恋をしよう。夢をみよう。旅にでよう。 (角川文庫 か 39-7)

著者 :
  • 角川グループパブリッシング
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043726073

作品紹介・あらすじ

「褒め男」にくらっときたことありますか?褒め方に下心がなく、さらっと、しかし自分は特別だと錯覚させるくらい上手に褒める。褒められてキャラが変わった女は数知れず。ついに遭遇した褒め男の言葉に私は…。彼と別れた後、一人分の鰆を買った時のぞっとするようなさみしさ、手とか指や初デートに表れる男の本質-。恋愛や人生のヒント満載!著者と、ゆるゆると語り合っているうちに元気になれる、傑作エッセイ集。

感想・レビュー・書評

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  • 角田さんが語りかけてくる感じ。
    ちょっと隣り合って「私はこうなんだけど、あなたはどう?」って聴かれたみたいに読める本。

    タイトルと表紙に惹かれて手に取ってたら、中身もそのまま魅力的だった。
    この問いかけ一つ一つに答えるとしたら、自分はどんな回答をするだろうか。

    角田さんの基準というか感性というか、一つ一つが興味深い。気軽に話してるんだけど、考えさせられもする。

  • 角田さんのエッセイ大好き!
    何回も何回も言うけど、お友達になりたい。。!

  • 「人の会話って、ほんと、馬鹿みたいだよなあ。馬鹿みたいで、意味もなくって、くだらなくて、大切なことはいつも伝わらなくて、けど、なんてあたたかいんだろう。」
    .
    「場所というのは思いと結びついて、意味を持つ。かなしい思いも浮かれた思いも場所は吸いこむ。吸い込んで、そこにあり続ける。」

    心安らぐエッセイ。クスッとしたり、わかる!!と思ったり。角田光代さんの人となりを感じられて、思わず頬を緩めながら読んだ。

  • 角田光代さんのエッセイ集。なかなか友達と飲み会をしたり、お喋りで盛り上がったりできないコロナ禍の今、そんな時間を擬似体験できたようで楽しかった。高校の同級生との飲み会や仲の良い友達との女子会などでのお喋りって、ほんとたわいもない事や、後で思い出してもほとんど意味のないバカ話だったりするけど、そういうのってとっても大切な時間だったりするんですよね。一日も早く、みんなで集まって、そんなバカ話で盛り上がれるような日が戻って来るといいなぁ。

  • 凄く良かった。
    肩の力を抜いて読めて角田さんと実際に飲み屋でお話してるみたいなエッセイだけれど、
    その中にも角田さんの考え方が私にはすごくかっこいいなと思った。かっこつけてないところがかっこいい!
    投げかけられる問い掛けの数々に対して、よくある「宝くじが当たったら?」って言われて一生懸命悩む子供のように、頭を捻らせ考える自分がいました。
    特に恋愛模様の渦中にいた?議論では、激しく角田さんに同感。私も恋愛話に疎い方で、後々からそういう話を知る事が多々あります。
    最後の章の「最近、心がふるえたことは?」がとても心に響きました。
    248〜249にかけての文章がとても良かったので、抜粋はしません。「自分の足で歩いてそうしたものに出合えると、本当にうれしい。」

  • おもしろかった!
    webに2週間に一回掲載していたエッセイをまとめた本らしい

    いろんな質問を投げかけてきたりしてくれる内容が多くて自分はどうだろう?とか考えながら読んだ
    例えば、角田さんは恋愛運とかはないけどタクシー運、旅行に行った時に出会う旅行者運はいい!
    あなたは何運に自信がある?みたいな

    あとは以前カレーのルーが足りなくなった経験からカレーとルーをかき混ぜて食べるようになったとかスカートが捲れ上がってパンツ丸見えになってる女性を見かけてからトイレから出たあと執拗に捲れてないか確認するようになったとかのプチトラウマの話からあなたもありますか?とか

    こういうはなしってダラダラと誰かと無限に時間がある時にしかできないんだよねえ
    だからこの本を読んでるとそういう友達とか家族とかとどうでもいいような論争をしたような充実感があった

