かれていてきっと良い内容なのだと思う。
    しかし、メンタルの異常な状態から抜け出たい私にはあまり合っていないと感じる。

  • ムリ、ムダ、ムラの3点から、疲労コントロールの方法を説明した本。まず、肉体的な疲労をためないようにすることが大事、ということが述べられていて、納得しやすいポイントが多い。

    ムリをためやすい人は「子供の心の強さ」(我慢する、あきらめない、全部する、1人でする)しかなく、「大人の心の強さ」(今の「自分」を愛し、認め、上手に使いこなす能力)がたりない、とのこと。たしかにな、、、と思いました。なんでも努力だけで解決はできない、ですものね。

    他にも多数あてはまるところがあったので、改めて気をつけようと思いました。

    また、リーダーのあり方についても述べられていて、それも興味深いです。今の時代、リーダーが、部下のモチベーション・マネジメント、メンタルコントロールを意識することも大事ですね。

  • なぜ心が疲れてしまうのか。どうして人は潰れてしまうのか。 それはムリしてしまっているからです。 ムリせず生きていくために、そして心の疲労を見逃さないようにするために、どうすればいいのかと言うのを過酷な環境に置かれる自衛隊隊員のメンタルケアを行う筆者が綴る本です。 心が疲れている人だけではなく、企業のリーダーや経営者にも是非よんでみて、社員のメンタルケアを考えて欲しい一冊です。

  • * 著者が自衛隊で教えている疲労コントロールの方法を解説している。
    * 個人だけでなく、組織や上司としての対応方法も書かれている。
    * > 休養することは、頑張ることと同じ、いやそれ以上に必要な「仕事」なのだ(p.5)
    * > 苦境に陥っているのは、ムリをしたせいなのだ。だからもとに戻るためには、努力することではなく、休むことが必要なのだ(p.92)※傍点省略
    * > もし、リーダーが部下の話を聞くことを億劫がったり、無視したり、むげに扱ったりすると、次から部下は、表現しなくなる。そちらのほうがよほど怖い(p.116)
    * > もっと大きな視野で、違う職場で本人の能力に応じた人生を歩ませてあげるのもこれまた上司の務めだろう(p.117)
    * > スケジュールにせよ、人数にせよ、ぎりぎりの状態でやっていると、少し状況に変化が訪れた時、簡単にムリの状態に陥る(p.193)
    * > モチベーションの維持の基本は、体調管理だ。早寝早起き、睡眠はマストとして教えている(p.208)

  • 201611/

    ムリが溜まった部下は、そのことを隠そうとする。上司は気づいても、部下に変な気を遣って、対処が遅れることがある。実は、それがもっとも部下本人の利益を損ねるのだ。というのも、ムリの第2から第3段階にいる時間は、本人のその後の人生に大きな影響を与えてしまうからだ。/

    ムリを防ぐという観点で注意しなければいけないのは、「小さなムリは当たり前だが、大きなムリはしっかり予防する」という態度だ。/

    そもそもリーダーには、グループを率いて、もっとも高いパフォーマンスをあげる事が求められている。重要な事項を決定することだけが、リーダーの役割だと考えている人もいるが、大きな間違いだ。/

    チンギスハンが指揮官を選んだ基準:「人並みの体力である事」を重視して、指揮官を選んだ。
    というのも、体力のある指揮官は、自分のペースで移動する。ついていけない兵が増え、結局いざというときに、軍隊としてまとまった戦闘力を発揮できなくなってしまう。/

    国防を担う陸上自衛隊では、「必ず達成すべき目標」と、「達成することが望ましい目標」という2段階の目標設定をしている。
    必ず達成すべき目標は、文字のごとく、最低合格ライン。最低でも合格は合格。まずは、そこを確保できるように準備し、活動していく。
    ただ、戦いには相手があり、状況はどんどん変化していく。相手がミスをすれば、それにつけ込むのが戦いの鉄則だ。
    しかし、急に追加目標を示しても、そこに向かう準備が整っていなければ、結局、上手く行動できないことが多い。
    だから、そのようなラッキーな条件に備え、あらかじめそれを最大限活用できるような準備をしておくのだ。/

    弱音を吐く、というのはそんなに悪い事だろうか。そのような人は、情報を提供してくれるので、適切に対処しさえすれば、無理の大破局には至らない/

    自分の苦境を、表現してくれることはありがたい事だと思うべきだ。/

    第2段階のムリの時点で、本人がなんとか、自分の苦境を表現してくれるための3つのポイント:
    ①言い出せる知恵の提供
    ②言い出せるきっかけづくり
    ③言い出しやすい雰囲気づくり/

