侵蝕 壊される家族の記録 (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 571
感想 : 55
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041043363

感想・レビュー・書評

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  • 【2024年87冊目】
    幼い息子を失い、魂を失ったような皆川家。真面目な長女、一歩置かれたような次女、ワガママな三女と家に寄り付かない父親に、錯乱する母親。そんなある日、母親が小さな男の子を保護したことで、家族の均衡は崩れ出す。互いに憎しみあい、罵詈雑言を口にする皆川家に寄り添う謎の女と男。家族はひとつにならなくちゃ――ね。

    さすが櫛木理宇さんでしたね、鬼怖い。表紙が怖かったので、覚悟はしてましたが、途中の描写は本当に勘弁してくれよと思うほどでした。依存症シリーズを拝読していたので「いや、からの〜?」って思いながら祈るように読んでましたが、想像していた+願っていた以上の展開でひっくり返りました。さすが、ただでは終わらない…!

    結構読んでて眉間に皺を寄せる内容ですが、ミステリー的な要素としても非常に良かったと思います。人間て、危ない存在になる可能性が、常に横にあるみたいな生き物なんだなぁと思ったのと、感情を描くのうますぎだろと思う感じでした。

  • 人間誰しも完璧でない。
    歪みを見つけては、そこに上手く入っていき、その人の望むことを与え、次第に自分の思い通りに動く操り人形へと変えていく。
    洗脳にかかるなんて意志が弱いなって思っていたが、それは決して人ごとではない、誰にでも起こり得ることなのが、なによりも怖いなと思った。

    情景を浮かべやすい描写が多く、あっという間に小説の世界観に引き込まれ、あっという間に読み終わってしまうような本でした。

  • 怖い
    壊れたヒトに壊されていく家庭
    壊れたヒトは壊れたヒトをつくる連鎖
    自分にも起こるかもしれない恐怖
    ヒトの壊れた怖さがゾクゾクする

  • 怖かった。読みながら「誰か早く助けて」とずっと思っていました。いつの間にか他人が自分たちの家をコントロールしていく、まさに侵蝕。実際にこのような事件が起きているので小説の中だけの話に留まらないことがとてつもなく不安で怖くなります。意外な展開もあり最後まで恐々としながら読みました。被害者も加害者、加害者も被害者、最後は切なかったです。

  • ずっと、どうして私はこんなにも嫌な話を読んでいるんだろうと思いながら読んでいました。これをただのフィクションとは笑えないような事件が世の中には実存します。単行本発行時のタイトルは『寄居虫(ヤドカリ)女』だったそうですが、文庫本タイトルのほうがより実存している感がある。

    マインドコントロールの恐ろしさ。なぜ侵蝕されてしまうのかが少しわかったように思いました。

    とはいうものの、映画で私がいちばん苦手なのが「老けメイク」。映画のみならず某テレビ番組を観ていても老けメイクにひっかかる人に「なんでやねん、わかるやろ!」とツッコミを入れたくなるため、この犯人にはドン引き。声にも年齢は表れる。違和感バリバリじゃなかったかと思うのです。

    犯人のことはさておき、マインドコントロールの行程にはちょっとメンタルやられそう。今もどんよりした気持ちです。

  • 知らず知らずのうちにシロアリに家が喰われていくように、家庭が壊れていく様を描いていてただ、怖かった。
    「死刑にいたる病」もそうだったけど、苦しんでいる描写が読んでていて苦しくなった。

    落ちは少し意外だった。
    1回読んだ後だと、また違う感じで読めそう。

  • こんなにも警察も学校も行政も親戚も頼れない事あるって思うくらい四面楚歌の状況の方が恐ろしい。なかなか重め。

  • おもしろかった。少し胸糞悪くなる内容だけど、読みやすいし止まらなくなる。終盤は特に勢いがあっておもしろかった。最後の終わり方もよかった。もう少し、その先を知りたくなるけど、、小説としてはあの終わり方が一番なんだろうな。

  • 面白い!

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著者プロフィール

1972年新潟県生まれ。2012年『ホーンテッド・キャンパス』で第19回日本ホラー小説大賞・読者賞を受賞。同年、「赤と白」で第25回小説すばる新人賞を受賞し、二冠を達成。著作には「ホーンテッド・キャンパス」シリーズ、『侵蝕 壊される家族の記録』、『瑕死物件 209号室のアオイ』(角川ホラー文庫)、『虎を追う』(光文社文庫)、『死刑にいたる病』(ハヤカワ文庫JA)、『鵜頭川村事件』(文春文庫)、『虜囚の犬』(KADOKAWA)、『灰いろの鴉 捜査一課強行犯係・鳥越恭一郎』(ハルキ文庫)など多数。

「2023年 『ホーンテッド・キャンパス 黒い影が揺れる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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