    あと角田光代の作品は母と娘の確執とか毒親系の話が多いから母との関係はあまり良くないのかも?と思ってたけど母のいた病院に通ってて辛かった話とかがところどころにあってそんなことはないんだと思った

  • 今読んでいますが、短いエッセイ集なのでとても読みやすいし、読んでいて落ち着きます。寝る前にちょっと気分を落ち着けて眠りたい、そんなときにオススメかもしれません。

  • あとがきにもあったが、20代から40代の女性は忙しい
    友達と馬鹿話してゆっくり飲むなんて時間なかなか取れない

    激しく共感

    20代に毎日のように友達と話しして、飲みに行って、くだらない話しをして、お茶をして、買い物して

    本当に貴重な時間だったんだと思う

    だからといって、今が不幸なわけではない
    でも、この本を読んでわかる!って思ったり、私だったら、、と考えたり

    会話してるような気持ちになれる本でした!

  • 暫定1位で好きな本。こんなにも共感しかないエッセイは初めてだった、自分のお守りにしたい。

  • これだから角田光代のファンはやめられない

  • それぞれの終わりにある問いかけが良かった。

  • 今までで読んだエッセイの中で3本の指に入るくらい好み

    • kenken_booksさん
      「恋するように旅をして」を読みましたがとても面白かったので、こちらも読んでみます。
      小説「八月の蝉」とのギャップが気持ちよかったです。
      「恋するように旅をして」を読みましたがとても面白かったので、こちらも読んでみます。
      小説「八月の蝉」とのギャップが気持ちよかったです。
      2022/04/13
    • よおこさん
      「恋するように…」もエッセイですか?
      この「恋をしよう…」はかなり女性向けな感じでした。ちょうどこれを書かれた頃の角田さんと歳が近いこともあ...
      「恋するように…」もエッセイですか?
      この「恋をしよう…」はかなり女性向けな感じでした。ちょうどこれを書かれた頃の角田さんと歳が近いこともあり共感する部分が多かったです。
      2022/04/13
    • kenken_booksさん
      こちらも旅のエッセイです。
      旅行中のドタバタがコミカルに書かれています。
      おすすめです
      こちらも旅のエッセイです。
      旅行中のドタバタがコミカルに書かれています。
      おすすめです
      2022/04/13
  • 「おじょうさん、利口ぶってるやつほど馬鹿なやつはいないよ、馬鹿みたいに見える人しか信用しちゃだめよ」

  • Kindle Unlimitedから。

    プチトラウマはありますか?男のどこにぐっとくる?美貌、才能、健康どれを選ぶ?などなど、親しい友人と話しているような感覚のエッセイだった。
    親友と会いたくなる。

    「人が何かを語っているとき、それがどんなに真実っぽく聞こえたとしても、それはデータでしかない、ということだ。それがその人の経験なのだし、世界観なのだ。何気なく言った言葉で、自分のデータの質と量がばれてしまうことになる。たっぷり質・量のあるデータならまだしも、偏った数少ないデータで意見していたとしたら、とても恥ずかしい。」(あなたの真理はなんですか?)

    この部分は常々考えているけど、わたしはどうしても『偏った数少ないデータ』でしか語れない。だってそれしか経験してないわけだし。
    ただ、それが偏ったものだと認識しているか、が大切だと思っている。

    2022-12

  • 角田さんの考え方が面白くて好き、小説家だし賢く上手〜く生きて私とは全然違う思考してるんやろなと思ってたけど似てる部分も合ってなんか嬉しくなった、見ててくすくす笑えた、テキトーに生きてた良い意味で!私も楽しくのんびり生きる