  • 「怒り」=「感情のムダ」という概念がとても新鮮。
    もともと、職場環境の変化から「心の疲れ」を感じていて読み始めた本だったのだけど、変化によるストレスだけでなく、常日頃感じている「怒り」という感情も心の疲れを増幅させるものだったなんて。「怒り」を我慢するのはストレスを増長するのかと思っていたけど、自分の中で「怒り」を落ち着かせる(というか、私は「怒りをいなす」という風に感じたんだけど、そういった)ことがストレスを最低限に抑える方法なんだそうだ。
    「怒り」は職場だけでなく、通勤中も家庭でも、いつでもどこでも感じるもの。
    いつか「あなたが怒っているところ、見たことない」って言われるようになりたい。そのときこそ、「感情のムダ」から開放されるときなのかも。

  • ライフイベントごとのストレスの点数化、ストレスの年間行事予定表など、可視化することで、ストレスも体力とかと同じようにココから先はやばい、と認識しやすくする工夫については納得。
    2倍モード、3倍モードになる前に、対処。
    現代人は無理しすぎですね。
    わーままとして、育児も家事も仕事も頑張りたい!と思っているので、こういう本は3ヶ月に1回くらい読むと立ち止まって気づきが得られて良いかも。

  • 自衛隊の人が書くメンタル本ということで期待してたけど、それほど目新しいことは書いてなかった。
    結局流し読みになってしまったので、ちゃんと読めばまた違った感想になるかも。

  • 実践に基づいた役に立ちそうな技術
    が詰まっていました。蓄積疲労には
    前もって休息を計画することが必要
    など、参考になりました。

  • 経験則的な見地からの説明が多いためか,納得しやすい。
    精神医学や心理学的見地からの裏づけがどうなのかは気になるところ。

    ムリ・ムダ・ムラの3つの観点から,ストレスの分析と対策を考える。

    特に重要なのは3段階の「ムリ」について。
    同じ出来事でも,2段階目は2倍,3段階目は3倍のストレスがかかる。

    ・EEI(Essential Element of Information)の利用…相手の行動を読んで,もしそうならどんな変化が見えるだろうかと予測し,その変化に注目して情報収集する。→もしかしたらムリが来ている,疲れているかもと考えて,どんな変化があるかを想像し,その変化を探してみる(58頁以下)
    ・「方針変更」ではなく「追加」と考える…がんばる自分を捨てる必要はないが,状況に応じて「頑張らない」という選択もできるようにする(62頁)。
    ・「目標の7~3バランス」…80点や90点を出してはいけない(63頁以下)。価値観の修正トレーニング。
    ・複数のストレス解消法を準備すること…「動」と「静」のストレス解消法がある。第2段階以降は,「動」の解消法は疲労が大きく,ムリが深まるのでやめるべき。夜更かしも同様(75頁以下)。
    ・「性格を直そうとしない」…休ませてムリから回復すれば,自然に性格が良くなる(もとにもどる)。周囲に指摘され,「自分が変わらなきゃ」と納得するほど,実際には動けない現実の自分とのギャップが大きくなる(91頁以下)。
    ・「業務を並べたスケジュール表の中に,疲労回復の時間を”あらかじめ”確保しておくこと」(191頁)
    ・「昨日の振り返り」…良い所を三つ,悪いところを一つ挙げる。自分の行動評価も「7:3バランス」で行う(208頁以下)。

    「日本人は農耕民族だから~」的な説明はあまり好きじゃないな。

  • 長期戦を戦うために必要なこと2つ
    1組織力
    2疲労のコントロール
    「ムリ・ムダ・ムラ」を避ける

    ムリを称える日本社会
    ムリを重ねる人の共通点
    <個人>1身体 2人間関係 3行動 4心
    ムリをためやすい人~子どもの心の強さしかない
    がんばる自分が好き
    ~短期的

    心の強さには2つある
    1子どもの心の強さ
    2大人の心の強さ

    1=我慢する、あきらめない、全部やる、一人でやる、完全にやる
    2=今の自分を愛し、認め、上手に使いこなす能力が必要
    状況に応じて柔軟に考え、バランスを取っていく

