バイオレント・サタデー (角川文庫 赤 549-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042549017

感想・レビュー・書評

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  • ニュース・ディレクターのジョン・タナーは、CIAエージェントから驚くべき事実を打ち明けられた。
    彼の住む高級住宅地、サドル・バレーにソ連のスパイ組織、”オメガ”のアジトがあるというのだ。しかもその週末にタナー家に集まる友人たちの中に、組織の一員が含まれている……
    タナー一家を囮に、CIAの組織壊滅作戦がスタートした。疑惑と混乱、そして凄まじい暴力の嵐の末に”オメガ”の正体があばかれたとき浮かび上がる意外な真相とは?


    R.ラドラム氏が他界されてから10年以上になるのですね…
    そして氏の2作目の作品でもあり、1972年の作品。
    すでにこんなに巧妙に伏線を張り巡らし、途中で読者を混乱させて、意外すぎるけど納得のいく結末はさすが巨匠です。
    もう新作を読むことはできないので、尊敬する巨匠の作品を今後も読み続けていきます。

  • ラドラム畢生の傑作「暗殺者」を読み終えた時の感動は忘れられない。綿密に練り上げた謀略を主軸に、記憶を失った男のアイデンティティを巡るストーリーは、娯楽小説の到達点ともいうべき作品だった。当然の事、大きな反響を呼んで80年代に多くの作品が翻訳されたが、ついに「暗殺者」を超える評価を得たものはなかった。ラドラムが得意とするジャンルは、世界的な陰謀を背景とする巻き込まれ型スリラーだが、プロットに偏り過ぎて、人間が描けていないという欠点がある。「暗殺者」は、その類型から脱した希有な作品で、主人公ボーンの造型に秀れ、活劇にも無駄がない。

    1972発表の「バイオレント・サタデー」はラドラム初期の作品で、冷戦下に暗躍したスパイを巡る話だが、洗練されていないことは仕方ないとしても、展開がぎこちなく、サスペンスが持続しない。CIA工作員が米国内部に潜伏した東側スパイを炙り出す作戦をメインとするが、対象者を罠に掛ける準備段階から実行までがまだるっこしい。容疑の掛かられた夫婦を何組か登場させているのだが、誰一人として印象に残らないのは、習作の域をまだ出ていないからだろう。

  • 秩父郡皆野町イチワタ書店で購入したようである。

  • 3組の友人夫婦たち。誰がオメガか。
    自らをおとりとして協力せざるをせざるを得なくなってしまったタナー。
    疑心暗鬼。迫る危機。守りたい家族。
    謎解きしながらじわじわ盛り上がってゆく展開。
    観てないけれど、確かに映画に向いているかもしれない。
    むなしいようなラストも良かった。
    楽しめた。

  • ある意味、フォーサイスの「オデッサ・ファイル」に通じるものがある。

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