女生徒 (角川文庫)

著者 :
制作 : くまおり 純 
  • KADOKAWA
4.16
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本棚登録 : 1737
レビュー : 139
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041099155

作品紹介・あらすじ

「幸福は一夜おくれて来る。幸福は、-」。女性読者から送られてきた日記をもとに、ある女の子の、多感で透明な心情を綴った表題作。名声を得ることで破局を迎えた画家夫婦の内面を、妻の告白を通して語る「きりぎりす」、情死した夫を引き取りに行く妻を描いた「おさん」など、太宰がもっとも得意とする女性の告白体小説の手法で書かれた秀作計14篇を収録。作家の折々の心情が色濃く投影された、女の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 太宰治、あるアニメのキャラクターで大変魅力的であったため、そのモデルとなった太宰治の作品を読んでみたくなって読んだ。正直わたしには合わなかった。それぞれの女性に全く魅力を感じなかったし、その時代ならではの女性の地位の低さ、人生の選択肢の少なさ、自らの謙遜と蔑みがしんどかった。確かに表題にされている、女生徒は良かった。多感な時期の苦しみは今振り返れば笑えたり、客観視できたりする。けれどその渦中にいる人は、苦しみ、悶え、周りからのもう少し大人になればとか、つかの間の苦しみとか、言われても意味がない。彼女(彼)は今が苦しいのだ。わたしも今振り返れば、なんてことはない、苦い思い出の一つだが、あの頃はとてもしんどかった。一歩間違えれば、今わたしが存在していないこともあり得るのだ。そういう危うさがあの頃にはあるのだ、と考えさせられたな。わたしも経験した分、今苦しい思いをしている青春時代を過ごしている彼女(彼)らに、あっという間に時は過ぎるよとか、振り返ればどうってことないんだよ、とか言ってしまいそうであったと思う。こんな風に気づけるあなたはすごい。

  • 太宰は『人間失格』選んだつもりが、女生徒だった。直前で変えたんだっけか?
    うん、まあこれも好きだけども。


    貴族の話し言葉には定評がない太宰治(by 志賀直哉)だけど、こういう女の子の素朴な独白はグッとくると思いました。

  • 女性が語り手の短編集。
    表題の女生徒をはじめ素晴らしい作品がたくさん。
    読み終わるのが勿体無いと思った。

  • 悲しいことを出来得るなら少しずつ少しずつ受け止めていきたい。そうしていかないと、いつか起こる大きな悲しみの渦に飲み込まれて溺れてしまう。幸福を感じ、それが過ぎ去った後の更なる幸福は、不幸せの背中を見つけようとしている。一筋の光も差し込まない暗闇にひとり、けれど胸の内で何か光るものがある。それがわたしの幸福だ。それを確かに見つめていた証をあなたの言葉に探してしまう、あなたが見たはずのその光。

  • 私小説としても面白かった。何より戦前から終戦直後の人々の生き方がどのようなものかがリアリティをもって伝わってきた。

    まさに名作。

  • 太宰、少女の心の描写が上手すぎて、笑った。

  • i文庫S

  • とても好き。一生本棚にいてほしい。

  • 全編女子学生の一人称で話が進む。思春期特有の、大人になり切れずに揺れる少女の心情をここまで見事に描けるのだからすごい。
    作中で主人公は「墨東奇譚」を読むが、「ところどころ作者の気取りが目について、それがなんだか、やっぱり古い、たよりなさを感じさせる」と結構辛辣。

  • 『おやすみなさい。私は、王子さまのいないシンデレラ姫。あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか? もう、ふたたびお目にかかりません。』

    太宰治の女子高生なりすましブログ。

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著者プロフィール

1909年6月、青森県生れ。学生時代から小説の創作を始める。東大仏文科入学を機に上京。在学中に非合法運動に従事するもやがて転向し、以降、本格的な執筆活動を開始する。1935年に「逆行」が第1回芥川賞の次席となり、翌年、第一創作集『晩年』を刊行。1939年に結婚し、「富嶽百景」や「女生徒」、「走れメロス」などを発表。戦後には『斜陽』がベストセラーとなり、流行作家となる。「人間失格」を発表した1948年の6月に、玉川上水で入水自殺。織田作之助、坂口安吾らと共に「新戯作派」「無頼派」と呼ばれた。

「2019年 『太宰治 女性小説セレクション 誰も知らぬ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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