    ムリを自覚しにくい4つの理由
    1苦しさを麻痺させるシステム
    2疲労の室 漠然としている(脳や感情の疲労)
    3比較によって評価する癖~周囲との比較で自分の状況を把握しようとする
    4疲労による負担感の変化~憑かれていると同じ事でもエネルギーを要する

    自分のせいにするのは、厳しい選択ではなく、短期的な一番楽な解決法


    ストレスには2種類ある
    1エネルギー苦
    2不快感情の苦



    個人のムリの防ぎ方

    ムリをすることが好き
    ~頑張らない自分を認める=価値観の修正トレーニング

    ストレスの解消法
    <動>何かの行動
    <静>話をする

    生きるために必要な3つの自信
    1できるという自信
    2自分の身体や頭脳の機能に対する自信
    3周囲に受け入れられるという自信
     例)自分が集団に守られているとかんじられないでいる人ほど休むのが怖い

    2章 感情のムダ遣いを防ぐ
    ムダとは:能力に比べて作業量が少ない場合。能力を有効に発揮していないこと。至言や能力を有効に使えていないこと。

    感情は大量のエネルギーを消費する
    感情の無駄遣いは、雪だるま式に増える

    価値観の未熟さ
    1他人や世の中を変えられると思っている
    2自分は周囲から大切に扱われるべきものと思っている
    3努力すれば必ず報われると思っている
    4正義は必ず勝つと思っている

    感情のムダ遣いを減らす方法
    1感情との付き合い方の練習
    2過剰な防衛的(被害的)な視点を緩めること
    3自信をつける

    怒りのメリット
    自分の利権を確保する
    相手に反省と学習の機会を与える
    攻撃する勇気が湧く

    デメリット
    血圧が上がり、身体を傷める
    過剰攻撃
    相手を委縮させ、相手の思考を止める
    敵を増やし、自分で自分の環境を厳しくする
    長くうらまれる
    長引くと憑かれる

    「自分のやっていることは正しい」

    コントロールする方法
    1距離を取る
    2呼吸、背伸びする(身体の間合いを切る)
    3怒りの必要性を分析する
    4七つの支店による冷静な状況の見直し
     1自分目線 どうして自分はおこっているのか
     2相手目線 
     3第三者目線
     4時間目線 過去、現在、未来で考える
     5宇宙目背
     6感謝目線
     7ユーモア目線
    5怒る前に怒りのイメージトレーニングをする
    6理想的な怒り方をしているモデルを探す
    7記憶の棚にしまう

    感情のコントロール訓練は自信を育てる

    3章 ムラのある人からの脱却
    ムラのパターン
    1三日坊主
    2エネルギー不足

    自分の行動評価も7:3 満足7:不満3


    神よ 私たちに
    変えられるものを変える勇気と、
    変えられるものを受け入れる冷静さと
    その二つを見極める知恵を与えたまえ  神学者ニーバー

  • 借りたもの。
    自衛隊の産業カウンセラーの視点。
    しかし、一般に向けて書かれているためか、特殊な事は何もない。
    日本の現代社会における、うつ病の発生の傾向を、現場の経験から紐解いている。
    「新型うつ」について詳しくないので分からないが、うつについて、心の蓄積疲労と解釈。

    その原因は、よく指摘されている日本の働き方の構造にも問題があるのだろうが……
    発生のメカニズムを「ムリ」「ムダ」「ムラ」の3つの要点にまとめ解説。

    自衛隊は入隊当初から「適切な工具を使え」「ムリな力を加えるな」を叩き込まれる、人も然りだと冒頭にあったが、311の時は隊員にムリをさせたと巻末に書いていた。
    世知辛い世の中……

  • この手のタイトル新書の中では視点がおもしろかった。

  • 【生き方】心の疲れをとる技術/下園壮太/20151212(128/412)<239/27007>
    ◆きっかけ
    ・日経広告

    ◆感想
    ・短期目標の達成を繰り返して疲弊するというのが図星、考えさせられた。しかし、仕事上そうした性質のものを担当することもあるし、性格的に短期で結果が出るものと腰を据えてじっくり取り込むのとの志向の違いもあるのではと思うが。
    ・いずれにしても、短期目標の類は子供の心の強さに依存することが多いということ、これが分かっただけでもとても良い成果。
    ・ムラ(=ムリ+ムダ)を最小限に。そのために、積極的に休むこと。頑張りすぎない。

