ココロコネクト ミチランダム (ファミ通文庫)

著者 :
  • エンターブレイン
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本棚登録 : 774
感想 : 61
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047270305

作品紹介・あらすじ

「太一とは、付き合えません」太一は正式に伊織に告白し-玉砕した。異常な現象が起こっていても関係ないと、決死の覚悟で臨んだ想いは儚く散り、その上、重い足を引きずり向かった部室でフられた事をメンバーに知られてしまう。部内は騒然となり、稲葉は動揺を隠せない。伊織が場を取りなそうとしたその瞬間、彼女の心と感情が響き渡り…。そして、その日を境に永瀬伊織は変わってしまった-。愛と青春の五角形コメディ、岐路と選択の第4巻。

感想・レビュー・書評

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  • ランダムに感情が伝わってしまう感情伝導のお話。

    今回は今までと書き方が違っていて読みやすくなってます。
    主に4人の視点でお話が進んでいき、たまに伊織の独白が入っていくような感じです。
    アニメよりも本のほうが面白かったです。やっぱり文章のほうが細部まで伝わりやすいなーと。
    伊織の悩みは誰しも考えるようなことだし、その点でけっこう共感できました。

    最後にデレばんなるものが出てきたり、稲葉の「好きにして」って台詞を挟んでくる所とか本筋とは外れてるけどいい味出してました(笑)。

    これで一通り各人を焦点に当てたお話はし終わったので、次からどういう展開にもっていくのか。次のステージも気になるし、作者の展開力に期待してます。

  • ちょっとにやにやしちゃった。

    最後いい感じで終わってよかった。

    ドキドキする所もあって、これまでの中で

    一番好き。

  • アニメから。

    今度の現象は『感情伝導』。
    それをきっかけに壊れていく永瀬伊織。
    これまでの非日常を経て「慣れ」てしまっている文研部の中、永瀬は限界を迎えていた。

    出来る出来ないの二元論は、案外陥りやすい。
    けれど、それでも理屈や理論、常識を抜きにして永瀬が「自由」に前へと歩みだす物語。
    当然それだけでは人間生きていけないけれど、「それ」に気づくか気づかないかで、選択肢は変わってくると思う。

    なんとも青く苦い、青春だよな。


    デレばん可愛いよデレばん。

  • 伊織が考えてたようなことって自分もすげぇー考えてたな…。

    本当にそれが過去形になっているのかは怪しいけど。

    今までで一番面白いというか、心に残ることが多かった気がする。早く映像みたいなー。

  • こんなん電車の中とか授業中に読んだらダメだわ
    にやにやが止まらん
    端からみたら完全に変な人になってた
    めっさきゅんきゅんしたわ~

    終盤の大立回りは、もう少しやりようがあったんじゃなかろうか
    ありがちすぎてちょと萎え

  • 3巻の引き的に実に予想通りだった結末に関しては文句ないんだが、ただそこまでがなあ…。

    いやワンパターンってのもあるんだけど個人的にはクライマックスの活劇もどきは要らなかったなと。

    ただまあ稲葉ん描写的には文句なし、なかでもさりげに「好きにして」が入ってるところがもうね。

  • シリーズ4作目

    『人格入れ替わり』、『欲望開放』、『時間退行』ときて今回の現象は『感情伝導』というものだった。

    5人それぞれの視点で書かれていたのは今までになかったので新鮮だった。
    自分を見失ったりもするけどそれぞれが現象に立ち向かう姿はすごい。

    シリーズを通して人としてのあり方を考えさせられる。

    『欲望開放』と『感情伝導』が同時に起こったら最強じゃないかとふと思った。

  • 吹き荒れる嫉妬とバイオレンスの嵐。今季アニメから枠1の4。
    ここまで組み上げてきたパズルのピースを崩すようなお話。ダーク伊織についてひたすら考察・突貫する文研メンバーという構成。青臭い青春ロジックはことごとく否定される分、結末の理屈が弱い気もするが個人的にはちょうどいい落ち着きどころだと思う。唯と稲葉の行動が男どもの原理に感化されてるのが見どころ。

  • 本当は各巻ごとに感想書きたかったけど、それをやると時間が到底足りないので、山場を迎えるこの巻について。そう、確かに山場だと思う。「ハルヒ」で言えば「消失」に相当する巻ということ。内容は違えど、これまでの物語を支えて来た要素を根幹から揺るがしかねない危機、という意味でも似通っている。
    そしてその危機を超えて、主人公たちは初めとは少しだけその立ち位置を変えて、新たなスタートラインに立つ、というところでこの巻が終わるが、もうここで完結でもいいんじゃねぇか、という気すらしてくる。まぁそれを言うならーそれこそ「ハルヒ」もそうだがー1巻目単品でも綺麗に終われる感じではあるが(^_^;)
    誰もが感じたことのあるような悩み、自意識をめぐる問題を、超常現象という道具立てで増幅し、ドラマティックに描き出す、と話の構成としてはシンプルだが、この作風はエラく胸にグサリと来るものがある。時に傷付き、傷付けたりしながらも、前に進む為に踏み出す、というテーマはシリーズを通して流れ続けており、一種の人間讃歌と捉えればいいのかもしれないのだが。そうした「前進」から目を背け、趣味に埋没している自分にNoを突きつけられているかのような気がしてしまい、毎巻読み終わると己の存在意義を疑いかねない精神状態になるのがキツいところ(苦笑)。そう思ってしまうくらいこのシリーズは自分を惹き付けてやまない。自分は余程こういう青春に憧れがあるのか(笑)。ついついキャラたちに過度なまでに感情移入してしまいながら読んでいる。