  • まだ30代なりたての頃。
    若かりし日の角田さんのエッセイ。
    日常があまりにリアルで、全く気取ってなくて風変わりでくだらないものばかり。

    なのに、これがものすごく心地よくて
    ありのままの生活や丸出し感に脱力感。

    心理テストや占い、女子会に二日酔い、引越し…
    人生って色々ないようであって、だからこそおもしろい。

  • いろいろ納得ーと思えることがあってとっても面白かった。
    この人の考える視点がとっても好き。

  • ☑︎住んでいる部屋話と恋人話は比例する
    ☑︎宗教ってのはこの世のシステムを理解しようという姿勢だ。自分の力の及ばない、すべての理不尽を納得したいという希求だ。
    ☑︎最初のデートでの印象は、その後の相手の本質を象徴している
    ☑︎"顔か中身か"なんて議論は、裸んぼうで暮らしてはじめて提起できる議題である
    ☑︎フネはやさしくて、聡明で、何ごとも肯定して受け入れる。そして私がもっともすばらしいと思うのは、無関心具合なのである。

  • 年を重ねることの面白さみたいなもの

    きっと10年経っても、わたしはわたしが思っているほど、生きるのが上手になってない。
    それでも、ひとつひとつ重ねていくうちに、今は感じられない面白さ、楽しさ、苦さまで、感じられるようになるんじゃないかな。

    それが少し楽しみだ。

  • あなたが今この感想文を読んでいることのように流れていく日常の場面が、昔の記憶を丁寧に呼び覚ます。あぁ、だからこの人はこんなに平凡でこんなに豊かなんだなと思わせられるエッセー。

  • 等身大の日々の流れ
    今日のごはん代より五年後のごはん代を見据える仕事を私もしていきたいと思う

  • 『しあわせのねだん』がとても好きだったので、角田さんのエッセイを手に取った。 後書きに、お酒を飲みながら、お茶を飲みながら楽しんでいただけたら、と書いてあるように、とてもリラックスして読める。ほっこり癒された。

  • エッセイが好きで、角田光代のものもこれで3冊目なんだけど、他の作家のものと読み比べてみると彼女には澱みがないのが印象的だった。

    女性作家のエッセイはともすれば内面を書き出すうちに過去のドロドロや「〜すべきだと思う」みたいなものが多くなってくるが、角田光代にはそういうものを感じない。
    人間らしいし、いわゆるさばさば女とは違うし湿度がないわけでもないのに、自分の中の嫌な感情や思い出も「そういうこともあるよね」と割り切っている。
    そういうところが読みやすいしとっつきやすい。
    深い悩みを相談しても、深刻になり過ぎずに「そうなんだー」と軽く聞き流してくれそうな、でも突き放すわけでもない感じがすごく友達になりたくなる。

    本書では外国で高山に登ることになったときの彼女の心の内が「こんなはずじゃなかった、おうちに帰りたい(中略)だいたい私はいつだって読みが甘いのだ……と、さまざまなネガティヴ思考が頭のなかを怒濤のように駆けめぐる。(中略)泣いてもどうにもならないから、泣かずにただひたすら歩き続けたけれど」などと書かれていて私と同じだ!と嬉しくなったりもした。
    もっとも角田光代はありえないほどの仕事の量をこなし賞を取り、プライベートでも歯を食いしばっていたりと、私とはまるで違うのだけど。
    それでも「私もそうだ!」と思わせてくれる、友達の友達にいそうなのが角田光代なのだ。
    この本を読んで、更に彼女のことを知りたくなった。

  • 角田さんの、風変わりで面白い人柄が溢れ出るようなエッセイ。

    ちと友人としては付き合いづらいところもある気がするが、深く付き合うとそのスルメのような味わいが感じられるような、そういう人なんだろうなぁと楽しく読んだ。けっこう時間かかったけれど。

    さて、やはり人生は「恋をして、夢をみて、旅をしないとな」ということを改めて思った。

    とりあえず今年は旅に出るぞ。それも何度もだ。

  • 女子会してる気分になれる。
    恋愛の話とか楽しい。

  • 良くも悪くも、林真理子」のエッセンスを感じるエッセイだ。猫のエッセイを読んだときはそんなことを感じなかったけれど、2003年頃はこんな文章だったのだろうか?