    ◆引用
    ・長期戦を他たかる力=組織力+疲労のコントロール
    ・日本の社会:無理をしがち、周囲も称える。無理好きな人種
    ・ムリの表れ方:①体、②人間関係、③行動、④心
    ・ムリは3段階で進行:
     -第一:普通の過労段階
     -第二:別人化の始まり
     -第三:別人化
    ・ムリで戦線離脱したことをきっかけに、成長する人も多い。より柔軟で大きな価値観を身につけていく。
    ・ムリを貯めやすい人:
     -①子供の心の強さしかない(我慢する、あきらめない、全部やる、一人でやるなど、子供時代は周囲から賞賛されるもの、努力や忍耐で克服できる)⇔大人の心の強さ(自分を愛し、認め、上手に使いこなす能力、不平等・不公平、理不尽な世の中にあって努力しても報われないことが多い、それでもめげずに生きていかなければならない)
    ・短期目標型の行動パターンは子供の心の強さとの相性がいい。
     -②疲労の質:肉体的疲労ではなく、頭脳・感情労働による疲労。漠然としか自覚できない。知らない間にムリが深刻化する。24時間化、情報過多など背景
     -③比較によって評価する癖:周囲との比較、昔乗り越えたから、今回も大丈夫という発想、
     -④疲労による負担感の変化
    ・自信の低下、自責、自己嫌悪がムリを止められない最後の要因につながる。
    ・EEI(Essential Element of Information)敵がどのような活動をしているくるか分からないときに、相手の行動を読んで、もしそうならどんな変化が見えるかと予測しその変化に着目して情報収集すること。例)攻撃すると読んだら、この道路の交通量が増えるはず、直前に通信量が増えるなどチェックし、その文脈で情報処理する。
    ・頑張る自分を捨てる必要はない、ただ状況に応じては頑張らないという選択もできるようにする。
    ・無意識(=長期的な意欲、持続力をコントロールする)と意識(=やる気を振起、短期的なもの、瞬発力)の折り合いをつける=7~3でバランスさせる(完璧主義修正法ではなく、80点~100点を出してはいけない)
    ・しがみつき行為=厳しい状態に追い込まれると、それを忘れようと、ある行為をする。アルコール、タバコ、ギャンブル、ネット、などの依存。
    ・動と静(瞬間的な快感は少ないが、続けているうちにじわじわとその良さが分かる。森林浴、庭いじり、俳句、短歌、囲碁将棋、読書、音楽、映画鑑賞、プラモ作り、料理、日曜大工などの単純作業、何か作りだす作業など、心に栄養を与えるもの)の両方のストレス解消法を持つ。       
    ・生きるための3つの自信:①できるという自信(英語、逆上がり)、②自分の体や頭脳の機能に対する自信(失明、がん、アルツハイマー)、③周囲に受け入れらているという自信。
    ・ずる休みを極端に嫌う、これが日本人の精神構造。
    ・ポイントは、周囲に自分の苦境と、自助努力の意思を分かってもらうこと。
    ・今、自分はムリしているという自覚を持つこと。次に、①睡眠確保、②動的ストレスケアを控えること、を気をつける。
    ・感情疲労:感情によって疲労していくこと。感情の無駄は雪だるま式に増えていく
    ・対人不安、怒り、自信のなさ、自責は相互に関連し、雪だるま方式で無駄な感情が増幅しやすい。背景には、価値観の未熟さ。ー他人や世の中を変えられると思っている、自分は周囲から大切に扱われるべきものと思われている、努力すれば必ず報われると思っている、正義は必ず勝つと思っている、だが、現実は違う。本来なら、子供のころから様々な理不尽を経験しながら、人生を過ごすのにちょうどいい価値観を身につけるものだが、今の若者は、あまりに整いすぎた環境の中で適度な挫折を経験しないで育ってしまい、理想を修正するチャンスがない。
    ・怒り:冷静に損特収支を考えれば、よほどの状況でない限り、取るべき選択ではない。
    ・怒りのダメージコントロール:短時間にし、外に出さない。
    ①距離を取る(トイレに緊急避難)
    ②呼吸、背伸びをする(体の間合いを切る)
    ③怒りの必要性を分析する(この怒りは本当に必要か?)
    ④7つの視点による冷製な状況の見直し
    ー自分目線:何故怒ったか。何に傷つけられたのか?
    ー相手目線:何故相手はそういったのか?
    ー第三者目線:周囲の人はどう見たのか?
    ー時間目線:この問題は過去現在未来でどう関わるのか?
    ー宇宙目線:宇宙人から見たら、神様から見たらどう見えるか?
    ー感謝目線:今回の出来事に感謝できることはないか?
    ーユーモア目線:ユーモアに表現できることはないか?
    ⑤怒る前に、怒りのイメージトレーニングをする(どうしても発動しないといけないとき)
    ⑥理想的な怒り方をしているモデルを探す
    ⑦記憶の棚にしまう。
    ・感情のコントロール訓練は自信を育てる訓練
    ・現代人は慢性的なエネルギー不足に陥っている。原因は情報過多。
    ・勤務予定表=休息管理計画、という発想
    ・予備を持つという発想。
    ・ストレス:3カ月物(明確な短期的ショック、疲労、事故、災害等)、一年物(大小のライフイベントの組み合わせによる疲労、環境の変化)、10年物(加齢、病気、経験、文化・習慣、ホルモン変化)
    ・昨日の振り返り:良かったことx3、悪かったことx1、その改善策x1。
    ・ショックな出来事があると、感情が激しく動き、その為に精神的に疲労する。疲労した状態、第二・三段階では、集中力が欠けているため、新しいことをすると失敗しやすい。また、人目があるとプレッシャーがかかり、無理を重ねて、その後が不幸になりやすい。極力、新しいイベントを避ける。
    ・神よ、私たちに 変えられるものを変える勇気と、変えられないものを受け入れる冷静さと、その2つを見極める知恵を与えたまえ(神学者 ニーバー)
    ・ムリとムダの混在がムラ。ムラは何かをしよとすると必ず生起する。しかし、頑張るべき時と休むべき時の区別を付ければ最小限にすることは可能。その知恵を学ぶのが人生の課題。