  • ココロコネクトシリーズ、現時点での最新刊まで追いつきました。
    今回は凄く良かった!
    伊織たん、可愛すぎます。
    てか、かなり彼女心理で読んでました。
    無意識とはいえ「伊織がおかしい」とか「伊織ちゃんらしくない」とか、
    あああああそれがダメなんだよと思いながらで(^_^;)

    逆に、伊織たんが自分モノサシで自分を計るようになったのは、
    やっぱり家庭環境のせいでしょう。
    可愛がってもらって家庭の雰囲気をよくしないと、て
    感じて、それこそ「無意識に」やってたんだと思う。

    でもそれこそ「どうしたら」にも明確な答えはないわけで、
    それは疲れるでしょう。
    でも、ちょっと考えれば、「最低の自分」も「演じて」るんでないの?と
    後半、彼女自身も気が付いたのでは。
    なので、おそらく、今後の彼女って意外と変わってないんで
    ないかしら。

    恋愛模様は、一見一つの決着を迎えたように見えるけど、
    「文学少女」の「慟哭の巡礼者」の頃の展開と似てるのが
    気になるぞ…
    まだ太一君と伊織たんも「恋してた」てほどの道を歩んでないので、
    まだひと波乱ある気がします。
    今度は今までと逆転した三角関係になるのでは。

    次回は短編集だそうですが、凄い楽しみ。

  • 自分をさらけ出すの下手よね。
    ぶっちゃけられない上に、100か0かの発想。
    そりゃ辛かろう。
    でもまあ、私も似たようなものかもしれない。
    周りから見てたら何してんのとなっちゃう。
    お母さんともそうだったものね…。親譲りか。

  • こんなに感情移入した恋愛描写ははじめて。
    もはや稲葉んの感情だかわたしの感情だかわからないくらい、境目が溶けてしまうくらい、没入する。酩酊する。
    稲葉ん!稲葉ん!

    今回は伊織の爆発した痛切な叫びにもとても胸を衝かれたし
    (ひとが真剣に悩んでいるのに前振りでいちゃつくのはやめて頂きたい。伊織の為だと理解はするけど、稲葉んに他意は絶対にないとわかるけど、結果的に特殊なプレイに巻き込まれたいたたまれなさである爆発しろ!)、
    伊織の為にやらかした自己犠牲野郎太一が格好良くてめちゃすごいと心底思えて嬉しかったけれど、
    やっぱりダントツで稲葉んである。
    取り繕わずに弱さを打ち明ける稲葉んと内心受け止め切れない太一(前巻)とか、伊織の為にクラスで動かなかった稲葉んの利己的な方の理由(今巻)とか、たまに気持ちが軋むけれど、それさえも何だか本物感になってしまいそう。
    そもそも稲葉んという人物造形が一巻から常に素晴らしすぎる。
    恋愛においては一生懸命さ健気さがどうにも変化球として表れちゃってるの本当いとおしい。

    このシリーズを今まで知らなかったことが悔やまれるし、だからこそ未読の続きがまだ沢山あることがこの上なく嬉しい。
    あっという間に読破するだろうけれど!
    物凄いはまりっぷりである。
    幸せだなあ。

  • 1年が終わり一区切りの巻だった。
    全体を通して思うが、キャラに魅力があるものの、キャラへのキャラ付けが弱い。
    言葉で説明するのではなく、背景や行動で説明してほしい。

  • シリーズ4巻。本巻は鮮烈・激烈なインパクトを残す。元来、いつ壊れてもおかしくなかった伊織の黒い感情が、本巻でついに大爆発。人は誰も弱く醜い心を持つが、それを大切な友・恋人に知られた時の恥辱感や情けなさは想像するに余りある。本巻は、感情が他人に伝導するギミックで、これを抉り出す。決して幸福とはいえない幼少期・少女期を送った伊織にとってはかなり酷なシチュエーションであったろうが、友の力を借りながら、弱さや情けなさを認めつつ、徐々に折り合いをつけて克服する過程が、多様な心象表現を駆使し、丁寧に描写される秀作。
    表紙絵が何気に5人の関係性を物語るが、なんとも痛い。しかし、ほんの少しだが、自分の立ち位置を見つけた伊織に幸あれと願わずにはいられない。