    プリミティブ(原始的)/即物的(な男性の好み)/紀行文/向田邦子『家族熱』(ひとり分の鰆を買う、別れた後に人は初めからひとりだったことを思い出す)/理想の女性:磯野フネ:無関心(関心を持つふりはしているが、実際のところさほど心を砕いていない。それは愛とより近しく信頼と言い換えても良い。)/小倉千加子『結婚の条件』朝日新聞社/怒髪天がくる/下等遊民/コマネズミ/アミノバイタル乾杯いきいき/あなたならどうしますがゲーム/矢も盾も(たまらず)なんとかしたいという気持ちを抑えられない/ 「最初のデートでの印象は、その後の相手の本質を象徴している」/ 『ベルベッド・ゴールドマイン』主人公デビットボウイ(そうは描かれていない)「人生でもっとも重要なのはイメージだ」/『エコノミカル・パレス』/

    〜女はそんなことでぐっとときめいたりしているんだから、かわいいもんだとつくづく思う。

    【抜粋】来年/今年の抱負は決まりましたか?
     ほら、昔ピアノを習わされたでしょう?ふつうにレッスンに行く子と、仮病使いまくって休み続けたあげく、やめていく子がいるでしょう。〜おねえさんの飄々とした話しぶりを聞いていたら、私にもできるような気がしてきた。これ、『スラムダンク』読んでバスケできるような気分になるのと同じ心理ですね。

    かつてかっこいいと思った大人になっていますか?
     私の好きな作家の大半はそうなのだが、この方も、書いているものと本人にまったくぶれがない。彼女の小説が持つ誠実さ、独特のユーモアと清潔さ、何ものにも脅かされないであろう気品が、ちょっとした話の端端からひしひしと伝わってくる。
    〜「あのう、子どもがいると楽しいですか」なんて馬鹿みたいな質問までした。
     この質問に対する彼女の答えは忘れられない。「楽しいっていえば楽しいけれどそれだけでもないわよね。でも人間って楽しいことばかりしているわけじゃあないものね」と、彼女は言った。
     〜私はもう二十代じゃないんだなと、そのとき改めて思ったのだ。かつての私は、好きなことしかしたくないと傲慢に言い放ち、実際いやなことは慎重に避けて、かっこいいと思うことばかり拾い集め、得意げになって遊び暮らしていた。二十代にとってそれは可能であるし、特権でもある。

    見た目の占める割合は?
     春と秋というのは、暑くもなく寒くもなく、もしくは暑かったり寒かったりで、何を着たらいいんだかわからないうえ、夏や冬より圧倒的に手持ち服が少なく、気温のせいで新しい服を買うに買えない状況のときが多い。「よっしゃ」期<とてもよくわかる>

    最終兵器はなんですか?
     もし二日酔いというものがこの世になかったら……と、睡魔と闘いながら私はよく考える。きっと世界は滅びるだろう。どこもかしこも酔っぱらいだらけで、アル中が続出し、馬鹿馬鹿しい事件が相次ぎ、本当にくだらないことがきっかけで私たち人類は滅亡するだろう。<シリアスな妄想が好き!>

    二十代の私がそのとき一生懸命望んだもの、欲した物によって、今の私のイメージはできあがっているのだろうな。
    〜もしくは、これから十年先の新イメージ作りに、ブランド品で身をかためてみる。

  • 角田さんの小説読んでみたい、ギャップありそう

  • 旅に出たくなりました。

  • たのしい!ほんとだ!角田さんとお話ししてるみたいな気持ちになる!


  • 共感できる部分が多かったり
    飲み会を開いて貰っているような気分で
    テンポ良く読み進められるエッセイ。

    個人的に印象に残っているのは
    「アミノバイタル乾杯いきいき」。笑
    調べたら2006年2月に生産終了してしまったとか。

    このエッセイももう15〜17年前のものになり
    時代のギャップは感じるけれども
    角田光代さんの軽口な文章を楽しめた。

    次回はエッセイではなく、ぜひ小説も読みたい。

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著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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