女生徒 (角川文庫クラシックス た 1-2)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041099025

感想・レビュー・書評

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  • 難しい年頃の女たちの、日々のもんもんとした思いを描いた短編集。
    自分の気持ちとそっくりな彼女たちの内面に驚いてしまう。

    でも私はすきじゃない。ぐちぐちしていて退屈。

  • 私が読んだ本は、同じISBNだけど表紙が違った。
    鳥(?)の絵が描かれた箱と、左下に枝。

    表題作「女生徒」他、「皮膚と心」「待つ」「貨幣」「饗応夫人」がなんとなく印象深かった。
    女性視点の話し言葉だからか、短編だからか、全体的に読みやすくおもしろい。
    「待つ」は工藤直子さんの詩「ねがいごと」に通ずるものがあると思う。「あいたくて あいたくて あいたくて あいたくて ・・・」わたげを飛ばすという詩。

  • 表題の『女生徒』は太宰らしいナヨナヨした文体を堪能できる短編となっている。

  • 【引用メモ】

    ・いまに大人になってしまえば、私たちの苦しさ侘びしさは、可笑しなものだった、となんでもなく追憶できるようになるかも知れないのだけれど、けれども、その大人になりきるまでの、この長い厭な期間を、どうして暮していったらいいのだろう。誰も教えて呉れないのだ。

    ・ぽかんと花を眺めながら、人間も、本当によいところがある、と思った。花の美しさを見つけたのは、人間だし、花を愛するのも人間だもの。

  • 情緒に訴えかける作品が多かった。

    太宰といえば「文学」「絶望」「暗い」「取りあえず暗い」というイメージを抱きがち(?)だけど、それがガラリと変わる。
    表題の「女生徒」は「私」が平凡な一日をこれでもかというくらいに説明していく内容だが、朝に目を覚ますときの気分から、夜眠るときの気分まで、それがもう半端なくリアル。つかみどころがないというか、感性で語るあの年頃の女子の本質をよく捉えているというか。思考の混乱具合や、とりとめのないような文章が本当に女性的。

    「おさん」と「雪の夜の話」も良かった。「女生徒」とはまた違った年の女性が主人公の話でどちらもやっぱり女の書き方は跳び抜けている。

  • 何年かぶりに太宰読んだけど、太宰ってこんなに文章荒かったかしら?
    勢いという言い方もあるけど。

    とにかく感想
    女の子。年頃の女の子の気持ちが上手く書かれてるな、と思う。
    理論とか辻褄とかなくて、ただ思うがまま行動する。考える。
    好きだけど嫌い。
    欲しいけど要らない。
    知りたいけど知りたくない。
    見たいけど見たくない。
    聞きたいけど聞きたくない。
    愛したいけど愛せない。
    移り気。
    不安。
    正義感。
    皮肉。
    大人。
    背伸び。

    うーん、自分は今でもそうゆうとこあるなぁ。大人気ない。

  • 表題作がなんとも言えず好きです。
    思春期の少女の独白。最後の一文に、脱帽。

  • 太宰で唯一(というほど読み尽くしてるわけじゃないけど)迷いなく好きだと思える。短編集。

  • 070911(a 不明)
    090913(s 不明)

  • なんで、ここまで女性の気持ちに成り切れるのか…!!

著者プロフィール

1909年〈明治42年〉6月19日-1948年〈昭和23年〉6月13日)は、日本の小説家。本名は津島 修治。1930年東京大学仏文科に入学、中退。
自殺未遂や薬物中毒を繰り返しながらも、戦前から戦後にかけて作品を次々に発表した。主な作品に「走れメロス」「お伽草子」「人間失格」がある。没落した華族の女性を主人公にした「斜陽」はベストセラーとなる。典型的な自己破滅型の私小説作家であった。1948年6月13日に愛人であった山崎富栄と玉川上水で入水自殺。

「2022年 『太宰治大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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