高丘親王航海記 IV (ビームコミックス)

  • KADOKAWA
4.13
  • (5)
  • (7)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 98
感想 : 9
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・マンガ (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047368132

作品紹介・あらすじ

美しくも不吉なる真珠を携え、
死に魅入られた旅路を行く親王とその一行。
妖しき船の出現に、親王の喉に宿痾として宿った珠。
そして、パタリヤ・パタタ姫との神秘的な再会--。
夢に現に魅了された幽玄なる天竺への旅は、終りへと向かう。

澁澤龍彦の遺作にして日本幻想文学史上屈指の傑作へ挑み、
絶賛を呼ぶコミカライズ、万感の最終巻。

●近藤ようこ ビームコミックス好評既刊●
『蟇の血』(原作:田中貢太郎)『死者の書』上・下巻(原作:折口信夫)『五色の舟』(原作:津原泰水)
『帰る場所』『水の蛇』『月影の御母』『美しの首』『猫の草子』『説経 小栗判官』『宝の嫁』『女神たちと』(共著:河井克夫他)

●コミックビーム 公式ツイッター●
@COMIC_BEAM

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 近藤ようこさん「高丘親王航海記」インタビュー 澁澤龍彦作品の“明るさ”に惹かれて|好書好日
    https://book.asahi.com/article/13739523

    「高丘親王航海記 IV」 近藤 ようこ[ビームコミックス] - KADOKAWA
    https://www.kadokawa.co.jp/product/322106000713/

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      『高丘親王航海記 1~4』原作・澁澤龍彦、漫画・近藤ようこ(KADOKAWA)各880円 : 書評 : 本よみうり堂 : エンタメ・文化 :...
      『高丘親王航海記 1~4』原作・澁澤龍彦、漫画・近藤ようこ(KADOKAWA)各880円 : 書評 : 本よみうり堂 : エンタメ・文化 : ニュース : 読売新聞オンライン
      https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20220131-OYT8T50108/
      2022/02/04
  • 澁澤の真髄は「少女コレクション序説」だと思うので、遺作を持ち上げる勢に与したくないと思っていた。
    が、この漫画を読んでしまったら、屈せざるを得ない。
    喉に死の真珠。
    そうれ、天竺までとんでゆけ。
    壮年が思い出す、少年期の追憶の、反響、反響、反響、反響で今の壮年期は成っている。
    郷愁が現実認識の土台になるとき、人の認識は一段死に近くなる。
    その遊離具合が本作のステキさ。
    と漫画を読んで気づいた。

    帯取っ払って、カバーをはがして広げてみたら、親王、薬子、少年、飲まんとする真珠、そうれ天竺まで飛んでゆけ、蓮の花、虎、脚、図像的な雲、山。
    ピンクに浸されたシンプルなカバーなのに、精選された情報で満たされていて、これは描いた人も装丁した人も素晴らしいと思った。

  • この漫画は、原作を離れての評価は難しいと思うが、生死、時間、精神と肉体、空想と現実が一体となる感じが素晴らしい。本当の高岡親王という人はどんな人だったのだろうかと考えさせられる。

  • こちらも最終巻。

    パタリヤ・パタタ姫の不思議な死生観。
    少しずつ衰弱してゆく親王の死生観。

    文章では、この夢と現の物語を
    自分で消化しきれなかったと思うので
    映像化してくれて良かったです。

  • 澁澤龍彦の原作小説のコミック化第4巻にして完結編。天竺に至ることは出来なかったが、自分の人生に満足して逝ったミコの姿にしみじみした。

  • 真珠(III、IV)頻伽(I〜V)、完結巻。
    ベンガル湾の魔の海域での自死への誘惑やあやかしとのたたかい、そして流れ着いたスマトラ島でのパタリヤ・パパタ姫(いまはスリウィジャヤの王妃)との思いがけない再会から天竺をめざす旅の終着まで。

    呑み込んだ真珠が喉につかえて声が出にくくなって食欲も衰えて少しずつ弱っていき夢と現がどんどんぼんやりしてきて思い出にひたる時間が長くなっていくあたりになんともいえないリアリティを感じてしまう(これは父を見送る半年の経験を経たいま読んでいるからだろう)。姫と思い出の中の薬子が重なり、導かれるように安らかに死出の旅にでる親王の姿をみるのはかなしくもおそろしくもなくむしろああよかったなあと思えた。

    天竺に行き着いたも同然と思えた安展と円覚はこのあとどうするのだろう。秋丸/春丸はいったいなにものだったのだろう…あれこれ考えながら、また最初から読み返したり、澁澤龍彦の小説の方を読み直したい。

    巻末には近藤ようこのあとがき。

  • これにて完結。
    この巻が出たタイミングで再び1巻から通して読んでみたが文句ない傑作。
    2021年度に刊行された漫画のベストであることは揺るがないだろう。
    坂口安吾のコミカライズでも感じたが、読んだ印象が原作小説を読んだそれと変わらない。それ自体が驚異的なことだが、にも関わらず誰がどう読んでも近藤ようこの作品である。近藤ようこ以外、誰にも描きえない作品として成立させていることが信じられない。

  • それほどでもなかった。

  • 海上での妖しい出来事。その最中真珠を飲み込み喉に張り付いてしまった親王。シュリーヴィジャヤに流された一行はパタヤ姫と再会し、命数を見定めた親王がもはや天竺へは行けぬと語ると、餓虎投身の故事にならいて、いまのシンガポールで虎に食べてもらえば虎が天竺まで運んでくれるとすすめられ。逍遥と死の道へつく親王の航海記ここに完結。現実と幻想の双方をたゆたうような心地。原作も読み返したくなった。

全9件中 1 - 9件を表示

著者プロフィール

1957年新潟市生まれ。漫画家。国学院大学文学部卒。大学在学中にデビュー。「見晴らしガ丘にて」で第15回日本漫画家協会賞優秀賞を受賞。折ロ民俗学や中世文学への造詣が深く、安吾や漱石作品の漫画化にも取り組む。作品は「水鏡綺譚」「説経小栗判官」「ルームメイツ」「恋スル古事記」「戦争と一人の女」「死者の書」「夢十夜」ほか多数。第18回文化庁メディア芸術祭大賞受賞。

「2021年 『兄帰る 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

近藤ようこの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×