  • 7:3の法則で考えればいいというのは、役に立つ。
    7割できればいいんだ。3割できなくてもいい。
    また、それは
    いいことを毎日3つ
    明日はこれを直そうと言うのを1つ
    それだけ毎日考えればいい
    メンタルの病気に悩むのなら、これは、わかりやすいかも

  • 本書では積極的に休むことを推奨しています。また3〜7割の出来で良いという考えは参考になります。

  • 陸上自衛隊のコンバットストレス教官(なる役職があるらしい)を務める著者によるメンタルヘルス本。紛争地域に派遣されたり、災害派遣で遺体の捜索・収容をしたりと、おそらく我々一般人の想像を絶するストレスに直面しているであろう自衛隊における、高度にシステム化されたメンタルヘルス対策を読めるだけでも価値がある。さらに、最前線での経験に基づくメンタルヘルスの実践技術を、一般の人にも実行可能な形で提示くれるのでありがたい。
    私個人としては、「1日の出来事のうち、7割は“良かった”、3割は“良くなかった”(ので要改善)」と天下り的に定義してしまう話がとても参考になった。いついかなる時でも「7割は良い」と決めつけてしまうのは、客観的にはとても乱暴だけど、主観的には心の安定にかなり貢献するのではないかと思える。これはさっそく取り入れることにしよう。

  • ムリとムダからくるムラを抑える。
    ムリを重ねて、ムダにおされて
    いつもの自分自身じゃなくなったときが危険信号。
    認識。自覚に備える初期症状をとらえることと、
    とにかくめちゃくちゃ休む必要性は感じた。
    過去に1ヶ月近く休んではじめてからだが回復したと実感した経験があるので納得度が高い。

    良書。

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著者プロフィール

【下園 壮太】(シモゾノ ソウタ)

メンタルレスキュー協会理事長、元陸上自衛隊心理教官。陸自初の心理幹部として多数のカウンセリングを経験。その後、自衛隊の衛生科隊員(医師、看護師、救急救命士等)やレンジャー隊員等に、メンタルヘルス、カウンセリング、コンバットストレス(惨事ストレス)対策を教育。本邦初の試みである「自殺・事故のアフターケアチーム」のメンバーとして、約300件以上の自殺や事故にかかわる。平成27年8月退職。現在はNPOメンタルレスキュー協会でクライシスカウンセリングを広めつつ、産業カウンセラー協会、県や市、企業、大学院などで、メンタルヘルス、カウンセリング、感情のケアプログラム(ストレスコントロール)などについての講演・講義・トレーニングを提供。著書50冊以上。

公式HP: http://www.yayoinokokoro.net/

「2023年 『ワーママが無理ゲーすぎてメンタルがやばいのでカウンセラーの先生に聞いてみた。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

下園壮太の作品

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