侵蝕 壊される家族の記録 (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 571
感想 : 55
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041043363

感想・レビュー・書評

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  • 普通の家庭に入り込み、居座り、支配して壊す……。北九州一家監禁殺人事件を彷彿とさせる恐ろしい内容。最悪の結末に至らず良かったが恐ろしい。
    ただ、葉月については中途半端に終わった感じで少し消化不良。

  • 実際にある事件で、占い師が家族を洗脳して住み込んでしまう様に、この小説でも化粧の濃い女がある家庭を破滅へ追い込みます。
    手口がリアルで、こんな風に洗脳されていくんだなって思った。

  • 家族が洗脳されていくのがじわじわ侵食されていく感じ。途中から気になって一気読みでした。女の正体には気づかなかったので驚きました。眠らせてもらえないのが一番の拷問なんだな。実際の事件でもそうだったんだろうか?

  • なかなか面白かった。ホラー文庫だけど、そんなにホラーではなく。
    ちょっと終わり方があっけなかったというか、剥がれていくところ、「葉月」の終わりをもっと書き込んで欲しかった。
    170626

  • ざわざわ・ぞわぞわとする感覚。
    最後の「哀しい」結末。
    侵蝕される感覚にゾクゾクします。

  • 心理描写ともに情景描写がとても緻密で、よって厭な感じがまとわりついてくる(褒めてます)。ホラー+ミステリ+イヤミスがとても絶妙な塩梅で折り重なった物語でした。筆者が女性だったとは、、さすが。文体の独特の寒々しさがとても素敵でした。

  • 文庫本を購入。父親の影が薄い女家庭をターゲットに家族と親しくなり、その家に居着いて支配してしまう厚塗り女と身知らず男児。徐々に洗脳されていく描写は人間の脆さが良く分かる。最後のネタバレは少し強引な感じもしたが、中盤の家族崩壊への様は見事。

  • 精神的にはバラバラとなっている一家の前に現れた子ども。そして彼の母を名乗る女性・葉月や葉月の弟が現れ、じわじわと一家を洗脳し、主導権を握っていくサイコホラー。

    次女の視点で語られる、日常の崩壊、他の家族の変容と精神崩壊の課程が妙に生々しく、この一家に救いが訪れないのかと手に汗を握ったり。
    最初異様なキャラという認識だった葉月の、一家の心の掌握の早さ、マインドコントロールの巧さには舌を巻く他ありません。

    このまま最悪の結末を迎えるかに思われましたが、終盤にどんでん返しが。
    明らかにされる葉月たちの正体に驚愕。葉月の願いや、次女宛に綴られた手紙に、ここまでの事態を引き起こして…という憤りと共にやるせなさが湧き上がり、複雑な気分に。

    読んでいて数年前に起こった事件が脳裏をよぎっていたのですが、物語のモチーフとなったのは別の事件、との事。フィクションでなく、似たような事件が実際に幾つか起こっているという事がより恐怖を感じました。人間のメンタルの弱さ、家族の絆の希薄化など改めて考えさせられる一作でした。

    図書館スタッフ(学園前):あんりみ0

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    帝塚山大学図書館OPAC
    https://lib.tezukayama-u.ac.jp/opac/volume/835219

  •  櫛木理宇の新刊出たんか、買わなきゃ(使命感)。
     で、ページ開いてみたら、これ「寄居虫女」の改題加筆じゃねーか!
     読み始めたら仕方がない。とりあえず完読。完読というか、再読。

     前回の感想読み返すと、その話の不気味さに読み応えがあると書いてあった。

     で、再読の今回。展開と内容を全部わかってるから、それほど楽しめなかった。

     本は買う前にあらすじぐらい目を通しといたほうがいいね。

  • やってきましたこの季節。
    夏の文庫フェス。
    本屋に行くのが更に楽しくなりますよねー。

    この本は帯に釣られて手に取ったのですが、まぁ進まない。
    読みにくいとか、そう言う理由ではなく、精神的に辛くなる。
    家族がバラバラになる様子が痛くて、逃げ場がない状況に追い込まれていく様がリアルで
    読み進めるのが苦痛でした。

    終わり方も、結局誰を悪者にしたら良いんだかと言う感じでモヤモヤ。
    いっその事あやふやなまま終わらせてくれれば、訳が分からずもっと怖いのになぁと。

    この手の『家族に入り込む』系でピカイチなのは雫井脩介の、火の粉だと私は思う。

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著者プロフィール

1972年新潟県生まれ。2012年『ホーンテッド・キャンパス』で第19回日本ホラー小説大賞・読者賞を受賞。同年、「赤と白」で第25回小説すばる新人賞を受賞し、二冠を達成。著作には「ホーンテッド・キャンパス」シリーズ、『侵蝕 壊される家族の記録』、『瑕死物件 209号室のアオイ』(角川ホラー文庫)、『虎を追う』(光文社文庫)、『死刑にいたる病』(ハヤカワ文庫JA)、『鵜頭川村事件』(文春文庫)、『虜囚の犬』(KADOKAWA)、『灰いろの鴉 捜査一課強行犯係・鳥越恭一郎』(ハルキ文庫)など多数。

「2023年 『ホーンテッド・キャンパス 黒い影が揺れる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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