デフレの正体 経済は「人口の波」で動く (角川新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047102330

感想・レビュー・書評

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  • [購入] デフレの構造と人口移動による影響に言及した本書。あとがきに筆者が記しているとおり、「意見」よりも統計などのデータに基づく「事実」をもとに提言を組み立てようという努力が伝わる。

    ただ中後半部分がやや冗長な印象で、読破に時間がかかる。

  • 高齢少子化による内需の縮小。
    内需拡大策として、団塊の世代退職の代替として女性の就労促進。観光立国としての外国人受入。高齢富裕層の所得を若者へ移転(生前贈与)

  • デフレについて知りたくて読書。

    読みやすい書き方で専門書ぽさを感じさせない。

    本書発売から4年近く経ち日本経済は大きな変化を見せた。

    第二次安倍政権では、本書で疑問視されている調整インフレ的な政策が進められて円安、株高へ誘導されている。来日外国人観光客数も1000万人を達成した。しかし、本書の幹である少子化、生産年齢人口の減少を食い止める政策は進んでいないように思われる。

    女性の就業割合が高い地域の方が出生率が高い。
    生産年齢人口が98年以降も減少していない沖縄はそれほど景気が悪くなっていない。
    を統計から読み解いていくのは目からうろこ。

    今後、日本が向かうべきトレンドは、フランスやスイスのような国家のブランド化。暮らしの質の向上。国際的な地位が低下しても大きな問題ないという。

    デフレの正体は日本の人口の波によるものであり、構造的な問題という主張は理解できた。現在、打てる具体的な政策はなんだろうかと考えた。

    女性の就業促進ために待機児童ゼロ。
    母子家庭支援の見直し。
    生活保護の厳格化。
    若年層へ給料を振り分けるために派遣や契約社員を減らす。
    定年引き上げ。

    読書時間:約50分

  • 生産年齢人口が経済に直接影響を与えていることを解いた内容。実態統計に基づいた議論だが、単純なだけに今まで光が当てられてこなかったことが不思議でもある。前年比の成長率といったものが意味のないものに思えてくる。

    ・07〜08年の日本の貿易収支は、中国+香港、韓国、台湾に対して黒字。合計の黒字額は対アメリカの黒字額を上回る。
    ・G8の中で対日貿易が黒字なのは、高級ブランド品のあるフランスとイタリアだけ。
    ・個人所得の合計額は税務署から、小売販売額の全数調査は経済産業省から得られる。
    ・2000〜05年の現役世代の人口減少が多かったのは、大阪、北海道、埼玉、兵庫、千葉の順。増えているのは、沖縄(1930年代後半生まれの戦死者が多い)、滋賀(工場が集中)、東京のみ。首都圏や愛知県で高齢者の増加が特に多いのは、高度成長期に1930年代後半生まれの労働者が流れ込んだため。
    ・団塊ジュニアのピークは1973年生まれ。1980年代後半は団塊ジュニアが15歳を超え始めて生産年齢人口が増え始め、団塊世代が40歳前後になって住宅購入が増えたため、経済も繁栄し、住宅バブルを招いた。
    ・1993〜97年に団塊ジュニアが就職時期を迎えたため「就職氷河期」となったが、90年代前半には就業者数は246万人増えていた。
    ・2010〜15年には団塊世代が65歳を超え、5年間で生産年齢人口が450万人減少する。
    ※2013年4月より、男性は老齢厚生年金の支給開始年齢が61歳に引き上げられた。
    ・団塊ジュニアが75歳以上になる40〜50年後には、生産年齢人口は現在の6割になる。
    ・すでに、農林水産業や高齢者福祉の現場では人手不足になっており、流通関係もそうなりつつある。

  • 2010年にすっごく流行ったんですよ、この本。

  • アベノミクスは有効か

  • 人口の波がデフレの原因

  • 2013/8/31

  • ・「売り場の面積効率」は知らなかった。
    最初はデータに基づいて書かれているけど、後半はなんか言い訳っぽいのと、ぜんぜんデータに基づいてないので、なんだかな。

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著者プロフィール

1964年、山口県生まれ。㈱日本総合研究所調査部主席研究員。1988年東京大学法学部卒、同年日本開発銀行 (現、㈱日本政策投資銀行)入行。米国コロンビア大学ビジネススクール留学、日本経済研究所出向などを経ながら、2000年頃より地域振興の各分野で精力的に研究・著作・講演を行う。2012年度より現職。政府関係の公職多数。主な著書に『実測!ニッポンの地域力』(日本経済新聞出版社)、『デフレの正体』(角川oneテーマ21)。

「2012年 『藻谷浩介さん、経済成長がなければ僕たちは幸せになれないのでしょうか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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