  • 思ったことがアトランダムに伝わる感情伝達。
    隠している想いも、嫌な感情も。
    今回は永瀬が壊れる感じになったが、それを乗り越えていくところがいい!
    誰にでもあるどす黒い感情が相手に知られる。
    でも友達は受け入れる。
    現実は根性むきだしなんて、とてもじゃないけど、受け入れられない。
    なんだかとてもうらやましい。
    そして、なんといっても今回はデレバンがいいっすよねー。

  • ココロコネクト第4弾。やっぱ面白いなぁ。
    今回の『現象』は『感情伝導』です!
    表紙からして伊織に何かあるんではないかと思っていましたが伊織の崩壊が今回のテーマでした。

    ストーリー構成がいままでとほとんど変わらないので読んでいて流れが読めてくるし、ちょっと単調な気もしてきますが、挫折や苦悩を繰り返してきた彼らがいままで頑張ってきたことっていうのが今回で成長したって実感できたと思います。
    次巻からなにか新しいことが起こるやもしれません。次が速く読みたいです!!!
    あと、徐々に稲葉んがかわいくなっていて・・・ъ(゚Д゚)グッジョブ!!
    もうね・・・そういう意味でも次巻が楽しみで仕方ないです。

  • シリーズ本編第4弾。

    ヴァレンタインの直前、伊織に想いを告白した太一ですが、伊織の返事は「太一とは、付き合えません」というものでした。

    ちょうどその頃、「ふうせんかずら」による新たな異変が文研部のメンバーたちの身に起きており、そのことが伊織の心を壊していきます。今度の異変は、心の中の感情が、他のメンバーに届けられてしまうというものです。太一たちは、伊織の心の中の言葉が、普段の彼女のキャラクターと違うことに戸惑い、そのことを知った伊織は、周囲の人たちに対して心を閉ざすようになります。

    そんな中、文研部顧問の後藤龍善が、文研部の顧問からジャズバンド部に移るという話が持ち上がり、文研部とジャズバンド部は部活発表会で後藤を賭けた勝負をおこなうことになります。

    後半のクライマックスで、伊織をはじめメンバーたちが心情をぶちまけることになるのですが、ちょっと理が勝ちすぎているように感じました。結論が「理屈じゃない」ということなので、余計にそこまでのプロセスが迂遠に感じてしまうのかもしれません。

  • すらすらって読んだ。
    がんばれーって応援したくなる(*´∀`)

  • 978-4-04-727030-5 319P 2011・4・4 3刷

  • これ、キツいよ。
    思った事、筒抜けでランダムに相手に伝わっちゃうんだもん。

    時はバレンタイン。
    この状況で、太一は伊織に再度告白し、玉砕。
    伊織は太一をフり、姫子は太一に想いを寄せている事が皆にバレバレで。
    伊織の完全異変はどうした事か?
    伊織はそのせいでクラスメイトといざこざを起こしてしまう。

    ってネタバレだけど、ここまでの章って、伊織が殆ど主人公じゃない?
    ぶっちゃけ伊織の自分探し。

    時は流れてゆく。
    バレンタインが過ぎ、テストを終え、文化部の発表のために伊織抜きの悪戦苦闘。
    相手の声が聞こえる中で、last一週間前になって発表のための作品がバラバラに。
    その犯人達を姫子が偶然通りかかった時に耳にして掴み掛かる。
    が、所詮女子高生。
    そこで痛手を受けなかったのが今回の『感情伝導』でペンタゴンに伝わる。
    男子達に頼んだのは伊織を逆恨みしたクラスメイト。
    勿論そこにもクラスメイトは居た。
    伊織は立ちすくむ。
    どうしたら良いのか?と。
    以前姫子に『テメエの人生だろうが、勝手に好きなように生きとけっ』の言葉に触発。
    唯のお陰で男子達は倒れ込む。
    そして、起き上がった男子に姫子、殴られるのを覚悟。
    それを受けたのは太一だった。

    学校の保健室で休む太一。
    ゆらゆらと伊織と伝導しながら会話を続け、別れた。
    そして、側に居た姫子。
    『居ないなんてあり得ない、好きだ、大好きだ』との洪水の伝導。
    太一は、姫子と付き合う事になった。

    一方伊織を逆恨みしたクラスメイト 薫 はイメチェンして伊織と友達に。
    伊織だから解る薫の気持ち。

    サイドストーリーとしては部活の先生を取り合うというカタチがあるんだけど、殆どなーんにも役に立ってません。

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著者プロフィール

第11回えんため大賞特別賞『ココロコネクト』でデビュー。シリーズ11冊で120万部を突破。2シリーズ目『アオイハルノスベテ』全5巻、『今日が最後の人類だとしても』続刊中がある。

「2017年 『今日が最後の人類だとしても2 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

庵田定夏の作品

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